FOMCとは?わかりやすく何を決めるか・FRBとの違い・年8回の仕組み

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こんな疑問を持つ方へ
  • FOMCとは何?何の略で、どう読むの?
  • FOMCでは何を決める?FRBとはどう違う?
  • FOMCは年に何回、日本時間の何時に発表される?
  • FOMCの日は、ドル円がどれくらい動く?

FOMC(エフ・オー・エム・シー)とは、アメリカの中央銀行の制度であるFRB(連邦準備制度)の中で、政策金利を決める会合です。正式には「連邦公開市場委員会」といい、年8回開かれ、12人の投票で金利を上げるか、下げるか、据え置くかを決めます。この記事では、FRBの公式資料をもとに仕組みとFRBとの違い、2026年の日程をまとめ、当サイトの集計で発表のときのドル円の動きも紹介します。

FOMCとは?アメリカの政策金利を決める会合(読み方・何の略)

項目内容
正式名称(何の略)Federal Open Market Committee
日本語の名前連邦公開市場委員会
読み方エフ・オー・エム・シー
開く回数年8回(約6週間ごと・2日間)。必要なら臨時の会合も
決めること政策金利(FF金利の誘導目標)、国債などの買い入れや保有額
投票する人12人(FRB理事7人+ニューヨーク連銀総裁+ほかの地区連銀総裁4人)
議長ケビン・ウォーシュ氏(2026年5月22日からFRB議長・FOMC議長)
発表の時刻米東部時間14時(日本時間で夏は3時、冬は4時)。30分後に議長の記者会見
2026年10月9日時点の政策金利3.75〜4.00%(2026年9月16日に0.25%利上げ)

※FRB(米連邦準備制度理事会)の公式サイト「Federal Open Market Committee」「Meeting calendars」、2026年5月22日・9月16日の発表より

FOMCは、Federal(連邦)Open Market(公開市場)Committee(委員会)の頭文字です。「公開市場」とは、FRBが銀行などと国債を売り買いして市場のお金の量を調整する「公開市場操作」のことで、もともとはこの操作の方針を決める委員会として始まりました。

わかりやすく言うと、FOMCはアメリカのお金の金利をどうするかを決める会議です。日本でいえば、日本銀行の金融政策決定会合にあたります。ドルは世界で最も多く取引される通貨なので、FOMCの決定はアメリカだけでなく、為替・株・金利など世界中の市場を動かします。

FOMCは何を決める?政策金利(FF金利)と資産の買い入れ

決めること中身ふつうの暮らし・市場への影響
政策金利(FF金利の誘導目標)銀行同士が1日だけお金を貸し借りする金利の目標の幅(例: 3.75〜4.00%)住宅ローン・カードローン・預金など、アメリカのあらゆる金利の土台になる
資産の買い入れ・縮小国債などを買って市場にお金を流す(量的緩和)か、保有を減らす(量的引き締め)か長期金利や株価に影響する
声明文景気・物価の見方と、決定の理由、この先の金融政策の方針次の利上げ・利下げを予想する手がかりになる
経済見通し(年4回)3・6・9・12月の会合で、参加者の成長率・物価・金利の見通しを公表金利の見通しを点で示した「ドットチャート」が注目される

※FRBの公式サイトの説明をもとに作成

FOMCが決める一番大事なことは、政策金利です。アメリカでは、銀行同士が翌日までお金を貸し借りする金利(FF金利=フェデラル・ファンド金利)の目標を、「3.75〜4.00%」のように0.25%の幅で決めます。この金利が上がると、住宅ローンや企業の借入の金利も上がり、お金を借りにくくなって景気や物価の上昇が抑えられます。

FOMCの役割は「物価の安定」と「雇用の最大化」

FRBには、議会から与えられた2つの目標があります。物価を安定させること(物価上昇率2%が目安)と、働きたい人ができるだけ働ける状態(雇用の最大化)を保つことです。物価が上がりすぎれば利上げ、景気が悪くなり失業が増えれば利下げ、というように、FOMCはこの2つのバランスを見て金利を決めます。

FOMCとFRBの違いは?組織と会合の関係

名前何か人数・数主な役割
FRS(連邦準備制度)アメリカの中央銀行の制度全体理事会+12の地区連銀金融政策・銀行の監督・決済
FRB(連邦準備制度理事会)ワシントンにある本部の理事会理事7人(議長を含む)制度全体の運営、銀行の監督
地区連銀(連邦準備銀行)全米12地区の連邦準備銀行12行(ニューヨーク、シカゴなど)地域の銀行の監督、市場での実際の取引(ニューヨーク連銀)
FOMC(連邦公開市場委員会)金利を決める会合投票する人は12人政策金利と資産の買い入れを決める

