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- ナンピンとマーチン(マーチンゲール)は何が違う?
- ナンピンマーチンの計算方法は?何倍にするもの?
- 無限ナンピンとは?小ロットなら大丈夫?
- 「最強」と言われるけど、本当に負けないの?
ナンピンとマーチンの違いは、追加する量です。ナンピンは逆行したら同じ量を追加し、マーチン(マーチンゲール)は負けるたびに量を2倍、4倍、8倍と倍々にします。当サイトはドル円で2005年から、1円ごとに倍々でナンピンを続ける計算をしました。ほとんどの回は小さな利益で終わった一方、資金100万円なら2015年に強制ロスカットになりました。この記事では、両者の違いと計算方法、無限ナンピンとの比べ方を解説します。
ナンピンとマーチンの違いは「追加する量」
図: ナンピンとマーチンの注文量の違い(計算例・hiro-fx.com作成)
ナンピンは、持っているポジションが逆に動いたときに、同じ向きで買い増し(売りなら売り増し)して、平均の取引価格を有利にする方法です。追加する量は、ふつうは最初と同じです。
マーチンは「マーチンゲール法」の略で、負けたら次の量を倍にする賭け方です。18世紀のフランスのカジノで広まったとされ、1回勝てばそれまでの負けを取り戻せるという考え方です。FXでは、この倍々をナンピンと組み合わせた「ナンピンマーチン」がよく使われます。
| ナンピン | マーチン(マーチンゲール) | ナンピンマーチン | |
|---|---|---|---|
| 何をする? | 逆行したら同じ向きに追加 | 負けたら次の量を倍にする | 逆行したら倍々の量で追加 |
| 追加する量 | 同じ量(例:1,000通貨ずつ) | 2倍、4倍、8倍… | 2倍、4倍、8倍… |
| 平均の取引価格 | 少しずつ有利になる | ―(1回ごとに決済する) | 最後の注文の近くまで一気に寄る |
| 損が増える速さ | 逆行した幅の2乗に近い速さ | 負けが続くと倍々 | 逆行するほど倍々 |
※OANDA証券「ナンピンマーチンとは?」などの説明をもとにhiro-fx.com作成
ナンピンマーチンゲールとは
ナンピンマーチン(ナンピンマーチンゲール)は、逆行するたびに倍々の量でナンピンする方法です。量が倍々なので、平均の取引価格は最後の注文の近くまで一気に寄ります。そのため、少し戻っただけで全部を利益で決済できます。その代わり、逆行が続くと量と含み損も倍々で増えます。
ナンピンマーチンの計算:何回目でいくらの含み損?
| 何回目の注文 | その回の量 | 合計の量 | さらに1円逆行したときの含み損 | 必要証拠金(150円・25倍) | 同じ量なら(無限ナンピン) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 0.1万円 | 0.6万円 | 0.1万円 |
| 2回目 | 2,000通貨 | 3,000通貨 | 0.4万円 | 1.8万円 | 0.3万円 |
| 3回目 | 4,000通貨 | 7,000通貨 | 1.1万円 | 4.2万円 | 0.6万円 |
| 4回目 | 8,000通貨 | 1.5万通貨 | 2.6万円 | 9.0万円 | 1.0万円 |
| 5回目 | 1.6万通貨 | 3.1万通貨 | 5.7万円 | 18.6万円 | 1.5万円 |
| 6回目 | 3.2万通貨 | 6.3万通貨 | 12.0万円 | 37.8万円 | 2.1万円 |
| 8回目 | 12.8万通貨 | 25.5万通貨 | 50.2万円 | 153万円 | 3.6万円 |
| 10回目 | 51.2万通貨 | 102.3万通貨 | 204万円 | 614万円 | 5.5万円 |
| 12回目 | 204.8万通貨 | 409.5万通貨 | 818万円 | 2,457万円 | 7.8万円 |
| 14回目 | 819.2万通貨 | 1,638.3万通貨 | 3,275万円 | 9,830万円 | 10.5万円 |
※最初に1,000通貨、1円逆行するごとに前回の2倍の量を追加した場合の計算。「同じ量なら」は毎回1,000通貨ずつ追加した場合の含み損。必要証拠金はドル円150円・レバレッジ25倍で計算(hiro-fx.com作成)
ナンピンマーチンの計算は、「その回の量=前回の量×倍率」で求めます。上の表は、最初に1,000通貨を持ち、1円逆行するごとに前回の2倍を追加した場合です。10回目の注文は51.2万通貨、合計の量は約102万通貨になり、最初の1,023倍です。
そこからさらに1円逆行すると、含み損は約204万円です。同じ量で追加する無限ナンピンなら同じ場面で5.5万円なので、約37倍の差があります。必要証拠金も、ドル円150円・レバレッジ25倍で約614万円かかります。
ナンピンの倍率を1.5倍にしたら?
