投資詐欺の返金率は?振り込め詐欺救済法で戻った額と警察・相談窓口

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こんな疑問を持つ方へ
  • 投資詐欺でだまし取られたお金は、どれくらい戻ってくる?
  • 振り込め詐欺救済法(投資詐欺救済法)で、口座凍結からお金が戻るまでの流れは?
  • 警察が動かない時は?被害届や相談窓口はどこ?
  • 「返金できます」という業者は信じていい?免許証を送ってしまったら?

投資詐欺でだまし取られたお金が戻る割合は、公的な数字で見るとかなり低いのが現実です。振り込め詐欺救済法で2025年度に被害者へ支払われたお金は60.3億円でした。同じ2025年の詐欺の被害額3,257.4億円の約1.9%にあたります。この記事では、預金保険機構と警察庁の公表資料をもとに、お金が戻る仕組みと戻りにくい理由を解説します。被害にあったときの手順と相談先、二次被害の注意点もまとめました。

投資詐欺の返金率は?戻るのは「犯人の口座に残っていたお金」だけ

図1 振り込め詐欺救済法でお金が戻るまでの流れ 振込先の口座に残っていたお金を、申請した被害者で分ける仕組み ① 連絡 警察と 振込先の銀行に すぐ連絡 → ② 口座凍結 銀行が調べて 犯人の口座の 取引を止める → ③ 権利の消滅 預金保険機構の サイトで公告 (60日) → ④ 支払の申請 被害者が銀行に 申請する (90日) → ⑤ 分配 残高を被害額に 応じて分けて 支払う

図: 振り込め詐欺救済法でお金が戻るまでの流れ(預金保険機構の案内をもとにhiro-fx.com作成)

投資詐欺でお金が戻る主な道は、振り込め詐欺救済法による「被害回復分配金」です。検索では「投資詐欺救済法」とも呼ばれ、投資詐欺も対象になります。正式な名前は「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」です。犯人の口座を凍結し、そこに残っていたお金を、申請した被害者に被害額に応じて分ける仕組みです。

つまり、戻ってくるのは「凍結した時点で口座に残っていたお金」までです。犯人がすでに引き出していれば、口座の残高はほとんどありません。現金を手渡した場合や、暗号資産で送金した場合は、そもそも救済法の対象になりません。

「泣き寝入り」になりやすい理由

だまし取られたお金は、すぐに別の口座や暗号資産に移されることが多く、海外の拠点に流れることもあります。犯人が見つかっても、お金が残っていなければ取り戻すのは難しくなります。泣き寝入りを少しでも防ぐには、気づいた時点ですぐに銀行と警察に連絡することが何より大事です。

【データ】振り込め詐欺救済法で戻ったお金は年60億円・被害額の約2%

図2 振り込め詐欺救済法で被害者に支払われた額(年度別) 凍結した口座に残っていたお金と、そこから被害者に支払われた額。横軸は年度(10=2010年度)。預金保険機構の公表資料 口座に残っていた額 被害者への支払額 0億 20億 40億 60億 80億 26 15 10 15 11 11 28 22 12 17 13 13 19 13 14 17 13 15 22 18 16 15 13 17 10 9 18 8 7 19 12 11 20 17 15 21 20 18 22 27 24 23 56 49 24 74 60 25

図: 振り込め詐欺救済法の支払手続終了公告の総額(預金保険機構の各年度の公表資料をもとにhiro-fx.comが集計・2010〜2025年度)

預金保険機構によると、2025年度に支払いが終わった口座に残っていたお金は73.6億円でした。そのうち被害者に支払われたのは60.3億円です。支払率は82.0%です。2010年度から2025年度の16年間で、被害者に支払われた額は合計約310億円でした。

年詐欺の被害額(警察庁)救済法で支払われた額(その年度)被害額に対する割合
2024年1,990.7億円49.1億円約2.5%
2025年3,257.4億円60.3億円約1.9%

※被害額は特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺の合計(暦年)。支払額は預金保険機構の支払手続終了公告の総額(4月〜翌3月の年度)。年と年度、被害の時期と支払いの時期がずれるため、目安の比較(hiro-fx.comの集計)

ここで注意したいのが、「支払率82.0%」の意味です。これは口座に残っていたお金のうち被害者に支払われた割合で、被害額に対する割合ではありません。2025年の詐欺の被害額3,257.4億円と比べると、救済法で戻ったお金は約1.9%、2024年でも約2.5%でした。

ポイント:「投資詐欺の返金率」として見かける高い数字は、口座の残高に対する割合や、特定の事務所の実績であることがほとんどです。被害額全体で見ると、救済法で戻るのは数%にとどまります。

