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- ナンピンは何円・何%下がったらするもの?
- ナンピン幅とは?ドル円なら何円が目安?
- ナンピンは何回まで?「ナンピン三分の一」とは?
- ロットはどう決める?ロスカットにならないためには?
ナンピンのタイミングは、「何円下がったら」を相場の値動きの大きさから決め、回数・量・損切りの価格とセットで注文前に決めておくのが基本です。当サイトの集計では、ドル円の1日の値幅は直近1年の平均で約1.04円、買った日から20日以内に3円以上逆行した日は34.9%ありました。この記事では、ナンピン幅の考え方と何%・何円の目安、回数と資金の分け方、ロットとロスカットの計算を解説します。
ナンピンのタイミングは「幅・回数・量・損切り」を先に決める
図: ナンピンのタイミングを決める4つの項目(hiro-fx.com作成)
ナンピンとは、持っているポジションが逆に動いたときに、同じ向きで買い増し(売りなら売り増し)して、平均の取引価格を有利にすることです。ナンピンのタイミングに「正解の何円」はありません。大事なのは、含み損を見てから決めるのではなく、最初の注文の前に決めておくことです。
決める項目は、何円ごとに追加するか(幅)、何回目まで追加するか(回数)、1回に何通貨を追加するか(量)、どこで全部やめるか(損切り)の4つです。この4つが決まれば、最後まで追加したときの最悪の損失が計算でき、ロスカットにならない量も逆算できます。
「いくら下がったら」をその場で決めてはいけない理由
含み損を抱えてから決めるナンピンは、損切りの先送りになりやすくなります。「もう少し下がったら買い増そう」をくり返すと、回数にも量にも上限がなくなります。ナンピンが「ダメ」と言われるのは、多くがこの計画なしのナンピンです。
ナンピン幅とは?何パーセント・何円で考える
| 下落率 | ドル円157円なら | どのくらいの動き? |
|---|---|---|
| 0.3% | 約0.47円 | 1日のうちによくある小さな動き |
| 0.66% | 約1.04円 | 直近1年の1日の値幅の平均 |
| 1% | 約1.6円 | 値動きの大きい日の1日分 |
| 2% | 約3.1円 | 数日〜1週間でときどきある |
| 3% | 約4.7円 | 1か月のうちに起きることがある |
| 5% | 約7.9円 | 大きなトレンドや急変のとき |
| 10% | 約15.7円 | 株でよく聞く目安。ドル円では数か月〜1年単位の大きな動き |
※ドル円を直近1年(2025年10月〜2026年9月)の平均終値157.41円として換算。「どのくらいの動き?」は下のデータをもとにした目安(hiro-fx.com作成)
ナンピン幅とは、1回目の注文から何円(何%)逆行したら次を追加するか、という間隔のことです。FXでは「pips」で表すこともあり、ドル円なら1円=100pipsです。自動売買(EA)の設定では「ナンピン幅」「インターバル」などと呼ばれます。
株では「10%下がったら」という目安をよく聞きますが、ドル円の10%は約16円で、数か月から1年単位の大きな動きです。ドル円は株より値動きが小さいので、株の%をそのまま当てはめると、幅が広すぎてナンピンの機会がほとんど来なくなります。逆に、1日の値幅より狭い幅にすると、1日のうちに何回も約定して量が一気に増えます。
【データ】ドル円は何日でどこまで逆行するか
図: ドル円の1日の値幅の平均・年別(2015年〜2026年9月。Dukascopy社のドル円日足をもとにhiro-fx.comが集計)
ナンピン幅を決める物差しとして、ドル円の1日の値幅(高値と安値の差)を年別に集計しました。2019〜2021年は0.6〜0.7円でしたが、2022〜2025年は1.3〜1.4円に広がり、2026年は1〜9月の平均で約1.03円です。同じ「1円」の幅でも、年によって重みが2倍以上違います。
次に、2021年10月からの約5年間の毎営業日に、その日の始値で持った場合、そこから5日・20日以内に逆方向へ何円動いたかを数えました。
| 逆行した幅 | 5日以内・買いの場合 | 5日以内・売りの場合 | 20日以内・買いの場合 | 20日以内・売りの場合 |
|---|---|---|---|---|
| 0.5円以上 | 69.2% | 78.5% | 82.3% | 92.5% |
