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「9月末は中間決算で輸出企業がドルを売るから円高になりやすい」とも、「月末はドル買いの実需で上がりやすい」とも言われます。どちらが本当なのでしょうか。
このサイトのカレンダーアノマリーDBと同じ計算方法で、2006年から2025年までの9月末の最終営業日20回について、ドル円がその日に上がったのか下がったのかを確かめました(2026年9月17日執筆)。2026年9月30日(水)は、日本企業の上半期の最終営業日です。
用語メモ:月末最終営業日は、その月の最後の取引日のことです。値動きは、その日のNY市場の引け値(終値)を前の営業日の終値と比べたもので、pips(1pips=0.01円)で表します。「真ん中の値」は、20回の値動きを小さい順に並べたときの真ん中の数字です。
・9月末の最終営業日に、ドル円が上がった回数と下がった回数(2006〜2025年の20回)
・ほかの11ヶ月の月末と比べて、9月末はどのくらい特別なのか
・月末の前の日と、翌月初の営業日はどう動いていたか
結論:9月末の最終営業日、ドル円は20回のうち13回上昇していました
図: 9月末の最終営業日のドル円の値動きを年ごとに並べた図(2006〜2025年の20回・前の営業日の終値との差・出典 Yahoo Finance 日足・2026年9月17日集計)
ひとことで言うと:9月末の最終営業日は、20回のうち上昇13回・下落7回。平均は+20.2pips、真ん中の値は+21.6pipsでした。
図1は、2006年から2025年までの9月末の最終営業日について、ドル円が前の営業日から何pips動いたかを1年ずつ棒にしたものです。青が上昇、橙が下落で、上昇が13回・下落が7回でした。
上昇した割合は65%です。全ての営業日(2006年〜2026年8月の5,364日)で上がった日の割合は52%なので、9月末はそれより13ポイント高い数字でした。
いちばん大きく上がったのは2008年9月30日の+222.7pipsです。リーマン・ショックの直後で、前の日に−221pips急落したあとの戻りでした。いちばん下がったのは2007年9月28日の−81.0pipsです。
2008年の1回を外して19回で見ると、平均は+9.6pipsまで小さくなります。それでも真ん中の値は+20.3pips、上昇は12回で、「上がった回のほうが多い」という形は変わりませんでした。
ほかの月の月末と比べると、9月末の上昇率は12ヶ月で2番目でした
図: 各月の月末最終営業日のドル円の平均の値動きと、上昇した割合(2006年〜2026年8月の248回・出典 Yahoo Finance 日足・2026年9月17日集計)
ひとことで言うと:全ての月末を合わせると平均+1.7pips・上昇52%と、ほぼ五分五分でした。その中で9月末は上昇率65%で、3月末(67%)に次ぐ2番目です。
図2は、12ヶ月それぞれの月末最終営業日について、平均の値動きと上昇した割合を並べたものです。248回すべてを合わせた平均は+1.7pips・上昇52%で、「月末だから上がる」とは言えない数字でした。
ところが月ごとに見ると差があります。上昇した割合は3月末の67%と9月末の65%が上位2つで、どちらも日本企業の決算期末にあたる月です。平均の値動きでは10月末の+25.9pipsが1位、9月末の+20.2pipsが2位でした。
反対に7月末は平均−31.7pips・上昇33%と、12ヶ月でいちばん円高方向に動いていました。月末という同じ日付でも、月によって癖が違うことがわかります。
| 年 | 9月末の最終営業日 | その日の値動き(pips) | 前の営業日 | 翌月初の営業日 |
|---|---|---|---|---|
| 2016年 | 9月30日 | +36.4 | +26.4 | +25.4 |
| 2017年 | 9月29日 | +17.1 | −39.3 | +13.2 |
| 2018年 | 9月28日 | +43.9 | +65.3 | +15.0 |
| 2019年 | 9月30日 | +12.5 | +18.8 | −33.2 |
| 2020年 | 9月30日 | −21.3 | +23.1 | +9.2 |
| 2021年 | 9月30日 | −47.5 | +40.8 | −51.4 |