年と年度のずれや、被害から支払いまでの時間差があるため、この割合は目安です。それでも、被害額が急に増えた2024年・2025年に、戻ったお金が被害額に追いついていないことは数字から読み取れます。

振り込め詐欺救済法の手続き:口座凍結からお金が戻るまで

手続きだれがするかかる期間
口座の取引停止(凍結)被害者の連絡を受けた銀行連絡が早いほど残高が残りやすい
権利を消すための公告預金保険機構(銀行の求めで)60日(口座名義人が名乗り出なければ権利が消える)
支払申請の受付の公告預金保険機構(銀行の求めで)申請期間90日
支払額の決定と支払い振込先の銀行申請期間のあと。残高を被害額に応じて分ける
1,000円未満の口座—被害者への支払いはなく、預金保険機構に納付

※預金保険機構「振り込め詐欺にあったら」「公告の実施状況」をもとにhiro-fx.com作成

救済法の手続きは、振込先の銀行への連絡から始まります。銀行が犯罪に使われた口座だと判断すると取引を止め、預金保険機構のサイトで公告します。2025年度には74,478件の口座がこの手続きに入りました。

公告には、口座名義人が名乗り出るための60日と、被害者が申請するための90日の期間があり、支払いまで数か月以上かかります。自分の振込先の口座が公告されたかは、預金保険機構の「振り込め詐欺救済法に基づく公告」のサイトで、口座番号から調べられます。申請は振込先の銀行に行います。

自分の口座が凍結されたときは

投資詐欺の途中で「この口座で受け取って、別の口座に送って」と頼まれ、知らないうちに自分の口座が犯罪に使われることがあります。この場合、自分の口座が凍結されることがあります。心当たりがあれば、すぐに警察と銀行に事情を説明してください。

投資詐欺にあったらどうしたらいい?最初にすること

図3 投資詐欺にあったと気づいたら、最初にすること 早いほど、犯人の口座にお金が残っている可能性が高い □ 追加で1円も払わない 「出金の手数料」「税金」「保証金」の請求には応じない □ 振込先の銀行に連絡する 振込先の口座番号を伝え、取引の停止(口座凍結)を頼む □ 警察に相談・被害届を出す 最寄りの警察署か警察相談専用電話 #9110 □ 証拠を残す トーク画面・相手のアカウント・振込の記録・サイトのURLを保存 □ 相手との連絡をやめる 「返金します」「上の人に話す」と引き延ばされても応じない □ 身分証を送っていたら申し出る 警察に伝え、信用情報機関の本人申告制度なども検討する

図: 投資詐欺にあったと気づいたら最初にすること(警察庁・預金保険機構の案内をもとにhiro-fx.com作成)

最初にすべきことは、追加で払わないことと、振込先の銀行に連絡して口座の取引を止めてもらうことです。銀行の連絡先は、全国銀行協会のサイトに「振り込め詐欺等の被害を受けた場合の銀行の連絡先」としてまとまっています。

証拠はできるだけそのまま残します。トークの画面は相手に消されることがあるので、画面の保存をしておきます。振込の明細や、取引アプリ・サイトの画面とURLも、警察と銀行への説明に使います。

警察が動かない?被害届の出し方と相談窓口

困っていること相談先電話
被害届・振込先口座のこと警察相談専用電話(最寄りの警察署)#9110
契約・返金のトラブル、二次被害消費者ホットライン(近くの消費生活センター)188
業者が登録業者か・詐欺的な投資の相談金融庁 金融サービス利用者相談室0570-050588
弁護士に相談したいが費用が心配法テラス(日本司法支援センター)0570-078374
救済法の手続き・公告の見方預金保険機構 振込詐欺被害回復業務課03-6262-6794

※2026年10月4日時点。各機関の公式サイトの案内をもとにhiro-fx.com作成

被害届は、最寄りの警察署に出します。警察官の仕事の決まりである「犯罪捜査規範」では、犯罪の被害の届出があったときは受理しなければならないとされています。振込の記録やトーク画面など、時系列が分かるメモを持っていくと、話がスムーズに進みます。

「警察が動かない」と感じる人が多い背景には、犯人の特定の難しさがあります。警察庁によると、2025年のSNS型投資・ロマンス詐欺は15,168件の認知に対し、検挙は630件(397人)でした。単純に比べると約4.2%で、前年からは大きく増えたものの、多くの事件で犯人にたどり着けていないのが実情です。

