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- FXで本当に億を稼いだ人はいる?脱税で発覚した事件の実例を知りたい
- 脱税した人はどうやってバレて、どうなった?
- FXで勝っている人は実際にどれくらいいる?
- 自分が利益を出したら、税金はいくらで、どう申告すればいい?
FXで億単位の利益を出した人は実在し、その一部は脱税事件として報道や国税庁の資料に残っています。ただし、金額が分かっている例では、税金・延滞税・重加算税・罰金を合わせて、免れた税の2倍以上を支払うことになりました。
この記事では、報道と国税庁「査察の概要」で確かめられたFXの脱税事件を5件紹介します。あわせて、金融先物取引業協会の統計を当サイトのFXトレーダーデータベースで集計し、勝っている人の割合も確かめました。
FXの脱税事件で発覚した「億を稼いだ人」の実例
図: 2007〜2022年度に報道・公表されたFXの脱税事件。金額は告発・起訴などの時点の報道と国税庁の資料による
報道で経緯が分かる事件は2007〜2012年のものです。その後も、国税庁が毎年公表する「査察の概要」に、FXの利益を隠した事例が載っています。ここでは、金額や経緯を報道の原文で確かめられたものだけを取り上げます。
2007年:FXで稼いだ東京都の主婦(池辺雪子氏)
東京都の主婦だった池辺雪子氏は、FXなどの利益を申告しなかったとして告発され、2007年に起訴されました。報道では、脱税額は約1億3千万円とされています。同じ年の夏に執行猶予つきの有罪判決が確定しました。
本人が公表しているプロフィールでは、所得税・延滞税・重加算税・住民税・罰金の合計約5億円を一括で納めたとしています。その後は実名でトレーダーとして活動し、自らの経験をもとに納税の大切さを発信しています。
2008年:「日本一ポンドを持つ男」(磯貝清明氏)
磯貝清明氏は、2000年代半ばの円安を追い風にFXで資産を10億円超まで増やしました。一時は1億ポンド(当時のレートで約250億円)のポジションを持ち、「日本一ポンドを持つ男」と呼ばれたと報じられています。
2008年10月、東京国税局の査察を受け、所得4億5千万円を隠し、税金1億6千万円を免れたとして告発されました。リーマン・ショックで資産は数千万円まで減っており、税金に延滞税・重加算税・罰金を加えた3億3,000万円の負債を抱えることになりました。
2012年:海外に移住した静岡県の会社役員
2012年3月、静岡地検はシンガポールに住む会社役員(当時37歳)を、所得税法違反の疑いで逮捕しました。日本に住んでいた2009〜10年分のFXの所得約3億6800万円を申告せず、約1億4千万円を免れた疑いです。
名古屋国税局が査察に着手していました。日本に住んでいたときの所得は、そのあと海外に移っても日本で課税されるという例です。
2018年度・2022年度:数十人の他人名義を使った事例(国税庁の公表)
国税庁の「平成30年度 査察の概要」には、FXの利益を隠した事例が載っています。自動売買ソフトを使い、数十もの他人名義で取引して、確定申告を一切しなかったというものです。この人は過去にも所得税法違反で有罪判決を受けていました。
「令和4年度 査察の概要」では、同じく数十の他人名義でFXの利益を隠した人に、懲役1年4月の実刑判決が出たと紹介されています。前の事件の執行猶予期間中の犯行だったためです。
脱税事件からわかる共通点:利益は本物、でも隠しきれない
図: 2008年に査察を受けた磯貝清明氏が負った金額の内訳(マネーポストWEBの報道をもとに hiro-fx.com が作成)
どの事件も、FXで大きな利益が出ていたこと自体は本当です。告発や起訴は、税務当局が取引の記録から利益を確かめたうえで行われます。その意味では、脱税事件は「FXで億を稼いだ人が実在する」ことの、ある種の証明にもなっています。
一方で、隠したお金はほぼ確実に失います。磯貝氏の例では、免れた税1億6千万円に、延滞税7,000万円・重加算税6,500万円・罰金3,500万円が加わりました。さらに、相場が逆に動いて資産が減っても、税金は利益が出た年の分として残ります。
【データ】FXで勝っている人は実際にどれくらい?協会の統計で検証
図: 国内FX会社の顧客口座のうち、四半期で預託金が増えた口座の割合の年度平均(2015年度の4〜6月期〜2026年度の4〜6月期の45四半期・hiro-fx.com集計)
