FXの含み損はどこまで耐える?ドル円21年で戻った割合と損切りの目安

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こんな疑問を持つ方へ
  • 含み損はどこまで耐えればいい?待てば戻るの?
  • 資金の何パーセントまでなら許容範囲?
  • 含み損になったら、損切りと待つのどちらがいい?
  • デイトレで買った瞬間から含み損になるのはふつう?

FXの含み損をどこまで耐えるかは、そのときの気持ちではなく、注文する前に決めた「1回の損の上限」(資金の1〜2%など)で考えるのが基本です。当サイトがドル円の約21年分の値動きを集計すると、含み損になったあと買値まで戻ることは多くありました。一方で、戻る前に含み損がさらに2倍まで広がったケースも、含み損の大きさにかかわらず約半分ありました。この記事では、そのデータと、資金から耐える幅を決める早見表、含み損になったときの判断のしかたを順番に解説します。

FXの含み損はどこまで耐える?答えは「注文する前に決めた幅まで」

図1 含み損を「どこまで耐えるか」の決め方 注文する前に決めておく3つのこと 1 1回の損の上限を 資金の何%かで決める (例:1〜2%) → 2 上限の金額を 通貨量で割って 「耐える幅」にする → 3 その価格に 逆指値(損切り注文) を入れておく

図: 含み損を耐える幅の決め方(hiro-fx.com作成)

含み損とは、まだ決済していないポジション(取引)の損のことです。決済するまでは確定していませんが、口座のお金の評価額はその分だけ減っています。含み損の基本はFXの含み損・含み益とは?で解説しています。

「どこまで耐えるか」に、全員に当てはまる正解の幅はありません。資金が100万円の人と10万円の人では、同じ1円の含み損でも重さがまったく違うからです。そこでFX会社の初心者向け解説などでは、1回の取引で失ってもよい金額を資金の数%に決める方法がよく紹介されています。その金額から、損切りの価格を逆算します。

「待てば戻る」は半分だけ正しい

次の節のデータでは、ドル円を買って含み損が50銭になったケースのうち、1か月以内に買値まで戻ったのは87.0%でした。待てば戻ることが多いのは事実です。

ただし、戻る前に含み損が1円(2倍)まで広がったケースも51.0%ありました。「耐えれば戻る」とは、実際には「さらに倍の含み損に耐えられれば戻ることが多い」という意味です。だからこそ、耐える幅は含み損が出る前に決めておく必要があります。

【データ】ドル円で含み損が10銭〜2円になったあと、戻った割合

図2 ドル円を買って含み損になったあと、買値まで戻った割合 含み損の大きさ別・2005年1月〜2026年9月の毎時の始値で買った134,986回のうち、1週間以内にその含み損になったケース 1日以内 1週間以内 1か月以内 0% 20% 40% 60% 80% 100% 81 93 97 10銭 68 87 94 20銭 56 82 92 30銭 39 72 87 50銭 18 53 76 1円 6 31 59 2円

図: 含み損の大きさ別に、買値まで戻った割合(2005年1月〜2026年9月・Dukascopy社のドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが集計)

当サイトでは、2005年1月から2026年9月までのドル円の1時間足を使い、毎時の始値でドル円を買ったと仮定して、その後の値動きを調べました。買ってから1週間以内に含み損が10銭・20銭・30銭・50銭・1円・2円になったケースについて、その時点から買値まで戻ったかを数えています。

含み損が小さいうちは戻りやすく、10銭の含み損は81.4%が1日以内に戻りました。一方で2円の含み損になると、1日以内に戻ったのは5.9%で、1か月待っても59.2%しか戻っていません。含み損が大きくなるほど、戻るまでの時間も長くなります。

含み損の大きさ
(1万通貨の金額)
1日以内に戻った1週間以内1か月以内戻る前に含み損が2倍に広がった戻るまでの時間(真ん中の値)
10銭(1,000円)81.4%92.9%97.0%54.1%約2時間
20銭(2,000円)68.1%87.0%94.5%52.1%約6時間
30銭(3,000円)56.4%81.5%91.8%51.4%約12時間
50銭(5,000円)39.1%71.8%87.0%51.0%約32時間
1円(1万円)17.7%53.4%76.2%48.8%約3.8日
2円(2万円)5.9%30.6%59.2%49.1%約6.9日

