通貨ペアとは?通貨ペアの基本情報まとめ

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FXでは2つの国の通貨のトレードを行っていくので、必ず「通貨ペア」という言葉を理解しておく必要があります。

まずは「通貨ペア」の基本的なことや、知っておくべき情報をまとめましたので是非参考にしてみて下さい。

通貨ペアとは?

通貨ペアとは?

通貨ペアとは「異なる2つの国の通貨を組み合わせたもの」を意味します。

「ペア」というのは2つで一揃いになることを意味しますので、要するに通貨ペアというのは2つの通貨を組み合わせて一揃いにするという意味になります。

例えば、アメリカのドルと日本の円を交換売買する場合は一般的に「ドル/円」などと表示され、ドルと円が通貨ペアということになります。

ドル円

よく「1ドル100円で買う」などと言いますよね。これはドル/円の通貨ペアの売買をしているということです。

同じようにユーロと円の通貨ペアであれば「ユーロ/円」などと表示されます。

ユーロ円

他にも「ポンド/円」「ユーロ/ドル」など、通貨ペアの組み合わせ方は取引できる通貨の数だけ存在することになります。

また、通常通貨ペアは「/(スラッシュ)」で区切って表示されます。「ドル/円」みたいな感じですね。

このような2つの国の通貨の組み合わせのことを通貨ペアと言います。

「ドル/円を買う」とは?

よく「ドル/円を買う」とか言うことがありますよね。

これは正確に言うと「ドルを買って円を売る」ということになります。

反対に「ドル/円を売る」という場合は「ドルを売って円を買う」ということになります。

つまり「ドル/円を買う」という際の「買う」という言葉は通貨ペアの左側に表示されている通貨に適用され、右側に表示されている通貨はその反対売買が自動的に行われることになります。

「ユーロ/円を買う」だったら「ユーロを買って円を売る」ということになります。

なぜ持っていない通貨を売れるの?

「ドル/円を売る」ということは「ドルを売って円を買う」ということだとお話しましたが、

「いや、そもそも売る為のドルを持ってないんけど?」

などと疑問に思う方もいるかもしれません。

なぜこのような取引ができるのかというと、FXは「証拠金取引」であるため、簡単に言うと売買による差額分のみでやり取りをするので、実際に通貨を持っていなくても取引が可能なのです。

要するに取引はデータ上のやり取りだから実際に通貨を持っていないくてもできるわけです。

通貨ペアの表示ルール

通貨ペアの表示ルール

通貨ペアは「ドル/円」のように表示されるというお話をしましたが、この表示の仕方にも実はルールがあります。

スラッシュの左側に表示される通貨が主軸通貨となり、右側に表示される通貨が決済通貨となります。

基本的には通貨の格付けが高い方が主軸通貨となります。

その為、ドルと円では常にドルが主軸通貨となり、「円/ドル」と逆に表記されることはありません。

主軸通貨になりやすい通貨

世界的に見てイギリス連邦に加盟している国、地域の通貨は格付けが高く主軸通貨となることが多いです。

ですので、例えば英ポンドと米ドルではポンドが主軸通貨となり、「英ポンド/米ドル」と表記されます。

「なんでこの通貨が主軸通貨なの?」と思う通貨ペアもあるかもしれませんが、その場合はイギリス連邦に加盟している国であることが多いです。

例えば、南アフリカランドと円では「南アフリカランド/円」と表記されます。

「円よりも南アフリカランドの方が通貨の格付けが高いの?」と思われるかもしれませんが、この場合は南アフリカ共和国はイギリス連邦の加盟国なので、主軸通貨として扱われているわけです。

実際の通貨の格付け評価では日本円の方がランドよりも上です。

FXの通貨ペアの並びを見るとどちらが主軸通貨なのかもわかるので、そういったところに注目してみるのも面白いと思います。

通貨ペアの英語表記と日本語表記を知っておこう

通貨ペアの英語表記と日本語表記を知っておこう

通貨ペアは「ドル/円」のように日本語で表記されることが多いですが、「USD/JPY」のように通貨コードと呼ばれる英語で表記される場合もあります。

FX会社によっては最初から通貨コード表記のところもあったりしますので、なんとなくでも通貨コード表記も理解しておきましょう。

基本的には「United States Dollar」を略して「USD」としたり、「JAPAN YEN」を略して「JPY」としたりしていますので、頭文字の意味がわかればぱっと見でも何となく理解できると思います。

日本語表記 通貨コード
JPY
米ドル USD
ユーロ EUR
英ポンド GBP
豪ドル AUD
カナダドル CAD
スイスフラン CHF
ニュージーランドドル NZD
トルコリラ TRY

