スワップポイントで稼ぐための具体的な方法

※記事内に広告を含む場合があります

ここではスワップポイントで稼ぐための具体的な方法について解説していきます。

「スワップポイントって何?」という方はまずはスワップポイントの基礎を解説している『初心者が知っておくべきスワップポイントに関する全情報まとめ』をご覧ください。

ここからはある程度のスワップポイントに関する基礎は理解している方に向けて、実際にスワップポイントで稼いでいく為の方法を解説していきます。

スワップポイントで稼ぐために大切な考え方

スワップポイントで稼ぐために大切な考え方

稼ぐための手順の前に、まずはスワップポイントで稼いでいく為に大切な考え方を理解しておきましょう。まずは「考え方」ですので、具体的な方法論については後述致します。

  1. なるべく金利の高い通貨を狙う
  2. それなりの日数ポジションを持ち続ける必要がある
  3. 為替差損で損失を出していては本末転倒
  4. リスクをしっかり把握する

1.なるべく金利の高い通貨を狙う

スワップポイントを狙っていくわけですから、当然なるべく金利の高い通貨を狙っていくことが大切です。

ただし闇雲に金利の高い通貨を狙えばよいというわけではなく、しっかりとリスクとのバランスを考慮する必要があります。

基本的には高金利の通貨ほどカントリーリスクも高くなりやすいといえます。

いくら高金利だからと言っても国そのものが危なかったり、通貨の価値そのものが下がる危険性がある場合は投資をするのは控えるべきです。

このあたりのリスクとのバランスをみながらなるべく高金利の通貨を狙うことが大切です。

2.それなりの日数ポジションを持ち続ける必要がある

スワップポイントで利益を出していく為にはそれなりの日数ポジションを持ち続ける必要があります。

1日だけポジションを持っていたって、得られる金利はわずかなものであり「スワップポイント狙い」とは言えません。

スワップポイントでそれなりの利益をだしていくのであれば、長期間ポジションを持ち続けることが大切になります。

スワップポイントは毎日積み重なっていく
スワップポイントは毎日積み重なっていく

ある程度長期間持ち続けることでスワップポイントの旨味は得られます。

「スワップポイントを狙う」ということであれば、ある程度の長期戦になることは理解しておきましょう。

3.為替差損で損失を出していては本末転倒

いくらスワップポイントを狙うと言っても、そもそも為替差損によってスワップポイント以上の損失を出していては本末転倒です。

理想は為替差益でもしっかりと含み益を得ながら、なおかつスワップポイントでも利益が積み重なっていくような状態です。

スワップポイント狙いだからといってトレンドを無視したり、為替変動を無視したりすることのないようにしていくことが大切です。

4.リスクをしっかりと把握する

スワップポイントを狙う際に生じるリスクについてもしっかりと把握しておきましょう。

ポジションを持ち続けるリスク

ある程度の長期間ポジションを持ち続けるということは、それだけ保有リスクも生じるということです。

ポジションを持ち続けている以上、相場の急な動き、政策金利の急な変更、更にはFX会社のトラブルなど、様々なことに巻き込まれるリスクが常にあるということです。

損切ラインを設定しておいたり、レバレッジを上げすぎないようにしたり、口座への入金額を抑えたり、リスク管理をするようにしましょう。

金利変動リスク

常に金利は変動する可能性があるということもしっかりと理解しておく必要があります。

金利が上がることもあれば下がることもあります。日々受け取れるスワップポイントは変化していきますので、しっかりと各国の政策金利などをチェックしておくことが大切です。

カントリーリスク

カントリーリスクとは?

投資対象国において、政治、経済の状況変化、事件や事故などによって証券市場や為替市場に混乱が生じるリスクのことです。

投資対象国に何かしらのトラブルや混乱が起こると、当然そこに投資している資産の価値も大きく変動することになります。

高金利だと思って買った国の通貨が、いきなり国の政策で金利を大幅に下げられてしまうなんていうこともあります。

そうなると通貨の価格も金利も当然下がり、一気に大きな損失を出してしまう可能性があります。

基本的には高金利の通貨ほどカントリーリスクも高いといっていいと思います。

スワップポイントを狙うために高金利の通貨を狙うということはカントリーリスクも高くなりやすいということを覚えておきましょう。

金利の高い通貨

金利の高い通貨

基本的には政策金利の高い通貨ほどスワップポイントも高くなります。

単純な政策金利ランキングは以下のようになります。

  通貨 政策金利
1位 トルコリラ 24.00%
2位 メキシコペソ 8.00%
3位 ロシアルーブル 7.50%
4位 南アフリカランド 6.75%
5位 ブラジルレアル 6.50%
5位 インドルピー 6.50%
7位 中国人民元 4.35%
8位 香港ドル 2.50%
9位 米ドル 2.25%
10位 NZドル 1.75%