| 1円以上 | 50.5% | 57.8% | 68.6% | 85.6% |
| 2円以上 | 25.8% | 29.8% | 47.8% | 64.0% |
| 3円以上 | 13.2% | 10.8% | 34.9% | 45.4% |
| 5円以上 | 4.2% | 1.0% | 20.3% | 22.8% |
| 7円以上 | 1.2% | 0.0% | 10.3% | 8.4% |
| 10円以上 | 0.2% | 0.0% | 3.3% | 0.9% |
※2021年10月〜2026年9月のドル円日足で、毎営業日の始値で持った場合に、そこから5営業日・20営業日以内に逆方向へ何円動いたか(日足の安値・高値で判定・各1,285〜1,300日)。Dukascopy社のドル円日足をもとにhiro-fx.comが集計
買いの場合、20日以内に1円以上逆行した日は68.6%、3円以上は34.9%、5円以上は20.3%ありました。売りの場合は円安が続いた時期のため、それぞれ85.6%・45.4%・22.8%と高くなっています。つまり、1円幅でナンピンを組むと、20日以内に2回目の注文が入るのはごく普通のことです。
ナンピンは何回まで?「ナンピン三分の一」と資金の分け方
| ナンピン幅 | 3回の買値(150円から) | 平均の買値 | 20日以内に3回とも約定 | 幅1つ分さらに逆行して損切り | そのときの損失(1万通貨ずつ) |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.5円 | 150円・149.5円・149円 | 149.5円 | 68.6% | 57.0% | 3万円 |
| 1円 | 150円・149円・148円 | 149円 | 47.8% | 34.9% | 6万円 |
| 2円 | 150円・148円・146円 | 148円 | 27.2% | 16.4% | 12万円 |
| 3円 | 150円・147円・144円 | 147円 | 16.4% | 4.3% | 18万円 |
※資金を3つに分け、同じ量を3回に分けて買う場合。確率は上の表と同じ方法(2021年10月〜2026年9月・買いの場合・20営業日以内)で、2回目・3回目の買値に届いた割合と、最後の買値からさらに幅1つ分逆行した割合。損失は3回目の買値から幅1つ分下で全部損切りしたときの計算(hiro-fx.com作成)
ナンピンの回数に決まりはありませんが、上限は必ず決めます。古くからの相場の格言に「ナンピン三分の一」があり、使うお金を3つに分け、一度に全部を使わないという資金管理の教えとして知られています。最初に3分の1で入り、逆行したら残りを2回に分けて追加する、という使い方です。
上の表は、150円から同じ量を3回に分けて買う場合です。幅1円なら、20日以内に3回とも約定した割合は47.8%、幅2円なら27.2%でした。幅を広げるほど最後まで約定しにくくなりますが、損切りまで行ったときの損失は大きくなります。
回数を増やすと、損は回数の2乗に近い速さで増える
同じ量で回数を増やすと、最後の買値から幅1つ分逆行したときの損失は、3回なら幅の6倍、5回なら15倍、10回なら55倍になります。回数を2倍にすると、損は約3倍以上になる計算です。回数は「何回まで耐えられるか」ではなく「損の上限から逆算して何回か」で決めます。
ナンピンのロットとロスカット:最後まで買い増したときの計算
| 口座の資金 | 1回の損の上限(2%) | 幅1円・3回 | 幅1円・5回 | 幅2円・3回 | 幅2円・5回 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30万円 | 0.6万円 | 900通貨 | 400通貨 | 400通貨 | 200通貨 |
| 50万円 | 1万円 | 1,600通貨 | 600通貨 | 800通貨 | 300通貨 |
| 100万円 | 2万円 | 3,300通貨 | 1,300通貨 | 1,600通貨 | 600通貨 |
| 300万円 | 6万円 | 10,000通貨 | 4,000通貨 | 5,000通貨 | 2,000通貨 |
※1回あたりの量(同じ量でn回)=1回の損の上限÷(幅×n×(n+1)÷2)。最後の買値から幅1つ分逆行したところで全部損切りした場合に、損失が資金の2%に収まる量を100通貨単位で切り捨てた。スプレッド・スリッページは含めない(hiro-fx.com作成)
