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- 長期保有やスワップ投資なら、証拠金維持率は何%あれば安全?
- トルコリラ円やメキシコペソ円は、ドル円より高い維持率が必要?
- トラリピやEAなどの自動売買は、資金をどう決めればいい?
- スワップで含み損は埋まる?長く持つときの注意点は?
長期保有やスワップ運用の証拠金維持率は、ドル円なら1000%前後、トルコリラ円などの高金利通貨なら1500〜2000%がひとつの目安です。当サイトで2011〜2026年の5通貨の日足を集計すると、ドル円を1年持った場合の最大の下落は19.5%でしたが、トルコリラ円は55.4%でした。この記事では、通貨ごとに必要だった維持率と、EA・トラリピの資金の考え方、長く持つときの注意点を解説します。
長期保有の証拠金維持率は何%が安全?ドル円で1000%、高金利通貨は1500%以上
図: 各営業日の終値で買い、その後1年間の終値の最安値で維持率がロスカット水準(100%)を下回ったかを数えた。2011-01-03〜2026-10-08のYahoo!ファイナンスの日足でhiro-fx.comが試算(スワップポイントは含めない)
1年持ち続けた場合、維持率500%ではドル円でも96.7%、トルコリラ円では40.3%のケースでしかロスカットを避けられませんでした。1000%にすると、ドル円・豪ドル円・メキシコペソ円・南アフリカランド円は過去15年のすべてのケースで耐えています。
トルコリラ円だけは1000%でも88.7%で、1500%でようやくすべてのケースに耐えました。長期の目安は「どの通貨を持つか」で大きく変わります。
証拠金維持率1000%は、実効レバレッジに直すと2.5倍です。みんなのFXがスワップ運用の解説で「最低でも250%以上、できれば300%以上が無難という見方が一般的」としているのは、日々の値動きへの備えとしての数字と考えられます。1年以上放置するなら、それより高い水準が必要というのがデータの答えです。
【データ】通貨別、1年・3年持ったときの最大の含み損と必要だった維持率
図: 2011-01-03〜2026-10-08の日足(終値)で、各営業日に買ってから1年・3年のあいだに付けた最大の下落率から計算。必要な維持率=最大の下落率÷4%×100+100(hiro-fx.comが試算)
| 通貨ペア | 1年:下落の中央値 | 1年:最大の下落 | 3年:下落の中央値 | 3年:最大の下落 | 3年に耐えた維持率(実効レバレッジ) |
|---|---|---|---|---|---|
| ドル円 | 3.6% | 19.5% | 4.6% | 20.5% | 約620%(4.1倍) |
| 豪ドル円 | 6.9% | 21.7% | 13.0% | 30.3% | 約860%(2.9倍) |
| メキシコペソ円 | 6.9% | 32.5% | 19.3% | 41.9% | 約1,150%(2.2倍) |
| 南アフリカランド円 | 9.7% | 35.5% | 20.1% | 39.8% | 約1,100%(2.3倍) |
| トルコリラ円 | 18.9% | 55.4% | 49.8% | 68.7% | 約1,820%(1.4倍) |
※買ってから1年・3年のあいだに、買値から何%下がったか(日足の終値ベース)。2011-01-03〜2026-10-08・各約3,300〜3,900通り。日中の安値はさらに下がるため、実際にはもう少し高い維持率が必要。Yahoo!ファイナンスの日足でhiro-fx.comが集計
3年持った場合、ドル円の最大の下落は20.5%で、耐えるのに必要だった維持率は約612%でした。メキシコペソ円と南アフリカランド円は約1,095〜1,148%、トルコリラ円は約1,818%(実効レバレッジ1.4倍)が必要でした。
下落の中央値(真ん中の値)を見ても、トルコリラ円は3年で49.8%と、ふつうに持っているだけで半分近く下がっていたことになります。高金利通貨は、スワップポイントをもらえる代わりに、通貨そのものが下がりやすい点を数字で確かめておく必要があります。
トルコリラ円など高金利通貨は、証拠金率が高い会社もある
| 会社 | 通貨ペア | 個人の証拠金率(最大レバレッジ) |
|---|---|---|
| OANDA証券 | トルコリラ円 | 25%(4倍)※2022年1月31日から |
| OANDA証券 | 南アフリカランド円・メキシコペソ円 | 10%(10倍) |
