通貨ペアの相関関係を知るとFXの勝率が上がる話

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今回は通貨ペアの相関関係を知るともっと勝率があがるかもよっていうお話をしていきたいと思います。

通貨ペアはその名の通り「ペア」であり、世界中の様々な通貨が互いに繋がりあって影響を与え合っています。

だからこそ、通貨の相関関係を知っておくことでトレードの大きなヒントにすることができます。

通貨ペアの基本的なことを知りたい方は『通貨ペアとは?通貨ペアの基本情報まとめ』も参考にしてみて下さい。

相関関係とは?

相関関係とは?

まず、相関関係というものについて簡単に説明しておきます。

相関関係というのは一方が変われば他方も変わるような関係性のことです。

例えば「Aが多いほど、Bも多い傾向がある」という関係性がだった場合、「AとBは正の相関関係である」ということになります。

反対に「Aが少ないほど、Bも少ない傾向にある」という関係性だった場合は「AとBは負の相関関係である」ということになります。

一つ具体例を出してみたいと思います。

A:気温
B:エアコンの消費電力

という二つのデータがあった場合、この二つのデータをグラフで表すと以下のように分布されます。

気温とエアコン消費電力の相関関係

気温が高いほどエアコンの消費電力も高くなっているのがわかると思います。

つまり、「Aが高いほど、Bも高い傾向にある」という正の相関関係になっているということです。

夏場などは気温が高いほどエアコンを使う人が多くなるのはデータをとらなくても何となく想像はできますよね。

このような「気温」と「エアコンの消費電力」の関係性が正の相関関係ということになります。

通貨ペアの場合

では、通貨ペアの場合はどのようなことが言えるのかというと、例えば「米ドル/円が買われると、ユーロ/米ドルは売られる傾向にある」とか「ユーロ/円が買われると、英ポンド/円も買われる傾向にある」といったような相関関係を導き出すことができます。

このような通貨ペアの相関関係が理解できていると、トレードの際に大きなヒントとなり、より勝率を高めることができるわけです。

一つのチャートだけを見て判断するよりも相関関係のある複数のチャートを見て投資判断をした方がはるかに精度は高まります。

主要通貨ペア同士の相関関係一覧

主要通貨ペア同士の相関関係一覧

これから紹介する表は通貨ペアの相関関係を数値で表したものです。

数値が1に近いほど相関関係にあり、-1に近いほど逆相関関係にあるということになります。

また数値が0に近いほど関係があまりない無相関ということになります。

相関関係と逆相関関係

上記のチャートのように数値が1に近い通貨ペアほど似たようなチャートの形(相関関係)になり、-1に近い通貨ペアほどチャートをひっくり返したような逆の動きをする形(逆相関関係)になるということです。

今回はわかりやすく比較的相関関係、及び逆相関関係の強い数値が±0.7以上のものは赤くハイライトしてあります。

クロス円の相関関係表

  米ドル円 ユーロ円 英ポンド円 豪ドル円 カナダドル円 NZドル円 スイスフラン円 トルコリラ円 メキシコペソ円
米ドル円 1.00 -0.24 -0.43 -0.19 0.68 -0.30 0.63 -0.70 0.03
ユーロ円 1.00 0.83 0.39 0.26 0.35 0.14 0.36 0.51
英ポンド円 1.00 0.46 0.11 0.46 0.18 0.61 0.23
豪ドル円 1.00 0.06 0.76 -0.30 0.58 -0.12
カナダドル円 1.00 -0.20 0.52 -0.49 0.37
NZドル円 1.00 -0.30 0.71 0.31
スイスフラン円 1.00 -0.73 0.36
トルコリラ円 1.00 -0.24
メキシコペソ円 1.00

※相関関係は集計する期間などによって変動しますのであくまで目安となります

ドルストレートの相関関係表

  米ドル円 ユーロ米ドル 英ポンド米ドル 豪ドル米ドル 米ドルカナダドル NZドル米ドル 米ドルスイスフラン 米ドルランド
米ドル円 1.00 -0.88 -0.85 -0.84 0.57 -0.78 0.63 0.80
ユーロ米ドル 1.00 0.96 0.84 -0.73 0.79 -0.70 -0.81
英ポンド米ドル 1.00 0.84 -0.75 0.80 -0.59 -0.84
豪ドル米ドル 1.00 -0.61 0.91 0.44 -0.93
米ドルカナダドル 1.00 -0.45 0.45 0.58
NZドル米ドル 1.00 -0.43 -0.90
米ドルスイスフラン 1.00 0.31
米ドルランド 1.00

※相関関係は集計する期間などによって変動しますのであくまで目安となります

この表から考察すべきこと

さて、ざっと数値だけを並べてみましたが、まずこの表から考察すべきことは

・どの通貨ペアとどの通貨ペアがより相関関係が強いのか
・逆にどの通貨ペアとどの通貨ペアがあまり相関関係がないのか

などを把握しておくことです。

「ユーロ/円と英ポンド/円は比較的相関関係が強いな」
「米ドル/円と豪ドル/円はあまり相関関係がないな」
「ドルストレートはほとんどの通貨ペア同士で相関関係があるな」

