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2026年9月17日(木)の日本時間3時、FOMCは0.25%の利上げを決め、ドル円は9時までに+100.9pips上がりました。では、その後の東京時間(9時〜15時)は、夜の流れが続くのでしょうか。このサイトの経済指標データベースが記録したFOMCの1分足をきっかけに、2023年12月〜2026年7月の22会合をYahoo Financeの1時間足で確かめました(2026年9月17日執筆)。
用語メモ:FOMCは米国の中央銀行(FRB)が政策金利を決める会合で、結果は日本時間の3時(冬は4時)に発表されます。この記事の「夜の値動き」は発表時の価格から翌朝9時の価格までの差、「東京時間の値動き」は9時から15時までの差です。「値幅」は高値と安値の差、「中央値」は22回を大きい順に並べたときの真ん中の値です。
・FOMCの夜に動いた向きが、翌朝の東京時間にも続いていたか
・FOMC翌朝の東京時間の値動きは、FOMCがない日と比べてどれくらいか
・夜に大きく動いた会合と小さかった会合で、翌朝の様子はどう違ったか
結論:東京時間の向きは同じ12回・逆10回、値動きは中央値24.2pipsでした
図1: 各会合の「夜の値動き(発表時→翌9時)」を青、「翌朝の東京時間の値動き(9時→15時)」を橙で並べたもの(2023年12月〜2026年7月の22会合・出典:Yahoo Finance 1時間足)
ひとことで言うと:夜に中央値60.2pips動いても、翌朝の東京時間は24.2pipsほど。向きも12回対10回とほぼ半々で、FOMCの流れが東京で続くとは言えませんでした。
図1のとおり、青の棒(夜)に比べて橙の棒(東京時間)は小さく、向きもそろっていません。夜の値動きは中央値60.2pipsでしたが、翌朝の東京時間は中央値24.2pipsでした。FOMCがない日の東京時間(553日)は中央値21.4pipsなので、FOMC翌朝といっても普段とほとんど変わりません。
向きは、夜と同じだった会合が22回中12回、逆だった会合が10回でした。FOMCがない日でも、前の晩(21時→9時)と東京時間の向きが同じになる割合は49.7%です。FOMCの翌朝だから続きやすい、という差は見つかりませんでした。
夜の値動きの半分以上を東京時間で戻した会合は4回、逆に半分以上さらに伸ばした会合は5回でした。残りの13回は、夜の値動きの半分に届かない小さな動きで15時を迎えています。
検証の中身:2026年9月17日の値動きと、夜に大きく動いた会合の翌朝
図2: 2026年9月16日21時から17日10時までのドル円1時間足(各時刻の価格)。▼が3時のFOMC発表、橙の網掛けが東京時間(出典:Yahoo Finance・2026年9月17日10時台に取得)
ひとことで言うと:2026年9月17日は、3時の利上げ発表から9時までに+100.9pips上昇しました。9時から10時は+17.5pipsで、執筆時点では夜の向きが続いています。
図2は2026年9月17日の実際の値動きです。発表時の155.02円から5時台に一時156.42円まで上がり、9時には156.03円でした。この夜の+100.9pipsは、22会合の中央値(60.2pips)を上回る大きめの夜です。
夜の値動きが大きかった順に並べたのが下の表です。最大は2023年12月14日の−230.1pipsで、この朝は東京時間も−137.0pipsと下落が続きました。ただし2位以下を見ると、夜に100pips以上動いた翌朝の東京時間は、ほぼ横ばいで終わった会合が目立ちます。
| 順位 | 翌朝の日付(発表・日本時間) | 夜の値動き(発表→9時) | 東京時間(9→15時) | 東京時間の値幅 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2023年12月14日 04:00 | −230.1pips | −137.0pips | 195.5pips | 利下げ転換を示唆。東京でも下落が続いた唯一の100pips超 |
| 2 | 2024年5月2日 03:00 | −190.3pips | −3.2pips | 69.3pips | 5月2日早朝に為替介入。東京はほぼ横ばい |
| 3 | 2025年3月20日 03:00 | −144.3pips | −9.5pips | 34.5pips | 東京の値幅34.5pipsと静か |
