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- 年末年始にFXのポジションを持ち越すのは危険?なぜそう言われる?
- 年末年始のドル円は実際どれくらい動く?円高になりやすい?
- 休み明けの窓や、2019年のようなフラッシュクラッシュでどのくらい動く?
- それでも持ち越すなら、何を確認しておけばいい?
年末年始のFXは、取引する人が減ってスプレッド(売値と買値の差)が広がりやすく、少しの材料でも急に動きやすいため、ふだんより危険が大きい時期です。ただし、休み中ずっと荒れるわけではなく、クリスマス前後は静かで、年明けの数日に大きく動くのがドル円の過去の傾向でした。
この記事では、hiro-fx.com がドル円の1時間足から集計した過去20回(2006年末〜2025年末)の年末年始の値動き、休み明けの窓の大きさ、2019年1月3日の急落を示し、FX会社の告知とあわせて、ポジションを持ち越すかどうかの判断材料をまとめました。
年末年始のFXが危険と言われる理由は「取引の薄さ」
| FX会社(告知日) | 対象の期間 | 告知の主な内容 |
|---|---|---|
| 松井証券(2025年12月23日) | 12月24日〜1月2日 | スプレッドの広告表示を適用しない期間。「スプレッドの拡大」「為替レートの更新停止」「取引停止」が起こる可能性 |
| 外為どっとコム(2025年12月11日) | 12月25日〜1月2日 | 広告表示のスプレッドの対象外。軽い材料でも急変しやすく、週明けのレートが前週末から大きく離れることがある。ロスカットが本来の水準を大きく下回って執行される可能性 |
| 三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券)(2025年12月) | 12月22日〜1月2日 | 全通貨ペアでスプレッドの広告表示を休止 |
| みんなのFX(2025年12月29日) | 1月2日の取引開始 | 前営業日の終値から大きく離れた価格で始まる場合がある。逆指値やロスカットで予定より大きな損失や、預けた証拠金以上の損失が出る可能性 |
※各社の2025年→2026年の年末年始の告知(2026年10月9日に各社サイトで確認)。2026年→2027年の告知は例年12月ごろに出ます。
年末年始が危険と言われる一番の理由は、市場の流動性(取引する人と注文の多さ)が大きく下がることです。欧米ではクリスマス休暇に入り、日本は正月休み、1月1日は世界中の市場が休みです。売り買いの注文が少ないと、ふだんなら吸収される程度の注文でもレートが飛びやすくなります。
そのため国内のFX会社は、毎年この時期に注意を呼びかけています。外為どっとコムは2025年の告知で、「平常時より軽微な相場材料であっても為替相場が急変動しやすくなる」と説明していました。上の表の4社とも、スプレッドの広告表示を止めるか、大きな損失の可能性を告知しています。
危険の中身は4つ:スプレッド・急変・窓・ロスカット
具体的には、①スプレッドが広がって決済のコストが増える、②少ない材料で急に動く、③休み明けにレートが離れて始まる(窓が開く)、④急変の途中で逆指値やロスカットが想定より不利な価格で約定する、の4つです。①④は取引時間中に起きるので、「休み中は動かないから安全」とは言えません。
あわせて読みたい:FXでスプレッドが開きすぎるのはなぜ?危険な時間帯と損しない6つの対策
【データ】年末年始のドル円の値動き:クリスマスは静か、年明けは大きい
図: 2006年末〜2025年末の年末年始20回、12月22日〜1月8日の日付ごとの平均値幅(ふだんの全営業日の平均=100%)。Dukascopy社のドル円1時間足をもとに hiro-fx.com が集計
日付ごとに1日の値幅(高値と安値の差)を平均すると、12月24日〜27日はふだんの56%、12月28日〜31日は82%と小さめでした。ところが1月2日〜7日はふだんの116%と、ふだんより大きく動いています。
年末は取引が細って値動きも小さくなる一方、休み明けは止まっていた注文や新しい年の材料がまとめて出てきます。取引が細った状態のまま大きな材料が出ると、2019年1月3日のような急変になります。「年末が静かだったから年明けも大丈夫」とは考えないほうが安全です。
カレンダーアノマリーDBで見ても、年末年始は「ふだんの9割」
図: 休日・連休の1日の値幅(ふだんの日=100%)。hiro-fx.com カレンダーアノマリー・データベースの「休場日・連休の値幅」
