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- 為替介入が入ると、FXのポジションはどうなる?ロスカットされる?
- 損切りの逆指値は、介入のときも指定どおりに約定する?スプレッドは?
- 自分の資金とレバレッジだと、何円の急落まで耐えられる?
- 介入はFXのチャンス?介入を狙って売る(ショート)のはあり?
為替介入が入ると、ドル円は数時間で4〜7円ほど動くことがあり、ドル円を買っているFXのポジションは大きな損失やロスカットにつながります。損切りの逆指値が指定より不利な値段で約定したり、スプレッドが広がったりもしやすくなります。当サイトの集計では、2022年以降のドル円の1日の値幅は平均1.15円で、介入の初日はその数倍動きました。この記事では、介入の日に実際に何が起きたかと、自分の資金で何円の急落まで耐えられるかの目安を解説します。
為替介入でFXはどうなる?ドル円が数時間で4〜7円動く
| 介入日 | 急落した時間帯(日本時間) | ドル円の動き | 下げ幅 |
|---|---|---|---|
| 2022年9月22日 | 17時過ぎ | 145.90円→140.36円 | 約5.5円 |
| 2022年10月21日 | 21時半過ぎ〜翌1時台 | 151.94円→144.50円 | 約7.4円 |
| 2024年4月29日 | 13時過ぎ | 160.2円台→154.5円前後 | 約5.7円 |
| 2024年5月1日 | 5月2日の5時過ぎ | 157.59円→153.04円 | 約4.6円 |
| 2024年7月11日 | 21時40分ごろ | 161円台半ば→157.40円 | 約4円 |
| 2026年4月30日 | 15時台〜20時台 | 160.72円→155.51円 | 約5.2円 |
| 2026年7月30日 | 22時台〜23時台 | 162円台後半→157円台後半 | 約5円 |
※各日の高値・安値は報道(ロイター、外為どっとコム、OANDA証券、野村総合研究所、共同通信など)とhiro-fx.comが保存した1時間足による。財務省の公表では2024年5月1日の介入は日本時間5月2日早朝。2026年7月30日〜8月26日の介入は日ごとの金額が未公表(2026年10月5日時点)
為替介入でFXが大きな影響を受けるのは、値動きの大きさと速さが、ふだんとまったく違うからです。2022年以降の介入の初日は、どの回もドル円が短い時間で4円以上下がりました。2022年以降の1日の値幅は平均1.15円なので、1日の平均の3〜6倍ほどの動きが、数時間に詰まったことになります。
1万通貨なら、5円の急落で5万円の損益になる
| 取引量 | 1円動くと | 5円動くと | 7円動くと |
|---|---|---|---|
| 1,000通貨 | 1,000円 | 5,000円 | 7,000円 |
| 1万通貨 | 1万円 | 5万円 | 7万円 |
| 10万通貨 | 10万円 | 50万円 | 70万円 |
※ドル円の損益=値動き(円)×取引量。スプレッドとスワップポイントは含めていない
円買い介入ではドル円が下がるので、ドル円を買っている人は損、売っている人は利益になります。2022年以降の介入は、どれもドル円が160円前後まで上がった円安の局面でした。円安の流れに乗ってドル円を買っている人ほど、介入の影響を受けやすいといえます。
【データ】2026年4月30日、ドル円は5時間ほどで5.2円下がった
図: 2026年4月30日6時〜5月1日6時のドル円の1時間足(Yahoo!ファイナンスのデータをhiro-fx.comが保存。財務省公表の介入額は4月30日6兆2,787億円)
当サイトが保存している1時間足で、2026年4月30日の動きを見ると、ドル円は15時台に160.72円の高値をつけました。そこから16時台に下がり始め、19時台の1時間で2.39円、20時台に155.51円まで下がりました。15時台の高値から20時台の安値まで、5.21円の下落です。
同じ年の5月6日も13時台の1時間で2.83円、7月30日も22時台の1時間で3.2円下がりました。介入は数分から数十分で一気に値段を動かすため、チャートを見てから注文しても間に合わないことが多いといえます。
ひとことで言うと:介入の日は、ふだんの数日分の値動きが1〜2時間で起きる。チャートを見てから対応するのでは遅い
介入でなくても、警戒だけで急落することがある
