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- 日銀の利上げで、住宅ローンの金利はいつから上がる?
- 自分の返済額は月いくら増える?
- 固定金利で借りている場合も影響はある?
- 返済が増えるなら、繰り上げ返済や借り換えをしたほうがいい?
日銀の利上げは、変動金利の住宅ローンに半年以上遅れて届くのがふつうです。2026年9月18日の利上げ(政策金利1.0%→1.25%)を受け、三菱UFJ銀行は短期プライムレート(短プラ)を11月2日に2.375%から2.625%へ上げると発表しました。借入中の人の金利は年2回の見直しで変わるため、この分は2027年4月の見直し、7月の返済から反映という銀行もあります。この記事では、日銀・各銀行の公表資料と、当サイトの住宅ローン金利データベースの記録をもとに、いつから・いくら上がるのかを解説します。
日銀の利上げで住宅ローンはいつから上がる?変動金利は半年以上あと
| 日銀が利上げを決めた日 | 政策金利 | 大手行の短プラ改定日 | 借入中の金利の見直し | 新しい金利の返済(みずほ銀行の場合) |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月19日 | −0.1%→0〜0.1% | 据え置き(1.475%) | ― | ― |
| 2024年7月31日 | →0.25% | 2024年9月2日(1.625%) | 2024年10月 | 2025年1月から |
| 2025年1月24日 | →0.5% | 2025年3月3日(1.875%) | 2025年4月 | 2025年7月から |
| 2025年12月19日 | →0.75% | 2026年2月2日(2.125%) | 2026年4月 | 2026年7月から |
| 2026年6月16日 | →1.0% | 2026年8月3日(2.375%) | 2026年10月 | 2027年1月から |
| 2026年9月18日 | →1.25% | 2026年11月2日(2.625%) | 2027年4月 | 2027年7月から |
※政策金利は日銀の公表。短プラは日本銀行「短期プライムレート」(大手行の最頻値)と三菱UFJ銀行の発表(2026年9月18日)。見直しと適用の月は、みずほ銀行が借入中の人向けに公表している「4月・10月に見直し、7月・1月の返済から適用」に当てはめたもの。銀行によって違います
変動金利の住宅ローンは、日銀が利上げを決めた翌日に上がるわけではありません。多くの銀行は、変動金利の基準を短プラ(銀行が優良企業に貸すときの最優遇の金利)に合わせています。その短プラは、利上げの決定からおよそ1〜2か月後に改定されてきました。
さらに、借入中の人の金利は年2回しか見直されません。みずほ銀行の場合、4月と10月に見直し、その3か月後の7月と1月の返済から新しい金利になります。2026年9月の利上げ分は、10月の見直しには短プラの改定(11月2日)が間に合わないため、2027年4月の見直しで反映される計算です。
なぜすぐに上がらない?短プラと年2回の見直し
変動金利の店頭の基準金利は、大手行では「短プラ+1%」とする慣行があります。実際に払う金利は、この基準金利から契約時に決まった引き下げ幅(優遇)を引いた値です。優遇の幅はふつう返済が終わるまで同じなので、短プラが0.25%上がれば、払う金利も0.25%上がると考えて大丈夫です。
2026年9月の利上げを受けて、大手行のほか地方銀行も短プラの引き上げを相次いで発表したと報じられています。お使いの銀行の改定日は、銀行のお知らせや返済予定表で確認してください。
ネット銀行や新しく借りる人は時期が違う
独自の基準金利を使うネット銀行などは、見直しの時期も上げ幅も銀行ごとに違います。また、新しく借りる人の金利は、見直しから適用までが短く、利上げの影響が早く出ます。みずほ銀行の場合、新規の借入は3月・9月に見直して翌月から適用です(借入中の人は3か月後)。多くの銀行は、新しく借りる人向けの金利を毎月発表しています。
あわせて読みたい:日銀はなぜ利上げしない?遅い理由と「できない」説を日銀の決算で確認
利上げで返済額はいくら増える?借入残高と残り年数の早見表
| 借入残高 | 残り年数 | 金利1.375%での月々の返済 | +0.25%なら | +0.5%なら | +1.0%なら |
|---|---|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 35年 | 60,020円 | +2,449円 | +4,957円 | +10,146円 |
| 2,000万円 | 25年 | 78,818円 | +2,349円 | +4,741円 | +9,652円 |
| 3,000万円 | 35年 | 90,029円 | +3,674円 | +7,436円 | +15,220円 |