※FRBの公式サイトより。日本ではFRBが制度全体の意味でも使われることが多い

FRBは組織、FOMCはその中で金利を決める会合です。会社にたとえると、FRBが本社の取締役会、FOMCは取締役と主要な支店長が集まって方針を決める会議、という関係です。

ニュースで「FRBが利上げを決めた」と言うときも、実際に決めているのはFOMCです。FRBの議長はFOMCの議長も務めるのが慣例で、2026年5月22日にFRB議長に就いたウォーシュ氏も、同じ日にFOMCの議長に全会一致で選ばれました。

FOMCのメンバーと投票の仕組み:2026年の12人

枠人数2026年の投票メンバー
FRB理事7人(毎回投票)ウォーシュ(議長)、ジェファーソン、バー、ボウマン、クック、ウォラー、パウエル
ニューヨーク連銀総裁1人(毎回投票)ウィリアムズ(副議長)
ほかの地区連銀総裁4人(1年ごとに交代)クリーブランド(ハマック)、フィラデルフィア(ポールソン)、ダラス(ローガン)、ミネアポリス(カシュカリ)

※FRBの公式サイト「Federal Open Market Committee」(2026年10月9日確認)。投票しない地区連銀の総裁も会合には参加して意見を述べる

投票するのは12人で、FRBの理事7人とニューヨーク連銀の総裁は毎回投票します。残りの4人は、ニューヨーク以外の11の地区連銀の総裁が、4つのグループから1人ずつ1年交代で務めます。メンバーは毎年最初の定例会合(1月)で入れ替わります。

決定は多数決で、決定に反対した人の名前と理由は声明文などで公表されます。2026年9月16日の利上げは12対0の全員一致でした。前議長のパウエル氏は、議長を退いたあとも理事として残っています。メンバーの考え方(タカ派・ハト派)は、次の会合の予想にも使われます。

FOMCは年何回?2026年の日程と日本時間

2026年の会合(米国の日付)結果の発表(日本時間)経済見通し・ドットチャート
1月27日・28日1月29日 4時―
3月17日・18日3月19日 3時あり
4月28日・29日4月30日 3時―
6月16日・17日6月18日 3時あり
7月28日・29日7月30日 3時―
9月15日・16日9月17日 3時(0.25%利上げ)あり
10月27日・28日10月29日 3時―
12月8日・9日12月10日 4時あり

※FRB「Meeting calendars and information」より。日本時間は、米国の夏時間(11月1日まで)は3時、冬時間は4時。議長の会見はその30分後

FOMCの定例会合は年8回、約6週間ごとに2日間の日程で開かれます。結果は2日目の米東部時間14時に発表され、日本では翌日の早朝(夏時間は3時、冬時間は4時)になります。その30分後から議長の記者会見が始まります。

2026年の残りは10月27日・28日(日本時間29日3時に発表)と、12月8日・9日(日本時間10日4時)の2回です。12月の会合では経済見通しとドットチャートも公表されます。会合の約3週間後には、議論の中身をまとめた議事要旨も公表されます。最新の日程はFXイベントカレンダーでも確認できます。

【データ】2000年以降の金利変更は75回、発表の1時間でドル円は平均76pips

図1 FOMCが決めた米国の政策金利(FF金利の誘導目標) 2000年1月〜2026年10月。変更は75回(利上げ41回・利下げ34回)。レンジのときは中央の値 0% 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年 6.5%(2000年) 5.25%(2006年) 5.25〜5.5%(2023年) 0〜0.25%(ゼロ金利) 3.75〜 4.00% 利上げ 利下げ データ: BIS「Central bank policy rates」・FRBの発表(hiro-fx.comの集計)

図: BISの政策金利データ(米国は誘導目標の中央の値)とFRBの発表をもとにhiro-fx.comが集計。点は金利を変えた日(決定日)

当サイトの政策金利データベースで2000年以降を数えると、FOMCが政策金利を変えたのは75回で、利上げが41回、利下げが34回でした。変更幅は0.25%が49回と全体の約3分の2を占めます。一方、2008年の金融危機や2020年3月のコロナ禍では、臨時の会合も含めて0.5〜1%の大幅な利下げが続きました。

金利を動かさない会合のほうが多い年もあります。2009年から2015年までの約7年間は、政策金利が0〜0.25%のまま一度も変わりませんでした。

直近16回の会合(2024年11月〜2026年9月)数字
決定の内訳利下げ5回・据え置き10回・利上げ1回
発表から1時間のドル円の値幅(平均)76pips(中央値は70pips)
最も大きく動いた回138pips(2025年9月17日・0.25%利下げ)
最も小さかった回29pips(2026年4月29日・据え置き)
発表からNYクローズまでの向きドル高(ドル円上昇)11回・ドル安5回

