FOMCドットチャートとは?見方と中央値、11年分の答え合わせ

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こんな疑問を持つ方へ
  • FOMCのドットチャート(ドットプロット)とは何?
  • ドットチャートの見方は?中央値はどう読む?
  • ドットチャートはどこで見る?日本時間の何時に出る?
  • ドットのとおりに金利は動くの?FXでどう使えばいい?

FOMCのドットチャートとは、FOMCの参加者一人ひとりが「その年の年末に適切だと考える政策金利」を、1人1つの点で表した図です。年4回(3・6・9・12月)の会合で、経済見通しと一緒に公表されます。この記事では、2026年9月の図で見方と中央値を解説し、どこで見るか、2026年の変化をまとめます。さらにFRBの公表資料から過去のドットを集め、実際の金利とどれだけ合っていたかを答え合わせします。

ドットチャートとは?FOMC参加者の金利見通しを点で表した図

項目内容
正式な名前経済見通し(SEP)の「図2」。ドットプロットとも呼ばれる
公表年4回(3・6・9・12月のFOMC)。声明文と同時
点を出す人FRB理事と地区連銀総裁の参加者(定員どおりなら19人)
点の意味その年の年末と、その先2〜3年の年末、長期に適切だと考える政策金利
名前出ない(どの点が誰かは分からない)
始まり2012年1月から

※FRB「Summary of Economic Projections」のFAQほか(2026年10月10日確認)

点を出すのは、投票権のある12人だけではありません。投票しない地区連銀総裁も含めた参加者全員が出すので、点の数は投票メンバーより多くなります。2026年6月と9月の会合では、ウォーシュ議長が自分の見通しを出さなかったと報じられており、点は18人分でした。

点は「この先こうなる」という予言ではなく、「景気と物価がこう動くなら、金利はこのくらいが適切だ」という各参加者の考えです。そのため、景気の見通しが変われば、点も会合ごとに動きます。

ドットチャートと一緒に出る経済見通し(2026年9月)

項目(中央値)2026年2027年2028年長期
実質GDPの伸び2.3%2.4%2.2%2.0%
失業率4.1%4.1%4.1%4.2%
物価(PCE)の伸び3.7%2.3%2.1%2.0%
物価(コアPCE)の伸び3.4%2.5%2.2%—
政策金利4.1%4.1%3.9%3.2%

※FRB「Summary of Economic Projections, September 2026」の表1。政策金利の行がドットチャートの中央値(小数1けたに丸めた値)。コアPCEは食品とエネルギーを除いた物価

経済見通し(SEP)は、成長率・失業率・物価・政策金利の4つの見通しをまとめたものです。2026年9月は、2026年の物価の伸びを3.7%と、目標の2%を大きく上回ると見ています。物価が高いままと見ているので、金利の見通しも高めになっています。

ドットチャートの見方:2026年9月の図で読む

図1 FOMCのドットチャート(2026年9月) 点1つが参加者1人の「その年の年末に適切な政策金利(誘導目標の中央値)」。18人分(議長は提出なし) 2.75% 3.00% 3.25% 3.50% 3.75% 4.00% 4.25% 4.50% 2026年10月の政策金利(3.75〜4.00%の中央3.875%) 中央値 中央値 4.125% 2026年末 中央値 4.125% 2027年末 中央値 3.875% 2028年末 中央値 3.625% 2029年末 中央値 3.25% 長期

図: FRB「Summary of Economic Projections, September 2026」の図2の人数をもとにhiro-fx.comが作図。点の高さは誘導目標の幅の中央の値(例: 4.125%は4.00〜4.25%)

横軸は年、縦軸は政策金利です。1つの点が1人の見通しで、同じ高さに何人いるかで点の数が変わります。点の高さは金利の幅の「真ん中の値」で書かれていて、4.125%なら「4.00〜4.25%」という意味です。

2026年末の列を見ると、4.125%に12人、4.375%に4人、3.875%に2人が並んでいます。2026年10月の政策金利は3.75〜4.00%です。つまり18人中16人が年内にあと1回以上の利上げを見込み、そのうち4人はあと2回と見ています。据え置きは2人だけです。

中央値は「真ん中の人」の点

ニュースで「ドットチャートの中央値」と言うときは、点を低い順に並べて真ん中に来る人の値のことです。19人なら10番目の人の点です。2026年6月・9月のように18人のときは、9番目と10番目の真ん中の値になります。

2026年9月の2026年末の中央値は4.125%で、年末の金利が4.00〜4.25%になるという意味です。あと1回の利上げが、参加者の真ん中の見方ということです。中央値は多数決の結果ではないので、投票メンバーの多数派の考えと必ずしも同じにはなりません。