当サイトのカレンダーアノマリー・データベースで見ても、クリスマス(12月24〜26日)の値幅はふだんの50%と半分ほどですが、年末年始(12月29日〜1月3日)は88%で、ふだんとあまり変わりません。こちらはYahoo!ファイナンスの日足から計算しているため、図1とは集計のしかたが少しちがいます。
12月24日〜1月7日の2週間で何円動いた?過去20回の年末年始
図: 2006年末〜2025年末の年末年始20回。12月24日〜1月7日(日本時間の朝7時区切りの日)の最高値・最安値・最後の終値を、12月23日ごろの終値と比べた差。hiro-fx.com 集計
12月24日〜1月7日の2週間の値幅(期間中の最高値と最安値の差)は、20回の平均で3.20円でした。同じ年のふだんの2週間(15日間)の平均は3.35円で、年末年始だから特別に大きく動くわけでも、動かないわけでもありません。値幅が3円以上になったのは20回中8回、5円以上は4回(2007年末・2018年末・2022年末・2023年末)です。
値幅が大きかった年末年始ベスト5
| 年末年始 | 2週間の値幅 | いちばん上がった | いちばん下がった | 1月7日ごろの終値 | 最も動いた日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2007年末〜2008年初 | 6.76円 | +0.69円 | −6.07円 | −4.80円 | 2008年1月2日 |
| 2018年末〜2019年初 | 6.67円 | +0.20円 | −6.47円 | −2.51円 | 2019年1月3日 |
| 2023年末〜2024年初 | 5.73円 | +3.56円 | −2.16円 | +2.19円 | 2024年1月5日 |
| 2022年末〜2023年初 | 5.27円 | +1.90円 | −3.37円 | −0.84円 | 2023年1月4日 |
| 2008年末〜2009年初 | 4.88円 | +3.67円 | −1.21円 | +1.68円 | 2009年1月2日 |
※12月23日ごろの終値との差。「最も動いた日」は日本時間の朝7時〜翌朝7時で値幅が最大だった日。Dukascopy社のドル円1時間足(売値)から hiro-fx.com が集計
最も大きく下がったのは2018年末〜2019年初で、12月21日の終値から最大6.47円下がりました(2019年1月3日の急落を含む)。2007年末〜2008年初も6.07円下がっています。上がったほうの最大は2012年末〜2013年初の4.17円で、当時は衆議院選挙のあとで円安が進んでいた時期でした。
年末年始は円高になりやすい?
12月23日ごろから1月7日ごろまでの騰落は、円高(ドル円が下落)10回、円安(上昇)10回で、どちらかに偏ってはいませんでした。ただし、期間中に2円以上下がった回は7回、2円以上上がった回は3回で、大きく動くときは円高方向が多い結果です。
月単位では、カレンダーアノマリー・データベースの集計で、2006〜2025年の1月にドル円が月初より月末に上がった年は20年中6年(平均−0.55%)でした。「1月は円高になりやすい」という見方の根拠の一つですが、20回の結果で、毎年そうなるわけではありません。方向を決め打ちするより、どちらに動いても耐えられるかを考えるほうが大切です。
休み明けの始値はどれだけずれる?年越しとふだんの週明けを比較
図: 年越しの休み明け17回(1月1日をはさんで価格が止まった回)と、2006〜2025年のふだんの週明け1,032回の窓。hiro-fx.com 集計
ドル円の「年越しの窓」(大みそかの最後の価格と、休み明けの最初の価格の差)は、17回の平均で8.4pips、最大でも16.7pipsでした。ふだんの週明けの窓は中央値7.8pipsで、年越しの中央値7.9pipsとほぼ同じです。20pips以上開いた回は、週明けでは18.4%あったのに対し、年越しでは0回でした。週明けの最大は、米リーマン・ブラザーズが破綻した2008年9月の週末明けの約242pipsです。
1月1日が金曜日や月曜日で、土日とつながって3日間止まった年もありますが、窓は2016年が−4.2pips、2018年が−6.4pips、2021年が−16.2pips、2024年が−13.2pipsで、大きくはありませんでした。ドル円に限れば、危険は休み明けの窓そのものより、休み明けの数日の値動きにあったといえます。
ただし、これは世界の取引データ(Dukascopy社)での結果です。国内のFX会社は休み明けの取引開始時刻やレートの出し方が会社ごとに違い、開始直後はスプレッドが広がることもあるので、実際の約定価格はこれより不利になることがあります。豪ドル円やトルコリラ円など取引の少ない通貨ペアは、窓がもっと大きくなりやすい点にも注意が必要です。