※2018年時のランキング

トルコリラがずば抜けて高いですね。

「よし!じゃあトルコリラを買ってスワップを狙おう!」と、闇雲に考えてはいけません。

上記の「スワップポイントで稼ぐために大切な考え方」で述べたように様々な観点から考察する必要があります。

特に高金利の通貨の場合カントリーリスクが高くなりやすいので、そういったリスクをできるだけ避ける為にも「国債格付け」などを参考にするのも一つの手です。

以下は主要な国債格付け会社3社(ムーディーズ、S&P、フィッチ)による格付け一覧です。

通貨 ムーディーズ S&P フィッチ
トルコリラ Ba3 B+ BB
メキシコペソ A3 BBB+ BBB+
ロシアルーブル Ba1 BBB- BBB-
南アフリカランド Baa3 BB BB+
ブラジルレアル Ba2 BB- BB-
インドルピー Baa2 BBB- BBB-
中国人民元 A1 A+ A+
香港ドル Aa2 AA+ AA+
米ドル Aaa AA+ AAA
NZドル Aaa AA AA

格付け記号の見方
ムーディーズ S&P
Aaa AAA
Aa1 AA+
Aa2 AA
Aa3 AA-
A1 A+
A2 A
A3 A-
Baa1 BBB+
Baa2 BBB
Baa3 BBB-
Ba1 BB+
Ba2 BB
Ba3 BB-
B1 B+
B2 B
B3 B-

上位程信用力が高く、下位ほど信用力が低いということになります。つまり、基本的にはAがついているものは信用力の高い通貨と言え、Bがついているものはややリスクがある通貨と言えます。

また一般的に青くハイライトしているBaa3/BBB-のところまでが「投資適格級」、赤くハイライトしているBa1/BB+以下は「投資不適格級」と言われます。

この格付けを参考にすると、トルコリラ、ロシアルーブル、南アフリカランド、ブラジルレアルは高金利ではあるのですが投資不適格級という評価をされています。

つまり、それだけリスクが高い通貨と言えるのです。

リスクが高いということはデフォルト(債務不履行)が起こる可能性も高まり、通貨の価値が急激に下がる可能性もあります。

ただ、だからといってトルコリラなどに投資をするなというわけではなく「そういったリスクを抱えているということを理解して」投資を行う必要があるということです。

反対に、米ドルやNZドルなどはAaaと最高評価をされています。

こういった通貨はデフォルトのリスクも低いので比較的安心して自分の資産を投資しやすいと言えます。

このように高金利であることと、その通貨の信頼度などのバランスを見ながら複合的に判断していくことが大切です。

リスクとリターンと資金量のバランス

例えば無くなってもかまわない10万円で投資をするということであればハイリスクハイリターンのトルコリラなどに投資をするのも面白いかもしれません。

しかし、無くなっては困る1億円などの大金を投資するのであればリスクの高い通貨よりもある程度信頼性のある米ドルやNZドルに投資をするのが適切かもしれません。

このように自分の資金量やリスクとリターンの理解などによって戦略を変えていってもいいと思います。

スワップポイントで稼ぐための具体的な4つの手順

スワップポイントで稼ぐための具体的な4つの手順

スワップポイントで稼ぐための考え方や高金利の通貨などを理解したら、ここから実際に稼いでいく為のポイントを確認していきましょう。

1.高金利の通貨を狙う

まずスワップポイントで稼ぐために重要なことは当然ですが「高金利の通貨を狙う」ということです。

政策金利ランキングをもう一度確認してみましょう。

  通貨 政策金利
1位 トルコリラ 24.00%
2位 メキシコペソ 8.00%
3位 ロシアルーブル 7.50%
4位 南アフリカランド 6.75%
5位 ブラジルレアル 6.50%
5位 インドルピー 6.50%
7位 中国人民元 4.35%
8位 香港ドル 2.50%
9位 米ドル 2.25%
10位 NZドル 1.75%

