スワップポイント投資はやめとけ?おすすめしない理由とトルコリラの損益

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こんな疑問を持つ方へ
  • スワップポイント投資は、なぜ「おすすめしない」「やめとけ」と言われるの?
  • トルコリラで実際に損した人はどれくらい?スワップで取り戻せないの?
  • スワップポイントが減った・下がったのはなぜ?
  • すでに含み損がある。損切りするか、持ち続けるか決めたい

スワップポイント投資が「おすすめしない」「やめとけ」と言われる一番の理由は、通貨の値下がりの損がスワップより大きくなりやすいことです。たとえばトルコリラ/円を2019年4月1日に1万通貨買ったとします。2026年10月16日まで持っていた場合、受け取れたスワップは合計80,076円でした。一方で為替の損は170,162円で、差し引きでは買った時の金額の44.6%の損です。

この記事では、OANDA証券などが公表している実際のスワップと、Yahoo!ファイナンスの為替レートをhiro-fx.comが集計しました。年別の損益、スワップが減った理由、損切りの考え方を順に解説します。

スワップポイント投資をおすすめしないと言われる5つの理由

理由何が起きるかトルコリラ/円の実例(hiro-fx.comの集計)
①為替の損がスワップを上回りやすい金利の高い国は物価の上昇も速く、通貨が下がりやすい2019年4月1日〜2026年10月16日に1リラ20.21円→3.19円(−84.2%)
②スワップは減る・マイナスにもなる利下げや市場の混乱で受け取る額が変わる1万通貨・1日あたりの平均は2024年40.3円→2026年5.0円
③少しの値下がりで何十日分ものスワップが消える1日分のスワップは小さく、値下がりは一度に来る0.1円の値下がりで約52日分(OANDA証券の1日分19.4円で計算)
④レバレッジをかけるとロスカットされる強制的に決済されると、その後のスワップも受け取れない値下がりの大きい通貨ほど、低いレバレッジでないと持ち続けられない
⑤売買の差(スプレッド)と税金新興国通貨は売買の差が広め。スワップにも税金がかかるスワップも売買の損益と合わせて20.315%

※トルコリラ/円の数字は、OANDA証券(東京サーバー)が公表しているスワップの記録と、Yahoo!ファイナンスの日足(対ドルのレートから計算)をもとにhiro-fx.comが集計。手数料・売買の差・税金は含まない

スワップポイントは、金利の低い円を売って金利の高い通貨を買うと、その金利差の分を毎日受け取れる仕組みです。ただし金利が高い国は、物価の上昇が速く、通貨の価値が下がりやすい傾向があります。スワップで少しずつ増えた分を、為替の値下がりがまとめて打ち消してしまうことが、「やめとけ」と言われる中心の理由です。

さらに、スワップの額はずっと同じではありません。政策金利の変更や市場の混乱で減ったり、買っているのに支払う側になったりします。スワップの基本的な仕組みはスワップポイントとは?で解説しています。

【データ】トルコリラ/円は実際に損した?年別のスワップと為替の損益

図1 トルコリラ/円を1年持った場合の、スワップと為替の損益(年別) 各年の最初の営業日に1万通貨を買い、その年の最後の営業日まで持った場合。買った時の金額に対する割合 スワップの合計 為替の損益 −40% −30% −20% −10% 0 +10% +20% +30% +7.4% −9.6% 2019年 (4月〜) 計−2.1% +5.0% −24.0% 2020年 計−19.0% +8.7% −37.9% 2021年 計−29.2% +11.3% −20.5% 2022年 計−9.2% +14.1% −30.4% 2023年 計−16.3% +30.6% −7.3% 2024年 計+23.3% +17.7% −18.3% 2025年 計−0.7% +3.9% −12.5% 2026年 (〜10月16日) 計−8.5%

図: OANDA証券(東京サーバー)の買いスワップの記録(1万通貨あたり)と、Yahoo!ファイナンスの日足(米ドル/円÷米ドル/トルコリラで計算)をもとにhiro-fx.comが集計。手数料・売買の差・税金は含まない

2019年4月から2026年10月まで、トルコリラ/円はどの年も、年の初めより終わりのほうが安くなっていました。年間の為替の損は、買った時の金額の7.3%〜37.9%です。

スワップはどの年もプラスで、多い年は買った時の金額の30.6%(2024年)を受け取れました。それでも、スワップと為替を合わせてプラスになったのは8つの期間のうち2024年だけ(+23.3%)です。2021年は政策金利の引き下げでリラが大きく下がり、合計は−29.2%でした。

