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- 為替介入とは?子どもにもわかるように言うと何をすること?
- 為替介入は誰が決める?日銀と財務省のどっち?
- 円買い介入・円売り介入・協調介入は何が違う?
- 過去にどれくらい介入した?2026年の介入はいつ?
為替介入とは、円安や円高が急に進みすぎたときに、国が外国為替市場で円とドルなどを売り買いして、動きを落ち着かせることです。介入するかを決めるのは財務大臣で、実際の売り買いは日本銀行(日銀)が代わりに行います。当サイトが財務省の公表データを集計すると、2026年の介入額は7〜8月分を含めて27兆1,342億円で、1991年以降の年間で最大でした。この記事では、為替介入の仕組みと種類、メリット・デメリット、過去の記録を順に解説します。
為替介入とは?国が円を売り買いして急な動きを抑えること
| 円買い介入 | 円売り介入 | |
|---|---|---|
| いつ行う | 円安が急に進みすぎたとき | 円高が急に進みすぎたとき |
| 国がすること | ドルを売って円を買う | 円を売ってドルなどを買う |
| ねらう向き | 円高(ドル円は下がる) | 円安(ドル円は上がる) |
| 使うお金 | 国が持っているドル(外貨準備) | 国が借りて集めた円 |
| 主な例 | 2022年・2024年・2026年 | 2011年が最後 |
※財務省・日本銀行の解説をもとにhiro-fx.com作成。例は財務省「外国為替平衡操作の実施状況」による
為替介入の正式な名前は「外国為替平衡操作(がいこくかわせへいこうそうさ)」です。財務省は、相場が思惑などで短い間に大きく動くような不安定な動きを抑え、為替相場を安定させることを目的に挙げています。
円とドルの交換レートは、ふだんは市場で売りたい人と買いたい人のバランスで決まります。国は原則として口を出しませんが、動きが急すぎると企業や家計が困るため、例外として自分のお金で売り買いに加わります。
子ども向けに言うと「円の値段が急に変わりすぎないように、国が円を売り買いすること」
円も、お店の品物と同じで「欲しい人が多いと値段が上がり、売りたい人が多いと値段が下がる」ものです。円を売りたい人が急に増えて円の値段が下がりすぎると(円安)、国がたくさん円を買って値段を支えます。これが円買い介入です。反対に円の値段が上がりすぎたとき(円高)は、国が円を売ります。
口先介入・レートチェックとの違い
実際にお金を使う為替介入の前に、財務大臣などが「過度な動きには適切に対応する」と発言して市場をけん制することがあります。これを口先介入と呼びます。
また、当局が銀行に今のレートを問い合わせる「レートチェック」は、介入の一歩手前の合図と受け止められることがあります。どちらも実際の売り買いはしていない点が、為替介入との違いです。
為替介入は誰が決める?財務大臣が決めて日銀が実行する
図: 為替介入の流れ(日本銀行「外国為替市場介入事務の概要」をもとにhiro-fx.com作成)
「日銀と財務省のどっちが決めるの?」という疑問の答えは、財務大臣(財務省)です。外為法(外国為替及び外国貿易法)の第7条第3項は、財務大臣が外国為替相場の安定に努めると定めています。日銀は日本銀行法第40条第2項にもとづき、国の事務として売り買いを行います。
日銀の説明では、流れはおおむね次のとおりです。日銀の金融市場局為替課が、財務省国際局為替市場課に市場の様子を毎日報告します。財務大臣が介入を決めると為替市場課から具体的な指示が出て、日銀為替課が銀行を相手に売り買いします。
2026年10月時点の財務大臣は片山さつき氏、為替を担当する財務官は三村淳氏です。ニュースで「政府・日銀が介入」と書かれるのは、決める政府と実行する日銀の両方がかかわるためです。
介入のお金は国の特別会計から出る
介入に使うお金は、外国為替資金特別会計(外為特会)という国の会計にあります。円買い介入では外為特会が持つドルを売り、円売り介入では政府短期証券という短期の国債を出して集めた円を使います。税金を集める一般会計から直接出すわけではありません。
円買い介入・円売り介入・協調介入の違い
| 種類 | 内容 | 主な例 |
|---|---|---|
| 単独介入 | 日本だけが自分のお金で売り買いする | 2022年・2024年の円買い |