※ドル円の買い。毎時の始値で買い、買ってから1週間以内に含み損がその幅になったケース(10銭は124,501回、2円は22,918回)について、その時点からの動きを集計。買値まで戻ったかは売値(Bid)で判定し、スプレッドは含めていない。「戻るまでの時間」は1か月以内に戻ったケースの真ん中の値(Dukascopy社のドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが集計)

戻る前に2倍に広がる割合は、どの大きさでも約半分

表の「戻る前に含み損が2倍に広がった」は、含み損が10銭なら20銭、50銭なら1円まで、買値に戻る前に広がった割合です。10銭でも2円でも48.8〜54.1%で、ほぼ半分でした。

つまり「もう少し耐えれば戻るはず」と思った時点で、そこから倍の含み損になる可能性も同じくらいあります。含み損がいくらになっても、この関係はほとんど変わりません。耐えるかどうかを含み損が出てから考えても、有利にはならないということです。

売りの場合も、ほぼ同じ傾向

ドル円を売った場合も同じように集計しました。この期間はドル円が上がった(円安になった)時期が長かったため、買いよりも少しだけ戻りにくい結果です。

含み損の大きさ1日以内に戻った1か月以内に戻った戻る前に2倍に広がった
10銭79.7%95.9%54.5%
20銭64.7%92.4%52.8%
30銭52.4%89.0%52.7%
50銭33.9%82.9%53.4%
1円13.2%70.3%53.6%
2円4.8%54.7%50.2%

※ドル円の売り。集計方法は上の表と同じ(Dukascopy社のドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが集計)

買ってすぐの含み損はどれくらい起きる?

買った直後に含み損になるのは、珍しいことではありません。毎時の始値で買った場合、1時間以内に10銭以上の含み損になったのは31.1%、1日以内では82.8%でした。

1時間以内4時間以内1日以内
買ってから含み損が10銭以上になった31.1%57.9%82.8%
売ってから含み損が10銭以上になった30.4%58.1%83.6%

※2005年1月〜2026年9月の毎時の始値で買い・売りした場合(Dukascopy社のドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが集計)

含み損は何パーセントまで?資金の1〜2%から逆算する早見表

資金1回の損の上限
(1%)
1回の損の上限
(2%)
1万通貨なら
耐える幅(2%)
1千通貨なら
耐える幅(2%)
10万円1,000円2,000円20銭2円
30万円3,000円6,000円60銭6円
50万円5,000円10,000円1円10円
100万円10,000円20,000円2円20円
300万円30,000円60,000円6円60円

※耐える幅=1回の損の上限÷通貨量。ドル円などクロス円の場合(1万通貨で1円動くと1万円の損益)。スプレッドや、逆指値が滑る分は含めていない

「含み損は何パーセントまで許容範囲か」は、資金に対する割合で考えると決めやすくなります。よく使われる目安は、1回の取引の損を資金の1〜2%に抑える考え方です。SBI FXトレードの初心者向け解説でも、投資資金の2%を超える損失が出たら損切りする例が紹介されています。

上限の金額を通貨量で割ると、何円の逆行まで耐えられるかが分かります。ドル円は1万通貨なら1円動くと1万円、1千通貨なら1千円の損益です。資金30万円で1万通貨を取引するなら、2%の6,000円は60銭の逆行にあたります。同じ資金でも1千通貨なら6円まで耐えられます。

ポイント:耐える幅が狭すぎると感じたら、損切りの幅を広げるのではなく、通貨量を減らします。通貨量を半分にすれば、同じ損の上限で2倍の幅まで耐えられます。

計算が面倒なときはFX計算機セットで、通貨量と値幅から損益を確かめられます。

含み損になったらどうする?損切りか待つかのチェックリスト

図3 含み損になったときのチェックリスト 1つでも「いいえ」なら、損切りを考える目安 □ 注文の前に決めた損切りの価格は、まだ超えていない? 超えていたら、理由を探さずにルールどおり決済する □ 含み損は、資金の1〜2%(自分で決めた上限)以内? 上限を超えているなら、量を減らす(一部決済)のも手 □ 買った(売った)理由は、まだ残っている? 指標の結果や要人発言で前提が崩れたなら、持つ理由がない □ 強制ロスカットまで、まだ十分な値幅がある? 証拠金維持率と実効レバレッジを確認する □ 「戻るまで待つ」と決めた期限を過ぎていない? デイトレなら当日中、など時間の期限も決めておく