買った年ごとに、2026年10月16日まで持ち続けた場合

買った日1リラの値段スワップの合計為替の損益合計(買った金額に対して)
2019年4月1日20.21円+80,076円−170,162円−44.6%
2020年1月1日18.28円+65,038円−150,914円−47.0%
2021年1月1日13.89円+55,894円−106,974円−36.8%
2022年1月3日8.83円+43,797円−56,384円−14.3%
2023年1月2日6.98円+33,842円−37,871円−5.8%
2024年1月1日4.80円+23,979円−16,045円+16.5%
2025年1月1日4.46円+9,306円−12,675円−7.6%
2026年1月1日3.65円+1,430円−4,543円−8.5%

※1万通貨を買い、2026年10月16日(1リラ3.19円)まで持ち続けた場合。スワップはOANDA証券(東京サーバー)の記録の合計。2019年はOANDA証券の記録が始まる4月1日から。hiro-fx.comが集計

「長く持てば、スワップで為替の損を取り戻せるのでは」と考える人も多いはずです。しかし2019年4月に買った場合、7年半でスワップは買った時の金額の39.6%たまりましたが、為替の損は84.2%で、取り戻せていません。

8つの買い方のうちプラスだったのは、2024年1月に買った場合(+16.5%)だけでした。政策金利が高く、リラの下がり方が比較的ゆるやかだった時期です。結果は「いつ買ったか」で大きく変わり、通貨が下がり続けると、長く持っても損は残ります。

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トルコリラのスワップポイントはなぜ下がった?2019年からの推移

図2 トルコリラ/円の買いスワップの推移(1万通貨・1日あたりの平均) OANDA証券の記録を年ごとに平均。下の段は「買った時の金額に対する1年あたりの割合」と、年初の1リラの値段 0円 20円 40円 60円 年率 1リラ 54.9円 2019年* 9.9% 20.21円 25.1円 2020年 5.0% 18.28円 33.2円 2021年 8.7% 13.89円 27.6円 2022年 11.4% 8.83円 27.3円 2023年 14.3% 6.98円 40.3円 2024年 30.7% 4.80円 21.7円 2025年 17.8% 4.46円 5.0円 2026年* 5.0% 3.65円 *2019年は4月1日から、2026年は10月16日まで。年率は日数で1年分に換算

図: OANDA証券(東京サーバー)の買いスワップの記録(1万通貨あたり)をもとにhiro-fx.comが集計。1日あたりは、その期間のスワップの合計を暦の日数で割った値

1万通貨あたりのスワップは、2019年の1日平均54.9円から、2026年は5.0円まで減りました。理由は大きく2つあります。

1つめは、リラの値段そのものが下がったことです。1リラが20.21円だった2019年と3.65円の2026年では、同じ1万通貨でも円にした金額が5分の1以下です。金額が小さくなれば、受け取るスワップの円の額も小さくなります。

2つめは、トルコの政策金利の変化です。買った金額に対する年率で見ると、利上げが続いた2024年は30%を超えました。利下げが始まった2025年は17.8%、スワップがマイナスの月もあった2026年は5.0%まで下がっています。主な動きは次のとおりです。

時期トルコ中央銀行の動きスワップ・リラの動き(hiro-fx.comの集計)
2021年9〜12月物価が上がる中で、政策金利を19%から14%へ引き下げ2021年のリラは年間−37.9%
2023年6月〜2024年3月8.5%から15%へ引き上げ、2024年3月には50%に2024年のスワップは年率30.7%
2024年12月〜2026年1月利下げを始め、2026年1月に37%2025年は年率17.8%に低下
2026年3月〜8月1週間物の資金供給(レポ入札)を止め、市場の金利は約40%に2026年3〜6月は、買いのスワップの月の合計がマイナス

※トルコ中央銀行の動きは、同行の発表を伝えた大手報道(ロイター、ブルームバーグ、bne IntelliNewsなど)で確認。政策金利は2026年9月10日の会合でも37%に据え置き

2026年3〜6月は、買っていてもスワップを支払う月があった

OANDA証券の記録で、トルコリラ/円の買いのスワップ(1万通貨)を月ごとに合計しました。2026年3月は−20.3円、4月−6.5円、5月−100.7円、6月−151.9円です。2026年1月から10月15日までの記録206日のうち、74日がマイナスです。

同じ時期、中東情勢の緊迫を受けて、トルコ中央銀行は3月1日から1週間物の資金供給を止めていました(8月下旬に再開)。政策金利が37%のままでも、受け取れるスワップがマイナスになることがある、という例です。

スワップポイントが減った・マイナスになるのはどんなとき?

