DD方式とNDD方式とは?どちらのFX業者がトレーダーにとって有利?

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普段のトレードで何気なく使用しているFX業者ですが、実はFX業者ごとに顧客の注文を処理する仕組みが異なります。

詳しくは後述しますが、大きく分けると「DD方式」と「NDD方式」の二種類のFX業者が存在します。

実はこの処理方法の違いがFX業者を利用するトレーダーにとってはとても大事な観点で「FXの勝ちやすさ」にも直結するほど重要です。

  • DD方式、NDD方式とは何か?
  • どちらがトレーダーにとって勝ちやすいのか?
  • FX業者はどのように利益を得ているのか?

普通の人はあまり気にしないであろうこういった細かい所からしっかりと理解していくことが常勝トレーダーへの第一歩です。

今回はこの「DD方式」と「NDD方式」について詳しく解説していきます。

DD方式とは?

DD方式とは?

DD方式とはDealing Desk方式の略で、FX業者と顧客とで直接取引をする方式のことです。相対取引、店頭取引、B-BOOK方式等とも呼ばれます。

Dealing Deskとは?
Dealing(ディーリング)を直訳すると証券会社や銀行などにおいて自社の資金で株式、為替、債券等の売買をして運用することを言います。

つまりDealing Deskは会社内における株式、為替、債券等の売買をする部門をイメージするとわかりやすいと思います。

「FX業者と顧客とで直接取引をする」というのは以下のような感じです。

一般的にFX業者は顧客の注文をインターバンク市場へ仲介してくれているイメージがありますが、実はDD方式のFX業者では顧客の注文はインターバンクへは流れずに、FX業者内で処理されます。

なので、普段僕たちがドル円を買ったりユーロ円を買ったりしているのはインターバンクから買っているわけではなく、FX業者との売買をしているということです。

これがDD方式です。

ちなみにDD方式の場合では基本的に顧客とFX業者の相対取引となっている為、言うなれば顧客は「FX業者の言い値」で売買をしていることになります。

為替レートはFX業者ごとに裁量で決定しているので、同じタイミングでもA社では100円、B社では99.99円、C社では99.98円なんていうように価格が異なることもありますし、スプレッドも業者ごとに異なります。

DD方式では顧客とFX業者が利益相反となる

懸念点としてはDD方式のFX業者では顧客とFX業者の相対取引になるので、顧客の損失はFX業者の利益となり、顧客の利益はFX業者の損失となります。

DD方式ではこのように顧客とFX業者とで利益相反が起こる為注意が必要です。

ちなみに個人トレーダーの9割は年間収支がマイナスになると言われているので、そのマイナス分の多くがFX業者の利益になっているとも言えます。

FXはどのくらい稼げるのか?勝てる個人トレーダーは全体のわずか1割程度?

DD方式のメリット

DD方式ではFX業者はインターバンクへ顧客の注文をそのまま流さずに、顧客同士の注文を相殺させることができます。例えばAさんが100円で買い注文を出しているのと同じタイミングでBさんが100円で売り注文を出している場合、FX業者はわざわざインターバンクへその注文を流さずにAさんとBさんの注文を相殺します。

こうすることで、本来インターバンクへ注文を流すことによってかかる手数料を省くことができ、その分スプレッドを狭くして売買にかかるコストを抑えることができます。

このように顧客同士の注文を相殺する仕組みを「マリー取引」と言います。(とはいえ、顧客の全ての注文をマリー取引によって相殺できるわけではないので、残った注文はカバー先(インターバンク)に注文を出すか、ディーリングデスク内で 処理されます。 )

本来インターバンク市場ではスプレッドは常に変動していますが、DD方式によるFX業者ではマリー取引という仕組みによってスプレッドをドル円0.3銭などと圧倒的に狭く、なおかつ原則固定にすることができるのです。

DD方式のFX業者ではスプレッドによる取引コストを小さく抑えられるのがメリットと言えます。

DD方式のデメリット

DD方式のデメリットはその不透明性です。

顧客の注文がどのように処理されているのかは「FX業者のみぞ知る」状態なのです。

先ほどもお話した通り、DD方式は顧客とFX業者との相対取引であり「FX業者の言い値で為替レートが決定されている」というところが大きなポイントです。

その為、本来インターバンクで提示されている為替レートではなく顧客にとって不利(FX業者にとって有利)な為替レートを提示することもできてしまいます。

顧客は本来100円で買えたものを不正にレートを釣り上げられて101円で買わされる例

その為、一昔前では「ストップ狩り」を行う悪徳業者もいました。

ストップ狩りとは?
FX業者が意図的に為替レートを瞬間的にずらして顧客が出しているストップ注文(ロスカット注文)を約定させること

他にもやろうと思えばあえて約定させずにレートを滑らせて不利なレートで約定させたり、そもそも約定させないように(リクオート)したり、取引システム自体を中止させたり、相対取引である以上FX業者側は様々なことができます。

要するにDD方式のFX業者では注文の処理方法がブラックボックスである以上、どこかで不正をされても顧客はほとんど気が付かずにトレードをし続けてしまうという状態が起こり得るのです。

そしてやっかいなのが、先ほどもお話した通りDD方式のFX業者では顧客とFX業者とで利益相反が起こります。

FX業者もビジネスですので、当然利益を上げなければいけません。

そうなるとFX業者にとって有利な取引となるように為替レート、スプレッド、スリッページなどを多少コントロールされる可能性もあるのです。

ただし、もちろん「やろうと思えば」というのが前提であり、基本的には悪徳なことをしていると噂が広まれば会社としての信用を失いますので、しっかりとライセンスを取得しているFX業者であればそこまでひどい業者は少ないと思います。

とは言え、顧客が気が付かないレベルでの多少のコントロールはされてしまう可能性はあります。

DD方式の場合、やろうと思えばいくらでも不正ができてしまうので特に信頼できるFX業者を選ぶことが大切です。

NDD方式とは?

