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- 最大含み損ってどういう意味?
- 最大ドローダウンとは何が違うの?
- ドル円を1か月持ったら、最大でどれくらいの含み損を覚悟すればいい?
- MT4で含み損や最大ドローダウンを確かめるには?
最大含み損とは、ポジション(取引)を持っているあいだに、含み損がいちばん大きくなったときの金額のことです。最大ドローダウンは口座全体の資産が最高値からどれだけ減ったかを表し、1つの取引の含み損だけを見る最大含み損とは測る対象が違います。この記事では、ドル円の約21年分の日足をもとに、持つ期間ごとの最大含み損の目安を当サイトで集計しました。違いの整理と、MT4・MT5での確かめ方もあわせて解説します。
最大含み損とは?保有中にいちばん大きくなった含み損
図: 2024年7月1日の始値でドル円を買い、12月末まで持ち続けた場合の値動き(Dukascopy社のドル円日足をもとにhiro-fx.comが作成)
含み損とは、まだ決済していないポジションの損のことです。最大含み損は、その含み損が保有中にいちばん大きくなった瞬間の金額を指します。決済したときの損益とは別のもので、最後は利益で終わった取引にも最大含み損はあります。
図1は、2024年7月1日にドル円を160.92円で買い、持ち続けた場合の例です。ドル円は9月16日に139.58円まで下がり、このときの含み損21.35円が最大含み損です。1万通貨なら約21.3万円になります。12月末には157.18円まで戻りましたが、途中でこれだけの含み損に耐える必要がありました。
最大含み損の計算方法
計算はかんたんです。買いなら「買値−保有中の最安値」、売りなら「保有中の最高値−売値」に通貨量をかけます。ドル円などクロス円は、1万通貨で1円動くと1万円の損益です。
最大含み損とドローダウン(最大ドローダウン)の違い
| 最大含み損 | 最大ドローダウン | |
|---|---|---|
| 何を見る? | 1つのポジション(取引) | 口座全体の資産 |
| どこから測る? | 買値(売値)から | 資産がいちばん多かった時点から |
| 決済した損は入る? | 入らない(保有中の損だけ) | 入る |
| どう表す? | 金額・円・pips | 金額と、最高値からの% |
| 主な使い道 | その取引で耐えた損の大きさを知る | 手法やEAの危なさを比べる |
※hiro-fx.com作成。MT4のバックテストの「最大ドローダウン」は、含み損を含めた有効証拠金で計算される(MetaTrader 4 ヘルプ)
ドローダウンとは、口座の資産がいちばん多かった時点から、どれだけ減ったかを表す言葉です。その中でいちばん大きな落ち込みを最大ドローダウンと呼びます。たとえば資産が100万円から120万円に増え、そこから90万円まで減ったら、最大ドローダウンは30万円(120万円の25%)です。
最大含み損は1つの取引の中の話で、ドローダウンは口座全体の話です。最大ドローダウンには、決済した損も、保有中の含み損も含まれます。
最大ドローダウンには含み損が入る?
計算に使う資産の数字によって変わります。「有効証拠金」(含み損益を足した資産)で測れば含み損が入り、「残高」(決済した損益だけの資産)で測れば入りません。MT4のバックテストの「最大ドローダウン」は、有効証拠金で計算されると公式ヘルプに書かれています。
決済した損だけを見る残高のドローダウンは、含み損を抱えたまま決済しない手法ほど小さく見えます。手法やEAを比べるときは、含み損を含めた数字を見るのが安全です。
【データ】ドル円を持ち続けたときの最大含み損の目安
図: ドル円の買いを持ち続けた期間別の最大含み損(2005年1月〜2026年9月・Dukascopy社のドル円日足をもとにhiro-fx.comが集計)
当サイトでは、2005年1月から2026年9月までのドル円の日足を使い、毎営業日の始値でドル円を買ったと仮定しました。そこから1日〜1年持ち続けたあいだの最大含み損を調べています。1か月持った場合の最大含み損は、真ん中の値で1.67円、10回に1回は5.73円以上でした。
持つ期間が長いほど、最大含み損は大きくなります。1日なら真ん中の値は0.35円ですが、1年持つと6.07円で、10回に1回は18.03円以上になりました。
| 持つ期間 | 真ん中の値 | 10回に1回は これ以上 | いちばん大きかった | 2022年以降に 買った場合(10回に1回) |
|---|---|---|---|---|
| 1日 | 0.35円 | 1.13円 | 6.70円(2008年10月に買った回) | 1.52円 |
