店頭取引と取引所取引の違いとは?メリットデメリットを徹底比較

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FXでは取引方法として「店頭取引」と「取引所取引」という二種類が存在します。

店頭取引と取引所取引は一体何が違うのでしょうか?また、それぞれどんなメリットデメリットがあるのでしょうか?

今回は店頭取引と取引所取引について詳しく解説していきます。

店頭取引とは?

店頭取引とは?

店頭取引というのは個人投資家とFX業者が直接取引をする取引方法のことです。「相対取引(あいたいとりひき)」や「OTC取引」と呼ばれることもあります。

MEMO

・相対取引(あいたいとりひき)とは一対一で取引を行うこと
・OTC取引とはカウンター越しに相対して取引を行うという意味である「Over The Counter」の頭文字をとったもの

個人投資家とFX業者が仲介者を入れずに双方の合意によって直接取引が行われます。

その為、為替レートはもちろん、スワップやスプレッド、取引できる通貨ペアなども全てFX業者が独自に決定してます。

言うなれば、ある一つの店舗の八百屋さんで野菜を買うのと同じです。八百屋さんごとに品揃えも、価格も違いますよね。そしてそれらは全て八百屋さんが独自に決定しているものです。トマトを一つ1,000円で売ろうが、2,000円で売ろうがそれは八百屋さん次第です。その野菜の販売価格に合意すれば顧客は野菜を買い、八百屋は売ることになります。

これと同じことを通貨で行うということです。

店頭取引のメリット

店頭取引の主なメリットは以下の2つです。

  • スプレッドによってかかる取引コストが安い
  • 取引できる通貨ペアの種類が多い

店頭取引のFX業者は個人投資家の注文同士を相殺したりすることで、本来インターバンクへ注文を流すことによってかかる手数料を浮かすことができます。

その為、非常に狭いスプレッドで取引をすることができ、個人投資家にとっては取引コストが安く済みます。

このあたりの詳しい仕組みについては以下の記事で解説しておりますので気になる方は是非読んでみて下さい。

DD方式とNDD方式とは?どちらのFX業者がトレーダーにとって有利?

また、取引できる通貨ペアの種類もFX業者ごとに異なる為、種類も豊富になり選択肢が多くなるのもメリットと言えます。

店頭取引のデメリット

店頭取引の主なデメリットは以下の3つです。

  • 為替レート及びスプレッドがFX業者ごとに異なるので、FX業者の見極めが難しい
  • スワップポイントが買いと売りで異なる
  • FX業者と個人投資家が利益相反となり、中立性・透明性に欠ける

特に為替レートが急変動している時などは為替レートやスプレッドがFX業者ごとに大きく異なるので、FX業者の見極めが難しくなります。

もしかしたら、知らない間に自分にとって不利なレートで売買をしてしまう可能性もあるのです。

以下の記事ではフラッシュクラッシュが起きた際にFX業者ごとの為替レート及びスプレッドを比較したものですが、かなり異なっているのがわかります。

相場の暴落・暴騰時におけるFX業者別スプレッドの開き方を比較してみた

また、スワップポイントに関しても店頭取引のFX業者ではスワップポイントの一部が手数料として引かれていることが多く、同じ通貨であっても買いと売りのスワップが異なってくるのです。

本来受け取れるスワップから手数料が引かれる分不利になります。

また、最近では悪徳なFX業者はかなり淘汰されてますが、それでも店頭取引は個人投資家とFX業者とで利益相反が起こり、中立性、透明性に欠けているのも事実です。

このあたりもデメリットの一つと言えると思います。

取引所取引とは?

取引所取引とは?

取引所取引とはあらゆる注文を「取引所」に集めて、取引所で売買を行う取引方法のことです。

本来FXには取引所というものは存在しませんでしたが、2005年より東京金融取引所によって「くりっく365」というFX取引専門の取引所が作られました。ここでまとめて取引が行われます。

また、為替レートは「マーケットメイク方式」によって決定します。

マーケットメイク方式とは?
複数のマーケットメイカー(銀行や証券会社等)が為替レートを提示する方式のことです。

店頭取引はFX業者が為替レートを独自に決定し提示していましたが、取引所取引では複数のマーケットメイカーが提示した為替レートから最も条件の良いレートが適応されます。

主なマーケットメイカーは以下の6社です。
・三菱UFJ銀行
・野村證券
・ドイツ証券
・コメルツ銀行
・ゴールドマン・サックス証券
・バークレイズ銀行

例えば、マーケットメイカーAが99円、マーケットメイカーBが100円で同じ通貨を売りで提示していた場合、買い手としてはより安くて条件の良い99円で買うことができます。

取引所内である程度の価格競争が生まれ、為替レートに公平性、中立性が保たれるのです。

八百屋さんに例えるなら、八百屋さんのような一つの店舗で野菜を買うのではなく、道の駅のようなあらゆる農家さんの野菜がまとめて売られている販売所で野菜を買うようなものです。同じトマトでも100円で売られていたり99円で売られていたりします。ここでは他の農家との価格競争が生まれるので、あからさまに不自然な価格(高額)で野菜を売ろうとすると、他の安い野菜にニーズが流れてしまい売れ残ってしまいます。

取引所取引のメリット

取引所取引のメリットは主に以下の3点です。

  • 為替レートの中立性が保たれやすい
  • FX業者と個人投資家で利益相反が起こらない
  • スワップポイントに対する手数料が引かれない

為替レートはマーケットメイク方式で決定するので為替レートの中立性が保たれやすく、基本的には取引時の手数料で利益を得ているのでFX業者と個人投資家とで利益相反が起こりません。

不正なレートずらしやストップ狩りのようなことがないので、トレードにおける信頼感が高いのがメリットです。

また、スワップポイントは売りと買いで同額となるので、スワップの手数料を引いている店頭取引のFX業者と比較をするとスワップポイントが多くもらえる割合が高いです。

取引所取引のデメリット

取引所取引のデメリットは主に以下の2点です。

  • スプレッドによる取引コストが高い
  • 取引できる通貨ペアが25種類のみ

何と言っても大きいのはスプレッドによる取引コストが高くなる点です。

やはりどうしても店頭取引のFX業者と比較をするとスプレッドは高くなり、トレードにかかるコストが大きくなります。

また取引できる通貨ペアが25種類というのを一応デメリットに含めましたが、25種類あれば基本的には十分なので、これはデメリットとは言えないかもしれません。

なので、実質的にはスプレッドによる取引コストの増加のみがデメリットとなります。

店頭取引と取引所取引の違いまとめ

店頭取引と取引所取引の違いまとめ

それぞれのメリットデメリットなどを踏まえつつ、店頭取引と取引所取引の主な特徴の違いをまとめてみます。

  店頭取引 取引所取引
為替レートの決定方法 FX業者が独自に決定 マーケットメイク方式
為替レートの中立性 不透明 保たれている
業者と顧客の利益相反 起こる 起こらない
取引手数料 無料 無料
スプレッド 狭い 広い
スリッページ 発生しやすい 発生しにくい
スワップポイント 買いと売りで異なる(手数料分が引かれる) 買いと売りで同額
取引可能通貨ペア数 数十~数百種類 25種類
レバレッジ 国内では最大25倍
海外では数百倍
最大25倍
証拠金の管理方法 信託銀行による分別管理 東京金融取引所による分別管理
税金 20.315% 20.315%

どちらにもメリットデメリットはありますので、しっかりとそれぞれの特徴を理解して、自分に合ったFX業者を利用するようにしましょう。

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