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金融市場で無視できない影響力を持つのがファンドや機関投資家によるHFTという取引です。
HFT(高頻度取引)とは、1秒に満たないミリ秒単位という極めて短い時間の間に高速で何度も取引をするコンピューターによる自動取引システムのことです。
更に詳しく知りたい方は以下の記事で書いていますので参考にしてみて下さい。
勝率100%?HFTが市場に与える影響と問題点今や金融市場の50%以上はHFTによる取引とも言われ、その影響力は非常に大きなものとなっています。
この非常に大きな影響力を持ち、なおかつ精度の高いコンピューターによる自動取引システムに個人が勝つ為にはどのような戦略をたてればいいのでしょうか?
今回は個人がHFTに勝つ為にとるべき4つの戦略についてお話していきます。
HFTの3つの特徴を知っておこう
個人がHFTに勝つ為の戦略をたてるためには、まずはHFTの3つの特徴を知っておく必要があります。
HFTの特徴を知ることで対策方法も見えてくるからです。
特徴1.HFTは一般投資家よりも早く注文を約定させることができる
HFTはコロケーションサービスという取引所が提供している高スピードで注文ができるシステムを利用しています。
これによって一般投資家よりも早く注文を約定させることができます。
こんな感じで一般の投資家達の注文よりも先回りして早く注文を通すことができます。
この高スピードの取引を1000分の1秒以下で数千回も行うわけです。
特徴2.市場の注文状況に反応して注文が出される
HFTには様々なシステムがあると言われていますが、代表的なものでは「市場の注文状況に瞬時に反応して注文が出される」というスピード勝負をしていることが多いです。
これはどういったことかと言うと「100円で買いたい」という注文がたくさん入ったとした時に「その注文に即座に反応して先回りして100円で買う」ということが1000分の1秒単位で繰り返されるのです。
つまり、今市場で買い注文が多いのか、それとも売り注文が多いのかによってHFTによる注文状況も変わってくるということです。
HFTはスピード勝負をしているが故に、市場の注文状況に反応するというのが大きな特徴の一つと言えます。
特徴3.市場に流動性をもたらす
HFTは1000分の1秒単位で莫大な数の売買を繰り返していて、金融市場の50%以上はHFTによる取引と言われています。
その為、市場は常に活発に取引が行われているような状態になり、流動性をもたらします。
これによって値動きをサポートしたり、時には抑制したりと、相場に動きをもたらしてくれているのも事実です。
HFTによって流動性が高まっているのです。
個人がHFTに勝つ為にとるべき4つの戦略
ざっとHFTの特徴を理解したら、個人がHFTに勝つ為にとるべき4つの戦略についてお話していきます。
「HFTに勝つ」と表現しましたが、厳密には「HFTと上手く付き合っていく」という表現の方が適切かもしれません。
HFTの存在を認めた上で、個人が為替相場でどのように立ち回っていくべきなのかを4つの戦略でお話ししていきます。
1.スピードで勝負をしない
HFTは個人では到底不可能な1000分の1秒というものすごいスピードで売買を繰り返します。
また、コロケーションサービスを利用しているので約定スピードも段違いです。
つまり、個人トレーダーはスピード勝負では間違いなくHFTに勝てないわけです。
そこで大切になってくるのは「極力スピード勝負をしない」ということです。
スピード勝負をしないというのは具体的に言うと、例えば長期トレード、スイングトレード、デイトレードのような、取引回数はそれほど多くなくてもしっかりと大きなトレンドによって利益をだすようなトレード手法を行うということです。
スキャルピングのような数秒単位で行う手法よりも、上記のような手法の方がHFTの影響は少なくなると言えます。
2.相場心理を読み取って多くの投資家が意識するであろうポイントを見極める
HFTは「市場の注文状況に瞬時に反応して売買を繰り返す」という特徴があります。
逆に言うと「市場の注文状況がHFTを動かす」ということです。
つまり、市場の注文状況をある程度予測することが相場で立ち回る為には大切になります。
では市場の注文状況というのはどのようにして予測すればいいのかというと、それこそが「相場心理を読み取って多くの投資家が意識するであろうポイントを見極める」ということになります。
多くの投資家達が意識するであろうポイントというのは、多くの注文が発生し、取引高も多くなりやすいポイントです。
例えば、上記の様なサポートラインが投資家達に強く意識されると、サポートラインに差し掛かった際に多くの投資家は「このライン付近で反発する可能性が高いから買いを入れよう」と考えます。
ということはそのポイントで買い注文が増えるということです。
買い注文が増えれば、当然HFTも大きく反応しどんどん買い注文を先回りして約定させます。
HFTによる買い注文が更に新たな買い注文を呼び込み、結果的にサポートラインが機能し、大きく反発をしたわけです。
つまり、このような投資家達が強く意識するポイントが予測できれば、それに応じたトレードをすることができるというわけです。
HFTはいわば後出しジャンケンをするシステムなので、相手が手を出してこなければ動けないですが、人間はあらかじめ相場心理を読み取って意識されるポイントを先に予測することができます。
HFTにはできない相場心理の読み取りとそのポイントを意識したトレード戦略を立てることは有効であり、むしろHFTによって更に流動性を高めてトレンドを強めてくれることもあります。
3.流動性が低い時はリスクをとらないようにする
流動性が低い時に瞬間的な大量注文が入るとHFTによるフラッシュクラッシュが起こるリスクも高まります。
FXのフラッシュクラッシュとは?過去の実例から見る原因と対策方法
フラッシュクラッシュは瞬間的な急落や急騰のことで、ある種事故のようなものです。
自分のポジションに対して有利な方向に動けばいいのですが、万が一不利な方向で巻き込まれると、一瞬にして大きな損失を被ってしまう可能性があります。
このような事故を防ぐためにはできるだけ「相場の流動性が低い状態でのトレードを避ける」ということが大切です。
できるだけ流動性の高い通貨ペアでトレードをするようにしたり、日本時間の早朝など世界的に取引高が減る時間帯を避けたりすることも大切です。
4.相場の流れに素直に従う
HFTというのはある種とても素直とも言えます。
市場全体の買い注文が多ければHFTも買い注文が増えますし、市場全体の売り注文が多ければHFTの売り注文も増えます。
つまり、HFTは相場の流れやトレンドなどを助長する働きがあると考えられるのです。
ということは、個人トレーダーが勝つ為には素直に相場の流れやトレンドに従うということはとても有効であると言えます。
むしろHFTによってトレンドが発生しやすいとも言え、その流れに上手く乗ることができればそれ相応の利益を生み出すことができるということです。
相場の動き、流れ、トレンドに素直に従ったトレードを意識してみましょう。