2026年5月1日の15時台にも、ドル円は1時間で1.84円下がりました。ただ、財務省が公表した日ごとの介入に5月1日は入っていません。介入が警戒されている時期は、実際の介入がなくても、損切りの注文が連なって急に動くことがあります。
介入の日に起きやすいこと:ロスカット・逆指値のスリッページ・スプレッド拡大
| 起きること | 内容 | 業者の説明 |
|---|---|---|
| ロスカット | 損失が一定の水準を超えると、ポジションが強制的に決済される | 2009年に金融庁が業者にロスカット・ルールの整備と遵守を義務づけた |
| 逆指値のスリッページ | 損切りの逆指値が、指定した値段より不利な値段で約定する | GMOクリック証券は、逆指値は指定価格に達した時点の自社のレートで約定すると説明 |
| スプレッドの拡大 | 買値と売値の差が広がり、取引のコストが増える | みんなのFXは「原則固定(例外あり)」とし、相場の急変時を例外に挙げる |
| 口座残高のマイナス | ロスカットが間に合わず、預けたお金以上の損失が出る | GMOクリック証券・みんなのFXは、預けた額以上の損失が出る可能性を明記 |
※各社の公式ページ(2026年10月5日確認)。どのページも「為替介入」という言葉ではなく「相場の急変時」として説明している
ロスカットは損失を限定するしくみですが、確実に止めてくれるわけではありません。ロスカットの注文は成行で出されるため、値段が飛ぶように動くと、決められた水準よりかなり不利な値段で決済されることがあります。
損切りの逆指値も同じです。逆指値は「その値段になったら成行で決済する」注文なので、介入のように一気に動くと、指定より不利な値段で約定しやすくなります。スプレッドが広がる時間帯と重なると、その差はさらに大きくなります。
あわせて読みたい:強制ロスカットされたらどうなる?いくら残るかと国内14社の発動水準
介入の日に「大損」した人に共通しやすいこと
介入で大きな損を出すのは、ポジションが資金に対して大きすぎる、損切りを決めていない、の2つが重なった場合が中心です。とくに「160円は介入されるから、その少し手前で買えば安全」と考えて量を増やすと、介入の急落をまともに受けます。
自分の資金なら何円の急落まで耐えられる?実効レバレッジ別の早見表
| 実効レバレッジ | 口座の資金 | 維持率100%の業者でロスカットまで | 維持率50%の業者でロスカットまで | 5.5円の急落後の維持率 |
|---|---|---|---|---|
| 25倍 | 64,000円 | すぐ | 3.2円 | 14% |
| 20倍 | 80,000円 | 1.6円 | 4.8円 | 39% |
| 15倍 | 106,667円 | 4.3円 | 7.5円 | 81% |
| 10倍 | 160,000円 | 9.6円 | 12.8円 | 164% |
| 5倍 | 320,000円 | 25.6円 | 28.8円 | 414% |
| 3倍 | 533,333円 | 46.9円 | 50.1円 | 747% |
※1万通貨を160円で買った場合の目安(必要証拠金6万4,000円=取引額の4%)。値動きにつれて必要証拠金が変わる分やスプレッドは含めていない。実効レバレッジ=取引額÷口座の資金。維持率=(資金−損失)÷必要証拠金。hiro-fx.com計算
実効レバレッジは「取引額÷口座の資金」で、口座のお金に対して何倍の取引をしているかを表します。160円のドル円を1万通貨なら取引額は160万円なので、資金16万円なら10倍、32万円なら5倍です。
表のとおり、実効レバレッジ20倍では、ロスカットの水準が証拠金維持率100%の業者なら1.6円の下落でロスカットになります。2022年以降の介入の下げ幅(4〜7円)に耐えられるのは、おおむね10倍以下です。ロスカットの水準は業者によって50%や100%などと違うので、自分の口座の数字で確かめてください。
介入が警戒される時期のチェックリスト
図: 介入が警戒される時期のチェックリスト(hiro-fx.com作成)
為替介入で儲けられる?介入を狙ったショートの注意点
| 介入(初日) | 当日 | 1週間後 | 1か月後 | 介入前の水準に戻るまで |
|---|---|---|---|---|
| 2022年9月22日 | −2.04円 | +0.12円 | +3.50円 | 4日 |
| 2022年10月21日 | −2.36円 | −2.36円 | −8.08円 | 1年以内に戻らず |