※Yahoo!ファイナンスのドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが集計。発表時刻(米東部14時)からの1時間の高値と安値の差。この1時間には議長会見の始まりも含む。中央値は小さい順に並べてちょうど真ん中の値

直近16回の会合では、声明の発表から1時間でドル円が平均76pips(約0.76円)動きました。据え置きの回でも50pips前後動くことが多く、最小でも29pipsでした。FOMCの日は、結果が予想どおりでも議長会見の発言で値動きが大きくなります。

発表から1時間の値動きをもっと長い期間で調べた結果はFOMC発表の1時間で、ドル円は何pips動くのか?、翌朝の東京時間まで動きが続くかはFOMCの夜に動いた向きは、翌朝の東京時間も続くのか?で検証しています。

FOMCで為替はどう動く?見るポイントと注意点

見るポイントドル高(円安)になりやすいドル安(円高)になりやすい
政策金利の決定予想より利上げ・利下げしない予想より利下げ・利上げしない
声明文の言葉物価の上昇を強く心配している(タカ派)景気や雇用の悪化を心配している(ハト派)
ドットチャート(年4回)先の金利の見通しが上がった先の金利の見通しが下がった
議長の記者会見追加の利上げに前向きな発言利下げに前向きな発言

※一般的な傾向。市場の予想(織り込み)とのずれが大きいほど動きやすく、予想どおりなら動かないこともある

為替が動くのは、決定そのものより、市場の予想とのずれです。利上げが確実視されていた会合で利上げしても、ドル高にならないことはよくあります。予想の度合いは、FF金利先物から計算した「利上げ・利下げ確率」で確かめられ、当サイトのFRBウォッチでも毎時更新しています。

発表は日本の早朝なので、寝ている間にポジションが大きく動くことがあります。発表の前後はスプレッドが広がりやすく、損切りの注文が思った値段で約定しないこともあります。持ち越すなら、ロスカットまでの余裕を事前に確かめておきましょう。

よくある質問

Q1. FOMCとFRB、金利を決めているのはどっちですか?

A. 金利を決めているのはFOMCです。FRB(連邦準備制度理事会)は組織の名前で、その理事7人がFOMCの投票メンバーに入っています。ニュースでは「FRBが利上げ」と言うこともありますが、決めた場はFOMCです。

Q2. FOMCの臨時会合はありますか?

A. あります。2020年3月には、新型コロナの感染拡大を受けて3月3日に0.5%、15日(日曜日)に1%の緊急利下げを決めました。2008年の金融危機のときも、定例会合以外で利下げしています。

Q3. FOMCの結果はどこで見られますか?

A. FRBの公式サイトに、発表と同時に声明文(英語)が掲載されます。日本語では、通信社やFX会社のニュースがすぐに要点を伝えます。当サイトのFRBウォッチでは、声明文の変更点も確認できます。

Q4. 議事要旨とは何ですか?

A. 会合でどんな議論があったかをまとめた資料で、会合の約3週間後に公表されます。声明文には書かれない、メンバーの意見の分かれ方が分かるので、次の会合を予想する材料になります。

Q5. FOMCの日にFXで取引しても大丈夫ですか?

A. 取引はできますが、発表の前後は値動きが大きく、スプレッドも広がりやすい時間です。初めての人は、発表の前にポジションを小さくする、損切りの幅に余裕を持たせるなど、損失が大きくならない工夫をしてください。

まとめ:FOMCはアメリカの金利を決める年8回の会合

  • FOMCはFederal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の略で、読み方はエフ・オー・エム・シー
  • 決めるのは政策金利(FF金利の誘導目標)と資産の買い入れ。目標は物価の安定と雇用の最大化
  • FRBは組織、FOMCは金利を決める会合。投票はFRB理事7人+ニューヨーク連銀総裁+地区連銀総裁4人の12人
  • 年8回開かれ、発表は日本時間の早朝(夏3時・冬4時)。2026年の残りは10月29日と12月10日の発表
  • 2000年以降の金利変更は75回。直近16回は発表から1時間でドル円が平均76pips動いた

次のFOMCの利上げ・利下げ確率と声明文の変化はFRBウォッチ【毎時更新】で確認できます。

※この記事の情報は2026年10月9日時点のものです。主な出典: FRB「Federal Open Market Committee」「Meeting calendars and information」、FRBの発表(2026年5月22日・9月16日)、BIS「Central bank policy rates」。ドル円の値動きはYahoo!ファイナンスの1時間足をもとにしたhiro-fx.comの集計です。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資を勧めるものではありません。取引はご自身の判断で行ってください。