FXの含み損・含み益とは?計算方法と確定損益との違いをわかりやすく

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こんな疑問を持つ方へ
  • FXの含み損・含み益ってそもそも何?評価損益と同じ意味?
  • 自分の含み損がいくらなのか、計算する方法を知りたい
  • 含み損は決済しなければ損じゃない?含み益はもう利益と考えていい?
  • 含み益に税金はかかる?出金はできる?

FXの含み損・含み益とは、まだ決済していないポジションの、確定していない損益のことです。買ったときより値段が上がっていれば含み益、下がっていれば含み損で、決済したときにはじめて本当の利益や損失になります。

この記事では、含み損益の意味と計算方法、口座の証拠金維持率への影響、税金との関係を、国税庁やFX会社の公式ページで2026年10月2日に確かめて解説します。あわせて、ドル円の過去の値動きから、含み益が含み損に変わることがどれくらいあったのかを当サイトで集計しました。

FXの含み損・含み益とは?決済前の「まだ確定していない損益」

図1 含み益・含み損と確定損益の違い 決済したかどうかで、お金の扱いが変わる 含み益・含み損 確定損益(実現損益) いつの損益? 決済していないポジション 決済したポジション 別の呼び方 評価損益・未実現損益 決済損益・実現損益 金額は変わる? レートが動くたびに変わる もう変わらない 出金できる? できない(決済が必要) できる(余力の範囲で) 税金の対象? 対象外(決済した年に計上) 対象(年間の合計で申告) 税金は国税庁タックスアンサーNo.1521(差金等決済で生じた損益が対象)。出金の扱いは会社の取引ルールで確認

図: 含み益・含み損と確定損益の違い(国税庁・松井証券の取引ルールをもとに hiro-fx.com作成)

FXでは、注文が約定してから決済するまでの持ち高をポジションと呼びます。ポジションを持っているあいだ、取引画面には「評価損益」として含み損益が表示され、レートが動くたびに金額が変わります。

含み益(ふくみえき)は「決済すれば得られるはずの利益」、含み損(ふくみぞん)は「決済すれば出るはずの損失」です。どちらも決済するまでは確定しないので、含み益が含み損に変わることも、その逆もあります。

含み損益・評価損益・確定損益の違い

含み損益と評価損益は同じ意味で、未実現損益とも言います。英語では含み益をunrealized gain、含み損をunrealized lossと呼びます。これに対して、決済して確定した損益は確定損益・実現損益(決済損益)です。口座の残高に入り、出金や税金の対象になるのは確定損益のほうです。

決済のしかたで呼び方が変わる

含み益があるうちに決済することを利益確定(利確)、含み損があるうちに決済することを損切りと言います。含み損が広がって証拠金が足りなくなり、FX会社が強制的に決済することはロスカット(強制ロスカット)と呼ばれます。

含み損益の計算方法:値幅×通貨の量で求める

図2 含み損益の計算のしかた(ドル円を1万通貨買った例) 買値は157.39円(2026年9月30日のNY市場の終値)で計算 ① 値幅 決済するときの値段 − 買値 156.39 − 157.39 = −1.00円 → ② 通貨の量 1万通貨 (1ロット=1万通貨 の会社なら1ロット) → ③ 含み損益 値幅 × 通貨の量 −1.00円 × 10,000 = −10,000円 売りポジションは「売った値段 − 決済するときの値段」で計算する(向きが逆になる)

図: ドル円を1万通貨買って1円下がったときの含み損の計算(ドル円157.39円で hiro-fx.com が計算)

ドル円のように円を含む通貨ペアの含み損益は、「値幅(円)× 通貨の量」で計算できます。157.39円で1万通貨買い、156.39円に下がったときの含み損は、1円 × 10,000通貨で1万円です。

売りポジションは向きが逆になり、売った値段より下がれば含み益、上がれば含み損です。値幅はpips(ドル円なら1pips=0.01円)で表すことも多く、1万通貨なら1pipsあたり100円になります。

含み損益の早見表(円を含む通貨ペア)