| 2022年 | 9月30日 | +38.5 | +3.3 | −29.7 |
| 2023年 | 9月29日 | +20.3 | −16.1 | +31.1 |
| 2024年 | 9月30日 | +92.7 | −229.3 | +2.6 |
| 2025年 | 9月30日 | −59.8 | −81.0 | −91.4 |
出典: Yahoo Finance 日足(NY引けの終値・前の営業日との差)。2016〜2025年の10回を掲載。2006〜2015年の10回は図1を参照。2026年9月17日集計
表は2016年から2025年までの10回を、前の営業日と翌月初の値動きと並べたものです。この10回では上昇7回・下落3回、平均+13.3pipsでした。2006〜2015年の10回(上昇6回・平均+27.2pips)と比べると、上昇の回数は増え、平均の大きさは小さくなっています。
2024年と2025年の9月末は、実際にどう動いたのか
図: 2024年と2025年の9月16日〜10月7日のドル円の日足終値に、月末最終営業日(▼と青の網掛け)とその前後の営業日(橙の網掛け)を重ねた図(出典 Yahoo Finance 日足)
ひとことで言うと:2024年9月30日は+92.7pipsの上昇、2025年9月30日は−59.8pipsの下落。直近の2回は、向きが逆でした。
図3は、直近2年の9月末前後の実際のドル円です。2024年は9月27日(金)に自民党総裁選の結果で−229.3pipsの急落があり、月末の9月30日はそこから+92.7pips戻しました。20回の中で2番目に大きな上昇です。
2025年は9月29日に−81.0pips、月末の9月30日に−59.8pips、翌10月1日に−91.4pipsと、3日続けて下げていました。「9月末は上がりやすい」は、2025年には当てはまらなかったことになります。
どちらの年も、月末の日の値動きは、その前後の日に何が起きていたかに左右されています。20回の統計は「上がった回が多い」と言っているだけで、1回ごとの向きを決めるのは、その時の材料でした。
注意点:月末の前の日と翌月初は、9月末とは逆に下がっていました
図: 月末の前の営業日・月末最終営業日・翌月初の営業日の平均の値動きを、9月末(20回)と全ての月末(248回)で比べた図(2006年〜2026年8月・出典 Yahoo Finance 日足・2026年9月17日集計)
ひとことで言うと:9月末の翌日、つまり10月最初の営業日は20回のうち12回下落(真ん中の値−18.3pips)。3日間を足すと平均−15.3pipsで、月末の上げは翌日に戻りやすい形でした。
図4は、月末をはさんだ3日間の平均の値動きを、9月末と全ての月末で比べたものです。9月末の翌月初の営業日は上昇8回・下落12回で、真ん中の値は−18.3pipsでした。9月末に上がった13回のうち、翌日も上がったのは6回だけです。
月末の前の営業日も平均は−22.0pipsですが、これは2024年(−229pips)と2008年(−221pips)の2回の急落が大きく効いています。真ん中の値は+2.7pipsで、上昇11回・下落9回とほぼ半々でした。
集計した回数が20回と少ない点にも注意が必要です。9月末の上昇13回は、2回か3回向きが変わるだけで五分五分に近づきます。「上がりやすい傾向があった」までで、「上がる」と言い切れる数字ではありません。
この記事の値動きはNY市場の引け値で見たもので、東京時間の仲値や月末の午後だけの動きは測っていません。仲値の前後の統計は仲値・時間帯アノマリー統計で毎日更新しています。
なおカレンダーアノマリーDBのページでは、9月末の平均が+22.5pipsと表示されています。この記事は2026年9月17日にYahoo Financeから取り直した日足で同じ計算をしたもので、取得した時点の違いで平均が2pipsほど違います。上昇した回数(13回・65%)は同じです。
月末の統計と月別のアノマリーはカレンダーアノマリーDBで毎日更新しています。2026年9月30日の結果も、翌日には反映されます。
本記事は過去データの集計にもとづく情報提供であり、特定の売買を勧める投資助言ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