| 4 | 2024年8月1日 03:00 | −100.8pips | −2.9pips | 153.9pips | 前日昼に日銀が利上げ。東京は値幅154pipsで行って戻る |
| 5 | 2024年12月19日 04:00 | +94.4pips | +56.1pips | 101.0pips | 昼に日銀会合の結果(据え置き)。東京も上昇 |
| 6 | 2024年6月13日 03:00 | +89.9pips | +28.5pips | 50.5pips | 夜の向きが東京でも続いた |
| 7 | 2024年3月21日 03:00 | −85.2pips | +26.0pips | 74.5pips | 夜に下げ、東京は逆に上昇 |
出典:Yahoo Finance ドル円1時間足(2023年12月〜2026年7月の22会合、夜の値動きの大きい順に上位7回)。2026年9月17日集計。介入日は為替介入データベース、日銀会合はFXイベントカレンダーで確認できます。
表の2位、2024年5月2日の朝は、5時ごろに為替介入(3兆8700億円)が入った夜でした。FOMCだけの値動きではない点に注意が必要です。
夜に50pips以上動いた翌朝ほど、東京時間は静かでした
図3: 夜の値動きが50pips以上だった13会合と、50pips未満だった9会合に分けて、翌朝の東京時間の向き(左)と値動きの中央値(右)を比べたもの(2023年12月〜2026年7月・出典:Yahoo Finance 1時間足)
ひとことで言うと:夜に50pips以上動いた13回は、東京時間も同じ向きが9回と多め。ただし値動きは中央値14.7pipsと小さく、「続いた」というより「落ち着いた」朝でした。
図3の左は向きの比較です。夜に50pips以上動いた13会合では、東京時間も同じ向きだったのが9回、逆が4回でした。夜が50pips未満だった9会合では、同じ向きは3回だけで、逆が6回です。
図3の右は東京時間の値動きの大きさです。夜が大きかった13会合は中央値14.7pipsで、FOMCがない日(21.4pips)より小さいほどでした。夜が小さかった9会合は31.8pipsです。夜に大きく動いた翌朝は、向きこそ同じでも値動きは細く、東京で追いかける余地は小さかったことになります。
東京時間の値幅(高値と安値の差)は、22会合の中央値で63.2pipsでした。FOMCがない日の東京時間(558日)は53.0pipsなので、値幅は2割ほど広い程度です。上下には普段よりやや振れるけれど、15時の時点では行って戻っている朝が多い、という姿です。
注意点:22回は少なく、介入や日銀会合が重なった朝も含まれます
図4: 発表時を0として、各時刻の値動きを22会合で並べた真ん中の値。夜に下がった会合は上下を反転し、夜の向きをプラスにそろえています。4時の点は冬の7会合が発表直後のため省略(2023年12月〜2026年7月・出典:Yahoo Finance 1時間足)
ひとことで言うと:値動きの真ん中の線は、9時の60.2pipsから15時の58.8pipsまでほぼ横ばい。ただし13時に70.2pipsへ跳ねるなど、22回では1会合の動きで線が揺れます。
図4は、夜の向きをプラスにそろえたうえで、発表時からの値動きの中央値を時刻ごとに並べたものです。9時から15時まで線はほぼ平らで、東京時間に「続く」とも「戻す」とも言えないことが見てとれます。一方で13時の点だけ大きく、22回という少なさが中央値にも表れています。
個別の会合には、FOMC以外の材料が重なった朝があります。2024年5月2日は5時ごろの為替介入、2024年12月19日は昼の日銀会合(据え置き)、2024年8月1日は前日昼の日銀利上げの余波が東京時間に入っています。2026年9月17日も、翌18日に日銀会合の結果発表を控えた日です。
集計の物差しにも限界があります。1時間足の始値と終値で測っているため、9時ちょうどや15時ちょうどの価格とは数pipsずれることがあります。Yahoo Financeの配信値なので、業者のレートやスプレッドとも一致しません。また、この22会合に利上げの会合は含まれておらず(利下げ6回・据え置き16回)、2026年9月16日の利上げは初めての種類の夜でした。
FOMC発表後のドル円1分足は経済指標データベースに自動で記録され、次回の織り込みはFOMC織り込みウォッチで毎時更新しています。発表1時間の値幅を調べた前回の記事と合わせて読むと、FOMCの夜から翌朝までの流れがつかめます。
本記事は過去データの集計結果を紹介するもので、投資助言ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