値幅1,000通貨1万通貨10万通貨
0.1円(10pips)100円1,000円10,000円
0.5円(50pips)500円5,000円50,000円
1円(100pips)1,000円10,000円100,000円
3円(300pips)3,000円30,000円300,000円
5円(500pips)5,000円50,000円500,000円

※ドル円・ユーロ円など円を含む通貨ペア。買いなら値上がり、売りなら値下がりした分が含み益、逆なら含み損になります。

自分の通貨の量の列を見れば、値動きごとの含み損益の大きさがつかめます。ナンピン(買い増し)で平均の買値が変わる場合は、当サイトのナンピン計算機で平均レートと含み損を計算できます。

ユーロドルなど、円を含まない通貨ペアの場合

ユーロドルのような通貨ペアでは、含み損益はまずドルで計算され、円に換算して表示されます。松井証券の取引ルールにも「外貨による損益は当社のレートにて円に換算します」とあります。

たとえばユーロドルを1万通貨買って50pips(0.0050ドル)下がると、含み損は50ドルです。ドル円が157.39円なら、円では約7,869円になります。ドル円のレートが動くと、同じ50pipsでも円での金額が少し変わります。

買った直後から含み損になるのはスプレッドのため

FXには買うときの値段(買値・Ask)と売るときの値段(売値・Bid)があり、その差をスプレッドと言います。買いポジションは売値で決済するので、買った瞬間はスプレッドの分だけ含み損から始まります。SMBC日興証券の解説でも、買うときは買値、売るときは売値で損益を計算する例が示されています。

口座の資産を計算するときは、含み損益のほかに、まだ受け取っていないスワップポイントも加えるのが一般的です。たとえば松井証券は、口座の総資産を「預託証拠金±決済損益±建玉評価損益±スワップポイント損益」で計算しています。

含み損が増えると口座はどうなる?証拠金維持率とロスカット

図3 含み損が増えると証拠金維持率はどう下がる?(資金30万円でドル円を買った例) 買値157.39円・必要証拠金は取引金額の4%(買ったときのレートで固定した目安) ドル円の値下がり(含み損 1万通貨/3万通貨) 1万通貨の維持率 3万通貨の維持率 0円(0円/0円) 477% 159% −1円(10,000円/30,000円) 461% 143% −3円(30,000円/90,000円) 429% 111% −5円(50,000円/150,000円) 397% 79% 維持率=(資金+含み損益)÷必要証拠金。50%未満でロスカットの会社なら、3万通貨は約6.9円、1万通貨は約26.9円の値下がりで到達

図: 資金30万円でドル円を157.39円で買った場合の、含み損と証拠金維持率(hiro-fx.com が計算)

含み損は確定していなくても、口座の余力にはすぐに反映されます。証拠金維持率は「(口座の資金+含み損益)÷必要証拠金」で計算され、含み損が増えるほど下がります。

図3の例では、資金30万円で1万通貨なら、ドル円が5円下がっても維持率は約397%あります。同じ資金で3万通貨持つと、5円の値下がりで約79%まで下がります。GMOクリック証券のように維持率50%を下回るとロスカットになる会社では、約6.9円の値下がりで強制的に決済されます。

「決済しなければ損は確定しない」と言っても、含み損が一定の水準を超えると、会社が自動的に損を確定させます。含み損を抱えたまま持ち続けられるかどうかは、資金に対してどれだけの量を持っているかで決まります。

あわせて読みたい:強制ロスカットされたらどうなる?いくら残るかと国内14社の発動水準

含み益は出金できる?

