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FXや株式投資などを行うのであれば必ず知っておくべき言葉の一つに「ボラティリティ」というものがあります。
今回はボラティリティについて詳しく解説していきます。
ボラティリティとは?
ボラティリティとは相場の価格変動の度合いのことです。
例えばこちらのチャートで説明すると、青い枠内は価格変動の幅が非常に小さい(101円~103円幅で変動)ですが、このように価格変動の幅が小さい状態が「ボラティリティが小さい」ということになります。
これに対して赤い枠内は価格変動の幅が大きい(103円~110円幅で変動)ですが、この状態が「ボラティリティが大きい」ということになります。
また、ボラティリティのことを略して「ボラ」などと言うこともあります。
よく「ボラが大きい」なんて言ったりしますが、これは「価格の変動幅が大きい」という意味になります。
正確に言うと、ここで解説しているボラティリティは「ヒストリカル・ボラティリティ」のことを指します。
ヒストリカル・ボラティリティとは「過去のデータ」から標準偏差を導き出したものです。
一般的に「ボラティリティ」と言うとこちらのヒストリカル・ボラティリティのことを指します。
もう一つは「インプライド・ボラティリティ」というものがあります。
インプライド・ボラティリティは市場で取引されているオプション価格から標準偏差を導き出すものです。
やや複雑ですが、ここではヒストリカル・ボラティリティを理解して頂ければOKです。
ボラティリティがトレーダーに与える影響
このボラティリティですが、直接的にトレーダーに与える影響としてはボラティリティの大小がリスクとリターンの度合いに直結するということになります。
例えば上記のようにあるものを100円で保有していたとして、その100円で保有していたものを売ろうとしたとします。
そうなった時に100円だったものが0円~200円幅で相場価格が変動(ボラティリティ大)すると、最大で+100円の儲けか、-100円の損失になる可能性があります。
これに対して100円だったものが90円~110円幅で相場価格が変動(ボラティリティ小)すると、最大で+10円の儲けか、-10円の損失になる可能性があります。
つまり、ボラティリティが大きければ大きいほど投資としてのリスクとリターンも大きくなり、小さければ小さいほど投資としてのリスクとリターンは小さくなるということがわかると思います。
その為、過去のボラティリティのデータは投資対象のリスクをある程度判断する基準にも使われます。
FXで言えば通貨ペアごとにボラティリティは異なりますので、そういった意味でもどの通貨ペアに投資をしていくかというのは非常に重要な選択となります。
相場においてはボラティリティの大きさがリスクとリターンの大きさに直結してくるということを覚えておきましょう。
ボラティリティが拡大縮小する理由
ボラティリティの大きさがリスクとリターンに直結するというお話でしたが、そもそもなぜボラティリティは大きくなったり小さくなったりするのでしょうか?
様々な理由がありますが主な理由としては以下の2つがあります。
1.流動性によるもの
流動性とは資産を通貨に変えられる可能性の度合いのことです。その市場がどれだけ賑わっているかを示す度合いのようなものです。
詳しくは『FXトレーダーが知っておくべき流動性リスクの危険性』をご覧ください。
流動性が高ければ高いほど市場において売買が成立しやすく価格変動も起こりやすくなり、ボラティリティも大きくなる傾向があります。
当然ですが価格変動が起こるということはそれだけ「売買が活発に行われている」ということでもあるからです。
極端な例ですが、仮に売買が全くされない状態だと当然価格は常にそのままで値動きは一切ありませんよね。
つまり、その状態はボラティリティが全くない状態です。
相場の価格が動くというのは、あらゆる価格で売買が成立することで初めて起こります。
ボラティリティの大きさは「相場でどれだけ活発に売買されているのか?」という要素によって大きく変わってくるのです。
2.世間の評価値によるもの
また、世間の評価値によっても相場の価格変動は起こります。
わかりやすく言えば、オークションで定価20万円の最新の人気パソコンが10万円で出品されていたら多くの入札が入って結局は「10万円→20万円」と値段が吊り上がりますよね。
これは「そのパソコンには20万円の価値がある」と世間が評価しているからこそこのように価格が変動します。
つまり、世間の評価値として「この通貨は割安だ」とか「この通貨は割高だ」などと判断されることで多くの買い注文、もしくは売り注文が入ることになり、それが価格変動を引き起こすのです。
実態と世間の評価値が乖離しているほどボラティリティは大きくなります。
為替市場では通貨の世間的な評価が定まっていない状況であるからこそ、価格変動を繰り返し、ボラティリティが大きくなるのです。
これがファンダメンタルズの根本的な考え方とも言え、価格変動をするのは通貨の価値を評価する投資家心理が大きく影響してるのです。
ボラティリティの大きい通貨ペアランキング