ここにランクインしているような通貨を狙うことで、高い金利を受け取ることができます。

このような高金利の通貨から、自分がどれくらいのリスクを許容できるか、どのくらいの資金を投資するかなどで投資先を決めましょう。

2.大きなトレンドを確認する

スワップポイントを得る為には、高金利の通貨を「買い」で保有する必要があります。(売りで保有してしまうと逆にスワップポイントを支払うことになります)

つまり、今後価格がそれほど下がらなそうな通貨を狙うことが大切になるわけです。

その為にも過去の値動きなどから今後のトレンドを見据えてみましょう。

それぞれの月足
それぞれの月足

上記のチャートは各通貨と円の月足ロウソク足チャートです。

かなりザックリですが大きなトレンドとしては

  • 下降気味:トルコリラ、南アフリカランド
  • 横ばい:メキシコペソ、NZドル
  • 横ばいからやや上昇気味:香港ドル、米ドル

といった感じで分けることができそうです。

そうなると「南アフリカランドは今スワップ狙いで買っても為替差損で損をしてしまうかもしれない」などと考えることができます。

ただし、横ばいや上昇気味でも形的には下に抜ける可能性も十分あるのでもちろん注意は必要ですし、トルコリラなどは大きなトレンドは下降気味でも金利が非常に高いのでここから盛り返す可能性もあります。

あくまでたくさんある判断基準の中の一つくらいの感覚で捉えるようにしましょう。

3.シミュレーションをしてみる

高金利かつ、大きなトレンドもそれなりに悪くない通貨を定めたら、その通貨の取引をシミュレーションしてみましょう。

今回は例としてメキシコペソでスワップポイントを狙うと仮定します。メキシコペソは上記のチャートを見てもわかりますがそれほどボラティリティが無いので、比較的価格の平均値が安定しやすいと言えます。

仮にメキシコペソ/円が5.4円、初期投資5.4万円、1日あたりのスワップが15円だとした場合は下記のようになります。

取引数量 年間スワップ 年間利回り 必要証拠金 強制ロスカット
1万通貨 5,475円 10.13% 2,160円 -510pips
2万通貨 10,950円 20.27% 4,320円 -245pips
3万通貨 16,425円 30.41% 6,480円 -156pips
5万通貨 27,375円 50.69% 10,800円 -86pips
10万通貨 54,750円 101.38% 21,600円 -32pips

※強制ロスカットの値は証拠金維持率100%とした場合の目安です

初期投資5.4万円でメキシコペソ/円を1万通貨買うと、年間で5,475円(利回り10.13%)のスワップが期待できます。

この時に必要な証拠金は2,160円なので、もしマイナス方向に価格が動いたとしても-510pipsまでは強制ロスカットされずに持ち続けることができる計算となります。

現在の価格が5.4円ですので、-510pips許容できれば高い確率で強制ロスカットされずに持ち続けることができるということです。

また、レバレッジを10倍にして10万通貨買うと、年間で54,750円(利回り101.38%)のスワップが期待できます。

しかし、レバレッジを10倍まで上げると必要な証拠金は21,600円となり、マイナス方向に-32pips動いただけで強制ロスカットされてしまうので、長期的に持ち続けるには無理があるのがわかります。

スワップを狙う場合は長期的にポジションを持ち続ける必要がありますので、多少の値動きで強制ロスカットがされないように証拠金に余裕を持たせることが大切です。

ですので、この場合では3万通貨~5万通貨あたりでポジションを持つのが現実的と言えそうです。

3万通貨であれば年間で16,425円(利回り30.41%)のスワップが期待でき、なおかつ-156pipsまで許容できます。

つまり、初期投資5.4万円でメキシコペソ/円を3万通貨分買うことで年間16,452円のスワップが期待でき、それなりに価格変動にも耐えられるということです。

為替差損には常に注意!