金融先物取引業協会は、国内FX会社の口座のうち、3か月で預託金(口座のお金)が増えた口座と減った口座の割合を公表しています。2015年度の4〜6月期から2026年度の4〜6月期までの45四半期の平均は44.8%で、半分を超えたのは15回でした。
年度ごとに見ると、低かったのは2019年度の38.8%、高かったのは2025年度の55.1%です。2026年度の4〜6月期は60.8%でした。相場の流れしだいで、勝つ人の割合は大きく変わります。
| 指標 | 割合 | 時期 |
|---|---|---|
| 資金が増えた口座(協会・四半期) | 60.8% | 2026年度の4〜6月期 |
| 実現益が出た顧客(外為どっとコム) | 57.2% | 2026年1月 |
| 1年間で利益だった人(協会の調査) | 60.3% | 2017年(回答1,000人) |
| 利益口座(米国の業者の開示) | 34.5% | 2026年4〜6月 |
※出典:金融先物取引業協会、外為どっとコム総研「FX投資家調査」、金融先物取引業協会の2018年の実態調査(ザイFX!の報道による)、米tastyfxの四半期開示。いずれも hiro-fx.com のFXトレーダーデータベースより。集計の単位が違うため、そのまま比べられません。
「FXで勝てるのは1割」とよく言われますが、協会や業者の統計では3〜6割と、指標によって大きく変わります。一方、億単位を稼ぐ人はごく一部です。国税庁の統計では、令和6年分に合計所得が1億円を超えた申告者は38,000人で、申告者全体の0.16%でした(FX以外の所得も含みます)。
あわせて読みたい:FXはどのくらい稼げる?利益を出している個人の割合を統計で確認
FXの脱税はなぜバレる?支払調書と国税局の査察
図: 国税庁「先物取引に関する支払調書」の案内と「査察の概要」をもとに hiro-fx.com が作成
国内のFX会社には、所得税法225条にもとづき「先物取引に関する支払調書」を税務署に出す義務があります。顧客ごとの1年間の決済損益などを、翌年1月31日までに提出します。税務署は、これを確定申告の内容と照らし合わせることができます。
他人名義の口座を使っても、見つからないわけではありません。2018年度・2022年度の国税庁の事例は、数十もの他人名義を使いながら告発されています。悪質で金額が大きいと、国税局の査察部(いわゆるマルサ)が強制調査をし、検察に告発します。
あわせて読みたい:FXの税金は申告しないとバレる?追徴課税の試算・時効・分割払い
【データ】脱税するとどうなる?査察の告発と有罪率(国税庁)
図: 国税庁「査察の概要」平成30〜令和7年度の告発件数(2018〜2025年度・hiro-fx.com集計)
国税庁の「査察の概要」を8年分集計すると、国税局の査察で検察に告発されたのは2018〜2025年度で779件でした。同じ期間の一審判決773件のうち772件が有罪で、無罪はほとんどありません。
| 年度 | 告発件数 | 脱税総額(告発分) | 一審の有罪/判決 |
|---|---|---|---|
| 2018年度 | 121件 | 112億円 | 122件/122件 |
| 2019年度 | 116件 | 93億円 | 124件/124件 |
| 2020年度 | 83件 | 69億円 | 86件/87件 |
| 2021年度 | 75件 | 61億円 | 117件/117件 |
| 2022年度 | 103件 | 100億円 | 61件/61件 |
| 2023年度 | 101件 | 89億円 | 83件/83件 |
| 2024年度 | 98件 | 82億円 | 99件/99件 |
| 2025年度 | 82件 | 84億円 | 80件/80件 |
※出典:国税庁「査察の概要」各年度。脱税額には加算税を含む。FX以外の全税目・全業種の合計
刑事罰とは別に、本来の税金に加えて延滞税と重加算税がかかります。重加算税は、取引を隠したり他人名義を使ったりしたときに課される、最も重い加算税です。罰金や延滞税まで合わせると、免れた税の2倍を超えることもあるのは、磯貝氏の例のとおりです。
2026年分のFXの税金:利益が出たら申告する
| 項目 | 2026年分(令和8年分) | 2027年分以後 |
|---|---|---|