ボラティリティの大きさがリスクとリターンに繋がってくるというお話をしましたが、FXの場合は通貨ペアごとにボラティリティが変わってきます。
そこで、ボラティリティの大きい順に通貨ペアをランキングしていきますので通貨ペア選びの参考にしてみてください。
以下のランキングは2017年の年間合計ボラティリティを集計したものです。
順位 | 通貨ペア | 年間ボラティリティ合計 | 1日平均 |
1 | 英ポンド/豪ドル | 1185507.7pips | 4559.6pips |
2 | 英ポンド/円 | 1124142.8pips | 4323.6pips |
3 | ユーロ/NZドル | 1102379.7pips | 4239.9pips |
4 | ユーロ/豪ドル | 909588.2pips | 3498.4pips |
5 | ユーロ/円 | 809997.4pips | 3115.3pips |
6 | 英ポンド/スイス | 788713.9pips | 3033.5pips |
7 | 英ポンド/米ドル | 706102.2pips | 2715.7pips |
8 | 米ドル/円 | 700386.1pips | 2693.7pips |
9 | スイス/円 | 699871.6pips | 2691.8pips |
10 | 豪ドル/円 | 628458.9pips | 2417.1pips |
11 | 米ドル/カナダドル | 601990.9pips | 2315.3pips |
12 | カナダ/円 | 601811.6pips | 2314.6pips |
13 | NZドル/円 | 577758.7pips | 2222.1pips |
14 | 豪ドル/NZドル | 569397.2pips | 2189.9pips |
15 | ユーロ/米ドル | 566427.4pips | 2178.5pips |
16 | 豪ドル/スイス | 496086.7pips | 1908.0pips |
17 | ユーロ/英ポンド | 494291.0pips | 1901.1pips |
18 | 米ドル/スイス | 489635.4pips | 1883.2pips |
19 | NZドル/米ドル | 444656.2pips | 1710.2pips |
20 | 豪ドル/米ドル | 439597.1pips | 1690.7pips |
英ポンド/豪ドルが全通貨ペアの中でも最もボラティリティが大きい通貨ペアということになります。
このランキングから、基本的には英ポンドはボラティリティが大きくなりやすい通貨と言えると思います。
よく「ポンドは荒いから気をつけろ」などと言われることがありますが、その理由はこれだけ他の通貨ペアに比べてボラティリティが大きいからです。
ランキング上位の通貨ペアほどリスクとリターンが大きくなりやすい通貨ペアと言えます。
ボラティリティが大きくなる時間帯
通貨ペアごとにボラティリティが異なるだけでなく、同じ通貨ペアでも時間帯ごとにボラティリティは異なります。
1日の中でも特にボラティリティが大きくなりやすい時間帯というのがあるのです。
こういったことが理解できていればボラティリティの大きくなりやすい時間帯は「リスクを抑えたトレードをしよう」とか、逆に「大きく動くチャンスを狙ってトレードをしよう」などと戦略を立てることができます。
基本的にはボラティリティが大きくなりやすいのは市場が活発に取引されている時です。
市場参加者も多く、取引が活発に行われるということはそれだけ価格が動く可能性も高いわけです。
つまり取引高が多く、流動性が高い時間帯こそがボラティリティも大きくなりやすいと言えます。
取引高が多く流動性が高い時間帯
為替市場は世界中にあるわけですが、特にロンドン市場とニューヨーク市場での取引高が非常に多く、この二つの市場が開いている時間帯にボラティリティも大きくなりやすいです。
それぞれ開いている時間帯はロンドン市場が「17時~2時」、ニューヨーク市場が「22時~6時」となっていて、この二つの市場が同時に開いている「22時~2時」は特に取引高が多く流動性が高くなる時間帯です。
この時間帯は一般的にボラティリティも大きくなりやすいと言われています。
取引高が少なく流動性が低い時間帯も注意
一般的には上記のように取引高が多く流動性が高い時間帯に価格が動くことが多いのですが、その逆の取引高が少なく流動性が低い時間帯も注意が必要です。
流動性が低い時というのは逆に言うと「ちょっとしたことで価格が大きく動いてしまう」という可能性も高いのです。
市場参加者があまりいない状態で、大口の注文が入ると一気に大暴落が起きたりすることもあります。
実際相場が一気に動くフラッシュクラッシュなどは流動性の低い時に起こることがほとんどです。
ですので、流動性が低い時間帯に関しても一気に価格が動いてボラティリティが大きくなる可能性があるので注意は必要です。
ボラティリティを調べる方法
ボラティリティは計算によって導き出すこともできますが、わざわざ自分で計算しなくてもボラティリティを算出してくれているサイトがいくつかあります。
ボラティリティを確認できるサイトをいくつかご紹介致します。
ボラティリティを確認したい時はこういったサイトを活用すると、計算の手間がはぶけるのでおすすめです。