「メジャー通貨」と「マイナー通貨」

「メジャー通貨」と「マイナー通貨」

通貨ペアの種類は取引できる通貨の組み合わせの数だけ存在します。

そんな中で通貨は大きく分けて市場参加者が多く取引量の多い「メジャー通貨」と、市場参加者が比較的少なく取引量の少ない「マイナー通貨」の2種類に分けることができます。

ちなみに、メジャー通貨は「メジャーカレンシー」や「主要通貨」、マイナー通貨は「マイナーカレンシー」等と呼ばれることもあります。

メジャー通貨 マイナー通貨
  • 米ドル
  • ユーロ
  • 日本円
  • 英ポンド
  • スイスフラン
  • 豪ドル
  • カナダドル

左の通貨以外の通貨

  • 南アフリカランド
  • トルコリラ
  • ブラジルレアル
  • メキシコペソ
  • 人民元
  • 香港ドル
  • シンガポールドル

など

主に上記表の左側にあるのがメジャー通貨です。人気の通貨なので取引量も多いです。

通貨ペアの組み合わせは多様ですので、メジャー通貨同士の通貨ペア、メジャー通貨とマイナー通貨での通貨ペア、マイナー通貨同士での通貨ペアなど色々とあります。

メジャー通貨同士での通貨ペアほど取引量は多く流動性は高く、反対にマイナー通貨ペア同士での通貨ペアほど取引量は少なく流動性は低くなります。

流動性リスクについて更に詳しく知りたい方は『FXトレーダーが知っておくべき流動性リスクの危険性』も参考にしてみて下さい。

メジャー通貨の特徴

メジャー通貨は人気の通貨なので市場参加者も取引量も多く、それだけ流動性リスクが低い通貨と言えます。

流動性リスクが低いとスプレッドが開きにくくなるのも大きな特徴です。

ドル円のスプレッド例
ドル円のスプレッド例

スプレッドはFX会社によって異なりますのであくまで一例ですが、上記の例ではドル/円のスプレッドは0.3銭などと非常に狭いです。

これはそれだけ取引量が多く流動性リスクが低いからこれだけのスプレッドの狭さが実現できるのです。

また、メジャー通貨はそれだけ通貨としての信頼も高く、カントリーリスクも比較的低い為、ファンダメンタルズの部分でのリスクヘッジにもなります。

マイナー通貨の特徴

マイナー通貨は世界的にみるとそこまで人気がある通貨ではないので、市場参加者も取引量もそれほど多くありません。

その為、それだけ流動性リスクは高くなります。

流動性リスクが高いとスプレッドも開きやすくなります。

マイナー通貨のスプレッド例
マイナー通貨ペアのスプレッド例

こちらもFX会社によって異なるのであくまで一例ですが、トルコリラなどのマイナー通貨が絡んでくるとスプレッドは1.9銭と比較的高くなっているのがわかると思います。

ドル/円のスプレッド例では0.3銭でしたので、スプレッドの開き方の違いがわかると思います。

また、マイナー通貨は新興国であることも多いので、カントリーリスクも高くなりやすい傾向にあります。それだけファンダメンタルズの部分でのリスクも高くなりやすいと言えます。

ストレート通貨とクロス通貨

ストレート通貨とクロス通貨

FXでは「ストレート通貨」や「クロス通貨」と呼ばれる通貨ペアがあります。

ストレート通貨とは?

ストレート通貨というのは簡単に説明すると米ドルと取引をする通貨ペアのことです。

例えば、「米ドル/円」「ユーロ/米ドル」「豪ドル/米ドル」などは全てストレート通貨となります。

なので「ドルストレート」などと呼ばれることもあります。

基本的には米ドルが国際通貨の中心であり「基軸通貨」と呼ばれていて、米ドルを中心に取引が行われます。

ストレート通貨の取引例

このように米ドルとの取引時はストレートに(回り道をせずに)直接取引ができる為、ストレート通貨と呼ばれているわけです。

クロス通貨とは?