| 所得税 | 15% | 15% |
| 復興特別所得税 | 所得税の2.1%(0.315%) | 所得税の1.1%(0.165%) |
| 防衛特別所得税 | なし | 所得税の1%(0.15%) |
| 住民税 | 5% | 5% |
| 合計 | 20.315% | 20.315% |
※国内のFX会社(第一種金融商品取引業者など)との取引の場合。「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税。出典:国税庁タックスアンサーNo.1521・No.1522(2026年10月1日確認)
国内のFX会社での利益は、ほかの所得と分けて一律20.315%の税率で計算します(申告分離課税)。2027年分からは復興特別所得税が下がる代わりに防衛特別所得税が加わりますが、合計の税率は変わりません。
会社員なら、給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要です(国税庁タックスアンサーNo.1900)。損失が出た年も申告しておけば、損失を翌年以後3年間繰り越して、FXの利益と相殺できます。100万円の利益なら、税金は約20万3千円です。
図: 国税庁タックスアンサーNo.1521・No.1522・No.1900をもとに hiro-fx.com が作成
よくある質問
Q. FXで億を稼いでいる人は本当にいますか?
A. います。この記事の事件のように、税務当局が取引の記録から数億円の所得を確かめた例があります。ただし、合計所得が1億円を超える申告者は令和6年分で38,000人(申告者の0.16%)で、FXに限らずごく一部です。
Q. 脱税で逮捕されるのはいくらからですか?
A. 国税庁は金額の基準を公表していません。令和7年度に告発された事件の1件あたりの脱税額は約1.0億円でしたが、他人名義を使うなど悪質な場合は、金額にかかわらず重く扱われます。少額でも、申告しなければ加算税と延滞税がかかります。
Q. 海外に引っ越せば、FXの税金は払わなくていいですか?
A. 日本に住んでいた間の所得は、日本で課税されます。2012年の静岡県の事件は、海外に移ったあとで逮捕されました。
Q. 海外のFX業者なら税務署にバレませんか?
A. 海外の業者には日本の支払調書の義務はありませんが、国税庁は外国の税務当局と口座の情報を交換しています。海外業者の利益も申告が必要で、ほかの所得と合わせる総合課税(所得が多いほど税率が上がる)になる点に注意してください。
Q. 家族や知人の名義でFXをすると、どうなりますか?
A. 利益を隠す目的なら、国税庁が「悪質」とする典型的な手口です。2018年度・2022年度の公表事例は、数十人の他人名義を使っていた人が告発・実刑になりました。
まとめ:FXの脱税事件と勝っている人の割合
- FXで億単位を稼いだ人は実在し、脱税事件として報道や国税庁の資料に残っている
- 隠した利益は、税金・延滞税・重加算税・罰金で、免れた税の2倍以上の支払いになった例もある
- 国内のFX会社は損益を支払調書で税務署に出すため、無申告や他人名義はいずれ見つかる
- 国税局の査察の一審判決は、2018〜2025年度の773件中772件が有罪
- 協会の統計で資金が増えた口座の割合は平均44.8%。勝つ人は一定数いるが、億を稼ぐ人はごく一部
FXの利益は2026年分も税率20.315%で、申告すれば手元に約8割が残ります。勝っている人の割合の推移は、当サイトのFXトレーダーデータベースで四半期ごとに更新しています。
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※この記事の情報は2026年10月1日時点のものです。出典:国税庁「査察の概要」平成30〜令和7年度、国税庁統計年報(令和6年分 申告所得税)、国税庁タックスアンサーNo.1521・No.1522・No.1900、国税庁「先物取引に関する支払調書」、金融先物取引業協会 四半期統計、日本経済新聞(2012年3月)、マネーポストWEB(2017年4月17日ほか)、現代ビジネス。事件の内容は報道時点のものです。この記事は一般的な情報の紹介で、税務相談や投資の助言ではありません。実際の申告は税務署や税理士にご確認ください。
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