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為替市場において「年末年始のポジション持ち越しは危険」と言われることが多いですが、なぜ年末年始のポジション持ち越しは危険なのでしょうか。
今回は年末年始の過去の値動きの実例を踏まえながら、危険な2つの理由についてお話していきます。
この記事について動画でも解説しておりますので是非ご覧ください。(動画が見づらいという方はそのままテキストを読み進めて下さい)
年末年始の営業日について理解しておこう
為替相場の場合、12月31日の大晦日は平日であれば通常通り営業していますが、1月1日はお休みとなります。
もし、1月1日が日曜日だった場合は1月2日が元日の振り替え休日となり、1月2日も休みとなります。
また、12月25日のクリスマスに関しても海外では休日となる為、日本時間の14時~16時頃に取引終了となります。
それ以外は通常通り土日がお休みとなりますので、イレギュラー的に休みになるのは12月25日の14時~16時以降と、新年の1月1日となります。
24日 | 25日 | 26日 | 27日 | 28日 | 29日 | 30日 | 31日 | 1日 | 2日 |
休み | 休み |
年末年始の為替相場の動きを実例から確認してみる
まずは実際に過去の年末年始はどのような動きをしてきたのか実例をざっと確認してみましょう。
2018年12月~2019年1月の米ドル/円相場
31日終値 | 2日始値 | 窓開け |
109.590 | 109.655 | +6.5pips |
2018年~2019年の年越しに関しては、年越し時の窓開けは+6.5pipsとそれほど大きな変動はありませんでしたが、1月3日に1時間で500pips以上も円高になる大変動が起きました。
これによって多くのトレーダー達が強制ロスカットの嵐となりました。
2017年12月~2018年1月の米ドル/円相場
29日終値 | 2日始値 | 窓開け |
112.700 | 112.591 | -10.9pips |
2017年は30日が土曜日、31日が日曜日でしたので、年始の1日も含めて3日間相場がお休みでした。
その為、窓開けは-10.9pipsと若干開いています。
また、年明けからややボラティリティが大きくなっていったのも特徴的です。
2016年12月~2017年1月の米ドル/円相場
30日終値 | 3日始値 | 窓開け |
116.941 | 117.282 | +34.1pips |
2016年は31日が土曜日、年明けの1日が日曜日でしたので、2日も元日の振り替え休日でお休みとなり、合計で3日間のお休みがありました。
その為、窓開けも+34.1pipsとかなり開いていますね。
また、年明けの5日6日には1日で200pips以上の変動もしています。年明けから全体的に1日あたりのボラティリティが大きくなった印象があります。
2015年12月~2016年1月の米ドル/円相場
31日終値 | 4日始値 | 窓開け |
120.280 | 120.173 | -10.7pips |
この年は2016年の1月1日が金曜日、2日が土曜日、3日が日曜日でしたので、取引が開始されたのは4日からとなります。
3日間のお休みがあったので、窓開けも-10.7pipsとなっております。
ただ、それ以外は特に目立った変化はなかった年と言えます。
2014年12月~2015年1月の米ドル/円相場
31日終値 | 2日始値 | 窓開け |
119.726 | 119.820 | +9.4pips |
この年は窓開けこそ+9.4pipsでしたが、それ以外は特段目立った動きはありません。
2013年12月~2014年1月の米ドル/円相場
31日終値 | 2日始値 | 窓開け |
105.279 | 105.358 | +7.9pips |
この年は窓開けも+7.9pipsと少なく、値動きに関しても特別変わったところはありませんでした。
2012年12月~2013年1月の米ドル/円相場
31日終値 | 2日始値 | 窓開け |
86.734 | 86.770 | +3.6pips |
この年は綺麗な右肩上がりですね。窓開けも+3.6pipsとほぼ無いに等しいです。
若干12月よりも1月の方が1日あたりのボラティリティは大きくなっていますが、特別変わった動きはありませんでした。
年末年始のポジション持ち越しが危険な2つの理由
さて、ざっとここ数年の年末年始の米ドル/円の値動きを確認してみましたが、色々と気づく点があるかと思います。
これらの事例を踏まえて、年末年始のポジション持ち越しが危険な2つの理由をお話していきます。
窓開けが発生する
まず一つ目は大なり小なりほとんどの確率で窓開けが発生するという特徴があります。
特に1日は必ず相場がお休みになりますし、土日なども絡んでくると3日間相場がお休みになることもあります。
窓開けをするということは、当然その間の価格では取引ができないので、思わぬ損失を被る可能性もあるということです。
ほぼ窓開けスタートとなる以上、下手にポジションをもっているのはリスクと言えます。
流動性が大きく低下する
ここ数年の動きを見ると、ほとんどの年で年明け後にボラティリティが大きくなっている傾向があるのもわかるかと思います。
年末年始は大口の機関投資家などが長期休暇に入ることから流動性が低下する傾向があり、流動性が低下している時はちょっとしたことで相場が大きく動きやすくなります。
そしてこの薄商いの時期を狙ってヘッジファンドが仕掛けてきやすいタイミングでもあり、相場が意図的に動かされる可能性もあります。
特に2019年の年明けの動きは普通ではないですが、こういった普通ではない動きは意図的に相場を動かされている可能性も疑うべきです。
そういったところまで読んでトレードをすればいいのですが、そうでない場合は下手にポジションを持っているとこの荒れた動きに巻き込まれる可能性があります。
年末年始の立ち回り
年末年始にはこのようなリスクがあるので、不安でよくわからないという場合はとりあえずポジションを解消しておくのが最も簡単なリスクヘッジです。
よくわからない場合はひとまずポジションを持たないようにしておきましょう。
またこういったリスクを十分理解した上で、あえて年末年始の動きを狙ってトレードをするのももちろんありです。
特に十分含み益がある状態のポジションを抱えている状況であれば、その時の相場の動きや状況などを十分考慮した上で、あえてリスクをとって持ち越すのも戦略としては十分ありです。
実際、僕は2018年の年末に十分な含み益がある状態でしたので、相場の動きなどをしっかりと分析した上であえてポジションを持ち越しました。
結果的には年始の大幅な円高で更に利益を伸ばすことができました。
このように上手くいけば年末年始の荒れやすい相場でより多くの利益を獲得することもできます。
この辺りは自分のトレードスタイルを元に上手く立ち回れるようにしていきましょう。