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- 中間選挙で負けたら、トランプ大統領はどうなるの?辞めることはある?
- ねじれ議会になると、何が困るの?
- 負けたら弾劾・罷免されるって本当?
- 2026年は本当に負けそう?結果はいつ分かる?
中間選挙で大統領の党(2026年は共和党)が負けても、大統領は代わりません。トランプ大統領の任期は2029年1月20日までで、中間選挙は議会の議員を選ぶ選挙だからです。負けて下院か上院の過半数を失うと、議会と大統領の党が分かれる「ねじれ」になり、法案や予算が通りにくくなります。この記事では、ねじれ・弾劾・レームダックの仕組みを整理します。あわせて、1946年以降の中間選挙20回で大統領の党がどれだけ議席を減らしたかを、米国の大学の公開データで確かめます。
中間選挙で負けたらどうなる?大統領は代わらず、議会がねじれる
| 負けて下院の過半数を失うと | 負けても変わらないこと | |
|---|---|---|
| 大統領 | 任期の後半2年、議会の協力を得にくくなる | 大統領は代わらない(任期は2029年1月20日まで) |
| 法律・予算 | 大統領の党だけでは通せなくなる | 大統領は拒否権を使える |
| 調査・弾劾 | 下院の委員会が政権を調査し、弾劾訴追もできる | 罷免には上院の3分の2が必要 |
| 大統領令・外交 | 議会からの反発は強まる | 大統領令や外交・関税の多くは大統領の判断で続けられる |
※米国憲法と議会の仕組みをもとにした一般的な整理。上院の過半数も失うと、閣僚や判事の人事も通りにくくなる
中間選挙は、大統領選挙の2年後に行われる議会の選挙です。2026年は11月3日(火)が投票日で、下院の435議席すべてと、上院100議席のうち35議席が改選されます。大統領を選ぶ選挙ではないので、与党が大敗しても大統領は辞めません。
負けて困るのは、任期の後半の政策です。米国では、法律も予算も上院と下院の両方で可決しないと成立しません。下院を野党の民主党が握ると、トランプ大統領が進めたい法律は、民主党が賛成しない限り通らなくなります。
中間選挙は何のため?上院と下院で選ぶもの
| 下院 | 上院 | |
|---|---|---|
| 議員の数 | 435人 | 100人(各州2人) |
| 任期 | 2年 | 6年 |
| 2026年に改選される数 | 435議席すべて | 35議席(定例の33議席+欠員を埋める2議席) |
| 過半数 | 218議席 | 51議席(50対50なら副大統領が決める) |
| 2026年10月時点の勢力 | 共和党218・民主党214など | 共和党53・民主党系47 |
| 主な役割 | 税に関する法案は下院から始める。弾劾訴追 | 条約・閣僚や判事の人事の承認。弾劾裁判 |
※勢力は2026年10月上旬の各報道・選挙情報サイトによる。欠員などで数は変わる
中間選挙は、有権者が大統領の2年間を評価する場とされます。下院は任期2年なので全員が改選され、上院は任期6年で2年ごとに約3分の1ずつ入れ替わります。2026年は上院で共和党が22議席、民主党が13議席を守る選挙です。
同じ日には、多くの州で知事や州議会の選挙も行われます。ニュースで「中間選挙の結果」と言うときは、ふつう連邦議会の上院・下院の多数派がどちらになるかを指します。
ねじれ議会になると何が起きる?法案・予算・人事への影響
| 分野 | ねじれ(下院が野党)になると | 2026年に当てはめると |
|---|---|---|
| 法案 | 両院で可決できず、成立しにくい | 共和党だけで通す法律は難しくなる |
| 予算 | つなぎ予算や政府閉鎖の攻防が増える | 予算が切れると政府機関の一部が止まる |
| 調査 | 下院の委員会が政権の調査や証人喚問をする | 政権の政策や疑惑の調査が増えるとみられる |
| 拒否権 | 議会が可決しても大統領が拒否できる | 覆すには両院の3分の2が必要 |
| 大統領令 | 議会を通さずに出せる | 大統領令に頼る場面が増えやすい |
※一般的な整理。実際の影響は議席差や両党の交渉しだい
ねじれ議会とは、大統領の党と議会の多数派が分かれた状態です。日本の「ねじれ国会」と似ていますが、米国では下院だけ、上院だけを失うこともあります。2026年の選挙では、民主党が下院を取り、共和党が上院を守る形が有力という見方が多く出ています。
ねじれになると、大統領の政策は議会との取引が前提になります。予算の期限ごとに対立が起きやすく、政府機関の一部が止まる「政府閉鎖」のリスクも高まります。一方で、関税の多くや外交、大統領令は議会の可決なしに進められるため、政策がすべて止まるわけではありません。
レームダックとは?負けた大統領が「死に体」と呼ばれる理由
