日銀、金融政策決定会合とは?いつ発表される?日程や時間は?わかりやすく解説

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FXトレードをする上で欠かせない重要な経済指標の一つに日銀の金融政策決定会合があります。
ここでは日銀の金融政策決定会合について詳しく解説していきます。

日銀の金融政策決定会合とは?

日銀の金融政策決定会合とは?

日銀の金融政策決定会合とは?

日銀の金融政策決定会合とは、日本銀行の政策委員会が日本における今後の金融政策の運営方針を審議・決定する会合のことです。

具体的には以下の4つの項目について審議・決定が行われます。

  1. 金融市場調節方針
  2. 基準割引率、基準貸付利率および預金準備率
  3. 金融政策手段(オペレーションにかかる手形や債券の種類や条件、担保の種類等)
  4. 経済・金融情勢に関する基本的見解等

「金融市場調節方針」とは日銀の金融政策の基本方針をどうするのかを決めることを意味します。
例えば「消費者物価の前年比上昇率2%を持続的かつ安定的に達成する」などのような基本方針が決定されます。

「基準割引率、基準貸付利率」とは日銀が民間の金融機関にお金の貸し出しを行う際に適用される基準金利のことです。
2006年以前は「公定歩合」という名称でしたが、2006年以降は名称が変更されています。

「金融政策手段」とは世の中に出回るお金の量を調整する方法のことです。
公開市場操作(オペレーション)などが用いられます。

「経済・金融情勢に関する基本的見解」とは日本の「先行きの経済・物価見通し」「上振れ・下振れの要因」などを踏まえて金融政策運営の考え方や見解をまとめることです。
「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)が公表されます。

日程や時間は?いつ発表される?

金融政策決定会合は年に8回、2日間にかけて行われます。
以下は2023年の金融政策決定会合の日程です。

2023年の金融政策決定会合開催日
1月17日、18日
2月
3月9日、10日
4月27日、28日
5月
6月15日、16日
7月27日、28日
8月
9月21日、22日
10月30日、31日
11月
12月18日、19日

基本的には二日目の会合終了後に「経済・物価情勢の展望」が公開されます。
明確な公開時間は決まっていませんが、大体お昼前後に公開されることが多いです。

その後、15時前後から日銀総裁の定例記者会見が行われます。

hiro
hiro

公開される明確な時間は決まっていないので、当日はみんな今か今かと待ち構えています。トレーダーからすれば、できれば公開時間くらいは事前に決めておいてほしいところなんですが…

金融政策決定会合を行う目的

日銀は金融政策の理念を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」としています。
これは物価が安定していることがその国の経済活動の基盤となる為です。
具体的な物価安定の目標としては、消費者物価の前年比上昇率2%を持続的かつ安定的に達成することと定めています。

このような「物価の安定」を達成させるために、金融政策決定会合を行い、様々な金融政策を行っています。

金融政策は誰が決める?政策委員会のメンバー

政策委員会のメンバーは総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の9人のメンバーで構成されています。このメンバーは国会の衆議院および参議院の同意を得て内閣が任命します。

2023年政策委員会委員

金融政策の3つの手段

金融政策の3つの手段

金融政策決定会合では日本の物価を安定させることが大きな目的となります。
では、どのように物価を安定させるのかというと、主に3つの金融政策があります。

政策金利操作

政策金利とは日銀が誘導目標としている金利のことです。
政策金利が基準となり、金融機関の預金金利や貸出金利などが決定されます。

インフレ率が上昇している局面では政策金利を引き上げて景気の過熱を抑え、インフレ率が下降している局面では政策金利を引き下げて景気の下支えをします。

公開市場操作(オペレーション)

公開市場操作(オペレーション)は簡単に言うと「市場にお金を出し入れすることで、お金の価値(つまり利子率)を調節する」ということになります。

具体的には、日銀が金融機関(たとえば商業銀行)に対して国債を買い取ることでお金を市場に出すことができます。
この取引により、金融機関は新たな現金が手に入り、より多くのお金を借り出すことが可能となります。
結果として、全体的な金利が下がります。なぜなら、お金の供給量が増えると、その価値(つまり借りるのに必要なコスト)は低下するからです。
これを一般的に金融緩和と言います。

