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- 含み損はどこまで耐えればいい?待てば戻るの?
- 資金の何パーセントまでなら許容範囲?
- 含み損になったら、損切りと待つのどちらがいい?
- デイトレで買った瞬間から含み損になるのはふつう?
FXの含み損をどこまで耐えるかは、そのときの気持ちではなく、注文する前に決めた「1回の損の上限」(資金の1〜2%など)で考えるのが基本です。当サイトがドル円の約21年分の値動きを集計すると、含み損になったあと買値まで戻ることは多くありました。一方で、戻る前に含み損がさらに2倍まで広がったケースも、含み損の大きさにかかわらず約半分ありました。この記事では、そのデータと、資金から耐える幅を決める早見表、含み損になったときの判断のしかたを順番に解説します。
FXの含み損はどこまで耐える?答えは「注文する前に決めた幅まで」
図: 含み損を耐える幅の決め方(hiro-fx.com作成)
含み損とは、まだ決済していないポジション(取引)の損のことです。決済するまでは確定していませんが、口座のお金の評価額はその分だけ減っています。含み損の基本はFXの含み損・含み益とは?で解説しています。
「どこまで耐えるか」に、全員に当てはまる正解の幅はありません。資金が100万円の人と10万円の人では、同じ1円の含み損でも重さがまったく違うからです。そこでFX会社の初心者向け解説などでは、1回の取引で失ってもよい金額を資金の数%に決める方法がよく紹介されています。その金額から、損切りの価格を逆算します。
「待てば戻る」は半分だけ正しい
次の節のデータでは、ドル円を買って含み損が50銭になったケースのうち、1か月以内に買値まで戻ったのは87.0%でした。待てば戻ることが多いのは事実です。
ただし、戻る前に含み損が1円(2倍)まで広がったケースも51.0%ありました。「耐えれば戻る」とは、実際には「さらに倍の含み損に耐えられれば戻ることが多い」という意味です。だからこそ、耐える幅は含み損が出る前に決めておく必要があります。
【データ】ドル円で含み損が10銭〜2円になったあと、戻った割合
図: 含み損の大きさ別に、買値まで戻った割合(2005年1月〜2026年9月・Dukascopy社のドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが集計)
当サイトでは、2005年1月から2026年9月までのドル円の1時間足を使い、毎時の始値でドル円を買ったと仮定して、その後の値動きを調べました。買ってから1週間以内に含み損が10銭・20銭・30銭・50銭・1円・2円になったケースについて、その時点から買値まで戻ったかを数えています。
含み損が小さいうちは戻りやすく、10銭の含み損は81.4%が1日以内に戻りました。一方で2円の含み損になると、1日以内に戻ったのは5.9%で、1か月待っても59.2%しか戻っていません。含み損が大きくなるほど、戻るまでの時間も長くなります。
| 含み損の大きさ (1万通貨の金額) | 1日以内に戻った | 1週間以内 | 1か月以内 | 戻る前に含み損が2倍に広がった | 戻るまでの時間(真ん中の値) |
|---|---|---|---|---|---|
| 10銭(1,000円) | 81.4% | 92.9% | 97.0% | 54.1% | 約2時間 |
| 20銭(2,000円) | 68.1% | 87.0% | 94.5% | 52.1% | 約6時間 |
| 30銭(3,000円) | 56.4% | 81.5% | 91.8% | 51.4% | 約12時間 |
| 50銭(5,000円) | 39.1% | 71.8% | 87.0% | 51.0% | 約32時間 |
| 1円(1万円) | 17.7% | 53.4% | 76.2% | 48.8% | 約3.8日 |
| 2円(2万円) | 5.9% | 30.6% | 59.2% | 49.1% | 約6.9日 |
※ドル円の買い。毎時の始値で買い、買ってから1週間以内に含み損がその幅になったケース(10銭は124,501回、2円は22,918回)について、その時点からの動きを集計。買値まで戻ったかは売値(Bid)で判定し、スプレッドは含めていない。「戻るまでの時間」は1か月以内に戻ったケースの真ん中の値(Dukascopy社のドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが集計)
戻る前に2倍に広がる割合は、どの大きさでも約半分
表の「戻る前に含み損が2倍に広がった」は、含み損が10銭なら20銭、50銭なら1円まで、買値に戻る前に広がった割合です。10銭でも2円でも48.8〜54.1%で、ほぼ半分でした。
つまり「もう少し耐えれば戻るはず」と思った時点で、そこから倍の含み損になる可能性も同じくらいあります。含み損がいくらになっても、この関係はほとんど変わりません。耐えるかどうかを含み損が出てから考えても、有利にはならないということです。
