【FX】他人の相場予想が自身の思考に与える重大な影響

※記事内に広告を含む場合があります

FXトレードを行う上で、様々な情報を集めることはとても大切です。
そんな中で、ネットで情報を集めていると「他人の相場予想」なんかを目にする機会も非常に多いと思います。
「これから円高になりそうです」とか「しばらくドル高が続きそうです」とか色々な人が様々な角度から相場予想をしています。
もちろん、こういった情報は役に立つ部分もある一方で、取扱いには細心の注意が必要であることも理解しておきましょう。

プライミング効果

他人の相場予想が自分自身の思考にどのような影響を与えるのかを説明する上で、まず理解して頂きたいのが「プライミング効果」というものです。
プライミング効果とは直前に見たり聞いたりした情報が、その後の直感的思考に無自覚なまま影響を与える人間の行動心理のことを意味します。
これは誰しもが無意識レベルでもっている行動心理です。
今から実際に簡単なテストをやってみたいと思うので、このプライミング効果がどういったものなのか体感してみてください。

テスト1.直接プライミング効果

まずは次の画像を見てください。

こちらの画像を見て頂きましたら、次の問題に答えてください。

【問題】

「コ〇ラ」の〇の空欄を埋めて、ひとつ単語を作ってください。

このように問題を出すと、ほとんどの人が「コアラ」と回答します。

では、同じように次の画像を見てください。

こちらの画像を見て頂きましたら、次の問題に答えてください。

【問題】

「コ〇ラ」の〇の空欄を埋めて、ひとつ単語を作ってください。

このように問題を出すと、今度はほとんどの人が「コーラ」と回答します。

このように直前に見た画像の情報が、その後の回答に大きな影響を与えているのがプライミング効果です。
本来、事前に画像などを見せずに最初から問題だけだしていれば、「コアラ」「コーラ」「コブラ」など回答は分散するはずです。
しかし、直前に関係のある画像を見せることによって、それが回答者の思考に大きな影響を与え、回答が大きく偏ってしまうのです。

テスト2.間接プライミング効果

よくある10回クイズなんかはまさにこのプライミング効果が使われています。
それでは一つ問題を出してみましょう。

【問題】

「しか」と10回言ってください。

10回言いましたか?
では問題です。

【問題】

サンタさんが乗っているのは?

そうです、トナカイです。






……ではなく、正解は「そり」ですね。

このように10回クイズに引っかかってしまう理由は、直前に与えられた情報がその後の思考に大きな影響を与える為です。

普通に「サンタさんが乗っているのは?」と聞かれれば、トナカイにまたがって乗っているわけではなく、そりに乗っているのはすぐにわかるのですが、事前に「しか」というキーワードを刷り込ませることで、回答の中に「トナカイ」を連想させてしまうわけです。

これも代表的なプライミング効果といえます。

他人の相場予想とプライミング効果

他人の相場予想とプライミング効果

プライミング効果がどういったものであるかは何となく理解して頂けたかと思います。
このように、人間は直前に与えられた情報によって、その後の直感的思考に大きな影響を与えられてしまうのです。

ということは、FXトレードにおいても同じことが言えます。

例えば、自分がトレードをしようとした直前に他人の「ドル円は上がる」という相場予想を目にしてしまうと、無意識レベルで「ドル円は上がる」と考えてしまう可能性が高くなるのです。
最悪の場合、直前に見た他人の相場予想に引っ張られて、自分自身の相場分析とは全く違うトレードをしてしまうこともあります。

このようなことにならないように、自分自身のトレード戦略がある程度決まっているなら、他人の相場予想を見るのは控えた方がいいです。
ほとんどの場合で、他人の相場予想は自分自身のトレード戦略で結果がでている人にとってはノイズにしかなりません。

プライミング効果によって誤った判断をしない為に大切なこと

プライミング効果によって誤った判断をしない為に大切なこと

ここまで説明してきたように、プライミング効果によって直前の情報が、その後の直感的思考に大きな影響を与えるのは間違いありません。

ただ、このプライミング効果はあくまで「直感的思考に対する影響」なので、時間をかけてじっくりと考えていくことで、徐々に直感的思考から論理的思考に切り替わっていく中で効果は薄れていきます。

直前に見た情報が未来永劫その人に影響を与え続けるわけではないのです。

例えば、先ほどの10回クイズなどもすぐに回答をせずに、じっくりと考える時間があれば、最終的には正しい回答ができる可能性が高いです。

10回クイズに引っかかってしまったというのは、直感的思考で回答をしてしまったことによるミスであり、論理的思考で考える時間があればミスは起こりにくくなるのです。

つまり、プライミング効果によって誤った行動をしてしまう可能性を下げるには、情報を得た直後に直感的に行動をするのではなく、じっくりと論理的に考えられるようになってから行動をするということが大切になります。

これによってミスや間違いが大幅に減ります。

他人の相場予想に対する捉え方

他人の相場予想に対する捉え方

もちろん、今の自分自身のトレード手法で勝ち続けることができているのであれば、他人の相場予想は全てシャットアウトしてしまっていいと思いますが、勉強の為に他人の相場予想を見たいという人もいると思います。
実際、他人の相場予想は自分にはない様々な視点、様々な角度から分析していることが多いので、新たな発見になったり勉強になることが多いのも事実です。

なので、他人の相場予想を見たいという人は「直感的思考で行動しないように細心の注意を払いながら」他人の相場予想を見るようにすることが大切です。
この意識をもっていれば他人の相場予想を見ても大きなミスは起こりにくくなります。

他人の相場予想を見た後に、自分自身のトレード戦略に落とし込んで、論理的思考で納得した上でトレードをするのであれば、例えそのトレードが失敗に終わったとしても行動的には全く問題はありません。

問題なのは他人の相場予想に飛び乗る形で、直感的に自分のトレードルール外のトレードをやってしまうことです。

また、他人の相場予想を見る際にもう一つ大事なことは、相場予想に着目するのではなく、どうしてその結論に至ったのかという「経緯の部分」に着目するといいと思います。

例えば、よく勝っている人が「ドル円は上がる」という相場予想をしてるのであれば「その人はなぜドル円は上がると判断したのか?」という視点で、その結論に至るまでの経緯を勉強してみるといいと思います。
極端な話、相場予想なんてどうでもいいんです。大事なのは勝っている人の思考プロセスです。

なので、他人の相場予想を見る際には

  • 直感的思考で行動しないように注意する(プライミング効果に注意)
  • 予想結果よりもその結論に至った経緯に着目する

という2点を意識するようにするといいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です