| 1週間 | 0.82円 | 2.64円 | 12.16円(2024年7月に買った回) | 3.60円 |
| 1か月 | 1.67円 | 5.73円 | 19.92円(2024年7月に買った回) | 7.16円 |
| 3か月 | 2.86円 | 9.07円 | 22.95円(2022年10月に買った回) | 13.10円 |
| 1年 | 6.07円 | 18.03円 | 28.13円(2007年6月に買った回) | 16.66円 |
※ドル円の買い。2005年1月3日〜2026年9月30日の毎営業日の始値で買い、その日から1日・5日・21日・63日・252営業日のあいだの安値までの差(1年は5,420回、1日は5,671回)。Dukascopy社のドル円日足をもとにhiro-fx.comが集計
2022年以降は値動きが大きい
2022年以降に買った場合だけで見ると、1か月の最大含み損は10回に1回で7.16円以上と、期間全体の5.73円より大きくなりました。ドル円の価格そのものが高くなり、1日の値動きも大きくなったためです。2005年からの全期間の数字だけで見積もると、2022年以降の相場では小さすぎることがあります。
売りの場合
ドル円を売った場合も同じように集計しました。2021年12月に売った場合は、1年のあいだに最大39.06円の含み損になっています。円安が続いた時期の売りは、含み損が大きくなりやすいことが分かります。
| 持つ期間 | 真ん中の値 | 10回に1回はこれ以上 | いちばん大きかった |
|---|---|---|---|
| 1日 | 0.33円 | 1.04円 | 6.50円 |
| 1週間 | 0.84円 | 2.37円 | 7.01円 |
| 1か月 | 1.80円 | 4.99円 | 12.18円 |
| 3か月 | 3.25円 | 9.67円 | 20.54円 |
| 1年 | 6.52円 | 20.75円 | 39.06円 |
※ドル円の売り。集計方法は上の表と同じ(売った値段から、その期間の高値までの差)
自分の最大含み損を見積もる方法
図: 最大含み損の見積もり方(hiro-fx.com作成)
注文する前に、その取引で最悪どれくらいの含み損になりうるかを見積もっておくと、強制ロスカットや大きな損を防ぎやすくなります。まず持つ期間を決め、その期間の「10回に1回はこれ以上」の値幅に通貨量をかけます。
| 通貨量 | 1か月の最大含み損 (真ん中の値) | 1か月の最大含み損 (10回に1回はこれ以上) |
|---|---|---|
| 1千通貨 | 約1,670円 | 約5,730円 |
| 1万通貨 | 約1.7万円 | 約5.7万円 |
| 3万通貨 | 約5.0万円 | 約17.2万円 |
| 10万通貨 | 約16.7万円 | 約57.3万円 |
※ドル円の買いを1か月持った場合(真ん中の値1.67円・10回に1回5.73円)。最大含み損=値幅×通貨量。スプレッドとスワップは含めない
たとえば1か月持つつもりで3万通貨を買うなら、10回に1回は約17.2万円以上の含み損になる計算です。その金額が資金に対して大きすぎるなら、通貨量を減らすか、損切りの注文を入れて含み損の上限を決めておきます。強制ロスカットになる値幅は、強制ロスカットされたらどうなる?で実効レバレッジ別に計算しています。
ナンピンしたときの最大含み損
下がるたびに買い増すナンピンでは、ポジションが増えるほど含み損の増え方が速くなります。最大含み損は、すべてのポジションの含み損の合計で考えます。ナンピンEAの設定(買い増す幅・回数・量)を入れると、平均レートと含み損、ロスカットの価格を計算できるナンピン計算機も用意しています。
MT4・MT5で含み損と最大ドローダウンを確かめる方法
| 知りたいこと | どこで見る? | メモ |
|---|---|---|
| 保有中の含み損 | MT4の「ターミナル」→「取引」タブの「損益」 | 口座全体は「有効証拠金」で分かる |
| EAの最大ドローダウン | MT4のストラテジーテスター→「レポート」 | 含み損を含めた有効証拠金で計算される |
| 残高と有効証拠金のドローダウン | MT5のストラテジーテスターのレポート | 残高ドローダウンと有効証拠金ドローダウンが別々に出る |
| 実際の口座の最大ドローダウン | MT5の取引レポート(表示メニュー→レポート) | 残高と有効証拠金の悪いほうが出る |
| 過去の取引の最大含み損 | チャートで保有期間の安値(売りは高値)を見る | 口座履歴には出ないので計算する |
※MetaTrader 4 ヘルプ「Testing Results」、MetaTrader 5 ヘルプ「Testing Report」「Trading Report」をもとにhiro-fx.com作成。画面の名前は日本語版の表示に合わせた