| 2024年4月29日 | −1.91円 | −3.99円 | −0.96円 | 52日 |
| 2024年7月11日 | −3.41円 | −4.46円 | −14.56円 | 1年以内に戻らず |
| 2026年4月30日 | −3.21円 | −3.35円 | −0.83円 | 36日 |
※介入の前の営業日のドル円終値との差。1週間後=5営業日後、1か月後=21営業日後。戻るまで=前の営業日の終値を再び上回るまでの日数。財務省の公表データとドル円日足をもとにhiro-fx.comが集計(為替介入データベース)
介入を予想してドル円を売る(ショート)と、介入が入れば大きな利益になります。ただ、表のとおり、介入の後の動きは回によってまったく違いました。2022年9月は4日で介入前の水準に戻った一方、2022年10月と2024年7月は1年以内に戻りませんでした。
もうひとつの難しさは、介入がいつ入るかわからないことです。売ったあとに介入がなく円安が続くと、損がふくらみます。2026年は4月30日の介入の後もドル円は上がり、7月には164円に迫ってから2度目の介入がありました。「介入で儲ける」はタイミングを当てる賭けになりやすく、確実な方法ではありません。
あわせて読みたい:FXや為替介入にインサイダー規制はない?理由と過去10回の値動き
よくある質問
Q1. 為替介入は何時ごろに入りますか?
A. 決まった時間はありません。2022年以降は、日本時間の13時台、15〜20時台、21〜23時台、早朝の5時台など、さまざまでした。日本の祝日や米国の指標発表の直後に入った例もあります。
Q2. 介入の日にスプレッドはどれくらい広がりますか?
A. 業者や時間で違い、事前には決まっていません。国内の多くの業者は「原則固定(例外あり)」として、相場の急変時は固定の対象外としています。介入が警戒される時期は、自分の業者の例外の条件を確認しておくと安心です。
Q3. ロスカットで口座がマイナスになったらどうなりますか?
A. 国内のFX業者では、不足した金額を入金する必要があります。ロスカットが間に合わずにマイナスになる可能性は、各業者がリスクの説明に書いています。
Q4. 介入が入ったら、すぐに損切りしたほうがいいですか?
A. 一概には言えません。介入の直後は値段が大きく上下し、スプレッドも広がりやすいため、慌てた注文が不利な値段で約定することがあります。介入の前に、損切りの値段と量を決めておくことが大切です。
Q5. 介入は事前にわかりますか?
A. 日時はわかりません。財務大臣や財務官の発言が強まる、レートチェックが報じられるといった前ぶれはありますが、その後すぐ介入するとは限りません。当サイトでは、過去の介入の前の円安の速さを点数にした警戒メーターを公開しています。
あわせて読みたい:円買い介入は事前に察知できるのか?警戒スコアを9,184営業日バックテストした
まとめ:為替介入の日のFXは「数時間で5円」を前提に備える
- 2022年以降の為替介入の初日は、ドル円が数時間で4〜7円下がった。2022年以降の1日の平均値幅1.15円の数倍
- 2026年4月30日は15時台の160.72円から20時台の155.51円まで、1時間足で5.21円下がった
- 介入の日はロスカット・逆指値のスリッページ・スプレッド拡大が起きやすく、預けた額以上の損失もありうる
- 1万通貨・160円なら、実効レバレッジ20倍で維持率100%の業者は1.6円の下落でロスカット。5円の急落に耐えるのはおおむね10倍以下
- 介入後の動きは回ごとに違い、介入を狙った売りは確実な儲け方ではない
介入の時間帯は為替介入の過去の時間帯一覧、過去の全介入と当日の値動きは為替介入データベースで確認できます。
※この記事の情報は2026年10月5日時点のものです。主な出典: 財務省「外国為替平衡操作の実施状況」、金融庁(2009年7月3日公表のロスカット・ルールの義務づけ)、GMOクリック証券・みんなのFX・外為どっとコムの公式ページ、ロイター・共同通信・野村総合研究所などの報道。1時間足はYahoo!ファイナンスのデータをhiro-fx.comが保存したもの、1日の平均値幅はYahoo!ファイナンスの日足(2022年1月〜2026年9月の1,233日)からhiro-fx.comが計算したものです。過去の値動きは将来の値動きを約束するものではありません。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。取引はご自身の判断で行ってください。