売りの場合も、ほぼ同じ傾向
ドル円を売った場合も同じように集計しました。この期間はドル円が上がった(円安になった)時期が長かったため、買いよりも少しだけ戻りにくい結果です。
| 含み損の大きさ | 1日以内に戻った | 1か月以内に戻った | 戻る前に2倍に広がった |
|---|---|---|---|
| 10銭 | 79.7% | 95.9% | 54.5% |
| 20銭 | 64.7% | 92.4% | 52.8% |
| 30銭 | 52.4% | 89.0% | 52.7% |
| 50銭 | 33.9% | 82.9% | 53.4% |
| 1円 | 13.2% | 70.3% | 53.6% |
| 2円 | 4.8% | 54.7% | 50.2% |
※ドル円の売り。集計方法は上の表と同じ(Dukascopy社のドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが集計)
買ってすぐの含み損はどれくらい起きる?
買った直後に含み損になるのは、珍しいことではありません。毎時の始値で買った場合、1時間以内に10銭以上の含み損になったのは31.1%、1日以内では82.8%でした。
| 1時間以内 | 4時間以内 | 1日以内 | |
|---|---|---|---|
| 買ってから含み損が10銭以上になった | 31.1% | 57.9% | 82.8% |
| 売ってから含み損が10銭以上になった | 30.4% | 58.1% | 83.6% |
※2005年1月〜2026年9月の毎時の始値で買い・売りした場合(Dukascopy社のドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが集計)
含み損は何パーセントまで?資金の1〜2%から逆算する早見表
| 資金 | 1回の損の上限 (1%) | 1回の損の上限 (2%) | 1万通貨なら 耐える幅(2%) | 1千通貨なら 耐える幅(2%) |
|---|---|---|---|---|
| 10万円 | 1,000円 | 2,000円 | 20銭 | 2円 |
| 30万円 | 3,000円 | 6,000円 | 60銭 | 6円 |
| 50万円 | 5,000円 | 10,000円 | 1円 | 10円 |
| 100万円 | 10,000円 | 20,000円 | 2円 | 20円 |
| 300万円 | 30,000円 | 60,000円 | 6円 | 60円 |
※耐える幅=1回の損の上限÷通貨量。ドル円などクロス円の場合(1万通貨で1円動くと1万円の損益)。スプレッドや、逆指値が滑る分は含めていない
「含み損は何パーセントまで許容範囲か」は、資金に対する割合で考えると決めやすくなります。よく使われる目安は、1回の取引の損を資金の1〜2%に抑える考え方です。SBI FXトレードの初心者向け解説でも、投資資金の2%を超える損失が出たら損切りする例が紹介されています。
上限の金額を通貨量で割ると、何円の逆行まで耐えられるかが分かります。ドル円は1万通貨なら1円動くと1万円、1千通貨なら1千円の損益です。資金30万円で1万通貨を取引するなら、2%の6,000円は60銭の逆行にあたります。同じ資金でも1千通貨なら6円まで耐えられます。
計算が面倒なときはFX計算機セットで、通貨量と値幅から損益を確かめられます。
含み損になったらどうする?損切りか待つかのチェックリスト
図: 含み損になったときのチェックリスト(hiro-fx.com作成)
すでに含み損を抱えていて、損切りか待つかで迷っているときは、上の5つを順番に確かめてください。どれか1つでも「いいえ」なら、損切りか、量を減らすことを考える目安になります。
大事なのは「戻りそうか」ではなく「最初に決めたルールの内側か」で判断することです。データで見たとおり、含み損が出てから戻るかどうかを予想しても、戻る前に倍になる可能性は約半分あるからです。
損切りの価格の決め方は3通り
損切りの価格の決め方には、主に3つあります。1つ目は「1円逆行したら」のように値幅で決める方法です。2つ目は「資金の2%」のように損の割合で決める方法、3つ目は直近の安値などチャートの節目で決める方法です。
チャートの節目で決めた場合も、その幅で損が資金の何%になるかは必ず確かめてください。節目までの幅が広すぎるなら、通貨量を減らして調整します。
決めた価格に逆指値を入れておく
損切りの価格を決めたら、その価格に逆指値注文(決めた価格になったら自動で決済する注文)を入れておきます。含み損が出てから手で決済しようとすると、「もう少し待とう」と迷いやすいからです。新規の注文と損切りの注文を一緒に出せるIFD注文やIFO注文を使うと、入れ忘れも防げます。
デイトレや買った瞬間の含み損はふつう?