などと考察することができますよね。

そのうえでこれらの情報をどのようにトレードに活かしていくべきなのかを次の項目で解説していきます。

通貨ペアの相関関係をトレードに活かす方法

通貨ペアの相関関係をトレードに活かす方法

何となくどの通貨ペアとどの通貨ペアが相関関係が強いのか、もしくは弱いのかがわかったらそれをどのように活かしていけばいいのかを説明していきます。

相関関係の強い通貨ペアをトレードの判断材料にする

例えば、ユーロ/円のトレードをする場合、相関関係の強い英ポンド/円のチャートなども同時にチェックをしながらトレードをすることで更に精度を高めることができます。

ユーロ/円と英ポンド/円のチャート比較
ユーロ/円と英ポンド/円のチャート比較

このように二つの通貨ペアを比較してみると似たような動きをしているのがわかります。

そしてよくみると値動きには若干の時差がある箇所もあります。

つまり「英ポンド/円が若干上がり始めたから、もしかしたらユーロ/円もこれから同じように上がっていくかも」などと推測することもできるわけです。

これからユーロ/円で買いエントリーをしようと思っているとしたら、一度英ポンド/円のチャートを確認して怪しい動きはないかチェックすることで更にトレードの精度が上がるということです。

要するに、自分がトレードをしようと思っている通貨ペアと相関関係の強い通貨ペアのチャートも同時に確認することで、チャート分析の精度がより上がるということです。

ただし、もちろん相関関係が強いと言っても絶対に同じような動きをするわけではありませんので、最終的な判断はしっかりとトレードをする通貨ペアの動きをみて判断する必要がありますので、あくまで目安程度にしておきましょう。

逆相関関係の強い通貨ペアを利用してリスクヘッジしながらスワップを狙う

逆相関関係の強い通貨ペアを利用してスワップを狙う方法もあります。

これは実際にヘッジファンドなどでも使われる手法の一つです。

例えば、米ドル/円とユーロ/米ドルは逆相関関係の強い通貨ペアです。

米ドル/円とユーロ/米ドルの逆相関関係
米ドル/円とユーロ/米ドルの逆相関関係

綺麗に正反対の動きをしてますよね。

仮にこの二つの通貨ペアを両方保有すると、一方が上がっても一方が下がる為相場が動いても収支はプラスマイナス0に近くなりますよね。

しかし保有していればその分スワップは受け取れるので、リスクヘッジをしながらスワップを受け取れることになります。

つまり、逆相関関係の通貨ペアを保有することで相場がどちらに動いても小さなリスクで済みながらスワップを受け取り続けることができるということです。

大きな金額でレバレッジをかけてやればこういったやり方でも十分利益を出すことは可能です。

日経平均と為替相場の相関関係

日経平均と為替相場の相関関係

通貨ペアだけではなく日経平均と為替相場にも相関関係はあります。

まぁ株式市場も為替市場もお互いに影響を与え合っているので当然と言えば当然ですね。

特に日経平均と米ドル/円との相関関係は比較的強いです。

以下は日経平均株価の過去10年分のチャートです。

日経平均株価過去10年間の月足チャート

次にドル/円の過去10年分のチャートがこちらです。

ドル/円過去10年間の月足チャート

細かい部分は多少違いますが大きな動きは比較的似ているのがわかると思います。

二つのチャートを重ねてみましょう。

日経平均とドル円チャート比較

少し薄くてわかりずらいかもしれませんが、「おおよその動きは似てるな」ということはわかるかと思います。

つまり、ドル高円安になると日経平均も上がる傾向にあり、ドル安円高になると日経平均も下がる傾向にあるということです。

このことから特にドル/円のトレードをする際は日経平均の動きもチェックしておくことでより優位性のあるトレードをすることができるということです。

相関関係の注意点

相関関係の注意点

相関関係についてしっかりと理解を深めるとより勝つ確率を上げることができます。

しかし、注意すべきこともあります。

相関関係はあくまでも相関関係

まず、相関関係はあくまで相関関係に過ぎず、必ず同じ動きをするわけではないということです。

相関関係はあくまで「Aがあがれば、Bもあがる傾向にある」というだけです。「傾向にある」だけですので、相関関係を過信しすぎないようにすることも大切です。

なので相関関係が強いからと言って、片方の通貨ペアが動いた時に何も考えずにもう片方の通貨ペアを買ったりしてはいけません。

あくまでもトレード判断の「材料の一つ」として参考にする程度にし、様々な情報を照らし合わせてトレードをしていくことが大切です。

常に相関関係があるわけではない

相関関係が強い通貨ペア同士でも、時に相関関係が弱くなる場合もあります。

ユーロ/米ドルと英ポンド/米ドルの相関関係

例えば、ユーロ/米ドルと英ポンド/米ドルの相関関係は0.96と非常に強く、同じような動きをしています。

しかし、細かく見ればところどころ異なる動きをしている箇所もあります。

また、何かの拍子に米ドルが急激に買われ始めたりしたら、相関関係に関係なく全ての通貨ペアでドル高になるようなことも考えられます。

つまり、相関関係には「いくらでも例外はある」ということをしっかりと把握しておくことが大切です。

ついこの前まで相関関係が強かった通貨ペアが最近ではあまり相関関係がないといったこともあるので、それぞれの通貨ペアの相関関係は常にチェックしておくようにしましょう。

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