図: 含み損になったときのチェックリスト(hiro-fx.com作成)

すでに含み損を抱えていて、損切りか待つかで迷っているときは、上の5つを順番に確かめてください。どれか1つでも「いいえ」なら、損切りか、量を減らすことを考える目安になります。

大事なのは「戻りそうか」ではなく「最初に決めたルールの内側か」で判断することです。データで見たとおり、含み損が出てから戻るかどうかを予想しても、戻る前に倍になる可能性は約半分あるからです。

損切りの価格の決め方は3通り

損切りの価格の決め方には、主に3つあります。1つ目は「1円逆行したら」のように値幅で決める方法です。2つ目は「資金の2%」のように損の割合で決める方法、3つ目は直近の安値などチャートの節目で決める方法です。

チャートの節目で決めた場合も、その幅で損が資金の何%になるかは必ず確かめてください。節目までの幅が広すぎるなら、通貨量を減らして調整します。

決めた価格に逆指値を入れておく

損切りの価格を決めたら、その価格に逆指値注文(決めた価格になったら自動で決済する注文)を入れておきます。含み損が出てから手で決済しようとすると、「もう少し待とう」と迷いやすいからです。新規の注文と損切りの注文を一緒に出せるIFD注文やIFO注文を使うと、入れ忘れも防げます。

デイトレや買った瞬間の含み損はふつう?

中身1万通貨の場合
買った瞬間の含み損スプレッド(買値と売値の差)ドル円0.2銭なら20円
デイトレの含み損数十銭の上下はよくある30銭で3,000円
日をまたいだ含み損戻るまで数日〜数週間かかることも1円で1万円

※スプレッドの例は、GMOクリック証券のドル円0.2銭(原則固定・例外あり、午前9時〜翌午前3時)。会社や時間帯によって違う

FXでは、買った瞬間に必ず少し含み損になります。買うときの価格(Ask)と売るときの価格(Bid)に差があり、この差をスプレッドと呼びます。たとえばドル円のスプレッドが0.2銭なら、1万通貨を買った瞬間の含み損は20円です。

そのあとの小さな含み損も、ごくふつうのことです。データの節で見たとおり、ドル円は買ってから1時間以内に10銭以上の含み損になることが約3割、1日以内なら8割以上ありました。数十銭の含み損のたびに慌てて決済すると、損切りばかりになってしまいます。

デイトレは「時間の期限」も決めておく

デイトレード(1日のうちに決済する取引)なら、値幅に加えて「その日のうちに戻らなければ決済する」という時間の期限も決めておくと迷いが減ります。データでは、1円の含み損が1日以内に戻ったのは17.7%でした。デイトレのつもりで持ち越すと、いつの間にか長い取引になってしまいます。

含み損がつらい・気にしないのは危ない?気持ちの整え方

気にしなくていい含み損気にすべき含み損
損切りの注文入れてある入れていない
含み損の大きさ最初に決めた上限の内側上限を超えた・決めていない
量(実効レバレッジ)低い(数倍まで)高く、ロスカットが近い
気持ちチャートを見なくても平気眠れない・仕事が手につかない

※hiro-fx.com作成。「気にしない」が成り立つのは、損の上限が先に決まっているときだけ

含み損がつらいのは、自然なことです。行動経済学の研究(Tversky・Kahneman、1992年)では、同じ金額でも、人は得より損のほうを約2倍強く感じるとされています。この「損失回避」の気持ちが、損切りを先延ばしにさせます。

「含み損を気にしない」が成り立つのは、損の上限が先に決まっていて、損切りの注文が入っているときだけです。注文が入っていれば、最悪でもいくら失うかが分かっているので、チャートを見続ける必要はありません。損切りの注文がないまま気にしないようにするのは、上限のない損を放っておくことになり危険です。

つらいときは、量を減らす

含み損で眠れない、仕事が手につかないときは、ポジションが資金に対して大きすぎるサインです。一部を決済して量を減らすと、同じ値動きでも含み損の金額は小さくなります。次の取引から通貨量を減らすのも、気持ちを楽にする確実な方法です。