原因何が起きるか例
買った通貨の国が利下げした金利差が縮み、受け取る額が減るトルコの2021年・2024年12月からの利下げ
日本の金利が上がった円の金利が上がる分、金利差が縮む日銀は2024年3月にマイナス金利を解除し、2026年9月に1.25%へ
市場が混乱した短期の資金の金利が大きく動き、マイナスになる日もトルコリラ/円の2026年3〜6月
FX会社が額を見直した同じ通貨・同じ日でも、会社によって額が違う下の4社の比較
付与日数が違うだけ土日の分をまとめて付ける日があり、翌日は少なく見える水曜日などに3日分

※hiro-fx.com作成。日銀の政策金利は日本銀行の公表による

スワップは、2つの通貨の金利差をもとに、FX会社が毎日決めています。そのため、どちらかの国の金利が動いたり、短期の資金の取引が荒れたりすると、額が変わります。「減った」と感じたときは、まず付与日数(何日分か)を確かめ、それでも少ないなら金利の変化を疑うと整理しやすくなります。土日の分がまとめて付く日はスワップ倍増DAYデータベースで確かめられます。

ドル円のスワップも、2023年から減っている

年1日あたりの平均(1万通貨)買った金額に対する年率日銀の政策金利(年末)
2023年186.1円5.2%−0.1%(マイナス金利)
2024年166.9円4.3%0.25%
2025年109.6円2.5%0.75%
2026年(〜10月16日)71.5円1.7%1.25%(9月〜)

※OANDA証券(東京サーバー)の米ドル/円の買いスワップの記録をhiro-fx.comが集計。年率は日数で1年分に換算。日銀の政策金利は日本銀行の公表による

米ドル/円の買いのスワップは、2023年の1日平均186.1円から、2026年は71.5円まで減りました。日銀が利上げを続け、米国も2024年9月から利下げしたため、日米の金利差が縮んだことが主な理由です。トルコリラのような通貨安ではなく、金利差の縮小でスワップが減った例です。

同じ日でも、FX会社でスワップは違う(トルコリラ/円)

FX会社対象日買い(受け取り)売り(支払い)
OANDA証券2026年10月15日19.4円−32.4円
みんなのFX2026年10月16日24.0円−24.0円
LIGHT FX2026年10月16日24.0円−24.0円
外為オンライン2026年10月19日付(同社の営業日の表記)15.0円−15.0円

※1万通貨・1日分。各社の公表ページ(OANDA証券は東京サーバーのスワップ履歴、みんなのFX・LIGHT FXはスワップカレンダー、外為オンラインはスワップポイント一覧)で2026年10月17日に確認した直近の値。対象日は各社の表記のまま。値は日々変わる

2026年10月17日に確認した直近の1日分は、1万通貨あたり15.0円から24.0円まで差がありました。OANDA証券は買いの受け取り19.4円に対して売りの支払いが32.4円と、受け取りと支払いの額にも差があります。比べるときは1日の額だけでなく、過去にマイナスの日がどれくらいあったかも見ておくと安心です。

スワップポイント投資の損切りはどう考える?

1リラあたりの値下がり1万通貨の損OANDA証券(1日19.4円)みんなのFX・LIGHT FX(1日24.0円)外為オンライン(1日15.0円)
0.1円(約3%)1,000円約52日分約42日分約67日分
0.5円(約16%)5,000円約258日分約208日分約333日分
1.0円(約31%)10,000円約515日分約417日分約667日分

※値下がりの損を、買いのスワップ何日分で取り戻せるかの目安(損÷1日分のスワップ)。1日分は上の4社の直近の値で、この先も同じ額が続くと仮定。%は2026年10月16日の1リラ3.19円に対する割合。hiro-fx.comが計算

トルコリラ/円が0.1円下がると、1万通貨で1,000円の損です。OANDA証券の直近の1日分19.4円なら、取り戻すのに約52日かかります。1円下がると約515日、1年半近くです。スワップ狙いの損切りを考えるときは、まず「抱えている含み損が、スワップ何日分にあたるか」を数えると判断しやすくなります。

スワップ狙いでは「損切りしない」という考え方もあります。ただしそれが成り立つのは、大きく下がってもロスカットされない、低いレバレッジで持っている場合だけです。損切りをするなら、買う前に「ここまで下がったら手放す」値段を決めておき、含み損が膨らんでから考えないことが大切です。

ポイント:スワップの前提が変わったとき(利下げが続く、スワップがマイナスの日が増える)は、持ち続ける理由そのものが弱くなっています。値段だけでなく、受け取れるスワップの変化も損切りの判断材料になります。