| マネックス証券(FX PLUS) | トルコリラ円・メキシコペソ円・南アフリカランド円など | 8%(12.5倍) |
| みんなのFX | トルコリラ円 | 4%(25倍)※2024年7月20日に10%から引き下げ |
| 楽天証券 | トルコリラ円 | 4%(25倍)※2025年7月28日に5%から引き下げ |
※各社の公式ページで2026年10月8日に確認。証拠金率は変更されることがある
多くの会社では、個人の証拠金率はどの通貨も4%(レバレッジ25倍)です。ただし、値動きの大きいトルコリラ円などは、会社によって8〜25%と高く設定されています。
証拠金率が高い会社では、同じ「維持率300%」でも実効レバレッジが低くなります。たとえば証拠金率25%なら、維持率100%で実効レバレッジ4倍、400%で1倍です。会社をまたいで比べるときは、維持率より実効レバレッジで考えると分かりやすくなります。
あわせて読みたい:トルコリラのスワップ狙いが危険な5つの理由
EA・トラリピなど自動売買の証拠金維持率と資金の考え方
図: マネースクエア「トラリピ 必要資金」、アイネット証券「ループイフダン」、松井証券「自動売買に必要な資金」の公式の説明をもとに作成
トラリピやループイフダンなど、決めた値幅ごとに売買をくり返す自動売買では、「下がりきったときに何本持っているか」で必要な資金が決まります。各社とも、必要証拠金とレンジ内の含み損の合計を目安にしています。
| ドル円150円から下のレンジ | 本数(1本1,000通貨) | 下限での含み損 | 下限での必要証拠金 | 合計(①+②) |
|---|---|---|---|---|
| 150〜140円(10円幅) | 20本 | 100,000円 | 112,000円 | 212,000円 |
| 150〜140円(10円幅) | 50本 | 250,000円 | 280,000円 | 530,000円 |
| 150〜130円(20円幅) | 20本 | 200,000円 | 104,000円 | 304,000円 |
| 150〜130円(20円幅) | 50本 | 500,000円 | 260,000円 | 760,000円 |
| 150〜120円(30円幅) | 20本 | 300,000円 | 96,000円 | 396,000円 |
| 150〜120円(30円幅) | 50本 | 750,000円 | 240,000円 | 990,000円 |
※150円から下限まで等間隔に買い、全部が下限まで下がったときの試算(スワップ・利益確定分は含めない)。個人口座の証拠金4%。含み損=1,000通貨×本数×レンジ幅÷2
たとえば150〜130円の20円幅に50本しかけると、下限では含み損50万円と必要証拠金26万円で、合計76万円が必要になります。ドル円を1年持った場合の最大の下落は19.5%(150円なら約29円)だったので、20円幅のレンジでは外れることもあります。
レンジを外れると、ポジションが増えないまま含み損だけが膨らみます。マネースクエアは利用者の維持率の平均がおおよそ1,000%(2022年3月末時点)としており、余裕を大きく取って運用している人が多いことが分かります。EAも同じで、ナンピンするEAは最大のポジション数から逆算して資金を決めるのが基本です。
あわせて読みたい:ナンピンEAとは?ロジック・設定の意味と、ドル円21年で試した勝率と損益
スイングトレード(数週間〜数か月)の証拠金維持率の目安
| 建てたときの維持率 | 1か月持った場合 | 3か月持った場合 |
|---|---|---|
| 200% | 85.7% | 64.7% |
| 300% | 98.5% | 89.6% |
| 500% | 100% | 99.5% |
| 1000% | 100% | 100% |
※ドル円で、ロスカット100%の会社でロスカットされずに済んだ割合。2005年1月〜2026年9月のDukascopy社のドル円日足(売値)で、各営業日の始値で買いと売りを持ったとして試算(hiro-fx.com)
数週間から数か月持つスイングトレードでは、ドル円で500%前後がひとつの目安です。維持率300%なら1か月は98.5%耐えましたが、3か月では89.6%に下がりました。500%なら3か月でも99.5%でした。
スイングでは、週末や重要な経済指標をまたぐ回数が増えます。持つ期間が延びたら、維持率の目安も一段上げると考えると整理しやすくなります。短期の目安は、別の記事で保有期間ごとに詳しく集計しています。