| 3,000万円 | 25年 | 118,227円 | +3,524円 | +7,112円 | +14,477円 |
| 4,000万円 | 35年 | 120,039円 | +4,898円 | +9,914円 | +20,293円 |
| 4,000万円 | 25年 | 157,636円 | +4,698円 | +9,482円 | +19,303円 |
| 5,000万円 | 35年 | 150,049円 | +6,123円 | +12,393円 | +25,366円 |
| 5,000万円 | 25年 | 197,045円 | +5,873円 | +11,853円 | +24,129円 |
※元利均等返済・ボーナス返済なしで、その時点の残高と残り年数から返済額を計算し直した場合(hiro-fx.comの試算)。1.375%は、短プラ2.375%+1%の店頭金利から優遇2.0%を引いた例。5年ルールがある場合、実際の返済額はすぐには変わりません(次の節)
2026年9月の利上げ幅は0.25%です。表の「+0.25%なら」の列が、この1回分の増え方の目安で、残高3,000万円・残り35年なら月3,674円、年に約4.4万円の増加です。残高が同じなら、残り年数が長いほど増え方はやや大きくなります。
ご自分の残高に近い行を見てください。残高が表の中間なら、増え方もおおむね比例します(たとえば残高2,500万円・残り35年で+0.25%なら、2,000万円と3,000万円の間の約3,060円)。
5年ルールと125%ルールで、返済額はすぐには増えない
| 3,000万円・35年を1.375%で借りた直後に金利が上がった場合 | 最初の5年の返済 | 5年後に計算し直した返済 | 125%の上限 | 6年目からの返済 |
|---|---|---|---|---|
| +1.0%(2.375%) | 90,029円のまま | 109,014円 | 112,537円 | 109,014円 |
| +2.0%(3.375%) | 90,029円のまま | 130,997円 | 112,537円 | 112,537円(上限で止まる) |
※みずほ銀行などが元利均等返済で採用している5年ルール・125%ルールに当てはめたhiro-fx.comの試算。ルールがない銀行や、元金均等返済では当てはまりません
元利均等返済で借りている人の多くは、金利が上がっても返済額は5年間同じです(5年ルール)。そのかわり、返済額のうち利息の割合が増え、元金の減り方が遅くなります。5年ごとに返済額を計算し直すとき、増えるのは前の返済額の1.25倍までです(125%ルール)。
ただし、返済額が増えないからといって負担が消えるわけではありません。上限で払いきれなかった分は後ろに回り、最後に残った利息(未払利息)は一括で払う必要があると、みずほ銀行は説明しています。また、5年ルールがない銀行もあるので、契約書で確かめてください。
【データ】2024年以降の利上げ6回で、短プラは+1.15%、フラット35は2倍以上に
図: 政策金利は日銀の公表とBISの政策金利データ、短プラは日本銀行「短期プライムレート」と三菱UFJ銀行の発表、フラット35は住宅金融支援機構が毎月公表する最低金利(借入期間21〜35年・融資率9割以下)。hiro-fx.comの住宅ローン金利ウォッチが毎日記録しているデータから作成
当サイトの記録で、2024年3月のマイナス金利解除から2026年9月までの利上げ6回を並べると、政策金利は−0.1%から1.25%へ1.35%上がりました。変動金利の基準になる短プラは、1.475%から11月2日の改定後に2.625%となり、1.15%の上昇です。1回目(2024年3月)だけは短プラが据え置かれました。
利上げの決定から大手行の短プラの改定日までは、2024年7月の利上げ以降の5回で33日〜48日でした。決定のおよそ1か月後の月初に改定されると覚えておくと目安になります。
優遇の幅が同じなら、払う金利も同じだけ上がります。2024年3月に0.475%(短プラ1.475%+1%−優遇2.0%)だった人は、11月の改定後の基準では1.625%です。3,000万円・35年で計算し直すと、月々の返済は77,545円から93,703円へ、約2割(16,159円)増える計算です。
固定金利の代表であるフラット35の最低金利は、2023年1月の1.68%から2026年10月には3.83%と、2倍以上になりました。2026年に入ってからの上がり方が大きく、長期金利(10年国債の利回り)が2026年10月8日に3.089%まで上がったことを反映しています。
ひとことで言うと:変動金利は利上げの1〜2か月後に短プラが動き、さらに半年ほどで返済に届く。固定金利は日銀の決定を待たず、長期金利と一緒に先に上がってきた。
固定金利の住宅ローンは利上げの影響を受ける?
