円安でも行ける海外はどこ?物価と為替の国別比較と両替のコツ

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こんな疑問を持つ方へ
  • 円安でも行ける海外はどこ?日本より物価が安い国は?
  • 円安の影響が少ない国はある?ウォン高・ユーロ高はなぜ?
  • ハワイやヨーロッパは、2019年と比べてどれくらい高くなった?
  • 両替はいつ、どうやってすると損しにくい?

円安でも行きやすい海外は、ベトナム・インドネシア・タイ・フィリピン・マレーシア・インドなど、物価が日本より大きく安い国です。日本を100とした物価の高さは、ベトナム43、タイ47などと半分以下で、円安でもまだ割安に旅行できます。この記事では、世界銀行の物価データと2019年からの為替の変化をもとに国別に比べ、ハワイなどの費用感、両替のコツ、留学への影響までまとめます。

円安でも行ける海外はどこ?日本より物価が安い国

図1 日本を100としたときの物価の高さ(2025年) 世界銀行の購買力平価(家計の消費)と市場の為替レートから計算。100未満(青)は日本より物価が安い国 エジプト 23 インド 33 ベトナム 43 インドネシア 45 タイ 47 マレーシア 48 フィリピン 52 トルコ 65 中国 70 メキシコ 85 韓国 90 ユーロ圏(スペイン) 99 UAE(ドバイ) 100 ユーロ圏(イタリア) 106 香港 107 シンガポール 113 ユーロ圏(フランス) 120 ニュージーランド 129 カナダ 131 イギリス 134 オーストラリア 137 アメリカ 145 スイス 186

図: 世界銀行「PPP conversion factor, private consumption」と「Official exchange rate」の2025年の値(ベトナムは2024年。直近の年は世界銀行の推計を含む)からhiro-fx.comが計算。台湾は世界銀行のデータがないため対象外

図は、同じものを買うのにかかる費用を、日本を100として国ごとに比べたものです。100より小さい国は、円に直したときに日本より物価が安い国です。比べた23か国・地域のうち、100未満は13か国で、そのうち日本の半分以下の国が6か国ありました。

特に安いのは、エジプト(23)、インド(33)、ベトナム(43)、インドネシア(45)、タイ(47)などです。韓国(90)や中国(70)も日本より安く、近くて行きやすい行き先です。一方、スイス(186)やアメリカ(145)、オーストラリア(137)は日本より4割以上高くなっています。

物価の高さ主な国・地域(日本=100)円安の旅行への影響
日本の半分以下エジプト23・インド33・ベトナム43・インドネシア45・タイ47・マレーシア48円安でも現地の食事や交通は日本より安い
日本より安いフィリピン52・トルコ65・中国70・メキシコ85・韓国90日本と同じか少し安い感覚
日本と同じくらいスペイン99・UAE100・イタリア106・香港107現地の値段が日本並み。ホテル代で差が出やすい
日本より高いシンガポール113・フランス120・イギリス134・オーストラリア137・アメリカ145・スイス186円安の負担が大きい。予算を多めに

※2025年の年平均の為替レートでの比較(ベトナムは2024年)。2026年9月は2025年の平均よりさらに円安の通貨が多い

【データ】円安の影響が小さい国は?通貨別に2019年からの変化を比較

図2 現地のお金を買うのに必要な円は、2019年からどれだけ増えたか 2019年の平均レートと2026年9月の平均レートの比較。プラスが大きいほど、その通貨に対して円安が進んだ −80% −60% −40% −20% 0% +20% +40% +60% +80% トルコ(TRY) −83.3% エジプト(EGP) −53.2% インド(INR) +6.0% インドネシア(IDR) +14.7% フィリピン(PHP) +18.7% 韓国(KRW) +22.9% ニュージーランド(NZD) +25.7% ベトナム(VND) +28.0% タイ(THB) +34.1% カナダ(CAD) +36.5% 台湾(TWD) +39.7% 香港(HKD) +43.4% アメリカ(USD) +43.5% UAE(ドバイ)(AED) +43.6% マレーシア(MYR) +46.3% オーストラリア(AUD) +47.0% ユーロ圏(EUR) +47.6% 中国(CNY) +47.7% イギリス(GBP) +50.8% シンガポール(SGD) +53.8% メキシコ(MXN) +60.4% スイス(CHF) +74.2%

図: Yahoo!ファイナンスの各通貨の対ドルの日足から対円のレートを計算し、2019年の平均(約260営業日)と2026年9月の平均(22営業日)を比べた(hiro-fx.comの集計)

コロナ前の2019年と比べると、ドルを買うのに必要な円は+43.5%、ユーロは+47.6%増えました。ハワイやヨーロッパで同じ買い物をすると、為替だけで4〜5割高くなった計算です。一方、インド(+6.0%)・インドネシア(+14.7%)・フィリピン(+18.7%)・韓国(+22.9%)は、影響が比較的小さく済んでいます。相手の国の通貨も、ドルに対して弱かったためです。