クロス通貨というのは米ドルが含まれない通貨ペアのことです。

「ユーロ/円」「ユーロ/英ポンド」「英ポンド/円」などがそうですね。

クロス通貨の特徴として、クロス通貨取引のほとんどは一度米ドルを仲介して取引をすることになります。

例えば、豪ドル/円の取引をする場合は以下のようになります。

クロス通貨の取引例
豪ドル/円を買う場合

豪ドル/円を取引する場合、豪ドルと円を直接取引していると思いがちですが、実は一度米ドルを仲介して取引をしているのです。

一度円で米ドルを買い、そしてその米ドルを売って豪ドルを買うというように、ストレートではなく回り道をして取引をする為、クロス通貨と呼ばれます。

円を絡めたクロス通貨のことを「クロス円」などと呼ぶこともあります。

通貨ペアの様々なランキング

通貨ペアの様々なランキング

様々なランキングから取引する通貨ペア選びの参考にしてみましょう。

取引量ランキング

国際決済銀行が発表している2016年の外国為替市場全体の取引高ランキングは以下の通りです。

通貨ペア 取引量 シェア
1 ユーロ/米ドル 1,173 23.05%
2 米ドル/円 902 17.72%
3 英ポンド/米ドル 470 9.24%
4 豪ドル/米ドル 2665.24%
5 米ドル/カナダドル 2184.29%
6 米ドル/人民元 1923.78%
7 米ドル/スイスフラン 1803.54%
8 ユーロ/英ポンド 1001.96%
9 ユーロ/円 791.56%
10 豪ドル/円 310.62%
11 カナダドル/円 70.13%
12 NZドル/円 50.10%
13 トルコリラ/円 30.07%
14 南アフリカランド/円 30.06%
その他の通貨ペア145728.64%
合計5,088100%

※単位は10憶米ドル

ユーロ/米ドルと米ドル/円の取引高がかなり多いのがわかりますね。

ボラティリティランキング

ボラティリティ(値動きの変動幅)も通貨ペア選びには重要な要素です。

ランキングが上位の通貨ペアほど「よく動く」ということです。

今回は2017年の年間ボラティリティの合計を集計してみました。ランキングは以下の通りです。

順位通貨ペア年間ボラティリティ合計1日平均
1英ポンド/豪ドル 1185507.7pips 4559.6pips
2英ポンド/円 1124142.8pips 4323.6pips
3ユーロ/NZドル 1102379.7pips 4239.9pips
4ユーロ/豪ドル  909588.2pips 3498.4pips
5ユーロ/円 809997.4pips 3115.3pips
6英ポンド/スイス 788713.9pips 3033.5pips
7英ポンド/米ドル 706102.2pips 2715.7pips
8米ドル/円 700386.1pips 2693.7pips
9スイス/円 699871.6pips 2691.8pips
10豪ドル/円 628458.9pips 2417.1pips
11米ドル/カナダドル 601990.9pips 2315.3pips
12カナダ/円 601811.6pips 2314.6pips
13NZドル/円 577758.7pips 2222.1pips
14豪ドル/NZドル 569397.2pips 2189.9pips
15ユーロ/米ドル 566427.4pips 2178.5pips
16豪ドル/スイス 496086.7pips 1908.0pips
17ユーロ/英ポンド  494291.0pips 1901.1pips
18米ドル/スイス 489635.4pips 1883.2pips
19NZドル/米ドル 444656.2pips 1710.2pips
20豪ドル/米ドル 439597.1pips 1690.7pips

スワップポイントランキング

スワップポイントは日々変動するのと、FX会社によって異なりますので、あくまで目安となります。

以下は一例としてSBI FXTRADEの週間スワップポイントランキングです。

順位通貨ペア買/売1日平均スワップ
1トルコリラ/円 112.71
2米ドル/スイスフラン 90.71
3ユーロ/米ドル 90.00
4ユーロ/NZドル 77.43
5ユーロ/豪ドル 73.29
6米ドル/円 72.57
7英ポンド/米ドル 58.86
8英ポンド/スイスフラン 56.71
9豪ドル/スイスフラン 52.43
10英ポンド/豪ドル 39.57

※1日平均スワップの値は1万通貨あたりの金額です

スワップポイントについて詳しく知りたい方は『初心者が知っておくべきスワップポイントに関する全情報まとめ』も参考にしてみて下さい。

スプレッドランキング

スプレッドに関してもFX会社ごとに異なりますのであくまで目安となります。

以下は一例としてSBI FXTRADEの基準スプレッド(固定制)を目安にしたランキングです。

順位通貨ペアスプレッド
1米ドル/円 0.29
2ユーロ/円 0.49
3ユーロ/米ドル 0.58
4豪ドル/円 0.69
5英ポンド/円 0.99
6南アフリカランド/円 0.99
7NZドル/円 1.19
8カナダドル/円 1.69
9ユーロ/英ポンド 1.70
10スイスフラン/円 1.79
11豪ドル/米ドル 1.79
12英ポンド/米ドル 1.89
13香港ドル/円 1.90