逆に、経済が過熱し、物価が急速に上昇するインフレーションが懸念されるときには、日銀は市場からお金を引き出します。具体的には、金融機関に対して国債を売ることで、金融機関は国債を買うためにはお金を支払う必要があり、その結果として市場からお金が引き出されます。
これにより、お金の供給量が減少し、金利(お金の価値)が上昇します。これは、お金の供給量が減ると、その価値(つまり借りるのに必要なコスト)が上昇するためです。
これを一般的に金融引き締めと言います。

預金準備率操作

預金準備率操作とは、商業銀行が一定の割合の預金を日銀に預けるという制度のことです。
これは金融システムの安定化を図るために存在します。

まず、預金準備率とは何かと言うと、商業銀行が預金全額に対して一定の割合を日銀に預けることを要求される率のことを指します。
例えば、預金準備率が10%の場合、銀行が顧客から1000万円を預かったら、そのうち100万円(10%)を日銀に預けなければなりません。
この預金準備率を操作することで、日銀は市場の流動性を調節し、経済全体に影響を与えます。
具体的には、預金準備率を上げると銀行の貸出可能な資金が減少し、結果的に貸出が減り、経済活動が減速します。
これにより、インフレ抑制の効果が期待できます。

逆に、預金準備率を下げると銀行の貸出可能な資金が増え、経済活動が活性化します。
これにより、デフレ抑制や経済の活性化を図ることができます。

ただし、現代の日本のような先進国の中央銀行では、預金準備率を直接操作するよりも、公開市場操作や金利政策など他の金融政策手段を主に用いる傾向があります。預金準備率は非常に強力な手段である一方で、大幅な変更が必要な場合、それが銀行システム全体に大きな影響を与える可能性があるからです。預金準備率はより安定的な金融システムを確保するためのバックアップ的な役割を果たしています。

為替相場との関係性は?

為替相場との関係性は?

日銀の金融政策決定会合は為替相場に大きな影響を与えます。
金融政策決定会合で日銀が金融政策を変更すると、それが国内の経済状況に影響を及ぼし、結果として為替相場を動かすことになるからです。

金融政策による直接的な影響

日銀の金融政策決定会合では、日銀の基準金利や公開市場操作など、日本の金融政策の具体的な方向性が決定されます。
金利が上がれば、金利の高い通貨を求めて投資家がその国の通貨を買う傾向があります。
これは、投資家が金利差による利益(キャリートレードとも言います)を得られるからです。
逆に、金利が下がればその逆の現象が起こります。
このように、金利の変動が通貨需要に直結することから、為替相場に大きな影響を与えます。

市場に与える反応

金融政策決定会合の結果は、投資家の期待や市場の予想と異なる場合があります。
例えば、もし市場が金利の引き上げを予想していたのに日銀が金利を据え置いた場合、その結果、円は予想外の動き(この場合はおそらく下落)になります。
また、日銀の声明や会見でのコメントも市場の反応に逐一影響を与え、それにより為替相場に影響を及ぼします。

長期的な影響

日銀の金融政策は日本経済の長期的な見通しに影響を与え、これが為替相場に影響を与えます。
例えば、インフレ目標を達成するための金融緩和政策が成功すれば、経済の健全な成長が期待され、円の価値が上がるかもしれませんし、その逆もあり得ます。

Q&A方式のまとめ

金融政策決定会合とは?
日本銀行の政策委員会が日本の物価を安定させるために今後の金融政策の運営方針を審議・決定する会合のことです。
いつ発表されるの?時間や日程は?
年に8回、2日間にかけて行われます。具体的な公開時間は決まっていませんが、会合が終わるのが大体お昼前後なので、お昼前後に公開されることが多いです。
誰が決めるの?
政策委員会は総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の9人のメンバーで構成されています。このメンバーは国会の衆議院および参議院の同意を得て内閣が任命します。
なぜ行われているの?
日本の物価の安定を図ることを通じて国民経済を健全な状態にする為です。
金融政策の3つの手段とは?
政策金利操作、公開市場操作、預金準備率操作の3つです。
為替相場との関係性は?
直接的には日銀の金融政策内容によって金利が変動することで、それが通貨需要の変動に繋がります。これによって為替相場が動く大きな要因となります。
どこで見れるの?
日本銀行のホームページで見ることができます。
注意するべきことは?
金融政策の解釈はトレーダー毎に異なる為、同じ発表内容でも市場の反応は一様ではない可能性があります。事前予想と結果の乖離や市場との解釈の相違などにも注意が必要です。

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