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「FOMCの前は様子見で、ドル円は動かない」。FOMCの週になると、よく聞く話です。2026年9月17日(木)の日本時間3時には次のFOMCの結果が発表され、このサイトのFOMC織り込みウォッチでは2026年9月14日時点で利上げの織り込みが86%まで進んでいます。
では、発表前の月曜と火曜のドル円は、本当に普段より動かないのでしょうか。2007年1月から2026年7月までの135会合について、Yahoo Financeの日足で確かめました(2026年9月14日執筆)。
用語メモ:FOMCは米国の中央銀行(FRB)が政策金利を決める会合で、結果は米国時間の水曜14時(日本時間では木曜3時、冬は4時)に発表されます。この記事の「1日」はNY市場の引け(日本時間の朝6時、冬は7時)で区切っていて、木曜3時の発表は「水曜の1日」に入ります。「値幅」は1日の高値と安値の差です。「普段」は、その日の前の20営業日の値幅の真ん中の値(中央値)で、これを100%として比べます。
・FOMC前の月曜と火曜のドル円の値幅は、普段の月曜・火曜の何%だったか
・FOMCの週で一番動いた曜日はどこか
・「前日は静か」がどれくらい当てにならないか
結論:FOMC前の月曜・火曜の値幅は、普段の月曜・火曜とほぼ同じでした
図: FOMC週の各曜日の値幅を、普段の同じ曜日と比べた図(2007年1月〜2026年7月・水曜発表の135会合・出典 Yahoo Finance 日足・2026年9月14日集計)
ひとことで言うと:FOMC前の月曜は普段の月曜の86%、火曜は普段の火曜の96%。普段の月曜(89%)・火曜(99.5%)との差は3〜4ポイントで、「様子見で動かない」と言えるほどの差はありませんでした。
図1は、FOMCの週の月曜から木曜について、値幅が普段の何%だったかを示したものです。135会合の真ん中の値で、発表2日前の月曜は普段の85.7%、前日の火曜は95.6%でした。
ただ、FOMCがない週の月曜も普段の89.1%、火曜は99.5%です。月曜がやや静かなのはFOMCに関係なく毎週のことで、FOMC前だから特別に静か、とまでは言えない数字でした。
pipsで見ると、FOMC前の月曜は64.0pips、火曜は68.5pipsが真ん中の値です。2026年8月14日〜9月10日の20営業日の値幅は真ん中で79.2pipsなので、この比率をあてはめると月曜は約68pips、火曜は約76pipsになります。
検証の中身:2026年の5会合を、実際のドル円チャートで見る
図: 2026年1月2日〜9月10日のドル円の日足終値に、FOMCの発表日と、その前の月曜・火曜を重ねた図(出典 Yahoo Finance 日足)
ひとことで言うと:2026年の5会合を見ても、発表前の月曜・火曜が静かだった会合(3月・6月・7月)と、大きく動いた会合(1月)の両方がありました。
図2は2026年のドル円の推移に、5回のFOMCと、その前の月曜・火曜を網掛けで重ねたものです。1月27日(火曜)は235pipsと、普段の341%も動きました。逆に7月28日(火曜)は30pipsで、普段の51%でした。
| 曜日(日本時間の区切り) | 普段の同じ曜日 | FOMC週・135会合 | 2023年12月以降・21会合 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 月曜(発表2日前) | 89.1% | 85.7%(64.0pips) | 81.3% | 普段の月曜より少し小さめ |
| 火曜(発表前日) | 99.5% | 95.6%(68.5pips) | 96.6% | 普段の火曜とほぼ同じ |
| 水曜(木曜3時に発表) | 98.1% | 108.6%(85.7pips) | 121.8% | 発表までの21時間+発表後3時間 |
| 木曜(発表の後) | 102.7% | 119.9%(86.0pips) | 153.3% | 一番動くのはここ |
出典: Yahoo Finance 日足(2007年1月〜2026年7月の水曜発表のFOMC135会合、2023年12月以降は21会合)・普段=FOMC週の4日を除く同じ曜日(月曜871日・火曜864日・水曜866日・木曜881日)・2026年9月14日集計
表は図1の数字を、2023年12月以降の21会合と並べたものです。2023年12月以降も月曜81.3%・火曜96.6%で、傾向は変わっていません。
火曜(発表前日)の向きは、上昇65回・下落68回と半々でした。発表前に一方向へ動く癖も見当たりません。
一番動くのは発表の後の木曜でした:普段の102.7%に対して119.9%
図: FOMC週の各曜日の値幅を、2007年以降の135会合と2023年12月以降の21会合で比べた図(普段の同じ曜日=100%・出典 Yahoo Finance 日足)
ひとことで言うと:発表から3時間後に始まる木曜の1日が、FOMC週で一番動いていました。135会合で普段の120%、2023年12月以降の21会合では153%です。
図3は、FOMC週の4日を、全期間と2023年12月以降で比べたものです。発表を含む水曜は普段の108.6%ですが、木曜は119.9%と、4日の中で一番大きくなっています。
木曜の1日は日本時間の朝6時に始まり、東京・ロンドン・NYの順に結果を消化する時間帯です。2023年12月以降の21会合では153.3%(真ん中で182.9pips)まで大きくなっていました。
ただし21会合のうち4回は、木曜が日銀会合の結果発表日と重なっています。その4回を除いた17回でも130.4%で、木曜が大きい傾向は残りました。
注意点:前日が「静か」だった会合は135回中53回、「大荒れ」も36回ありました
図: FOMC前日(火曜)の値幅が普段の何%だったかを、135会合で分布にした図(2007年1月〜2026年7月・出典 Yahoo Finance 日足)
ひとことで言うと:真ん中の値は96%でも、普段の80%未満だった会合が53回、120%超が36回。「前日は静か」は半分くらいしか当たっていませんでした。
図4は、前日の火曜の値幅が普段の何%だったかを会合ごとに並べたものです。50〜75%の会合が36回で一番多い一方、200%以上も12回ありました。
大きく動いた例は2023年10月31日(250pips・普段の435%)で、この日は日銀会合の結果発表日でした。2026年1月27日(235pips・341%)も、FOMC以外の材料で動いた週です。
この記事の値幅は日足で見たもので、東京時間だけ静か、といった時間帯ごとの様子見は測っていません。また日銀会合や米雇用統計がFOMCと同じ週に重なることは多く、静かか荒れるかはFOMC以外の材料で決まる場合が多そうです。
2026年9月17日3時の会合に向けては、月曜・火曜が「普段どおり」動く前提で見ておくのが、この数字に沿った見方です。その先の木曜は普段の1.2〜1.5倍が目安で、値幅の統計は今日の値動きマップで毎時更新しています。
次回の会合の織り込みはFOMC織り込みウォッチで毎時更新しています。
本記事は過去データの集計にもとづく情報提供であり、特定の売買を勧める投資助言ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
