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米指標の初動は続くのか?ドル円39回の発表で「5分後の向き」が60分後に逆転した割合を検証

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「指標が出た瞬間の動きに飛び乗る」。米雇用統計やCPIの発表時によく聞く戦い方ですが、その初動が1時間後も残っているかを数えた例は多くありません。このサイトの経済指標データベースが自動で記録している発表前後のドル円の値動きを使い、2026年9月5日時点で確かめました。

用語メモ:この記事の「初動」は、発表から5分後までにドル円が何pips動いたか(発表5分前の値が基準)です。「逆転」は、初動と60分後で上がるか下がるかが逆だった発表を指します。同じ時刻に2つの指標が出た場合は1回の発表として数えています。「中央値」は数字を小さい順に並べたときの真ん中の値で、極端な回に引っ張られにくい平均のようなものです。

この記事でわかること
・発表5分後のドル円の向きが、60分後に逆転していた割合
・初動が大きいとき(20pips以上)、60分後にはどれだけ動いていたか
・2026年9月4日の米雇用統計で、1分足がどう動いたか

結論:5分後の向きは、60分後には41.0%が逆転していました

5分後の向きが、その後に逆転していた割合(ドル円・発表39回)2026年6月17日〜9月4日・15指標・基準は発表5分前の終値0%10%20%30%40%50%23.1%(9回)15分後28.2%(11回)30分後41.0%(16回)60分後逆転=5分後と、その時点とで上がるか下がるかが逆だった発表。出典: 経済指標データベース(2026年9月5日7:40集計)

図: 5分後の向きがその後に逆転していた割合。2026年6月17日〜9月4日・発表39回(経済指標データベース)

初動の向きは時間とともに崩れ、1時間後には10回中4回が反対向きになっていました。

2026年6月17日から9月4日までの発表は39回でした。このうち、5分後の向きが60分後に逆転していたのは16回(41.0%)です。

図1のとおり、逆転の割合は時間がたつほど増えていました。15分後は23.1%、30分後は28.2%、60分後は41.0%です。

向きが同じだった23回でも、初動より値動きが小さくなった発表が8回ありました。60分後の値動きは、初動を1とすると中央値で0.61です。初動が10pipsなら、1時間後は6pips前後という計算になります。

検証の中身:初動の大きさで分けると何が違うか

5分後の値動き(横)と60分後の値動き(縦)・ドル円 発表39回(pips)2026年6月17日〜9月4日。橙=60分後に向きが逆転(16回)、青=同じ向き(23回)-160-160-80-8000+80+80+160+160初動と同じ幅(点線)逆転逆転60分後5分後9月4日 雇用統計同時刻に発表された指標は1回の発表として数えています。出典: 経済指標データベース(2026年9月5日集計)

図: 5分後と60分後の値動きを、発表1回=1つの点で表した図。発表39回・2026年6月17日〜9月4日(経済指標データベース)

初動が小さい発表ほど逆転が多く、大きい発表は向きは同じでも値動きが小さくなる傾向でした。

図2は、発表1回を1つの点にして、横に5分後、縦に60分後の値動きを置いた図です。点線(初動と同じ大きさ)より外側の点は初動より大きく動いた回、内側は小さくなった回、橙の点は向きが逆になった回です。

点の多くは中心付近に集まっています。初動が10pips未満の発表は29回あり、その44.8%が逆転していました。小さな初動は、向きの情報としてほとんど当てにならない結果です。

初動の大きさ 回数 初動より大きく 初動より小さく 逆転率 60分後の動き(初動=1・中央値)
全体 39 15回 8回 41.0% 0.61
初動20pips以上 5 1回 3回 20.0% 0.61
10〜20pips 5 2回 1回 40.0% 0.33
10pips未満 29 12回 4回 44.8% 0.69

出典: 経済指標データベース(2026年6月17日〜9月4日・2026年9月5日7:40集計)。60分後の動き=60分後の値動き÷5分後の値動き。

初動が20pips以上だった発表は5回です。初動より大きく動いたのは1回で、3回は小さくなり、1回は向きが逆になりました。大きく動いた発表ほど、1時間後には勢いが落ち着く傾向でした(集計できたのは5回)。