倍率を2倍より小さくする設定もあります。1.5倍にすると、10回目までの合計は約11.3万通貨、さらに1円逆行したときの含み損は約32.0万円です。2倍よりかなり抑えられますが、平均の取引価格の寄り方も小さくなり、決済に必要な戻りが大きくなります。倍率を下げても、逆行が続けば量が増え続ける点は変わりません。
無限ナンピンとは?小ロットなら大丈夫?
図: 逆行した幅と含み損の計算例(最初1,000通貨・1円ごとに追加。hiro-fx.com作成)
無限ナンピンとは、回数の上限を決めずに、逆行するたびに同じ量でナンピンを続ける方法です。小さな量(小ロット)で始め、資金が続く限り買い増していくのが特徴で、「小ロット無限ナンピン」とも呼ばれます。
無限ナンピンの含み損は、マーチンほど速くは増えません。上の図のように、10円逆行したときの含み損は、ナンピンしない場合の1万円に対して5.5万円、マーチンでは約204万円です。ただし、無限ナンピンでも含み損は逆行した幅の2乗に近い速さで増えるので、20円逆行すれば約21万円、30円なら約47万円になります。
「無限ナンピン最強」は本当?
無限ナンピンは、レンジ相場(一定の幅で上下する相場)では小さな利益を積み重ねやすい方法です。しかし、一方向に長く動く相場では、ポジションが積み上がり、何年も含み損を抱えることがあります。「無限」といっても、実際には口座の資金とFX会社の注文上限で止まります。
【データ】ドル円21年で、何回目まで行って何年に破綻したか
図: ドル円で倍々マーチンを続けたとき、7回目以上の注文まで行った回(2005年1月〜2026年9月。Dukascopy社のドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが計算)
実際のドル円で、ナンピンマーチンと無限ナンピンを続けた場合を計算しました。2005年1月から、最初に1,000通貨を持ち、1円逆行するごとに追加(マーチンは倍々・無限ナンピンは同じ量)します。平均レートから0.3円の利益で全部を決済したら、すぐ次の回を始めるルールです。
買いから入るマーチンは21年で4,090回あり、77%は最初の注文だけ、91%は2回目までで利益決済できました。それでも7回目以上まで行った回が24回あり、最大は11回目(合計204.7万通貨・含み損は最大で約366万円)でした。売りから入る場合は最大14回目まで行き、含み損は約1,730万円に達しています。
資金別:何年に強制ロスカットになったか
| 口座の資金 | マーチン・買いから | マーチン・売りから | 無限ナンピン・買いから | 無限ナンピン・売りから |
|---|---|---|---|---|
| 10万円 | 2005年5月 | 2005年2月 | 2007年11月 | 2005年10月 |
| 30万円 | 2006年5月 | 2005年7月 | 2008年3月 | 2014年9月 |
| 100万円 | 2015年8月 | 2005年10月 | 21年間なし | 2015年5月 |
| 300万円 | 2016年2月 | 2013年1月 | 21年間なし | 21年間なし |
| 1,000万円 | 2016年2月 | 2014年11月 | 21年間なし | 21年間なし |
※2005年1月から、最初1,000通貨・1円逆行ごとに追加・平均レート+0.3円で全部決済をくり返した場合に、初めて強制ロスカット(証拠金維持率100%未満)になった年月。レバレッジ25倍・利益は口座に残す・スプレッドとスワップは含めない(Dukascopy社のドル円1時間足をもとにhiro-fx.comが計算)
口座の資金ごとに、同じルールを続けた場合に初めて強制ロスカットになった時期を調べました。マーチンは、資金10万円なら2005年のうちに、100万円でも買いからなら2015年8月に強制ロスカットです。資金1,000万円でも、買いからは2016年2月、売りからは2014年11月に強制ロスカットになりました。
たとえば資金1,000万円・売りからのマーチンは、2014年11月までの約10年で約230万円の利益を積み上げました。しかし、強制ロスカットの1回で約284万円を失い、それまでの利益を上回っています。
無限ナンピンは、買いからなら資金100万円で21年間ロスカットになりませんでした。ただし、この期間の利益の合計は約82.1万円です。売りからは2021年1月に始めた回が62回目まで積み上がり、2026年9月末でも約148万円の含み損を抱えたままです。
「ナンピンマーチン最強」と言われる理由と落とし穴
| 「最強」と言われる理由 | 落とし穴 |