レームダック(lame duck)は「足の不自由なアヒル」という意味で、任期が残っていても影響力が弱まった政治家を指します。中間選挙で大敗した大統領や、再選できない2期目の大統領がこう呼ばれやすくなります。トランプ大統領は2期目で、憲法により次の大統領選挙には出られないとされています。
また、選挙の後から翌年1月3日に新しい議会が始まるまでの議会は「レームダック・セッション」と呼ばれます。2026年の選挙で多数派が変わっても、2027年1月3日までは今の議員が審議を続けます。
中間選挙で負けたら弾劾・罷免される?必要な票数
図: 米国憲法の弾劾の規定をもとに作成
下院を民主党が取れば、弾劾訴追(大統領を裁判にかけること)は制度上、下院の過半数でできるようになります。しかし大統領を辞めさせる罷免には、上院で出席議員の3分の2、全員出席なら67人の賛成が必要です。
2026年10月時点の上院は民主党系が47議席です。67議席に届くには、改選される共和党の22議席のうち20議席を取り、民主党の13議席もすべて守る必要があります。そうした結果を見込む予測は見当たらず、罷免まで進む可能性は低いといえます。
| 大統領 | 下院の弾劾訴追 | 上院の結果 |
|---|---|---|
| アンドリュー・ジョンソン | 1868年 | 無罪(罷免まで1票足りず) |
| ビル・クリントン | 1998年 | 無罪(1999年) |
| ドナルド・トランプ(1回目) | 2019年 | 無罪(2020年) |
| ドナルド・トランプ(2回目) | 2021年 | 無罪(有罪57票・無罪43票) |
※米上院の記録・報道による。ニクソン大統領は1974年、下院の本会議で訴追される前に辞任した
米国の歴史で、上院の弾劾裁判で罷免された大統領は1人もいません。トランプ大統領は1期目に2回訴追されましたが、2回とも上院で無罪になりました。弾劾訴追は大統領の政治的な打撃にはなりますが、すぐに失職につながるわけではありません。
【データ】過去の中間選挙で大統領の党は20回中18回、下院の議席を減らした
図: 1946〜2022年の中間選挙20回の、大統領の党の下院議席の増減(米カリフォルニア大学サンタバーバラ校「アメリカ大統領プロジェクト」の表)
1946年以降の中間選挙20回のうち、大統領の党が下院の議席を減らしたのは18回でした。増やしたのは、クリントン大統領の1998年と、同時多発テロの翌年だったブッシュ大統領の2002年だけです。減り方の平均は25.6議席、最も大きかったのは2010年のオバマ大統領の63議席減でした。
大統領の党が下院の過半数を失ったのは7回、上院も含めるとどちらかを失ったのは9回です。2026年と同じく、大統領の党が両院を握って中間選挙を迎えた例は1994年以降に5回(1994・2006・2010・2018・2022年)あります。その5回は、5回とも下院の過半数を失いました。トランプ大統領の1期目の2018年も、41議席を減らして下院を民主党に渡しています。
大統領の支持率が低いほど、負け方は大きい
図: 支持率はギャラップ調査の選挙前の最後の値。アメリカ大統領プロジェクトの表からhiro-fx.comが集計
選挙前の支持率が50%未満だった11回は、下院で平均34.7議席を減らしました。50%以上だった9回の平均14.6議席減の約2.4倍です。2026年のトランプ大統領の支持率は、同じ表のギャラップ調査で8月に33〜35%でした。米ピュー・リサーチ・センターの9月末〜10月初めの調査では30%です。
2026年の中間選挙の情勢と、結果が分かる日(日本時間)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投票日 | 2026年11月3日(火) |
| 開票が始まる時間 | 日本時間11月4日(水)の午前9時ごろから、東部の州で投票が締め切られて順に開票 |
| 下院の多数派が決まる日 | 接戦が多いと数日〜1週間以上かかることも(2022年は投票から8日後) |
| 新しい議会が始まる日 | 2027年1月3日 |
| 下院の投票先の調査 | 民主党44%・共和党36%(ピュー・リサーチ・センター、2026年9月28日〜10月4日) |
| 大方の見方 | 下院は民主党が優勢、上院は共和党が過半数を守る可能性が高い(ねじれ) |
※米国は11月1日に冬時間に切り替わるため、東部時間の午後7時が日本時間の午前9時にあたる。情勢は2026年10月上旬の各調査・報道による
2026年10月上旬の世論調査では、下院の投票先で民主党が共和党を上回っています。野村総合研究所のコラムなど日本の調査機関も、民主党が下院を取り、共和党が上院を守る「ねじれ議会」を最も有力なシナリオに挙げています。ただし、選挙区ごとの接戦は多く、情勢は投票日まで動きます。
負けたらドル円や株価はどうなる?