| 協調介入 | 複数の国の当局が話し合い、それぞれのお金で同時か続けて売り買いする | 2011年3月18日、2026年7月31日 |
| 委託介入 | 日銀が海外の通貨当局に頼んで売り買いしてもらう(お金は日本のもの) | 海外の市場で売り買いしたいときに使う |
※日本銀行「外国為替市場介入事務の概要」の定義をもとに作成。「単独介入」は一般的な呼び方
円買い介入と円売り介入は「どちら向きに売り買いするか」の違いです。単独介入と協調介入は「何か国で行うか」の違いです。協調介入は複数の国が同じ方向を向いていると市場に示せるため、効き目が大きいと受け止められやすいとされます。
過去の主な協調介入
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 1985年9月22日 | プラザ合意。日米英独仏の5か国(G5)がドル高の是正で合意し、協調介入へ |
| 1998年6月17日 | 日米協調の円買い介入(日本側2,312億円) |
| 2000年9月22日 | 欧州中央銀行の呼びかけでユーロ買いの協調介入(日本側1,435億円) |
| 2011年3月18日 | 東日本大震災後の円高に対し、G7が協調して円売り介入(日本側6,925億円) |
| 2026年7月31日 | 日米協調の円買い介入。米国はユーロを売って円を買った(日米協調の円買いは28年ぶり) |
※日本側の金額は財務省「外国為替平衡操作の実施状況」。2026年は共同通信(2026年8月2日)などの報道による
【データ】1991年以降の為替介入の記録(歴史)
図: 為替介入の年別の金額(財務省「外国為替平衡操作の実施状況」の日次データ1991年5月〜2026年5月と、2026年7月30日〜8月26日の月次公表値をhiro-fx.comが集計)
財務省は1991年4月以降の介入をすべて公表しています。日付が出ている2026年5月6日までを当サイトで集計すると、介入した日は369日でした。内訳は円売り介入が321日・合計80兆9,038億円、円買い介入が42日・合計41兆1,255億円です(残る6日は円が関係しない介入)。
| 時期 | 主な介入 | 日数 | 背景 |
|---|---|---|---|
| 1991〜1999年 | 円売りが中心(円買いも少し) | 203日 | 1995年に1ドル80円前後の円高 |
| 2000〜2004年 | 円売り | 148日 | 2003年は1年で20兆4,250億円 |
| 2010〜2011年 | 円売り | 8日 | 東日本大震災後の円高。2011年10月31日は1日で8兆722億円 |
| 2022〜2026年 | 円買い | 10日+7〜8月分 | 1ドル145〜164円近くの円安 |
※hiro-fx.com集計(1991〜1999年の日数は円が関係しない6日を含む)。2026年7月30日〜8月26日の介入(15兆3,993億円)は日付が未公表のため日数に含めていない
円売り介入は2004年3月でいったん止まり、2010年9月と2011年に再開したあと、2011年11月が最後になりました。その後10年あまり介入はなく、2022年9月22日に円買い介入が行われました。円買い介入は1998年6月以来、約24年ぶりでした。
2026年は、4月30日・5月4日・5月6日の合計が11兆7,349億円でした。さらに7月30日〜8月26日の期間に15兆3,993億円の介入があり、年間の合計は27兆1,342億円になりました。2003年の20兆4,250億円を上回り、1991年以降で最大です。7〜8月分の日ごとの内訳は、2026年11月上旬に公表される予定です。
あわせて読みたい:為替介入データベース(1991年以降の全介入と当日の値動き)
為替介入のメリット・デメリット
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | 急な円安・円高を抑え、企業が計画を立て直す手間や混乱を減らせる |
| メリット | 円安による輸入品の値上がり(物価の上昇)を和らげる助けになる |
| メリット | 「これ以上の急な動きは見過ごさない」という政府の姿勢を市場に示せる |
| デメリット | 金利差など根本の理由が変わらないと、効果が一時的になりやすい |