含み益は、決済するまで出金できないのが一般的です。たとえば松井証券では、出金などに使える振替可能金額の計算で「決済益、建玉評価益は計上しません」としています。含み益は証拠金維持率を押し上げますが、お金として使うには決済して確定させる必要があります。

【データ】含み損益は毎日どれだけ動く?含み益が含み損に変わった割合

図4 含み益に届いたポジションが、その後1か月で含み損に変わった割合(ドル円) 2000年1月〜2026年9月の毎営業日に終値で買い(売り)、60営業日以内に含み益に届いた回を、その後20営業日追跡 0% 25% 50% 75% 100% 含み益0.5円・買い 61.1% 含み益0.5円・売り 66.5% 含み益1円・買い 47.9% 含み益1円・売り 53.9% 含み益2円・買い 31.4% 含み益2円・売り 35.6% 含み損=終値が建てた値段より不利になった日が1日でもあった。出典:Yahoo Financeのドル円日足を hiro-fx.com が集計

図: ドル円の日足(2000年1月3日〜2026年9月30日・6,937営業日)で、含み益に届いた買い・売りがその後20営業日(約1か月)のうちに含み損に変わった割合。hiro-fx.com集計

当サイトでドル円の2000年1月から2026年9月までの日足を使い、毎営業日の終値で買った(売った)と仮定して調べました。そのうち60営業日以内に含み益が1円に届いた買いは5,353回で、47.9%はその後1か月以内に、一度は含み損に変わっていました。売りでは53.9%です。

含み益0.5円なら買い・売りを合わせて63.8%、2円に届いたあとでも33.3%が含み損に変わっています。含み益は、決済しなければ消えてしまうことが珍しくないと分かります。

1万通貨の含み損益は、1日にどれくらい動く?

通貨の量真ん中の日(0.37円)平均(0.54円)最も動いた日(3.34円)
1,000通貨370円540円3,340円
1万通貨3,700円5,400円33,400円
10万通貨37,000円54,000円334,000円

※ドル円の終値どうしの1日の変化(2025年10月1日〜2026年9月30日の259営業日)。Yahoo Financeの日足を hiro-fx.com が集計。

直近1年のドル円は、終値で見て1日に真ん中の値で0.37円動きました。1万通貨なら、含み損益が1日に約3,700円増えたり減ったりする計算です。1円以上動いた日も259営業日のうち35日あり、最も大きかった2026年1月23日は3.34円の値下がりでした。

含み損・含み益とのつきあい方:初心者がやりがちな2つの考え方

図5 ポジションを持つ前に決めておきたいこと 含み損益が出てから考えると、判断がぶれやすい ✓ 損切りの値段(逆指値)を決めて、注文と同時に入れた ✓ その値段で決済したときの損失額を計算した(値幅×通貨の量) ✓ 利益確定の目安(どこで、またはどうなったら決済するか)を決めた ✓ 証拠金維持率がロスカット水準まで、あと何円の値動きかを知っている ✓ 含み益は「まだ自分のお金ではない」と分かっている ✓ スワップの受け取り・支払いの向きを確かめた

図: 含み損益で判断がぶれないように、ポジションを持つ前に決めておきたいこと(hiro-fx.com作成)

含み益を「もう自分のお金」と考えてしまう

含み益が10万円まで増えたあと、3万円に減ったとします。このとき「7万円損した」と感じて、10万円に戻るまで決済できなくなるのはよくあるパターンです。前の節のとおり、含み益はそのまま含み損に変わることも多いので、いくらで決済するかを先に決めておくと迷いにくくなります。

含み損を「決済しなければ損じゃない」と考えてしまう

含み損を抱えたまま決済しないで持ち続けることを、塩漬けと言います。当サイトの別の集計(2000年1月〜2026年9月のドル円の日足)では、含み損5円に達した買いが買値に戻るまで、真ん中の値で198日かかりました。実効レバレッジ10倍で持っていた場合は、約半分(51.6%)が戻る前にロスカットの水準まで含み損が広がっています。

あわせて読みたい:FXの塩漬けとは?ドル円は待てば戻るのか26年分で検証、解消法も解説

含み損を見るのがつらくなるのは、損失の金額が自分の許容できる範囲を超えているサインでもあります。量を減らす、逆指値を入れるなど、持つ前に決めたルールに戻ることが大切です。