| 中身 | 1万通貨の場合 | |
|---|---|---|
| 買った瞬間の含み損 | スプレッド(買値と売値の差) | ドル円0.2銭なら20円 |
| デイトレの含み損 | 数十銭の上下はよくある | 30銭で3,000円 |
| 日をまたいだ含み損 | 戻るまで数日〜数週間かかることも | 1円で1万円 |
※スプレッドの例は、GMOクリック証券のドル円0.2銭(原則固定・例外あり、午前9時〜翌午前3時)。会社や時間帯によって違う
FXでは、買った瞬間に必ず少し含み損になります。買うときの価格(Ask)と売るときの価格(Bid)に差があり、この差をスプレッドと呼びます。たとえばドル円のスプレッドが0.2銭なら、1万通貨を買った瞬間の含み損は20円です。
そのあとの小さな含み損も、ごくふつうのことです。データの節で見たとおり、ドル円は買ってから1時間以内に10銭以上の含み損になることが約3割、1日以内なら8割以上ありました。数十銭の含み損のたびに慌てて決済すると、損切りばかりになってしまいます。
デイトレは「時間の期限」も決めておく
デイトレード(1日のうちに決済する取引)なら、値幅に加えて「その日のうちに戻らなければ決済する」という時間の期限も決めておくと迷いが減ります。データでは、1円の含み損が1日以内に戻ったのは17.7%でした。デイトレのつもりで持ち越すと、いつの間にか長い取引になってしまいます。
含み損がつらい・気にしないのは危ない?気持ちの整え方
| 気にしなくていい含み損 | 気にすべき含み損 | |
|---|---|---|
| 損切りの注文 | 入れてある | 入れていない |
| 含み損の大きさ | 最初に決めた上限の内側 | 上限を超えた・決めていない |
| 量(実効レバレッジ) | 低い(数倍まで) | 高く、ロスカットが近い |
| 気持ち | チャートを見なくても平気 | 眠れない・仕事が手につかない |
※hiro-fx.com作成。「気にしない」が成り立つのは、損の上限が先に決まっているときだけ
含み損がつらいのは、自然なことです。行動経済学の研究(Tversky・Kahneman、1992年)では、同じ金額でも、人は得より損のほうを約2倍強く感じるとされています。この「損失回避」の気持ちが、損切りを先延ばしにさせます。
「含み損を気にしない」が成り立つのは、損の上限が先に決まっていて、損切りの注文が入っているときだけです。注文が入っていれば、最悪でもいくら失うかが分かっているので、チャートを見続ける必要はありません。損切りの注文がないまま気にしないようにするのは、上限のない損を放っておくことになり危険です。
つらいときは、量を減らす
含み損で眠れない、仕事が手につかないときは、ポジションが資金に対して大きすぎるサインです。一部を決済して量を減らすと、同じ値動きでも含み損の金額は小さくなります。次の取引から通貨量を減らすのも、気持ちを楽にする確実な方法です。
含み損を長く耐えるときの注意点
| リスク | 何が起きる? | 確かめること |
|---|---|---|
| 強制ロスカット | 含み損が広がると、FX会社が自動で決済する | 証拠金維持率・ロスカットの水準 |
| スワップのマイナス | 金利の低い通貨を買う側は、日ごとに支払いが出る | 自分の向きのスワップ(売り・買い) |
| 急な値動き | 介入や指標で、逆指値より不利な価格で決済されることがある | 指標の日程・ポジションの量 |
| 時間 | 戻るのを待つほど、ほかの取引に資金を使えない | 「いつまで待つか」の期限 |
※hiro-fx.com作成
含み損を長く耐えるほど、強制ロスカットに近づきます。含み損がふくらんで証拠金維持率が会社の決めた水準を下回ると、ポジションは自動で決済されます。何円動くと発動するかは強制ロスカットされたらどうなる?で、実効レバレッジ別に計算しています。
数か月〜数年単位で戻るのを待つ状態は「塩漬け」と呼ばれます。ドル円の含み損が戻るまでに何日かかったかは、日足26年分でFXの塩漬けとは?にまとめています。
データの限界
この記事のデータは、ドル円の過去の値動きを集計したものです。毎時の始値で買った仮定の取引なので、実際の取引とは入る価格もタイミングも違います。スプレッドやスワップも含めていません。過去に戻った割合が高くても、同じように戻るとは限りません。
よくある質問
Q1. 含み損は決済しなければ損ではないので、気にしなくていい?