日付 指標 5分後 60分後 ひとこと
08/07 米雇用統計 −153.4 −93.3 初動より小さく
07/02 米雇用統計 −79.9 −40.2 初動より小さく
09/04 米雇用統計 +47.4 −40.2 向きが逆
07/14 米CPI −35.7 −24.4 初動より小さく
06/18 FOMC結果発表 +25.0 +32.5 初動より大きく

初動20pips以上の5回(pips)。2026年7月2日の雇用統計は新規失業保険と同時刻でした。出典: 経済指標データベース。

2026年9月4日の米雇用統計は、1分後+68pipsから60分後−40pipsへ

2026年9月4日 米雇用統計(21:30)前後のドル円 1分足終値(pips・発表1分前の終値=0)結果 +162千人(前回 +21千人)・−15分〜+59分・出典: 経済指標データベース-80-400+40+80-15分発表+15分+30分+45分+59分1分後 +68.05分後 +47.430分後 −32.360分後 −40.260分間の高値 +74.4pips・安値 −66.6pips(値幅 131.6pips)。1分後の上昇は、60分後には下落に変わっていました

図: 2026年9月4日 米雇用統計前後のドル円1分足終値。基準は発表1分前の終値(経済指標データベース)

上振れの雇用統計で1分後に68pips上げたドル円は、1時間後には40pips下げていました。

図3は、2026年9月4日21:30の米雇用統計前後の1分足です。結果は+162千人で、前回の+21千人から大きく上振れしました。

ドル円は1分後に+68.0pipsまで上がりましたが、30分後には−32.3pipsと下落に転じていました。60分後は−40.2pipsで、初動と反対の向きで終わっています。

60分間の高値は+74.4pips、安値は−66.6pipsで、上下の幅は131.6pipsでした。初動に乗った場合、1時間の間に100pips以上の往復を経験した計算になります。

秒スキャ視点のポイント:39回の発表では、初動の向きは15分後まで77%が保たれ、60分後には59%まで下がっていました。初動の向きを使うなら、発表から15分以内の短い時間に限る方が数字と合っています。大きな初動(20pips以上)は5回中4回で値動きが小さくなるか向きが逆になっていたので、発表直後の高値・安値を追いかける形は分が悪い傾向でした。

注意点:指標ごとの本数はまだ少ない

指標別の発表の回数(合計39回・2026年6月17日〜9月4日)同時刻の発表は先頭の指標に1回として数えています新規失業保険6回米雇用統計3回米ISM非製造業3回米貿易収支3回米JOLTS求人3回米GDP・PCE3回米新築住宅販売3回米小売売上高3回米鉱工業生産2回米PPI2回米CPI2回米ISM製造業2回FOMC結果発表2回米中古住宅販売成約1回米耐久財受注1回橙=3回未満。指標ごとの傾向を語るには足りない本数です。出典: 経済指標データベース

図: 指標別の発表の回数。2026年6月17日〜9月4日(経済指標データベース)

指標ごとの本数は最大6回で、個別の指標の傾向はまだ語れません。

図4は指標ごとの発表の回数です。最も多い新規失業保険でも6回、雇用統計は3回で、指標ごとの傾向を語るには足りません。この記事の数字は「15指標をまとめた全体像」として読んでください。

集計期間は2026年6月17日から9月4日までの約2ヶ月半です。この期間はドル円が160円手前から156円台へ下げた局面で、相場の向きが変わると逆転率も変わる可能性があります。

直近1ヶ月(2026年8月5日〜9月4日・16回)に絞ると逆転率は31.2%で、全期間より低めでした。期間で数字が動くので、断定はせず傾向として見るのが無難です。

発表ごとの反応は経済指標データベースで毎日自動的に追加され、指標別の平均反応やクロスアセットの動きも確認できます。次の雇用統計やCPIの前に、過去の初動と60分後の数字を見比べてみてください。

本記事は2026年9月5日時点の公開データをもとにした情報提供であり、特定の売買を勧める投資助言ではありません。