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年末年始のフラッシュクラッシュ:2019年1月3日は約9分で約4円
図: 2019年1月3日 日本時間7時〜8時のドル円1分足。Dukascopy社のデータ(売値)を hiro-fx.com が集計
年末年始の危険の代表例が、2019年1月3日の早朝に起きたフラッシュクラッシュ(数分で相場が急変すること)です。ドル円は日本時間7時30分の108.66円から、7時39分に104.74円まで約9分で3.92円下がりました。8時前には106.70円まで戻しており、急落と急な戻りが数十分のうちに起きています。
オーストラリア準備銀行(RBA)は2019年2月の報告書で、円が米ドルに対して約30秒で3%上昇したこと、時期的にも時間帯的にも流動性が低かったこと、FXの値付けを担う日本の銀行が祝日で休みだったことを指摘しています。その1時間ほど前には米アップルが売上見通しの引き下げを発表し、市場の不安が強まっていました。
この急変では、ロスカットが間に合わず口座の残高がマイナスになった件数が、国内で6,598件・約9.4億円(個人と法人の合計・速報値)にのぼりました(金融先物取引業協会)。ロスカットは「必ず決めた水準で止まる」仕組みではなく、急変時は大きく不利な価格で決済されることがある、という実例です。
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2026年→2027年の年末年始は「1月1日が金曜」:3日間止まる
図: 2026年12月24日〜2027年1月4日の暦と、例年の国内FX会社の扱い(2026年10月9日時点の見込み)
2026年→2027年は、12月25日(クリスマス)と2027年1月1日(元日)がどちらも金曜日です。例年どおりなら、クリスマスは休場か短縮取引のあとそのまま土日に入り、年越しは12月31日(木)の取引のあと、1月1日(金)〜3日(日)の3日間止まって、1月4日(月)に取引が再開します。
同じ曜日の並びだったのは2016年と2021年の年明けで、ドル円の年越しの窓は2016年が−4.2pips、2021年が−16.2pipsでした。一方で、休みが長いぶん、その間に海外で起きたニュースは休み明けにまとめて反映されます。各社の正確な取引時間や、スワップポイントが何日分つくかは、例年12月に出る各社の告知で確認してください。
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年末年始にポジションを持ち越すかの判断材料と、持ち越すときの備え
| 口座の資金 | 必要証拠金 | ロスカットまでの逆行(目安) | 過去最大の下げ(6.47円) |
|---|---|---|---|
| 80,000円 | 60,000円 | 約2円 | 耐えられない |
| 100,000円 | 60,000円 | 約4円 | 耐えられない |
| 150,000円 | 60,000円 | 約9円 | 耐えられる |
| 200,000円 | 60,000円 | 約14円 | 耐えられる |
| 300,000円 | 60,000円 | 約24円 | 耐えられる |
※1ドル=150円で1万通貨を買い、レバレッジ25倍・証拠金維持率100%でロスカットになる会社の場合の概算(hiro-fx.com計算)。スプレッド・スワップ・急変時の約定のずれは含みません。ロスカットの水準は会社ごとに違います。
持ち越すかどうかは、「年末年始にどれだけ逆に動いても耐えられるか」で考えるとわかりやすくなります。過去20回では、2週間の値幅は平均3.20円、買いポジションにとって最も不利だった回は6.47円の下げでした。上の表のように、1万通貨の買いに10万円の資金では約4円の逆行でロスカットの水準に届きます。
ポジションを決済して休みに入れば、これらの危険は気にしなくて済みます。持ち越す理由(長期で持つつもり、含み益が十分にある、など)がはっきりしていて、最悪の値動きでも生活に響かない量なら、持ち越すという判断もあります。どちらが正しいかは、資金とポジションの量しだいです。
図: FX会社の告知と過去の値動きをもとに hiro-fx.com が作成
筆者自身は2018年の年末、含み益が十分にあったポジションを、相場の状況を見たうえで持ち越しました。結果は年明けの円高で利益が伸びましたが、逆の方向だったら1月3日の急落で大きな損失になっていたはずです。うまくいったのは結果論で、持ち越すなら「逆に動いた場合にいくら失うか」を先に決めておくことをおすすめします。