含み益に税金はかかる?課税されるのは決済して確定した損益

図6 含み益に税金がかかるのは、決済して確定したとき 年をまたいで持っている場合の例 2026年12月30日 含み益が10万円 決済していない → 2026年分は0円 → 2027年1月に決済 利益8万円が確定 (含み益が減った) → 2027年分に計上 → 2028年の確定申告 2027年の確定損益を 合計して申告 (他の所得と分けて計算) FXの損益は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税(国税庁 No.1521)

図: 年をまたいでポジションを持っている場合の、含み益と税金のタイミングの例(国税庁 No.1521 をもとに hiro-fx.com作成)

FXの税金は、決済して確定した損益にかかります。国税庁のタックスアンサー(No.1521)では、FXの「差金等決済」によって生じた損益を、「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税の対象にしています。決済していないポジションの含み益には、税金はかかりません。

年末に含み益があっても、決済が翌年なら翌年の利益として扱われます。逆に、含み損のポジションを年内に決済すると、その損失はその年のFXなど「先物取引に係る雑所得等」の利益と差し引きできます。差し引いても残った損失は、確定申告をすれば翌年以後3年間に繰り越せます。

あわせて読みたい:FXの税金対策は?経費・損失の繰越・ふるさと納税の上限を給与別に試算

スワップポイントの扱いは、受け取り方によって課税のタイミングが変わることがあります。年間の確定損益は、FX会社が発行する年間取引報告書で確かめてください。スワップの受け渡しについてはスワップ振替の記事も参考になります。

よくある質問

Q. 含み損は、いつまで持っていられますか?

A. 国内のFX会社では、ポジションの保有期間に原則として期限はありません。ただし含み損が広がって証拠金維持率がロスカットの水準を下回ると、期限に関係なく強制的に決済されます。

Q. 含み損と元本割れは何が違いますか?

A. 含み損は、決済していないポジションの損失です。元本割れは、口座の資産(確定損益や含み損益を合わせた額)が入金した金額を下回った状態を指すことが多く、確定した損失も含みます。

Q. 含み損が出たら、買い増し(ナンピン)してもいいですか?

A. 平均の買値は下がりますが、ポジションの量が増えるので、さらに下がったときの損失は大きくなり、ロスカットまでの値幅も狭くなります。買い増す前に、ナンピン計算機などで平均レートとロスカットの水準を確かめてください。

Q. 含み益があるときは、どこで利益確定すればいいですか?

A. 決まった正解はありません。持つ前に「この値段まで来たら」「この条件になったら」決済すると決めておき、指値注文を入れておく方法があります。データの節のとおり、含み益は1か月以内に含み損に変わることも多いです。

Q. 確定申告に含み損益を書く必要はありますか?

A. ありません。申告するのは、その年に決済して確定した損益です。年末時点で持っているポジションの含み損益は、決済した年の損益になります。

まとめ:含み損益は「決済するまでは仮の数字」

  • 含み益・含み損は、決済していないポジションのまだ確定していない損益。評価損益・未実現損益とも言う
  • 計算は「値幅 × 通貨の量」。ドル円1万通貨なら1円で1万円、1pipsで100円
  • 含み損が増えると証拠金維持率が下がり、水準を下回ると強制的に決済される
  • ドル円では、含み益1円に届いた買いの47.9%が1か月以内に含み損に変わっていた
  • 税金がかかるのは決済して確定した損益だけ。含み益に税金はかからず、出金するには決済が必要

ポジションそのものの意味や保有期間はポジションの記事、含み損を持ち続けた場合のデータは塩漬けの記事で確認できます。損切りの幅から取引量を決めるときは、当サイトのFX計算機セットも使えます。

※この記事の情報は2026年10月2日時点のものです。出典:国税庁 タックスアンサーNo.1521「外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」、松井証券・GMOクリック証券の取引ルール、SMBC日興証券「スプレッドとは」、ドル円のレートと日足は Yahoo Finance(hiro-fx.com集計)。この記事はFXの仕組みの解説で、特定のFX会社や取引をすすめるものではなく、投資の助言でもありません。税金の扱いは個人の状況で変わるため、詳しくは税務署や税理士にご確認ください。

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