基本的には日本国内のFX会社では円を絡めた通貨ペアのスプレッドは狭くなりやすいです。

スプレッドについて更に詳しく知りたい方は『スプレッドとは?初心者が知っておくべき全情報まとめ』も参考にしてみて下さい。

主要通貨ペアの特徴比較

主要通貨ペアの特徴比較

米ドル/円の特徴

米ドル/円は何と言っても取引量ランキングで全通貨ペアの中でも2位と非常に人気の高い通貨ペアです。

日本国内で為替といえば真っ先に米ドル/円を連想する人も多くいます。

取引高が多いのでそれだけ流動性も高く、スプレッドが小さくなりやすいのも特徴です。

またボラティリティに関しても全通貨ペアの中でも8位とそれなりに動きのある通貨ペアと言えます。

スワップに関しても比較的高く、レバレッジをかければスワップ狙いの運用も十分可能です。

あらゆる投資スタイルに適応できる万能な通貨ペアと言えると思います。

ユーロ/円の特徴

ユーロ/円はクロス円の中では最も多い取引高を誇ります。通貨ペア全体で見ても9位と人気の通貨ペアの一つです。

大きな特徴としてはボラティリティが全通貨ペアの中でも5位と比較的動きやすい通貨ペアであることです。

米ドル/円よりは取引高は少ないですが、米ドル/円よりも動きやすい通貨ペアと言えます。

スワップはそれほど高くないのでスワップ狙いには適していません。

スプレッドに関しても比較的狭いので、スキャルピングやデイトレードなどの細かくトレード繰り返す手法にも適しています。

また、ボラティリティが大きい分トレンドを掴むと大きく利益をとりやすかったりもするので、トレンドフォロー型のトレーダーは比較的トレードしやすいかもしれません。

ユーロ/ドルの特徴

ユーロ/米ドルは世界で最も取引高の多い通貨ペアです。ユーロ/米ドルだけで全体の23.05%を占める取引高となります。その為、世界で最も注目されている通貨ペアと言っても過言ではありません。

市場参加者が非常に多いので流動性リスクという点では最も低い通貨ペアと言えます。

しかしボラティリティに関しては全通貨ペアの中でも15位とそれほど大きい方ではありません。

スワップはそこそこ高いのでスワップ狙いも十分可能です。

円を絡まない通貨ペアの中ではかなりスプレッドが低い方なので、スキャルピングやデイトレードでもまったく問題ありません。

デメリットとしては、日本円を絡めないトレードになるので、やや集めなければいけない情報が変わってくる為日本に住んでいると若干不利になることと、主に良く動く時間帯が日本の深夜の時間帯になってくることです。

それでも圧倒的な取引高というのは大きな魅力と言えます。

英ポンド/円の特徴

英ポンド/円は上記のような通貨ペアと比較するとやや市場参加者が減り、取引高も比較的少ないです。

その為、流動性リスクは比較的高く、スプレッドも開きやすい傾向にあります。

大きな特徴としてはボラティリティが全通貨ペアの中でも2位と大きく、値が動きやすいことです。

動きやすいということは上手くトレードをすれば利益をとりやすい半面、しっかりとしたリスクヘッジをしないと大きく損をしてしまうこともあります。

ボラティリティを重要視するトレーダーにはおすすめの通貨ペアです。

豪ドル/円の特徴

豪ドル/円の取引高は全通貨ペアの中でも10位と比較的高い方と言えます。

ボラティリティに関しても全通貨ペアの中でも10位と、大きくもなく小さくもないといった感じです。

スプレッドも比較的狭いですが、米ドル/円、ユーロ/円などと比較すると若干広いです。

以前はスワップも高い通貨ペアでしたが近年ではあまりスワップの恩恵も受けづらくなっています。

スワップが狙えないとなると今はあまり旨味のある通貨ペアとは言えないかもしれません。

通貨ペアの相関関係について

通貨ペア同士には相関関係というものがあります。

例えば「米ドル/円が買われると、ユーロ/米ドルは売られる傾向にある」とか「ユーロ/円が買われると、英ポンド/円も買われる傾向にある」といった関係性です。

この相関関係を理解することでよりトレードの勝率を高めることもできます。

通貨ペアの相関関係については以下の記事で更に詳しく解説していますので、興味のある方はそちらも参考にしてみて下さい。

通貨ペアの相関関係を知るとFXの勝率が上がる話

通貨ペアの具体的な選び方

通貨ペアを選ぶところからすでに勝負は始まっています。

少しでも勝率を上げる為には通貨ペア選びは非常に重要です。

通貨ペア選びについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、是非参考にしてみて下さい。

トレードの勝率が上がる通貨ペアの選び方

まとめ

通貨ペアひとつとっても実は非常に奥が深く、ここからすでにトレードの勝負は始まっています。

単純にスプレッドやスワップなどで決めてしまうのではなく、取引高やボラティリティなどの違いも理解して選んでいくことが大切です。

自分に合った通貨ペアができれば、自信をもってトレードすることができます。是非自分に合った通貨ペアを見つけてください。

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