含み損を長く耐えるときの注意点

リスク何が起きる?確かめること
強制ロスカット含み損が広がると、FX会社が自動で決済する証拠金維持率・ロスカットの水準
スワップのマイナス金利の低い通貨を買う側は、日ごとに支払いが出る自分の向きのスワップ(売り・買い)
急な値動き介入や指標で、逆指値より不利な価格で決済されることがある指標の日程・ポジションの量
時間戻るのを待つほど、ほかの取引に資金を使えない「いつまで待つか」の期限

※hiro-fx.com作成

含み損を長く耐えるほど、強制ロスカットに近づきます。含み損がふくらんで証拠金維持率が会社の決めた水準を下回ると、ポジションは自動で決済されます。何円動くと発動するかは強制ロスカットされたらどうなる?で、実効レバレッジ別に計算しています。

数か月〜数年単位で戻るのを待つ状態は「塩漬け」と呼ばれます。ドル円の含み損が戻るまでに何日かかったかは、日足26年分でFXの塩漬けとは?にまとめています。

データの限界

この記事のデータは、ドル円の過去の値動きを集計したものです。毎時の始値で買った仮定の取引なので、実際の取引とは入る価格もタイミングも違います。スプレッドやスワップも含めていません。過去に戻った割合が高くても、同じように戻るとは限りません。

よくある質問

Q1. 含み損は決済しなければ損ではないので、気にしなくていい?

A. 決済しなければ損は確定しませんが、口座の評価額はすでに減っています。強制ロスカットの判定も含み損を含めた金額で行われるので、「損ではない」とは言えません。気にしなくていいのは、損切りの注文が入っているときです。

Q2. 損切りした直後に戻ったら、損切りは間違いだった?

A. 間違いとは限りません。データでは、50銭の含み損の39.1%が1日以内に戻っており、損切りのあとに戻るのはよくあることです。一方で、戻る前に1円まで広がったケースも約半分ありました。1回の結果ではなく、ルールを守れたかで振り返るのがおすすめです。

Q3. 含み損を抱えたまま年をまたぐと、税金で損失にできる?

A. できません。国内FXの税金は、決済して確定した損益が対象です。含み損のまま年をまたいでも、その年の損失にはなりません。確定した損失は、確定申告をすれば翌年から3年間繰り越せます。

Q4. 含み損のときに買い増して、平均の買値を下げるのはあり?

A. ナンピンと呼ばれる方法です。平均の買値は下がりますが、ポジションの量が増えるので、さらに逆行したときの含み損も大きくなります。買い増したあとの平均レートやロスカットの価格は、ナンピン計算機で確かめられます。

Q5. 含み損が何円になったら強制ロスカットされる?

A. 口座のお金と、ポジションの量(実効レバレッジ)、会社のロスカットの水準で決まります。たとえば実効レバレッジ10倍で、証拠金維持率100%で発動する会社なら、約6%の逆行が目安です。自分の口座の証拠金維持率は、取引画面で確かめられます。

まとめ:含み損を耐える幅は、含み損が出る前に決める

  • 含み損をどこまで耐えるかは、注文する前に決めた「1回の損の上限」で考える
  • ドル円の約21年分では、含み損50銭の87.0%が1か月以内に買値まで戻った
  • ただし戻る前に含み損が2倍に広がったケースも、大きさにかかわらず約半分あった
  • 上限は資金の1〜2%が目安。耐える幅は「上限÷通貨量」で計算し、狭すぎたら量を減らす
  • 買った瞬間の含み損(スプレッド)や数十銭の含み損はふつう。デイトレは時間の期限も決める

すでに大きな含み損を長く抱えている方は、FXの塩漬けとは?ドル円は待てば戻るのか26年分で検証もあわせてご覧ください。

※この記事の情報は2026年10月2日時点のものです。値動きのデータは、Dukascopy社のドル円1時間足(2005年1月〜2026年9月)をもとにhiro-fx.comが集計したものです。主な出典: SBI FXトレード「含み損とは?」(初心者向け解説)、GMOクリック証券「スプレッド・取引手数料」、国税庁「No.1521 先物取引に係る雑所得等の課税の特例」、Tversky, A. & Kahneman, D. (1992) “Advances in Prospect Theory”。過去の値動きは将来の値動きを約束するものではありません。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。取引はご自身の判断で行ってください。