それでも被害届は出しておくべきです。口座の凍結や、同じ犯人グループの捜査の手がかりになるほか、弁護士に相談するときにも被害の記録になります。

二次被害に注意:「返金できます」という業者と、免許証を送ってしまったとき

二次被害の誘い文句危ないところ
「被害金を取り戻せます。まず調査費を」契約書の中身は「調査」だけで、返金は約束されていないことがある
「消費生活センター(公的機関)から委託された」公的機関が電話やSNSで返金を持ちかけることはない
「必ず全額戻ります」「成功率95%」返金の可否は相手の口座の残高などで決まり、必ずは言えない
「被害者の会に入れば返金の順番が早まる」会費だけ集めて連絡が取れなくなる例がある
「手続きに暗号資産で手数料を」詐欺と同じ送金方法を求めるのは典型的な手口

※国民生活センター・警察庁などの注意喚起をもとにhiro-fx.com作成

投資詐欺の被害者は、「お金を取り戻します」と近づく別の詐欺に狙われやすくなります。国民生活センターなども、返金をうたう探偵業者などに調査費を払ったのに返金されない二次被害に注意を呼びかけています。公的機関から返金の電話やSNSのメッセージが来ることはありません。

免許証やマイナンバーカードの画像を送ってしまったら

口座開設の名目で、身分証の画像を送らされていることがあります。悪用されると、自分の名前で口座や携帯電話を契約される心配があります。警察に伝えたうえで、信用情報機関の「本人申告制度」で、本人確認書類をなくした・盗まれた旨を登録しておく方法もあります。

家族が投資詐欺にあったときに、まわりができること

まわりの人がすることねらい
責めずに、まず話を聞く「だまされた自分が悪い」と隠すと、追加の被害や二次被害につながる
追加の支払いを止める「出金の手数料」の請求が続いていることが多い
一緒に銀行・警察に連絡する口座凍結は時間との勝負。本人だけだと手続きが止まりやすい
返金をうたう連絡は家族が確認する二次被害を防ぐ
心身の不調があれば相談先につなぐ自治体の相談窓口や、警察の被害者支援の窓口もある

※hiro-fx.com作成

投資詐欺の被害者は、お金だけでなく「だまされた」という気持ちでも追い込まれます。家族が強く責めると、本人が被害を隠し、追加でお金を払ってしまうこともあります。まずは追加の支払いを止め、手続きを一緒に進めることを優先してください。

よくある質問

Q1. 弁護士に頼めば、お金は戻りますか?

A. 必ず戻るわけではありません。犯人の口座にお金が残っていなければ、弁護士でも取り戻すのは難しくなります。費用が心配なら法テラスや各地の弁護士会の相談窓口を使い、「着手金だけ先に高額」「必ず戻る」という広告には注意してください。

Q2. 投資詐欺の損は、税金の雑損控除で取り戻せますか?

A. 国税庁によると、雑損控除は災害・盗難・横領による損害が対象で、詐欺や恐喝による損害は対象になりません。

Q3. 何年も前の被害でも、救済法の申請はできますか?

A. 申請できるのは、振込先の口座について支払手続の公告が出ていて、その申請期間内の場合です。預金保険機構の公告サイトで口座番号を調べ、分からなければ振込先の銀行に問い合わせてください。

Q4. 暗号資産で送ってしまったお金は戻りますか?

A. 暗号資産で送金した分は、振り込め詐欺救済法の対象になりません。送金に使った暗号資産の交換業者と警察にすぐ連絡してください。警察庁によると、2025年のSNS型投資詐欺の約2割は、暗号資産を送らせる手口でした。

まとめ:投資詐欺の返金は「早さ」がすべて

  • 投資詐欺で戻るのは、主に振り込め詐欺救済法で、凍結した犯人の口座に残っていたお金だけ
  • 2025年度に救済法で被害者に支払われたのは60.3億円。同じ年の詐欺の被害額3,257.4億円の約1.9%
  • 「支払率82.0%」は口座の残高に対する割合で、被害額に対する割合ではない
  • 気づいたら追加で払わず、振込先の銀行と警察にすぐ連絡。証拠は消さずに残す
  • 「返金できます」と近づく業者の二次被害に注意。相談は#9110・188・金融庁の相談ダイヤルへ

国内の個人投資家がどれくらい勝っているか、実際の数字はFXトレーダー・データベースで毎週更新しています。「必ずもうかる」という話と比べる目安にしてください。

※この記事の情報は2026年10月4日時点のものです。主な出典: 預金保険機構「振り込め詐欺救済法に基づいて令和7年度中に実施した公告について」(2026年5月8日)ほか各年度版、「支払手続終了公告の累計概要(令和7年度)」、警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」、犯罪捜査規範、国税庁「雑損控除」。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法律相談ではありません。具体的な手続きは警察・金融機関・弁護士などにご相談ください。