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2026年9月1日に160円台だったドル円は、9月8日には153円台まで下がりました。5営業日で−6.65円という急な円高です。
「これだけ下げたら、そろそろ戻るのでは」と思う人も多いはずです。そこで、このサイトの相場タイプナビと同じYahoo Financeの日足を使い、2006年1月から2026年9月8日までの5,365営業日で「同じくらいの急落のあと、ドル円がどう動いたか」を数えました。
用語メモ:この記事の「急落」は、NY市場の終値(日本時間の朝の値)が5営業日で4%以上下がった日を指します。2026年9月8日の下げは−4.15%でした。同じ局面を何度も数えないよう、最初に4%を超えた日だけを1回と数え、そのあと20営業日は数えていません。「1ヶ月後」は21営業日後、「1週間後」は5営業日後の終値で見ています。
・「5営業日で4%超の円高」は2006年以降に何回あり、1ヶ月後にドル円はどうなっていたか
・戻った回と、戻らなかった回にはどんな違いがあったか
・2026年9月の急落は、過去の17回と比べてどのくらいの大きさか
結論:急落から1ヶ月後、ドル円は17回中12回が上昇していました(平均+1.6%)
図1: 「5営業日で4%超の円高」が起きた日の終値と、その21営業日後の終値の変化率。2006年1月〜2026年9月8日・Yahoo Finance日足(NY終値)。
ひとことで言うと:急落のあと1ヶ月たつと、10回に7回はドル円が急落した日より高い水準に戻っていました。
図1は、過去17回の急落について「急落した日の終値から1ヶ月後にどれだけ動いたか」を1本ずつ並べたものです。青が上昇、橙が下落で、上昇は12回、下落は5回でした。
上昇した割合は70.6%、平均は+1.6%です。2026年9月8日の153.55円に当てはめると、+1.6%は約2.46円の戻りにあたります。
比較のため、急落かどうかを問わない普通の日も数えました。普通の日は1ヶ月後に上昇していたのが52.9%、平均は+0.16%です。急落のあとの方が、戻る傾向がはっきり強く出ていました。
検証の中身:20年で17回の急落と、そのあとの値動き
図2: ドル円のNY終値(2006年1月〜2026年9月8日・週1本に間引き)に、急落した日を▼で重ねたもの。青は1ヶ月後に上昇、橙は下落、黒は2026年9月8日。Yahoo Finance。
ひとことで言うと:4%超の急落は20年で17回、およそ1年に1回弱の出来事です。下落を続けた5回(橙)は、2008年に3回と2016年2月、2022年11月に集中しています。
図2を見ると、急落は2008年のリーマン危機の前後にまとまって起きています。一方で2013年以降は8回で、ペースはほぼ「2年に1回」に落ち着いていました。
表1は、2013年以降の8回を並べたものです。1週間後にはすでに戻り始めている回が多く、17回全体でも13回(76.5%)が1週間後に上昇していました。
| 急落した日 | 5営業日の下げ | 1週間後 | 1ヶ月後 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 2013年6月11日 | −4.15円(−4.14%) | −0.61% | +2.55% | 黒田緩和後の調整。1ヶ月で戻り |
| 2015年8月24日 | −5.55円(−4.46%) | +1.85% | +1.01% | 中国ショック。数日で戻り |
| 2016年2月8日 | −5.17円(−4.28%) | −1.16% | -2.60% | マイナス金利直後。戻らず |
| 2016年4月29日 | −4.98円(−4.47%) | +0.85% | +4.12% | 日銀の追加緩和見送り。1ヶ月で戻り |
| 2020年3月9日 | −5.38円(−4.95%) | +2.97% | +5.37% | コロナ危機。10営業日で+7.5% |
| 2022年11月10日 | −6.66円(−4.49%) | −0.93% | -3.54% | 米CPI下振れ。1ヶ月後も−3.5% |
| 2023年7月12日 | −6.17円(−4.27%) | +0.93% | +4.73% | 米CPI下振れ。1ヶ月で+4.7% |
| 2024年8月2日 | −8.56円(−5.55%) | +1.00% | +0.78% | 円キャリー巻き戻し。1ヶ月後は+0.8% |
表1: 2013年以降の急落8回。下げ幅と変化率はいずれもNY終値ベース。出典: Yahoo Finance日足を相場タイプナビと同じ方法で日付をそろえて集計(2026年9月9日集計)。2006〜2012年の9回は図2にまとめています。
2026年9月の急落は、過去の17回と比べてどのくらい大きいか
図3: ドル円のNY終値(2026年6月1日〜9月8日)。網掛けが9月1日→9月8日の5営業日。Yahoo Finance日足、9月8日は割高・割安メーターの朝8時時点の値。
ひとことで言うと:2026年9月の−4.15%は、過去17回の中では「ふつうサイズ」の急落です。円の幅では−6.65円で、2022年11月や2024年8月と並ぶ大きさでした。
図3のとおり、2026年9月1日の160.20円から9月8日の153.55円まで、5営業日で−6.65円(−4.15%)です。過去17回の下げ幅は−4.09%から−5.95%の間に収まっており、2026年9月の−4.15%は、18回の中で小さい方から3番目でした。
円の幅で見ると、ドル円の水準が高いぶん、過去より大きく見えます。5営業日で6円以上下げたのは2022年11月(−6.66円)・2023年7月(−6.17円)・2024年8月(−8.56円)と、2026年9月の4回だけでした。
2026年9月9日時点で、相場タイプナビはこの相場を「株価・リスク主導の円高トレンド(高ボラ)」と判定しています。似た相場の1位は2024年7月24日で、その20営業日後は−5.7%でした。同じ急落でも、そのあとの動きは局面ごとに大きく違います。
注意点:戻る前に、いったんもっと下げた回が17回中11回
図4: 急落した日の終値から、その後21営業日の間の最安値(終値ベース)までの下げ幅。2006年1月〜2026年9月8日・Yahoo Finance日足。
ひとことで言うと:「1ヶ月後に戻っていた」回でも、その途中では急落した日よりさらに安い水準をつけた回が多く、11回ありました。
図4は、急落した日から1ヶ月の間に「いったんどこまで下げたか」を並べたものです。急落した日より下げなかったのは6回だけで、1%以上さらに下げた回が8回ありました。
2026年9月8日の153.55円で1%は約1.54円です。最大は2008年10月の−8.15%で、同じ割合なら約12.5円の追加の下げにあたります。急落のあとに買い向かうなら、そこまでの下げに耐えられる資金の余裕が前提になります。
集計した回数は17回と少なく、そのうち8回は2007〜2009年の金融危機の時期です。「急落のあと70%は戻る」は、危機の時期を含んだ過去の数字であり、2026年9月の相場がそのとおりに動くことを保証するものではありません。
ちなみに、3ヶ月後(63営業日後)まで延ばすと上昇は17回中10回(58.8%)、平均は+0.57%まで縮みます。戻りの傾向がはっきりしているのは、1ヶ月くらいまでの話でした。
ドル円の相場タイプと、過去の似た相場のその後は相場タイプナビで毎日更新しています。金利差から見た割高・割安は割高・割安メーターで確認できます。
この記事は2026年9月9日時点のデータにもとづく情報提供であり、投資助言ではありません。売買の判断はご自身の責任でお願いします。