NDD方式とは?

NDD方式とはNo Dealing Desk方式の略で、その名の通りディーリングデスクを置かずに顧客の注文をそのままインターバンクへ流す方式のことです。A-BOOK方式とも呼ばれます。

基本的には顧客の注文をそのままインターバンクへと流します。

DD方式のようにFX業者が取引に関与するわけではなく、あくまでインターバンクへ注文を流す仲介だけをします。

NDD方式では顧客とFX業者が利益相反にはならない

NDD方式は相対取引ではなく、FX業者はあくまで顧客の注文をインターバンクへ流すだけです。そこに手数料及びスプレッドを上乗せすることでFX業者は利益を出します。

つまり顧客の注文数が多ければ多いほどFX業者の利益も増えるということになり、そこに顧客の損益は関係ありません。

むしろ、顧客がトレードで利益を出してより多くの売買をしてくれた方がFX業者の利益も増えることになります。

NDD方式では顧客とFX業者が利益相反にならないのが特徴の一つです。

NDD方式のメリット

NDD方式のメリットはDD方式に比べて取引における透明性が高い点です。

基本的にはシンプルに取引による手数料及びスプレッドで利益を得ている為、顧客の注文をそのままインターバンクへ流す作業だけをすればいいからです。

DD方式のようにFX業者と利益相反にならないので、FX業者は顧客に不利なレートを提示したり、スリッページによって必要以上に滑らせたり、約定させないようにしたりする必要がありません。

このような顧客が不利になるような不正をされるリスクが低いのがNDD方式の大きなメリットです。

また、とにかくたくさんトレードをしてもらうことでFX業者はスプレッドによる利益が増えるので、NDD方式のFX業者では「口座開設ボーナス」「入金ボーナス」「ロイヤリティプログラム」等の顧客にとっては嬉しいボーナスを提供してくれるFX業者も多くあります。

NDD方式のデメリット

NDD方式のデメリットはやはりDD方式と比較をするとスプレッドが広く取引コストがかかることです。

DD方式のFX業者では米ドル円のスプレッドが0.3銭などといった所もありますが、NDD方式のFX業者ではここまで狭いスプレッドはまずありえません。

業者に不正をされるリスクは低くなる一方で、取引コストは大きくなってしまうのはデメリットと言えます。

トレーダーにとってDD方式とNDD方式ではどちらが有利?

トレーダーにとってDD方式とNDD方式ではどちらが有利?

トレーダーにとってDD方式とNDD方式ではどちらが有利で、どちらが勝ちやすいのでしょうか。

ここからは僕個人の意見にはなりますが、正直DD方式、NDD方式をそこまでシビアに気にしすぎる必要は無く「どちらも勝てる」と思っています。

そもそもほぼ全てのFX業者はDD方式であり、「DD方式=悪徳業者」ではありません。DD方式のFX業者の中にもしっかりと顧客に寄り添ってくれる信頼できる業者もあります。

また、DD方式だからと言って顧客の注文を全て呑んでいるのかというとそうゆうわけではなく、逆に7割~8割の注文はしっかり自動的にカバー取引(インターバンクへの注文)がされています。

このあたりについては以下の記事でも詳しく解説してますので合わせて読んでみて下さい。

国内FX業者はノミ行為をしてるのか?金融先物取引業協会の調査で明らかに

このあたりを誤解すると「DD方式の業者は全て悪!顧客が負けるようにできている!」という考えになってしまうわけです。

僕自身を含めて実際に累計の損益で勝っているトレーダーは多くいますので「顧客が負けるようにできている」というのは大げさであると言わざるえません。

とは言え、もちろんFX業者内で注文がどのように処理されているのかはFX業者以外はわかりませんし、実際にはレートを不正にずらしたりする悪徳業者がいる可能性があるのは事実です。

これに関しては結局どこまでいってもブラックボックスであり、真実はわからないことですので、FXを行うのであれば「そうゆうものだ」と納得して行うのがいいと思います。

僕の場合は全てのFX業者はやろうと思えばいくらでも不正ができるのを理解した上でトレードをしています。(実際には不正をするFX業者は少数です)

最近ではあからさまにレートが乖離しているようなFX業者もほとんどありませんし(というかそんな業者は一発でバレて噂が広まります)、DD方式であろうが、NDD方式であろうがどちらでも勝つことは十分可能です。

FX業者を利用する際に心がけておくこと

FX業者を利用する際に心がけておくこと

FX業者を選ぶ際の注意点として「DD方式だから信用できない」「NDD方式だから信用できる」等と簡単に決めつけてしまわないことです。

中にはNDD方式と謳っていながら、内部的には実はDD方式を採用しているというFX業者もありますし、DD方式であっても顧客に寄り添った運営をしてくれるFX業者もあります。

元も子もないですが、実は表面上DD方式であろうがNDD方式であろうが、実質的にはFX業者内で何が行われているのかなんていうのはわかりません。

疑い始めたらどこまでいっても切りがないのも事実ですし、顧客側としてはもちろん公式で表記されている情報を元に判断をするしかありません。

僕自身も両方のFX業者を利用していますが、大切なことは「FX業者とはそういうものだ」とある程度割り切って付き合っていくことだと思います。

FXトレードを行うためにFX業者の存在は必須ですので、上手く付き合っていくようにしましょう。

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