A. 決済しなければ損は確定しませんが、口座の評価額はすでに減っています。強制ロスカットの判定も含み損を含めた金額で行われるので、「損ではない」とは言えません。気にしなくていいのは、損切りの注文が入っているときです。
Q2. 損切りした直後に戻ったら、損切りは間違いだった?
A. 間違いとは限りません。データでは、50銭の含み損の39.1%が1日以内に戻っており、損切りのあとに戻るのはよくあることです。一方で、戻る前に1円まで広がったケースも約半分ありました。1回の結果ではなく、ルールを守れたかで振り返るのがおすすめです。
Q3. 含み損を抱えたまま年をまたぐと、税金で損失にできる?
A. できません。国内FXの税金は、決済して確定した損益が対象です。含み損のまま年をまたいでも、その年の損失にはなりません。確定した損失は、確定申告をすれば翌年から3年間繰り越せます。
Q4. 含み損のときに買い増して、平均の買値を下げるのはあり?
A. ナンピンと呼ばれる方法です。平均の買値は下がりますが、ポジションの量が増えるので、さらに逆行したときの含み損も大きくなります。買い増したあとの平均レートやロスカットの価格は、ナンピン計算機で確かめられます。
Q5. 含み損が何円になったら強制ロスカットされる?
A. 口座のお金と、ポジションの量(実効レバレッジ)、会社のロスカットの水準で決まります。たとえば実効レバレッジ10倍で、証拠金維持率100%で発動する会社なら、約6%の逆行が目安です。自分の口座の証拠金維持率は、取引画面で確かめられます。
まとめ:含み損を耐える幅は、含み損が出る前に決める
- 含み損をどこまで耐えるかは、注文する前に決めた「1回の損の上限」で考える
- ドル円の約21年分では、含み損50銭の87.0%が1か月以内に買値まで戻った
- ただし戻る前に含み損が2倍に広がったケースも、大きさにかかわらず約半分あった
- 上限は資金の1〜2%が目安。耐える幅は「上限÷通貨量」で計算し、狭すぎたら量を減らす
- 買った瞬間の含み損(スプレッド)や数十銭の含み損はふつう。デイトレは時間の期限も決める
すでに大きな含み損を長く抱えている方は、FXの塩漬けとは?ドル円は待てば戻るのか26年分で検証もあわせてご覧ください。
※この記事の情報は2026年10月2日時点のものです。値動きのデータは、Dukascopy社のドル円1時間足(2005年1月〜2026年9月)をもとにhiro-fx.comが集計したものです。主な出典: SBI FXトレード「含み損とは?」(初心者向け解説)、GMOクリック証券「スプレッド・取引手数料」、国税庁「No.1521 先物取引に係る雑所得等の課税の特例」、Tversky, A. & Kahneman, D. (1992) “Advances in Prospect Theory”。過去の値動きは将来の値動きを約束するものではありません。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。取引はご自身の判断で行ってください。