FRB(米連邦準備制度理事会)の為替データを当サイトで集計しました。1974年以降の中間選挙13回で、投票の翌日にドル円が上がったのは7回、平均の動きは+0.09円です。選挙の結果だけで、円高か円安のどちらかに決まって動いたわけではありません。米国の株価(S&P500)は1950年以降の19回すべてで、選挙の1年後に選挙前より高くなっていました。
あわせて読みたい:減税や積極財政でなぜ円安に?政府が円安を止めない理由と選挙前後のドル円
よくある質問
Q. 中間選挙で負けたら、トランプ大統領は辞めるのですか?
A. 辞めません。中間選挙は議会の選挙で、大統領の任期(2029年1月20日まで)には影響しません。任期の途中で辞めるのは、自分で辞任するか、上院の3分の2の賛成で罷免された場合などに限られます。
Q. トランプ大統領は3期目に出られますか?
A. 米国憲法修正第22条は、大統領に2回を超えて選ばれることを禁じています。トランプ大統領は2016年と2024年に当選しているため、2028年の大統領選挙には出られないとされています。
Q. 上院だけ負けた場合はどうなりますか?
A. 法案が通りにくくなるのは同じです。加えて、閣僚・最高裁判事・大使などの人事は上院の承認が必要なため、大統領が選んだ人を任命しにくくなります。
Q. 中間選挙の結果は、関税や日本にも影響しますか?
A. 関税の多くは大統領の権限で決められているため、ねじれになってもすぐには変わらないとみられます。ただ、議会の調査や予算の対立が増えると、米国の政策の先行きが読みにくくなり、為替や株価の動きに表れることがあります。
Q. 中間選挙はなぜ大統領の党が負けやすいのですか?
A. 大統領に不満を持つ人ほど投票に行きやすいこと、大統領選で大統領と一緒に当選した議員が次は追い風なしで戦うことなどが理由に挙げられます。物価や景気への不満も与党に向かいやすくなります。
まとめ:中間選挙で負けても大統領は代わらないが、任期後半は動きにくくなる
- 中間選挙は議会の選挙。負けてもトランプ大統領の任期(2029年1月20日まで)は変わらない
- 下院を失うと「ねじれ」になり、法案や予算は野党の賛成なしに通らなくなる
- 弾劾訴追は下院の過半数でできるが、罷免には上院の3分の2が必要。罷免された大統領はまだいない
- 1946年以降の20回で、大統領の党は18回下院の議席を減らした。両院を握って迎えた1994年以降の5回は、すべて下院を失った
- 2026年の投票は11月3日。日本時間では11月4日の朝から開票が進む
米国の政治の動きは、FRBの金融政策や経済指標とあわせてドル円に影響します。選挙の前後に発表される指標の予定はFXイベントカレンダーで確認できます。
※この記事の情報は2026年10月12日時点のものです。主な出典: 米カリフォルニア大学サンタバーバラ校「アメリカ大統領プロジェクト」(中間選挙での大統領の党の議席増減とギャラップ支持率)、米国憲法、ピュー・リサーチ・センター(2026年10月8日公表の調査)、野村総合研究所 木内登英氏のコラム(2026年9月9日)、FRB「H.10 外国為替レート」、Yahoo!ファイナンス(S&P500)。この記事は特定の政党や政治家を評価するものではなく、投資を勧めるものでもありません。投資はご自身の判断で行ってください。
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