-156pipsまで許容できるといっても、だからといって-156pipsになるまでポジションを持ち続けるかどうかはまた別の話です。

これはあくまで強制ロスカットされずに持ち続けることができる最低ラインを計算したに過ぎません。

仮に-156pipsまでいってしまうと、もともと5.4万円あった資金は7,200円まで減ってしまうことになります。

これではいくらスワップで儲けても取り返すのに何年もかかってしまいます。

為替差損には常に注意をして、あきらかに下降トレンドだと判断した場合は即座に損切をしてしまうのも大切です。

4.戦略を決めて実際に買ってみる

年間で受け取れるスワップやそれに伴うリスクなどがある程度把握できたら、より具体的な戦略を立てましょう。

  • ポジションサイジング
  • エントリーの具体的なタイミング
  • 損切ラインの設定

1ロットでやるのか5ロットでやるのか10ロットでやるのか、自分の資金量や許容できるリスクなどのバランスを考えて適切なポジションサイジングをしましょう。

また、エントリーの具体的なタイミングや損切ラインの設定などもしっかりと行いましょう。

特にリスクの範囲を限定させる意味でも損切ラインを明確にしておくことはとても大切です。

このあたりまで具体的に決めたら実際に買ってみましょう。

アービトラージ(サヤどり)

アービトラージ(サヤどり)

上記で解説した方法は言わば王道のやり方です。

王道のやり方とは別にアービトラージ(サヤどり)をしてスワップポイントで稼ぐ方法もあります。

アービトラージ(サヤどり)とは?

アービトラージとは同一通貨を異なるFX会社2つで両建てして金利差を狙うというものです。

「サヤどり」や「裁定取引」などと呼ばれることもあります。

この説明だけだとよくわからないと思いますので、例をあげながら解説したいと思います。

例えばドル/円のスワップポイントもFX会社によって差異があります。

FX会社 米ドル/円買い 米ドル/円売り
DMM FX 66円 -66円
アイネット証券 74円 -84円

※スワップは日々変動しますのであくまで目安となります

この表はドル/円を1万通貨保有した際に1日あたりに得られるスワップです。

このようにFX会社ごとに獲得できるスワップには差異があります。

この状態でアイネット証券でドル/円を買い、同じ数量DMM FXでドル/円を売る、いわゆる両建てをします。

両建てとは買いと売りの両方で同じ数量ポジションを持っている状態なので、円高円安のどちらに価格変動が起きてもプラスマイナス0となり、価格変動によるリスクがほとんどありません。

しかしスワップ分に関してはFX会社間で差異がありますので「74円-66円=8円」となり、毎日8円の儲けを出し続けることができるのです。

つまり、両建てによって為替変動のリスクを抑えながらもスワップ分の差は毎日利益として安定的に得られるということです。

これにレバレッジをかけて10万通貨などでやれば、毎日80円、年間で29,200円が得られる計算になります。

ドルコスト平均法

ドルコスト平均法

別の方法としては、ドルコスト平均法というやり方もあります。

ドルコスト平均法とは一度に通貨を購入するのではなく、資金を分割して定期的に定額を購入していく方法のことです。

定額購入法と呼ばれることもあります。

「資金を分割して定期的に定額を購入していく」というのは、例えば12万円の予算があるとして、上記のチャートで言うと緑の〇の部分で毎月1万円分(12分の1)を購入していくといったような感じです。

「1カ月あたり1万円」という金額が決まっていますので、価格が上がれば1万円分で買える数量も減り、価格が下がれば1万円分で買える数量も増えます。

安い時に多く買えるため、毎月決まったロット数を購入するよりも取得平均単価を抑えることができます。

また、12万円を初月に全て使って購入してしまうとタイミングによっては思わぬ高値掴みになってしまうこともありますが、分割して購入していくことで高値掴みのリスクを抑えることもできます。

長期的にポジションを持ち続けることを前提としたスワップポイント狙いとしては、このような購入方法で取得単価を抑えながら、なおかつ時間分散によるリスク軽減をすることも一つの選択肢と言えます。

チリも積もれば山となる

チリも積もれば山となる

スワップポイントは毎日毎日小さな金額を受け取っていくというものです。

スワップポイントで稼いでいきたいのであれば、「チリも積もれば山となる」という精神で長い目で利益を見据えていく気持ちが大切です。

ですので、ある程度長期的なビジョン、戦略、シミュレーションなどを明確にしながら、しっかりと狙いを持ってスワップポイントを狙うようにしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です