ナンピンのロット(1回あたりの量)は、1回の取引で失ってよい金額から逆算します。よく使われる目安は「1回の損は口座の資金の2%まで」です。同じ量でn回ナンピンし、最後の買値から幅1つ分逆行したところで損切りするなら、1回あたりの量は「損の上限÷(幅×n×(n+1)÷2)」で求められます。
たとえば資金100万円なら損の上限は2万円です。幅1円・3回なら、1回あたり約3,300通貨になります。1万通貨ずつナンピンするなら、幅1円・3回でも損切り時の損失は6万円で、資金300万円が必要な計算です。
強制ロスカットにならないかも確かめる
損切りの前に強制ロスカットになっては意味がありません。最後まで追加したときの合計の量で必要証拠金を計算し、損切り時の損失を引いても証拠金維持率がロスカットの基準を上回るか確かめます。回数・幅・量と口座の資金を入れると、平均レートとロスカットになるレートを出せるナンピン計算機も使えます。
ナンピンのやり方:ルールの作り方
図: ナンピンのルールを作る手順(hiro-fx.com作成)
ナンピンのやり方は、上の順に決めて書き出すだけです。最初に入る理由と、何が起きたら間違いかを書くと、損切りの線が自然に決まります。幅はドル円の値動きの大きさから、回数と量は損の上限から決めます。
決めたら、損切りの逆指値と利益確定の指値を、最初の注文と同時に入れておきます。含み損を見ながら判断すると、ルールより気持ちが優先されやすくなるためです。
よくある質問
Q1. 経済指標の発表前にナンピンしてもいいですか?
A. 発表の直後は1分で数十銭〜1円以上動くことがあり、ナンピンの注文が一度に約定したり、損切りが想定より不利な価格で約定したりします。発表をまたぐ場合は、量を減らすか、発表後に値動きが落ち着いてから判断するのが無難です。
Q2. ナンピンしたあと、どこで利益確定すればいいですか?
A. 平均の買値まで戻ったところで、追加した分だけでも決済する方法がよく使われます。量が増えたまま持ち続けると、再び逆行したときの損も大きくなるためです。利益確定の価格も、ナンピンのルールと一緒に注文前に決めておきます。
Q3. 時間でナンピンのタイミングを決めてもいいですか?
A. 「何日たったら追加」という時間のルールもあります。ただし、FXでは値動きの大きさが時期によって違います。時間だけで決めると、大きく逆行しているのに追加しないことや、ほとんど動いていないのに量だけ増えることがあります。値幅のルールと組み合わせるほうが分かりやすくなります。
Q4. ナンピンと「分割エントリー」は違いますか?
A. 量を何回かに分けて入る点は同じです。分割エントリーは最初から合計の量と入る価格を決めて分けるもので、含み損を見てから追加するナンピンとは考え方が違います。この記事のように注文前に幅・回数・量を決めるナンピンは、分割エントリーに近い使い方です。
まとめ:ナンピンのタイミングは値動きの大きさと損の上限で決める
- ナンピンのタイミングは、幅・回数・量・損切りの4つを注文前にセットで決める
- ドル円の1日の値幅は直近1年の平均で約1.04円(約0.66%)。株の「10%」はドル円では約16円の大きな動き
- 2021年10月からの5年では、買った日から20日以内に3円以上逆行した日が34.9%、5円以上が20.3%あった
- 回数は「ナンピン三分の一」のように上限を決める。同じ量で回数を増やすと、損は回数の2乗に近い速さで増える
- 1回あたりの量は「損の上限÷(幅×n×(n+1)÷2)」で逆算し、強制ロスカットにならないかも確かめる
ナンピンの基本はナンピンとは?意味・語源と押し目買いとの違い、含み損をどこまで耐えるかはFXの含み損はどこまで耐える?で解説しています。その日のドル円の値動きの大きさは今日の値動きマップで確認できます。
※この記事の情報は2026年10月3日時点のものです。データは、Dukascopy社のドル円日足(2015年1月〜2026年9月)をもとにhiro-fx.comが集計したものです。主な出典: 松井証券「ナンピン買いとは」、Yahoo!知恵袋の関連する質問(ナンピンの下落率・ナンピン三分の一)。過去の値動きは将来の値動きを約束するものではありません。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。取引はご自身の判断で行ってください。