| 金利タイプ | 借入中の金利への影響 | 新しく借りる人への影響 | 選んだ人の割合 |
|---|---|---|---|
| 変動型 | 短プラが上がると、年2回の見直しで上がる | 借入中の人より早く上がる | 75.0% |
| 固定期間選択型(10年固定など) | 固定期間中は変わらない。期間が終わるとその時の金利に | 長期金利に合わせて毎月変わる | 14.9% |
| 全期間固定型(フラット35など) | 完済まで変わらない | 長期金利に合わせて毎月変わる | 10.1% |
※割合は住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」(2026年1月調査)。信金中央金庫 地域・中小企業研究所のレポート(2026年9月)より
全期間固定で借りている人は、日銀が利上げをしても金利も返済額も変わりません。10年固定などの固定期間選択型も、固定期間のあいだは同じです。注意が必要なのは、固定期間が終わる人です。終わった時点の金利で、変動か固定かを選び直すことになります。
新しく固定金利で借りる人には、すでに影響が出ています。固定金利は日銀の政策金利ではなく長期金利に連動するため、利上げの前から上がってきました。2026年1月の調査では変動型を選んだ人が75.0%で、2025年4月の調査(79.0%)から4ポイント下がっています。
利上げに備えてできること:繰り上げ返済・借り換え・家計の見直し
| やること | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 返済予定表で、自分の金利と見直し月を確認する | 全員 | 5年ルール・125%ルールの有無、次の返済額の見直し時期も見ておく |
| 早見表で+0.5%・+1.0%になったときの増え方を出しておく | 変動型の人 | 増えた分を家計で吸収できるかを先に確かめる |
| 繰り上げ返済 | 手元の貯金に余裕がある人 | 生活費の数か月分は残す。期間短縮型か返済額軽減型かを選ぶ |
| 固定金利への借り換え・切り替え | これ以上の返済の増加に耐えにくい人 | 固定金利はすでに上がっている。手数料や登記の費用もかかる |
| 銀行に返済方法の相談をする | 返済が苦しくなりそうな人 | 延滞する前に相談するほど選べる方法が多い |
※一般的な選択肢をまとめたもの。どれが合うかは、残高・金利・家計・手元資金によって違います
最初にやることは、返済予定表で自分の適用金利と、次の見直しの月を確認することです。そのうえで早見表を使い、+0.5%や+1.0%になったときに月いくら増えるかを出しておくと、慌てずに済みます。
固定金利への切り替えは、返済額を固めたい人には安心材料になります。ただし、フラット35の最低金利は2026年10月に3.83%で、変動金利の例(1.625%)との差は大きく、3,000万円・35年なら月々の返済は93,703円と129,791円で約3.6万円違います。2026年10月時点の金利差と、将来の変動金利の上がり方を比べて考える必要があります。
繰り上げ返済は利上げ局面で得になる?
金利が上がるほど、繰り上げ返済で減らせる利息は大きくなります。残高3,000万円・残り30年の人が100万円を期間短縮型で繰り上げ返済した場合、減る利息は金利1.375%なら約42万円、1.625%なら約58万円で、返済期間はどちらも1年2〜3か月ほど短くなる計算です(hiro-fx.comの試算)。
一方で、手元のお金が減ると、病気や失業など急な出費に対応しにくくなります。住宅ローン控除を受けている人は、繰り上げ返済で残高が減ると控除額も減る点にも注意しましょう。
住宅ローン破産は増える?返済が苦しいときの注意点と相談先
| 気をつけたいサイン | 理由 | 早めにできること |
|---|---|---|
| 5年ごとの返済額の見直しが近い | 据え置かれていた分が一度に反映される(最大1.25倍) | 見直し後の返済額を銀行に確認し、家計を先に組み直す |
| 返済予定表で元金がほとんど減っていない | 返済額のうち利息の割合が大きくなっている | 繰り上げ返済や借り換えを検討する |
| ボーナス返済の比率が大きい | 収入が減ると一度に苦しくなる | ボーナス返済の比率を下げられるか相談する |
| カードローンなどで返済をまかなっている | 借金が雪だるま式に増える | すぐに銀行や専門家に相談する |
※一般的な注意点をまとめたもの。具体的な対応は、借りている金融機関に確認してください
利上げ1回分の増え方は、早見表のとおり残高3,000万円で月数千円です。いきなり返せなくなる人が急に増えるわけではありません。ただし、利上げが何回も続くと増加分は積み上がり、5年ルールで据え置かれていた分が見直しのときに一度にのしかかります。
返済が苦しくなりそうなときは、延滞する前に借りている銀行に相談してください。返済期間を延ばす、一定期間だけ返済額を減らすなど、条件の変更を検討してもらえる場合があります。延滞が続くと信用情報に記録され、最後は家を手放すことにもなりかねません。
よくある質問
Q1. 次の日銀の利上げはいつですか?