トルコ(−83.3%)とエジプト(−53.2%)は、通貨が円よりも大きく下がりました。ただし現地の物価も大きく上がったため、日本と比べた物価の高さは、トルコが2019年の35から2025年は65に上がっています。通貨が下がった国でも、旅行が安くなったとは限りません。

国・地域日本と比べた物価(2019年→2025年)円に対する通貨(2019年→2026年9月)直近1年(2025年9月→2026年9月)
ベトナム31→43+28.0%+7.3%
インドネシア36→45+14.7%−1.4%
タイ37→47+34.1%+1.9%
フィリピン37→52+18.7%−3.3%
中国55→70+47.7%+12.4%
韓国79→90+22.9%+8.4%
スペイン72→99+47.6%+3.9%
シンガポール74→113+53.8%+6.8%
フランス85→120+47.6%+3.9%
イギリス91→134+50.8%+5.2%
オーストラリア102→137+47.0%+14.4%
アメリカ94→145+43.5%+5.8%
台湾—+39.7%+1.4%

※物価は世界銀行のデータからの計算(ベトナムは2024年・台湾はデータなし)、通貨はYahoo!ファイナンスの日足からhiro-fx.comが計算。ユーロ圏は通貨が同じで物価は国ごと

ウォン高・ユーロ高・豪ドル高はなぜ?

直近1年(2025年9月→2026年9月)では、韓国ウォンが円に対して+8.4%、豪ドルが+14.4%、ユーロが+3.9%上がりました。ウォンは2026年6月に1ドル1,500ウォン台まで下がったあと、夏から急に買われています。報道では、半導体を中心に輸出が伸び、韓国の経常黒字が大きくなったことが背景に挙げられています。

豪ドルは、オーストラリアの中央銀行が2026年に4回の利上げで政策金利を4.60%まで上げたことが支えです。ユーロも、欧州中央銀行が2026年6月と9月に利上げして2.50%にしました。日銀も利上げしていますが政策金利は1.25%で、ほかの国との金利の差が大きいままなのが円安の理由の一つです。

ハワイ・ヨーロッパ・韓国はいくら高くなった?旅行費用の早見表

行き先現地の値段2019年の平均レート2026年9月の平均レート増えた額
アメリカ・ハワイ・グアム100ドル約10,901円約15,648円+4,747円
ユーロ圏100ユーロ約12,208円約18,023円+5,815円
イギリス100ポンド約13,923円約21,000円+7,077円
オーストラリア100豪ドル約7,582円約11,147円+3,566円
韓国1万ウォン約937円約1,152円+215円
台湾1,000台湾ドル約3,533円約4,935円+1,402円
タイ1,000バーツ約3,513円約4,712円+1,199円
ベトナム100万ドン約4,703円約6,019円+1,316円

※各期間の平均レート(銀行の両替手数料は含まない)。Yahoo!ファイナンスの日足からhiro-fx.comが計算

現地で100ドル使うと、2019年の平均レートなら約10,901円、2026年9月の平均レートなら約15,648円です。ハワイで1日200ドル使う5日間の旅行なら、為替だけで約47,471円多くかかる計算です。これに現地の値上がりや、両替の手数料が加わります。

ハワイは、アメリカの中でも物価が高い州です。米商務省経済分析局(BEA)の2024年の州別の物価では、アメリカ全体を100とするとハワイは110.0でした。カリフォルニアに次ぐ2番目の高さです。日本と比べた物価にあてはめると、ハワイは日本の約1.6倍の目安になります。

同じ1万ウォンは、2019年の約937円から、2026年9月は約1,152円になりました。7年で+22.9%と、アメリカやヨーロッパより上がり方は小さめですが、直近1年に限るとウォン高で+8.4%高くなっています。

円安のときの両替のタイミングとコツ

支払い・両替の方法手数料の目安向いている使い方
銀行で外貨の現金を買う米ドルは仲値に1ドルあたり2円80銭、ユーロは4円を上乗せ(三菱UFJ銀行の例)チップや屋台など現金が必要な分だけ
空港・街の両替所店ごとに違う。銀行より不利なことが多い到着直後の少額だけ
クレジットカード国際ブランドのレートに、カード会社の手数料(例: 三井住友カードのVisa・Mastercardは3.63%)ホテル・買い物などの大きな支払い
デビットカード・海外ATMカードごとに違う。ATMの利用料がかかることも現金を少しずつ引き出したいとき

※2026年10月9日の三菱UFJ銀行の公表相場(米ドルTTS159.17円・現金売相場160.97円)と、三井住友カードの案内(2024年11月改定)より。手数料は金融機関ごとに違い、改定されることがある

両替のタイミングは、正確に当てることはできません。2026年9月の1か月だけでも、ドル円の終値は153.42円から160.20円まで、約6.8円動きました。旅行の予算を何回かに分けて両替すると、高い日にまとめて替えてしまう失敗を避けやすくなります。