レバレッジごとに、どれくらいの値下がりまで耐えられるかは長期保有・スワップ運用の証拠金維持率は何%が安全?で、通貨別に検証しています。

「やめとけ」に当てはまる?始める前に確かめたいこと

図3 スワップポイント投資を始める前のチェック 当てはまらない項目があれば、始める前にその点を確かめる □ 生活費や、近いうちに使うお金ではない 元本が大きく減っても暮らしに困らないお金で持つ □ 通貨の長い期間のチャートを見た トルコリラ/円は2019年4月から2026年10月で−84.2% □ スワップが減る・マイナスになる日があると知っている 2026年3〜6月のトルコリラ/円は月の合計がマイナス □ 急落してもロスカットされない量にした 実効レバレッジ(持っている金額÷口座のお金)を低く抑える □ 損切りするか、持ち続けるかの基準を決めた 「スワップ何日分の損まで」など、数字で決めておく □ スワップにも税金がかかると知っている 売買の損益と合わせて20.315%。受け取る時期は会社の方式で違う

「やめとけ」と言われるのは、スワップの小ささに比べて、為替で失う額が大きくなりやすいからです。上の項目を確かめても始めたい場合は、まず少ない量で、スワップと為替の損益がどう動くかを見てみる方法もあります。具体的なやり方とレバレッジの目安はキャリートレードは個人でもできる?で解説しています。

よくある質問

Q1. トルコリラ/円は、この先も下がりますか?

A. 先の値動きは予想できません。2026年10月16日のトルコリラ/円は1リラ3.19円で、トルコの政策金利は37%(2026年9月10日の会合で据え置き)です。トルコ中央銀行の次の会合は2026年10月22日の予定で、政策金利の変更はスワップの額にも影響します。

Q2. スワップポイントがマイナスになったら、どうなりますか?

A. 買いで持っていても、その日の分を支払う側になります。支払ったスワップは、受け取ったスワップと同じく損益に加わります。マイナスの日が続くと、持っているだけで損が増えます。

Q3. 損切りしたら、それまでに受け取ったスワップはどうなりますか?

A. 受け取ったスワップがなくなるわけではありません。多くのFX会社では、決済のときに為替の損益とあわせて確定し、合計の損益になります。スワップを先に口座のお金へ移せる「スワップ振替」の注意点はスワップ振替のデメリットとは?で解説しています。

Q4. スワップポイントにも税金はかかりますか?

A. かかります。国内のFXでは、スワップも売買の損益と合わせて「先物取引に係る雑所得等」になります。税率は20.315%です(国税庁タックスアンサーNo.1521)。為替で損をした年は、スワップの利益と相殺されます。

Q5. トルコリラ以外の高金利通貨なら、やめとけに当てはまりませんか?

A. 通貨ごとに値動きは異なりますが、金利が高い国の通貨が下がりやすい点は共通しています。スワップの額だけで選ばず、その通貨が過去にどれだけ下がったか、スワップがマイナスになった時期がないかを確かめてから判断してください。

まとめ:スワップポイントがやめとけと言われるのは、為替の損が大きいから

  • スワップポイント投資をおすすめしない一番の理由は、スワップより為替の値下がりの損が大きくなりやすいこと
  • トルコリラ/円は2019年4月から持ち続けると、スワップ80,076円を受け取っても合計−44.6%。年別でプラスは2024年だけだった
  • トルコリラのスワップは1万通貨・1日平均で2019年54.9円→2026年5.0円。リラ安と利下げで減り、2026年3〜6月は月の合計がマイナスだった
  • ドル円のスワップも、日米の金利差が縮んで2023年の1日平均186.1円から2026年は71.5円に減った
  • 損切りは「含み損がスワップ何日分か」で考え、買う前に手放す値段を決めておく。損切りしないなら、ロスカットされない低いレバレッジが前提

スワップの仕組みから知りたい方はスワップポイントとは?、持つ量の目安は長期保有・スワップ運用の証拠金維持率をあわせてご覧ください。

※この記事の情報は2026年10月17日時点のものです。主な出典: OANDA証券「スワップポイント(東京サーバー)」の公表データ、みんなのFX・LIGHT FX「スワップカレンダー」、外為オンライン「スワップポイント一覧」、Yahoo!ファイナンスの為替の日足、トルコ中央銀行の金融政策の決定(ロイター、ブルームバーグ、bne IntelliNewsなどの報道で確認)、日本銀行(政策金利)、国税庁タックスアンサーNo.1521。スワップの額や条件はFX会社・時期によって変わります。過去の損益は将来の損益を示すものではありません。この記事は特定の通貨やFX会社を勧めるものではなく、投資を勧めるものでもありません。