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不動産投資家や住宅購入者だけでなく、FXトレーダーにとっても住宅価格の変動を把握することは非常に重要な要素です。今回は「S&Pケースシラー住宅価格」について解説していきます。
S&Pケースシラー住宅価格とは、アメリカの主要都市における住宅不動産の価格の変化を測定する指数のことです。
20都市圏コンポジット住宅価格NSA指数と10都市圏コンポジット住宅価格NSA指数があります。
ウェルズリー大学のカール・ケース教授とエール大学のロバート・シラー教授が開発したことから「ケースシラー住宅価格」と言われています。
この指数を見ることで住宅価格の動向がわかり、アメリカ経済の実態が見えてきます。
例えば、何カ月も連続で指数が下がっている場合は、個人消費も減少傾向にあることが考えられ、景気の低迷に繋がっている恐れがあります。(逆もしかり)
このようにS&Pケースシラー住宅価格から今のアメリカ経済の実態を掴むヒントが得られます。
2000年1月を100として指数を算出しています。
また、指数の推移を前年比で表示しているチャートもあります。
例えば、2023年2月の結果が4.6%の場合、これは前年同月比で+4.6%指数が上昇したということです。
このことから前の年よりも住宅価格が上がっているということがわかります。
全米住宅価格指数、10大都市圏指数、20大都市圏指数に分けて算出されます。
20の対象主要都市圏
アトランタ、ボストン、シャーロット、シカゴ、クリーブランド、ダラス、デンバー、デトロイト、ラスベガス、ロサンゼルス、マイアミ、ミネアポリス、ニューヨーク、フェニックス、ポートランド、サンディエゴ、サンフランシスコ、シアトル、タンパ、及びワシントンD.C
毎月最終火曜日のアメリカ時間午前9時にS&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが発表します。
住宅価格の動向は個人消費に大きな影響を与えます。
景気が良い時は住宅も良く売れることから住宅価格は上がりやすく、逆に景気が悪い時は住宅はあまり売れないことから住宅価格が下がりやすくなります。
住宅価格が上昇しているということは、一般的にはその国の経済が拡大しているということになります。住宅購入者や投資家が増え、消費や投資が活発化しているからこそ、住宅価格が上昇していると考えられる為です。
経済が拡大しているということは、同時に失業率の低下、消費者物価指数やインフレ率が上昇傾向にあるということであり、FRBの利上げ観測が強まることから米ドル需要の上昇に繋がる傾向があります。
一方、住宅価格が下落しているということは、裏を返すと住宅購入者や投資家が減っているということであり、消費や投資が減少し経済全体が低下している状態であると考えられます。
そのため、同時に消費者物価指数やインフレ率も低下傾向にあることから、FRBの利下げ観測が強まり米ドル需要の低下に繋がる傾向があります。
しかし、S&Pケースシラー住宅価格が上がったからといって必ずしもドルが買われるわけではありません。当然ですが、為替相場は多くの要因によって左右されるため、あくまで基本シナリオとして捉えましょう。