レートと同じくらい大事なのが手数料です。米ドルの現金は銀行でも1ドルあたり約3円の上乗せがあるので、現金は必要な分だけにして、残りはカードで払う方法もあります。海外のお店やATMで「日本円で払いますか」と聞かれたら、現地の通貨を選ぶのが基本です。円を選ぶと、お店側が決めた不利なレートになることが多いためです。

クレジットカードは、使った日ではなく、カード会社に売上データが届いた日のレートで円に直されます。数日ずれることがあるので、大きな買い物の前後で為替が大きく動いたときは、請求額が想定と違うことがあります。

円安のときの留学:費用はどれくらい増えた?

現地の費用(1年)2019年の平均レート2026年9月の平均レート増えた額
2万ドル(アメリカ)約218万円約313万円+約95万円
2万豪ドル(オーストラリア)約152万円約223万円+約71万円
2万ポンド(イギリス)約278万円約420万円+約142万円
20万フィリピンペソ(語学留学)約42万円約50万円+約8万円

※為替の変化だけを計算した目安。学費や家賃は現地でも値上がりしているので、実際の増え方はこれより大きいことが多い

留学は金額が大きく期間も長いので、円安の影響がはっきり出ます。現地で年2万ドルかかる留学なら、為替だけで2019年より約90万円以上多く必要な計算です。フィリピンなど、通貨の下がり方が小さく物価も安い国の語学留学は、円安の中でも費用を抑えやすい選択肢です。

費用の準備では、出発の1年前などから何回かに分けて外貨に替えておくと、為替の変動をならせます。外貨預金やFXの外貨の買いで準備する方法もありますが、円高になれば目減りし、手数料もかかります。為替の動きで生活費が足りなくならないよう、予算には余裕を持たせておきましょう。

あわせて読みたい:「日米金利差が開けば円安」は本当か?20年分で検証したら月単位では一致率68.8%でした

よくある質問

Q1. 円安の影響がまったくない国はありますか?

A. 円にあわせて動く通貨の国はないため、影響がゼロの国はありません。ただ、2019年からの変化では、インド(+6.0%)やインドネシア(+14.7%)のように、通貨も弱かった国は影響が小さめです。

Q2. 円高になるまで旅行を待ったほうがいいですか?

A. 為替がいつ円高になるかは予測できません。待っている間に現地の物価が上がることもあります。行きたい時期が決まっているなら、物価が安い国を選ぶ、予算を分けて両替するなど、円安のままでもできる工夫から考えるのが現実的です。

Q3. 両替は日本と現地、どちらでするのがお得ですか?

A. 通貨や両替所によって違います。米ドルやユーロは日本の銀行でも替えやすく、アジアの通貨は現地のほうがレートの良い両替所が多いと言われます。どちらでも、手数料を含めたレートを比べてから替えましょう。

Q4. 韓国旅行は高くなりましたか?

A. 2019年と比べると、ウォンを買うのに必要な円は+22.9%増えました。アメリカなどより上がり方は小さいものの、直近1年はウォン高で+8.4%上がっています。日本と比べた物価はまだ90と日本より少し安い水準です。

Q5. ドル円の最新の動きはどこで見られますか?

A. 当サイトのドル円 割高・割安メーターでは、金利差などから見た理論値と実際のドル円の差を毎日更新しています。

まとめ:円安でも行ける海外は、物価が日本より安い国

  • 日本を100とした物価は、ベトナム43・インドネシア45・タイ47・フィリピン52などが安く、円安でも行きやすい(2025年・世界銀行のデータで計算)
  • 2019年と比べ、ドルは+43.5%、ユーロは+47.6%。インド・インドネシア・フィリピン・韓国は円安の影響が小さめ
  • 通貨が下がった国でも、現地の物価が上がっていれば安くならない(トルコは日本と比べた物価が35→65)
  • ハワイはアメリカの中でも物価が高く、日本の約1.6倍が目安。100ドルは2019年の約10,901円から約15,648円に
  • 両替は分けて行い、現金は必要な分だけに。海外で円払いを選ばないなど、手数料も意識する

円安の背景は日米金利差の検証記事で、ドル円がいまの金利差から見て割高か割安かはドル円 割高・割安メーターで確認できます。

※この記事の情報は2026年10月10日時点のものです。主な出典: 世界銀行「PPP conversion factor, private consumption」「Official exchange rate」(World Development Indicators)、米商務省経済分析局「Regional Price Parities by State, 2024」、三菱UFJ銀行の公表相場(2026年10月9日)、三井住友カード「海外事務処理手数料の改定について」、各国中央銀行の発表。為替レートはYahoo!ファイナンスの日足をもとにしたhiro-fx.comの計算です。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資を勧めるものではありません。両替・投資はご自身の判断で行ってください。