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経済指標でドル円はどれくらい動く?直近32回の発表を実データでランキングにした

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「雇用統計の日は相場が荒れるから、初心者は近づかないほうがいい」——FXを始めるとよく聞く話です。では実際のところ、経済指標の発表でドル円は何pipsくらい動いているのでしょうか。「動く」と言われる指標と、実はあまり動かない指標の差はどれくらいあるのでしょうか。

このサイトの指標反応アーカイブは、米国の主要な経済指標について、発表前後のドル円の値動きを毎回自動で記録しています。今回はそこに蓄積された直近2ヶ月・32回の発表データを集計して、この疑問を数字で確かめました。

この記事でわかること
・どの経済指標がドル円を大きく動かしたか(直近32回の発表のランキング)
・「動く」といっても実際は何pips・何円くらいなのか
・発表直後の値動きに初心者はどう向き合えばいいか

結論:いちばん動いたのは米雇用統計。発表後60分の値幅は平均55.9pipsでした

2026年6月17日〜8月20日の32回の発表(同時刻の発表は1回と数えています)を集計すると、発表後60分間の値幅は平均18.6pips・中央値13.3pipsでした。20pips以上動いたのは32回中12回(38%)、30pips以上は4回(12%)です。

指標別に見ると差は歴然で、トップは米雇用統計の平均55.9pips(2回)。特に8月7日の雇用統計では、発表から5分でドル円が−153.4pips(約1.53円の下落)、60分後も−93.3pipsと大きく動きました。一方、最下位の米耐久財受注は60分値幅の平均が5.8pips。同じ「経済指標」でも、動いた幅には約10倍の開きがありました。

先に用語だけ確認しておくと、ドル円の1pipsは0.01円(1銭)なので、50pipsなら0.5円です。この記事の「5分後の変化幅」は発表直前の価格と5分後の価格の差、「60分値幅」は発表後1時間のあいだの高値と安値の差(1分足または5分足の終値ベース)を指します。

検証の中身:直近2ヶ月・15指標のランキング

発表後60分の値幅の平均(pips・上位8指標) 0 20 40 60 米雇用統計 55.9 米CPI 31.4 FOMC結果発表 20.8 米JOLTS求人 20.1 米小売売上高 19.5 米PPI 17.9 米ISM製造業 16.9 新規失業保険 16.8

15指標すべての数字は次の表のとおりです。「5分後の平均変化幅」は発表5分後にどれだけ動いたかの絶対値の平均です。

指標回数5分後の平均変化幅60分値幅の平均最大値幅(日付)
米雇用統計2116.7pips55.9pips68.8pips(8/7)
米CPI218.1pips31.4pips41.8pips(8/12)
FOMC結果発表222.2pips20.8pips26.6pips(7/30)
米JOLTS求人22.5pips20.1pips28.6pips(8/4)
米小売売上高36.0pips19.5pips45.5pips(8/14)
米PPI24.8pips17.9pips21.2pips(8/13)
米ISM製造業24.9pips16.9pips21.8pips(8/3)
新規失業保険1011.4pips16.8pips43.0pips(7/2)
米GDP・PCE20.9pips15.6pips24.3pips(7/30)
米ISM非製造業23.6pips13.7pips19.0pips(8/5)
米鉱工業生産21.7pips13.6pips17.7pips(8/18)
米中古住宅販売成約14.6pips12.2pips12.2pips(8/18)
米貿易収支25.2pips11.6pips11.7pips(7/7)
米新築住宅販売22.2pips9.5pips11.3pips(7/24)
米耐久財受注21.1pips5.8pips6.8pips(6/25)

出典:当サイト指標反応アーカイブ(2026年8月24日集計、対象期間2026年6月17日〜8月20日・38イベント)。木曜21:30の新規失業保険は雇用統計・GDP・PPIなどと同時発表になることが多く(10回中5回)、その回の値動きは同時発表分を含みます。7/2の最大43.0pipsも雇用統計との同時発表でした。

同じ指標でも、回によって動き方はまったく違います

米CPIの2回を比べると、7月14日は発表5分で−35.7pipsと素直に下げた一方、8月12日は発表1分後に+20.2pips跳ねたあと、5分後には−0.5pipsとほぼ発表前の水準まで戻り、その後60分の値幅は41.8pipsに達しました。上に跳ねてから往復するような、初心者には特に難しい展開です。「この指標なら毎回こう動く」という単純なパターンはデータからは見えませんでした。

秒スキャ視点のポイント:今回の32回のうち、発表5分後に5pips以上動いていた12回では、10回(83%)が60分後も同じ方向にいました(全32回だと56%)。初動がはっきり出た日ほど方向が続きやすい傾向は見えますが、8/12のCPIのように1分後と5分後で向きが逆になる回もあります。発表直後はスプレッドも広がりやすいので、少なくとも数分は形を見てから考える、が実データからも無難な結論です。

注意点:2ヶ月・指標あたり2回程度のデータです

今回の集計期間は約2ヶ月で、ほとんどの指標はまだ2回分しかありません(新規失業保険のみ10回)。「雇用統計は平均116.7pips動いた」も2回の平均であり、たまたまこの夏が雇用統計に大きく反応する相場だった影響を受けています。順位や数字は今後データが増えると変わる可能性があります。

また、値幅は1分足・5分足の終値ベースなので、瞬間の高値・安値まで含めた実際の振れ幅はこれより大きくなります。発表時刻は米国の夏時間で日本時間21:30・23:00など、冬時間には1時間遅くなる点にも注意してください。参考までに、ドル円の普段の1時間あたりの平均値幅は約19.6pips(当サイト値幅・ボラ統計・過去1年、高値安値ベース)ですが、集計方法が違うため、あくまでざっくりした目安の比較です。

この統計は指標反応アーカイブが毎日自動で更新しており、発表ごとの1分足チャートも見られます。今後の発表日程はFXイベントカレンダーで確認できます。まずは「雇用統計とCPIの日時だけは把握しておく」ところから始めるのがおすすめです。

※本記事は2026年8月24日時点のデータに基づく情報提供であり、投資助言ではありません。取引はご自身の判断でお願いします。