|---|---|
| ほとんどの回が利益で終わる | 買いからの4,090回のうち91%は2回目までで決着したが、まれな大きな逆行で全部を失う |
| 小さな戻りで全部を決済できる | 倍々の量を持ち続けるだけの証拠金がないと、戻る前に強制ロスカット |
| 自動売買(EA)なら感情が入らない | EAも同じルールで動くので、急な一方向の動きには同じように弱い |
| 過去のテストで右肩上がり | 大きな逆行が来る前の期間だけを見ると、右肩上がりに見えやすい |
※hiro-fx.com作成
ナンピンマーチンが「最強」と言われるのは、勝率がとても高く、過去のテストで右肩上がりの成績になりやすいからです。上のデータでも、ほとんどの回は2回目までに利益で決済できています。
しかし、その成績は大きな逆行が来るまでの話です。倍々の量は10回目で最初の1,000倍を超え、どんな資金でもいつかは足りなくなります。勝率の高さではなく、1回の大きな負けで何年分の利益が消えるかを見る必要があります。
ナンピンマーチン・無限ナンピンを使う前に確認すること
図: 使う前に確認すること(hiro-fx.com作成)
それでも使う場合は、注文する前に「何円ごとに、何回目まで、何倍で」を決め、最後の回まで追加したあとの含み損を計算します。その金額でも強制ロスカットにならない資金があるか、全部やめる価格をどこに置くかもあわせて決めておきます。
回数・幅・量を入れて平均レートと含み損、ロスカットの価格を計算できるナンピン計算機も使えます。追加する量の倍率は「毎回同じ」「1.5倍ずつ」「2倍ずつ(マーチン)」から選べます。
よくある質問
Q1. マーチンとナンピンは、どちらが危険ですか?
A. 量が倍々で増えるマーチンのほうが、損が増える速さは圧倒的です。ただし、同じ量のナンピンでも回数に上限がなければ、一方向の相場で量と含み損が積み上がります。どちらも「最後まで追加したときの損に耐えられるか」で危険さが決まります。
Q2. ナンピンマーチンは利益が小さいのはなぜですか?
A. 少しの戻りで全部を決済するルールが多いからです。この記事の計算では、1回の利益は平均レートから0.3円分でした。小さな利益を何百回も積み上げ、まれな大きな損で失うという形になりやすい方法です。
Q3. 海外FXのゼロカットがあれば、マーチンでも安全ですか?
A. ゼロカットは口座のお金がマイナスになったときに、そのマイナスを請求しない仕組みです。入れたお金がなくなることに変わりはありません。また、国内FXにはゼロカットの仕組みがなく、急な値動きでは入れたお金以上の損が出ることがあります。
Q4. 逆行の幅を広げれば破綻しにくくなりますか?
A. 1円ごとより2円ごとのほうが、同じ値動きで追加する回数は減ります。そのぶん平均の取引価格の寄り方が小さくなり、決済までに必要な戻りが大きくなります。どの幅でも、想定より大きな一方向の動きが来れば同じ問題が起きます。
まとめ:ナンピンとマーチンの違いは「量の増え方」
- ナンピンは逆行したら同じ量を追加、マーチンは負けるたびに量を倍々にする方法
- 倍々で1円ごとに追加すると、10回目の合計は最初の1,023倍、さらに1円逆行した含み損は約204万円(最初1,000通貨のとき)
- 無限ナンピンは同じ量で続ける方法。マーチンより遅いが、含み損は逆行した幅の2乗に近い速さで増える
- ドル円21年の計算では、マーチンの91%は2回目までで利益決済できたが、資金1,000万円でも強制ロスカットの時期があった
- 使うなら、回数の上限・最後まで追加したときの含み損・全部やめる価格を先に決める
ナンピンの基本はナンピンとは?意味・語源と押し目買いとの違い、強制ロスカットのしくみは強制ロスカットされたらどうなる?で解説しています。含み損をどこまで耐えるかの目安はFXの含み損はどこまで耐える?をご覧ください。
※この記事の情報は2026年10月3日時点のものです。データは、Dukascopy社のドル円1時間足(2005年1月〜2026年9月)をもとにhiro-fx.comが計算したもので、スプレッド・スワップ・税金、FX会社ごとの注文上限は含めていません。1時間足の中の値動きの順番は分からないため、決済の価格に届いたかを先に判定しています。主な出典: OANDA証券「ナンピンマーチンとは?」、Yahoo!知恵袋の関連する質問。過去の値動きは将来の値動きを約束するものではありません。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。取引はご自身の判断で行ってください。