「長期」の点は、景気を冷やしも温めもしない金利

右端の「長期」は、ショックがなければ将来落ち着くと考える金利で、中立金利とも呼ばれます。2026年9月の中央値は3.25%でした。いまの金利がこれより高ければ景気を冷やす側、低ければ温める側だと参加者が考えている目安になります。

2026年のドットチャートはどう変わった?中央値は3.375%から4.125%へ

公表した会合2026年末の中央値点の範囲人数
2025年12月3.375%(3.25〜3.50%)2.125〜3.875%19人
2026年3月3.375%(3.25〜3.50%)2.625〜3.625%19人
2026年6月3.75%3.375〜4.375%18人
2026年9月4.125%(4.00〜4.25%)3.875〜4.375%18人

※FRBの各回の経済見通しの図2からhiro-fx.comが集計。人数が偶数の回の中央値は真ん中2人の平均なので、幅の真ん中の値にならないことがある

2025年12月と2026年3月の時点では、2026年末の中央値は3.375%で、2026年中にもう1回利下げする見方が真ん中でした。ところが6月には3.75%、9月には4.125%と、利下げから利上げの見通しへ大きく変わりました。

この間にFOMCは、7月に利上げを求める反対票が3票出たあと、9月に0.25%の利上げを決めています。声明文では、物価の伸びが高いままであることや、中東の紛争などで先行きが不透明なことが書かれていました。ドットは、このように景気や物価の変化に合わせて会合ごとに書き換えられます。

ドットチャートはどこで見る?日本時間の発表時刻

見る場所内容時刻(日本時間)
FRBの公式サイト「Summary of Economic Projections」(PDFとHTML)。図2がドットチャート夏時間は3時、冬時間は4時
FOMCの日程ページ「Meeting calendars and information」の会合の欄の「Projection Materials」同上
ニュース・FX会社中央値と前回からの変化を日本語で速報発表の数分後から
議長の記者会見見通しについての質問に答える発表の30分後

※2026年の残りで経済見通しが出るのは12月9日の会合(日本時間12月10日4時)。10月の会合では出ない

FRBの公式サイトでは、トップの「Monetary Policy」から「Meeting calendars and information」を開きます。会合の日付の欄にある「Projection Materials」を選ぶと見られます。英語ですが、図2(Figure 2)を開けば点の並びはそのまま読めます。

2026年の次のドットチャートは、12月8日・9日の会合で公表されます。日本時間では12月10日の4時です。10月27日・28日の会合は経済見通しのない回なので、ドットチャートは出ません。日程はFXイベントカレンダーでも確認できます。

【データ】ドットのとおりに金利は動いた?11回の答え合わせ

図2 前年12月のドットの中央値は、1年後の金利とどれだけずれたか 実際の年末の政策金利 − 前年12月のドットの中央値(2015〜2025年・11回)。上は予想より高かった年、下は低かった年 −2% −1% 0% +1% +2% +3% +4% −0.75% 2015年 −0.75% 2016年 一致 2017年 +0.25% 2018年 −1.25% 2019年 −1.5% 2020年 一致 2021年 +3.5% 2022年 +0.25% 2023年 −0.25% 2024年 −0.25% 2025年

図: FRBの各年12月の経済見通し(図2)からhiro-fx.comが中央値を計算し、BISの政策金利データ(誘導目標の中央の値)の翌年12月31日の値と比べた。2014年12月〜2024年12月の公表分

各年12月のドットで「翌年末の金利」の中央値を拾い、1年後の実際の金利と比べました。11回のうち、ぴったり合ったのは2回、ずれが0.25%(利上げ・利下げ1回分)以内に収まったのは6回でした。一方で、0.75%以上ずれた年も5回あります。

対象の年末前年12月の中央値実際の年末差
2015年1.00〜1.25%0.25〜0.50%−0.75%
2016年1.25〜1.50%0.50〜0.75%−0.75%
2017年1.25〜1.50%1.25〜1.50%一致
2018年2.00〜2.25%2.25〜2.50%+0.25%
2019年2.75〜3.00%1.50〜1.75%−1.25%
2020年1.50〜1.75%0〜0.25%−1.5%
2021年0〜0.25%0〜0.25%一致
2022年0.75〜1.00%4.25〜4.50%+3.5%
2023年5.00〜5.25%5.25〜5.50%+0.25%
2024年4.50〜4.75%4.25〜4.50%−0.25%
2025年3.75〜4.00%3.50〜3.75%−0.25%