長期保有で証拠金維持率を保つ方法
図: 各社の公式ページとhiro-fx.comの集計をもとに作成
長く持つほど、最初に決めたレバレッジがそのまま結果に響きます。後から入金で支えるより、最初から実効レバレッジを低くしておくほうが、急な下落にも落ち着いて対応できます。
スワップポイントは、多くの会社で評価損益として維持率の計算に含まれます。スワップを受け取りながら持ち続ければ、そのぶん維持率は少しずつ上がりますが、通貨の下落を埋めきれるとは限りません。
スワップ運用の注意点:高金利通貨は長く持つほど下がりやすい
図: 2011-01-03と2026-10-08の終値の比較。Yahoo!ファイナンスの日足でhiro-fx.comが集計
2011年1月から2026年10月までに、トルコリラ円は-94.0%、南アフリカランド円は-22.7%下がりました。金利が高い通貨は、物価の上昇などで通貨の価値が下がりやすく、高いスワップはその下落とセットになっていることが多いからです。
スワップで含み損を埋められるかは、通貨の下落の速さとスワップの額しだいです。トルコリラ円のように何年も下がり続けると、スワップを受け取っていても損失が上回ることがあります。政策の急な変更で1日に大きく動くこともあるため、長期でも放置しきらず、維持率を定期的に確かめてください。
あわせて読みたい:スワップポイントで稼ぐための具体的な方法
よくある質問
Q1. スワップ投資は実効レバレッジ何倍までが安全ですか?
A. 過去15年の日足で見ると、1年持ってすべてのケースに耐えたのは、ドル円で約4.3倍以下、トルコリラ円で約1.7倍以下でした(日足の終値ベース)。日中の値動きはさらに大きいので、余裕を持たせてください。
Q2. トルコリラ円は維持率何%なら安全ですか?
A. 過去15年で、1年持った場合の最大の下落に耐えるには約1,485%、3年なら約1,818%が必要でした。これは過去の値動きで、将来もこの範囲に収まるとは限りません。
Q3. トラリピの証拠金維持率は何%くらいが普通ですか?
A. マネースクエアは、トラリピの利用者の維持率の平均がおおよそ1,000%(2022年3月末時点)と公表しています。必要な資金は、レンジの下限まで下がったときの証拠金と含み損の合計で考えます。
Q4. 長期保有でもロスカットの水準が低い会社を選ぶべきですか?
A. ロスカットが50%の会社なら100%の会社より少し余裕が増えますが、差は必要証拠金の半分ぶんです。長期では、会社の水準よりも最初の実効レバレッジのほうが影響は大きくなります。
Q5. スワップポイントは証拠金維持率に入りますか?
A. 多くの会社で入ります。毎日口座残高に入る会社(GMOクリック証券など)と、決済まで評価損益として扱う会社(ヒロセ通商・SBI FXトレードなど)がありますが、どちらも維持率の計算には含まれます。
まとめ:長期の証拠金維持率は通貨ごとに逆算する
- 長期保有・スワップ運用の維持率は、ドル円で1000%前後、高金利通貨で1500〜2000%がひとつの目安
- 過去15年で1年持った場合の最大の下落は、ドル円19.5%、トルコリラ円55.4%。3年ならトルコリラ円68.7%
- 必要な維持率=想定する下落率÷4%×100+100(ロスカット100%・証拠金4%の場合)
- トラリピ・EAは、レンジの下限まで下がったときの証拠金と含み損の合計から資金を決める
- 高金利通貨は会社によって証拠金率が8〜25%。長く持つほど通貨の下落に注意
ロスカットまでの値幅や必要証拠金はFX計算機セットで、スワップが多くもらえる日はスワップ倍増DAYデータベースで確認できます。
※この記事の情報は2026年10月8日時点のものです。主な出典: 金融先物取引業協会、みんなのFX、マネースクエア、アイネット証券、松井証券、OANDA証券、マネックス証券、楽天証券、外為どっとコム、ヒロセ通商、GMOクリック証券、SBI FXトレードの公式ページ。値動きはYahoo!ファイナンスの日足(2011-01-03〜2026-10-08)とDukascopy社のドル円日足をもとにhiro-fx.comが集計したもので、スワップポイントは含めていません。過去の値動きは将来の値動きを約束するものではありません。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。取引はご自身の判断で行ってください。