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よくある質問
Q. 年末年始にロスカットされることはありますか?
A. あります。年末年始は取引が少なく急変しやすいため、ふだんより速くロスカットの水準に届くことがあります。2019年1月3日には、ロスカットが間に合わず口座がマイナスになった件数が国内で6,598件ありました(金融先物取引業協会)。
Q. クリスマスも危険ですか?
A. ドル円の値幅で見ると、クリスマス(12月24〜26日)はふだんの50%ほどで、年間でも特に静かな日です。ただし取引が少ないぶんスプレッドが広がりやすく、取引時間を短くするFX会社も多いので、注文のタイミングには注意が必要です。
Q. 年末年始にスワップポイントはつきますか?
A. 休みの日の分もまとめてつくのがふつうですが、各国の休日の関係で、付与される日数が通常と違う日があります。日数は当サイトのスワップ倍増DAYデータベースやFX会社のスワップカレンダーで確認できます。
Q. 含み益や含み損のまま年を越すと、税金はどうなりますか?
A. 国税庁の説明では、FXで課税されるのは決済(差金等決済)で生じた損益です。決済していない含み益・含み損は、その年の所得には入りません。年内に決済した分だけがその年の損益になります。
Q. 自動売買(EA)は年末年始に止めたほうがいいですか?
A. 一律の正解はありませんが、スプレッドが広がる時間帯に新しい注文が入ると、ふだんより不利な価格で約定することがあります。止める、枚数を減らす、そのまま動かすのどれにするかを、休みに入る前に決めておくと安心です。
まとめ:年末年始のFXの危険と持ち越しの考え方
- 年末年始は取引が細るため、スプレッドの拡大・急変・ロスカットのずれが起きやすい(国内各社も毎年注意を告知)
- ドル円の1日の値幅は、クリスマス前後はふだんの56%と静かだが、1月2日〜7日は116%と大きくなりやすい
- 12月24日〜1月7日の2週間の値幅は過去20回の平均で3.20円。円高10回・円安10回で、方向の偏りはなかった
- 年越しの窓は17回の平均8.4pipsで、ふだんの週明けと同じくらい。2019年1月3日は取引中に約9分で約4円動いた
- 2026年→2027年は1月1日が金曜日で、1月1日〜3日の3日間止まる見込み。取引時間は各社の12月の告知で確認
- 持ち越すなら、過去最大級の逆行(4〜6円)でも耐えられる資金と枚数にしておく
休日・連休の値幅や月ごとの傾向はカレンダーアノマリー・データベース、年末年始のスワップの日数はスワップ倍増DAYデータベースで毎日更新しています。各社の取引時間はFXの取引時間の記事にまとめています。
※この記事の情報は2026年10月9日時点のものです。出典:松井証券「【重要】【FX】クリスマス・年末年始の相場急変・スプレッド拡大等にご注意ください」(2025年12月23日)、外為どっとコム「クリスマス・年末年始の当社営業スケジュール」(2025年12月11日)、三菱UFJ eスマート証券「クリスマス・年末年始の取引時間およびスプレッドについて」、トレイダーズ証券(みんなのFX)「ポジション持ち越しおよびレバレッジ利用に関する注意事項について」(2025年12月29日)、金融先物取引業協会「ロスカット等未収金発生状況」、Reserve Bank of Australia「Statement on Monetary Policy – February 2019, Box B: The Recent Japanese Yen Flash Event」、国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」。ドル円の値動きは Dukascopy社のヒストリカルデータ(1時間足・1分足、売値)と hiro-fx.com カレンダーアノマリー・データベースをもとに hiro-fx.com が集計したもので、FX会社によって数銭〜数十銭ずれることがあります。この記事は過去のデータと各社の告知の紹介で、投資の助言ではありません。取引の判断はご自身でお願いします。
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