A. 日銀は2026年9月の声明で、引き続き政策金利を引き上げていく考えを示しています。次にいつ上げるかは決まっておらず、金融政策決定会合ごとに決まります。会合の日程と発表時間は日銀会合の発表時間は何時?、見送られたときの影響と利上げ確率の見方は日銀の利上げ見送りでどうなる?にまとめています。
Q2. 短プラとは何ですか?
A. 短期プライムレートの略で、銀行が信用力の高い企業に1年以内のお金を貸すときの最優遇の金利です。日銀の政策金利が上がると、銀行は短プラを引き上げ、それに合わせて変動金利の住宅ローンの基準金利も上がります。
Q3. 車のローンも日銀の利上げで上がりますか?
A. 契約時に金利が決まる固定金利の自動車ローンは、借りた後に利上げがあっても変わりません。銀行の変動金利型のマイカーローンは、短プラなどに合わせて見直されることがあります。ご自分の契約がどちらかを確認してください。
Q4. 利上げで家賃は上がりますか?
A. 大家さんがローンで物件を買っている場合、金利の上昇は家賃を上げる理由の一つになります。ただし家賃は、更新のときの話し合いや周りの相場で決まるので、利上げですぐに上がるわけではありません。
Q5. 変動と固定、どちらが有利ですか?
A. 将来の金利の動き次第で、どちらが有利かは変わります。変動金利は借りる時点の金利が低いかわりに上がるリスクがあり、固定金利は借りる時点の金利が高いかわりに返済額が変わらない安心があります。返済の増加にどこまで耐えられるかを早見表で確かめて選ぶのが現実的です。
まとめ:利上げは半年以上遅れて変動金利に届く
- 2026年9月の利上げを受け、三菱UFJ銀行の短プラは11月2日に2.375%→2.625%へ
- 借入中の変動金利は年2回の見直し。9月の利上げ分は2027年4月の見直し、7月の返済からという銀行もある
- +0.25%で、残高3,000万円・残り35年なら月3,674円増。5年ルールがあれば返済額は5年間同じで、見直し時も最大1.25倍
- 2024年以降の利上げ6回で短プラは+1.15%。決定から短プラの改定までは33〜48日だった
- 固定金利は借入中なら変わらないが、新しく借りる金利は長期金利と一緒に上がり、フラット35は3.83%
フラット35の翌月の金利の予想や、短プラ・長期金利の最新の値は住宅ローン金利ウォッチ【毎時更新】で確認できます。利上げがドル円にどう影響したかは日銀が利上げするとドル円は下がるのか?、金利が上がると国債の値段が下がるしくみは国債の含み損はなぜ?で解説しています。
※この記事の情報は2026年10月9日時点のものです。主な出典: 日本銀行「金融政策決定会合の結果」「短期プライムレート」、三菱UFJ銀行「短期プライムレートの改定について」(2026年9月18日)、みずほ銀行「変動金利方式の仕組み」、住宅金融支援機構「フラット35の金利」「住宅ローン利用者の実態調査」、信金中央金庫 地域・中小企業研究所「金利上昇局面における住宅ローン市場の動向」、財務省「国債金利情報」。返済額はhiro-fx.comの試算で、実際の金額は銀行・契約内容によって違います。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の金融商品や借り換えを勧めるものではありません。