※金利は誘導目標の幅で表示。差は幅の中央の値どうしの差

大きく外れたのは、予想外の出来事があった年です。2020年は新型コロナで緊急の利下げが行われ、2022年は物価の急上昇で予想を3.5%も上回る急ピッチの利上げになりました。2015〜2016年は、見込んでいた利上げのペースより実際はゆっくりでした。

ドットは「その時点の参加者の考え」としては正確でも、1年先を当てる予想としては外れることがある、ということです。新しいドットが出たら、前回からどれだけ動いたかもあわせて見るのがおすすめです。

ドットチャートは為替にどう効く?ドル円での使い方と注意点

ドットの変化起こりやすい反応注意点
中央値が前回より上がった(利上げが増えた・利下げが減った)ドル高・円安市場がすでに予想していれば、あまり動かないことも
中央値が前回より下がった(利下げが増えた・利上げが減った)ドル安・円高同上
点のばらつきが大きい先の見通しが割れていて、会見や指標で振れやすい中央値だけでなく上下の人数も見る
長期の中央値が上がった長い期間の金利が上がりやすく、ドル高の材料に変化が小さいと材料になりにくい

※一般的な傾向で、必ずそうなるわけではない。為替は市場の予想(織り込み)との差で動く

為替が反応するのは、ドットそのものより「市場が予想していた金利との差」です。市場の予想は、FF金利先物から計算した利上げ・利下げの確率で分かります。当サイトのFRBウォッチで毎時更新しています。発表前に「年内に何回の利上げを市場が見込んでいるか」を確かめておくと、ドットとの差を読みやすくなります。

ドットチャートが出る日は、声明文・経済見通し・議長の会見が30分の間に続けて出ます。発表から1時間で値幅が大きくなりやすく、スプレッドも広がりやすい時間です。ポジションを持ったまま迎えるなら、損切りの位置とロスカットまでの余裕を先に確かめておきましょう。

あわせて読みたい:FOMC発表の1時間で、ドル円は何pips動くのか?2023年12月以降の22会合で検証

よくある質問

Q1. ドットチャートとドットプロットは違うものですか?

A. 同じものです。英語では「dot plot」と呼ばれることが多く、日本では「ドットチャート」「ドットプロット」の両方が使われます。

Q2. どの点が議長の点か分かりますか?

A. 分かりません。点には名前が付いていないためです。議長が点を出したかどうかは、提出した人数(2026年6月・9月は18人)や報道で分かることがあります。

Q3. 中央値の「4.1%」と「4.125%」はどちらが正しいのですか?

A. どちらも同じ見通しです。経済見通しの表1は小数1けたに丸めて4.1%と書き、図2の点は幅の真ん中の4.125%で描かれます。どちらも「4.00〜4.25%」を指します。

Q4. ドットチャートとFedWatchの確率はどう違いますか?

A. ドットチャートはFOMC参加者の見通し、FedWatchなどの確率は市場参加者の予想(FF金利先物の価格)から計算したものです。両者がずれているときは、その差が埋まる方向に相場が動くことがあります。

Q5. 経済見通しのない会合でもドットは動きますか?

A. ドットチャートは年4回しか出ないので、その間の会合では更新されません。間の会合では、声明文・議長の会見・メンバーの講演から見通しの変化を読み取ります。

まとめ:ドットチャートは参加者の金利見通しの分布

  • ドットチャートは、FOMC参加者一人ひとりが考える年末の政策金利を点で表した図。年4回(3・6・9・12月)、経済見通しと一緒に出る
  • 見るのは中央値(真ん中の人の点)と、前回からの変化、点のばらつき。点の高さは金利の幅の真ん中の値
  • 2026年9月は2026年末の中央値が4.125%(4.00〜4.25%)。18人中16人が年内にあと1回以上の利上げを見込んだ
  • FRBの公式サイトの「Projection Materials」で、発表と同時(日本時間3時か4時)に見られる。次は2026年12月10日4時
  • 過去11回の答え合わせでは、翌年末の金利と0.25%以内に収まったのは6回。コロナ禍や物価急騰の年は大きく外れた

あわせて読みたい:FOMCとは?わかりやすく何を決めるか・FRBとの違い・年8回の仕組み

次の会合の日時はFXイベントカレンダーで確認できます。

※この記事の情報は2026年10月10日時点のものです。主な出典: FRB「Summary of Economic Projections」(2014年12月〜2026年9月の各回)と同FAQ、FOMC声明文・議事要旨(2026年9月16日会合)、BIS「Central bank policy rates」。答え合わせはFRBの公表資料とBISのデータをもとにしたhiro-fx.comの集計です。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資を勧めるものではありません。投資はご自身の判断で行ってください。