保有中の含み損は、MT4の「ターミナル」(Ctrl+Tで開く画面)の「取引」タブで、ポジションごとの「損益」として表示されます。下の行の「有効証拠金」は、残高に含み損益を足した口座全体の資産です。
EAの最大ドローダウンは、ストラテジーテスター(バックテストの画面)の「レポート」タブで確かめます。MT4のヘルプでは、最大ドローダウンは「有効証拠金の高値から、次の安値までの差」と説明されています。MT5のレポートでは、残高のドローダウンと有効証拠金のドローダウンが分かれて表示されます。
過去の取引の最大含み損は、履歴に出ない
MT4の口座履歴には、決済した損益は残りますが、保有中にどこまで含み損が広がったかは表示されません。過去の取引の最大含み損を知りたいときは、チャートで保有していた期間の最安値(売りなら最高値)を見て、買値との差に通貨量をかけて計算します。
最大含み損を見るときの注意点
| 注意点 | 何が起きる? |
|---|---|
| 過去の最大は上限ではない | 介入や金融危機などで、過去のいちばん大きな値を超えることがある |
| ポジションが複数ある | 最大含み損は合計で考える。ナンピンすると増え方が速い |
| テスターの結果は理想に近い | スプレッドや約定の滑りが実際より小さいと、最大ドローダウンも小さく出る |
| 強制ロスカット | 最大含み損に届く前に、自動で決済されることがある |
※hiro-fx.com作成
過去の最大含み損は、将来の上限ではありません。2024年7月から9月のドル円は、約2か月半で20円以上下がりました。過去のデータにない動きは、いつでも起こりえます。
バックテストの最大ドローダウンも、スプレッドや約定の滑りの設定によっては実際より小さく出ます。実際の口座で動かすときは、テストの数字より大きな落ち込みがある前提で資金を用意するのが安全です。この記事のデータも、過去のドル円の値動きを集計したもので、スプレッドやスワップは含めていません。
よくある質問
Q1. 最大含み損と最大ドローダウンを一言で言うと?
A. 最大含み損は「1つの取引で、保有中にいちばん大きくなった含み損」です。最大ドローダウンは「口座の資産が、いちばん多かった時点からいちばん減った幅」です。
Q2. 最大ドローダウンは何%までなら大丈夫?
A. 決まった基準はありません。資金のうち、どこまでの落ち込みなら取引を続けられるかで、人によって違います。損を取り戻すには、20%減れば25%、50%減れば100%の利益が必要になるので、落ち込みが大きいほど回復は大変です。
Q3. 最大含み損は税金に関係しますか?
A. 関係しません。国内FXの税金は、決済して確定した損益が対象です。保有中に含み損がいくら大きくなっても、決済していなければ損益の計算には入りません。
Q4. MT4のスマホアプリでも含み損は見られますか?
A. 見られます。スマホアプリの「トレード」画面に、保有中のポジションごとの損益と、口座の有効証拠金が表示されます。
Q5. バックテストより実際の最大ドローダウンが大きくなるのはなぜ?
A. テストのスプレッドが実際より狭い、約定が理想的な価格で行われる、テスト期間になかった相場が来る、などが主な理由です。テストの最大ドローダウンは、少なめに出た数字だと考えておくと安全です。
まとめ:最大含み損は「その取引でいちばん苦しかった瞬間」
- 最大含み損は、1つのポジションを持っているあいだにいちばん大きくなった含み損
- 最大ドローダウンは、口座全体の資産が最高値からどれだけ減ったか。決済した損も含む
- ドル円を1か月持つと、最大含み損は真ん中の値で1.67円、10回に1回は5.73円以上だった
- 「10回に1回」の値幅×通貨量で、注文する前に最悪の含み損を見積もれる
- MT4のバックテストの最大ドローダウンは、含み損を含めた有効証拠金で計算される
含み損の基本から確かめたい方はFXの含み損・含み益とは?、長く持ち続けた含み損が戻るまでの日数はFXの塩漬けとは?もあわせてご覧ください。
※この記事の情報は2026年10月2日時点のものです。値動きのデータは、Dukascopy社のドル円日足(2005年1月〜2026年9月)をもとにhiro-fx.comが集計したものです。主な出典: MetaTrader 4 ヘルプ「Testing Results」、MetaTrader 5 ヘルプ「Testing Report」「Trading Report」、国税庁「No.1521 先物取引に係る雑所得等の課税の特例」。過去の値動きは将来の値動きを約束するものではありません。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。取引はご自身の判断で行ってください。