| デメリット | 円買い介入は手持ちのドルに限りがあり、何度でもできるわけではない |
| デメリット | 米国債などを売ることになり、米国の金利や他国との関係に気を配る必要がある |
※松井証券・三菱UFJ銀行の解説、大和総研のレポート(2026年7月3日)をもとにhiro-fx.com作成
効果が一時的になりやすい点は、データにも表れています。当サイトの集計では、円買い介入42日のうち、当日の終値で円高に動いたのは52%でした。介入前の水準まで戻るまでの日数は、中央値で3日でした。
介入だけで流れを変えるのは難しく、金利や景気の変化と重なったときに効き目が続きやすいといえます。
あわせて読みたい:日銀が為替介入するとどうなる?過去の実例から相場の動きを解説
為替介入があったか確かめる方法と注意点
図: 為替介入の確かめ方(財務省の公表のしくみをもとにhiro-fx.com作成)
財務省は、介入した額の合計を毎月、日ごとの内訳を3か月ごとに公表しています。2026年9月29日〜10月28日の分は10月30日19時、7〜9月の日ごとの内訳は11月2〜9日に公表される予定です。
FXをしている人は、介入の日は値動きが大きくなる点に注意が必要です。スプレッドが広がったり、損切りの注文が思った値段で約定しなかったりしやすくなります。介入の時間帯の傾向は、過去の記録をまとめた記事で確認できます。
あわせて読みたい:為替介入の過去の時間帯一覧|2026年までの10回は何時?曜日と祝日の傾向
よくある質問
Q1. 為替介入は年に何回までと決まっていますか?
A. 日本の法律に回数の上限はありません。財務大臣が必要と判断すれば行えます。ただ、円買い介入は手持ちのドルに限りがあり、為替を市場に任せる国として、介入は例外的なものと考えられています。
Q2. 為替介入のお金は税金ですか?
A. 税金を直接使うわけではありません。円買い介入は外為特会が持つドルを売ったお金、円売り介入は政府短期証券(短期の国債)を出して集めた円を使います。
Q3. 為替介入は事前に予告されますか?
A. 予告はされません。ただ、財務大臣や財務官の発言が強くなる(口先介入)、レートチェックが報じられるといった前ぶれが見られることはあります。当サイトでは、過去の介入の前に円安がどれだけ急だったかを点数にした警戒メーターも公開しています。
Q4. 日銀が自分の判断で介入することはありますか?
A. ありません。介入は財務大臣の権限で行うもので、日銀は代理人として実務を担います。日銀が金利を変える金融政策とは、決める人も目的も別です。
Q5. 2026年の為替介入はいつでしたか?
A. 財務省の公表では、4月30日・5月4日・5月6日に円買い介入がありました。さらに7月30日〜8月26日の期間に15兆3,993億円の介入がありました。報道では、7月30日に日本単独、7月31日(米国時間)に日米協調で介入したとされています。日ごとの内訳は11月上旬に公表される予定です。
あわせて読みたい:円買い介入は事前に察知できるのか?警戒スコアを9,184営業日バックテストした
まとめ:為替介入は財務大臣が決め、日銀が売り買いする「相場の急ブレーキ」
- 為替介入とは、円安・円高が急に進みすぎたとき、国が円とドルなどを売り買いして動きを抑えること
- 決めるのは財務大臣、実際に売り買いするのは代理人の日銀。お金は外為特会から出る
- 円安を止めるのが円買い介入、円高を止めるのが円売り介入。複数の国で行うと協調介入
- 1991年以降、日付が出ている介入は369日。2026年は27兆1,342億円で年間の最大
- 効果は一時的になりやすく、介入があったかは財務省の公表値で確かめられる
過去の全介入と介入日のドル円の動きは為替介入データベースで、介入の時間帯は為替介入の過去の時間帯一覧で確認できます。
※この記事の情報は2026年10月5日時点のものです。主な出典: 財務省「外国為替平衡操作の実施状況」(日次・月次)、日本銀行「教えて!にちぎん」「外国為替市場介入事務の概要」、外国為替及び外国貿易法、日本銀行法、共同通信(2026年8月2日)。年別の金額などはhiro-fx.comが財務省の公表データから集計したものです。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。取引はご自身の判断で行ってください。

