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「ドル円は米金利を見ていれば良い」「ドル円は株と一緒に動く」。よく聞く話ですが、本当でしょうか。
当サイトのドル円相関ランキングは、ドル円と18の資産の連動の強さを毎日計算しているページです。対象は米国債・株価指数・原油・金・ユーロドル・ビットコインなどです。ここに貯まった1年分・260日のデータで、「ドル円と一番連動している資産は何か」を調べました。2026年9月3日時点の集計です。
・ドル円と一番安定して連動していた資産(答え:ユーロドル)
・「連動1位」の顔ぶれが、どのくらいの頻度で入れ替わるか
・相関ランキングを見るときに、だまされやすいポイント
用語メモ:この記事の「相関」は、直近20営業日の値動きで計算した「20日相関」です。値は−1〜+1で、+1に近いほど同じ方向、−1に近いほど逆方向に動いたことを示します。0.5を超えると「強い連動」と考えてください。
結論:1年で最も安定して連動したのはユーロドル。「金利差」はほぼ無関係でした
図1: ドル円と18資産の20日相関の強さ(1年平均)。向きを問わず並べた。出典: ドル円相関ランキング(2026年9月3日 8:00集計)
ひとことで言うと:ドル円の連動相手は「ドルそのもの」を映す通貨(ユーロドル・豪ドル・ドル指数)。米金利や株は、この1年ではあまり関係がありませんでした。
図1が答えです。1年間で最も強く連動していたのはユーロドルでした。平均の相関は−0.64の逆相関です。ユーロドルが下がるとドル円が上がる、という関係になります。
しかも260日のうち、相関がプラスになった日は0日でした。向きが一度も変わらなかった資産は、18のうちユーロドルだけです。
一方、通説の「米金利」はどうでしょうか。日米10年金利差の平均は+0.03で、ほぼゼロです。強い連動(0.5超)だった日は年間8%しかありませんでした。日経平均やS&P500も、平均−0.15〜−0.10の弱い逆相関にとどまりました。
検証1:「連動1位」は1年で24回入れ替わった
図2: ドル円の日足(147.08円→160.20円)に、その日の「相関1位」を色で重ねたもの。2025-09-01〜2026-09-01・n=260。出典: ドル円相関ランキング・Yahoo Finance
ひとことで言うと:1位はほぼ「ユーロドルかドル指数」の2択。ただし入れ替わりは頻繁で、数日で交代することも珍しくありません。
図2は実際のドル円チャートです。青はユーロドルが1位だった日、橙はドル指数が1位だった日を示します。青が164日(63%)、橙が72日(28%)で、この2つで9割を占めました。
ただ、1位はよく入れ替わります。交代は1年で24回ありました。同じ資産が1位を続けた日数は、中央値(真ん中の値)で3日です。
最長はユーロドルの69日連続でした。2026年1月下旬から4月末、ドル円が155円台から163円台へ上がっていった局面です。図2の青が長く続いている部分がそれにあたります。
主な資産の1年間の成績
| 順位 | 資産 | 平均相関 | 強い連動の日 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | ユーロドル | −0.64 | 87% | 1年間ずっと逆相関 |
| 2位 | 豪ドル/米ドル | −0.44 | 49% | ほぼ逆相関で安定 |
| 3位 | ドル指数(DXY) | +0.30 | 40% | 向きがよく変わる |
| 4位 | 日本10年国債利回り | +0.18 | 13% | 弱い順相関 |
| 7位 | 日経平均 | −0.15 | 12% | 弱い逆相関 |
| 9位 | S&P500 | −0.10 | 5% | ほぼ無関係 |
| 13位 | 日米10年金利差 | +0.03 | 8% | ほぼ無関係 |
| 16位 | 米10年債利回り | +0.11 | 7% | ほぼ無関係 |
出典: ドル円相関ランキング(2026年9月3日 8:00集計)。期間2025-09-01〜2026-09-01。順位は連動の強さ(向きを問わない平均)順。「強い連動の日」=相関が±0.5を超えた日の割合。n=219〜260日(米国系列はデータ開始が遅い)。18資産すべての数値はデータページで確認できます。
検証2:ユーロドルは「向き」が変わらない。ドル指数は「向き」がよく変わる
図3: ドル円との20日相関の1年推移。橙=ユーロドル、青=ドル指数、緑=日米10年金利差。2025-09-01〜2026-09-01・n=260日。出典: ドル円相関ランキング
ひとことで言うと:同じ「連動が強い」でも、ユーロドルは安心して使える相手、ドル指数はその時々で確認が必要な相手です。
図3は上位資産の相関の推移です。橙のユーロドルは、1年間ずっとゼロ線の下にあります。最も弱かった2026年7月でも−0.31、最も強かった2025年9月上旬は−0.87でした。
青のドル指数は対照的です。2025年9月には+0.94と極端に強い一方、年末から年明けには−0.53までマイナスに落ちています。ドル指数には円も約1割含まれているため、ドル円との関係がぶれやすいのだと考えられます。
緑の金利差はゼロ線をまたいで上下しました。金利差との連動は「あるとき」と「ないとき」がはっきり分かれる、と覚えておくと良さそうです。
注意点:「5日相関」の極端な数字を信じすぎない
図4: 米2年債利回りとドル円の相関を、5日(灰・n=162)・20日(青・n=219)・60日(緑)の3つの期間で描いたもの。2025-09-01〜2026-09-01。出典: ドル円相関ランキング
ひとことで言うと:短い期間の相関は「たまたま」で±1に近づきます。判断は20日以上の相関で。
図4は同じ資産(米2年債利回り)の相関を、計算する日数だけ変えて3本描いたものです。灰色の5日相関は−1.00〜+1.00のほぼ全域を行き来しています。5日分しかないので、たまたま同じ方向に動けば+1、1日反対に動けば一気に崩れるためです。
実際、この記事を書いている時点の米2年債は、5日相関が−1.00です。しかし20日相関は−0.23、60日では−0.01でした。18資産全体でも、5日相関が±0.8を超えた日は20.7%あるのに、20日相関では1.7%しかありません。
ランキングページの「1週間」表示は、「今週たまたま連動した候補」を拾うためのものと割り切るのが安全です。また、相関は「同じ日に同じ方向へ動いたか」を測るだけで、どちらが先に動いたかは示しません。
この統計はドル円相関ランキングで毎日更新されます。18資産それぞれの5日・20日・60日相関と、相関の急変を知らせる自動分析も同じページで確認できます。
※本記事は過去データの集計結果を紹介するもので、投資助言ではありません。相関は期間や計算方法によって値が変わり、将来も同じ関係が続くとは限りません。売買の判断はご自身の責任でお願いします。

