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「米国の利上げ観測が強まると、ドル高・円安になりやすい」とよく言われます。このサイトのFOMC織り込みウォッチは、次のFOMCで利上げが決まる確率を毎日記録しています。2026年6月23日〜9月18日の62日で、確率が上がった日のドル円を確かめました(2026年9月21日執筆)。
用語メモ:
・「FOMC」は、米国の金融政策を決める会合です。この記事では、2026年10月28日の会合(発表は日本時間10月29日3時)を扱います。
・「利上げ確率」は、金利の先物の値段から逆算した数字です。市場が「次の会合で0.25%の利上げが決まる」とどれくらい見込んでいるかを表します。このサイトの簡易計算なので、海外の取引所が公表している確率とは数%ずれることがあります。
・「ポイント」は確率の差の単位です。30%から34%に上がれば+4ポイントです。
・ドル円の1日の値動きは、ニューヨーク時間17時(日本時間の翌朝6時)の価格どうしを比べました。日付は米国の日付で、62日は米国の金利の先物が取引された日の数です。
・10月FOMCの利上げ確率が上がった日に、ドル円は上がっていたか
・確率が大きく上がった日ほど、ドル円も大きく上がったのか
・利上げ確率だけを見ていると見落とす、ドル円の大きな動き
結論:利上げ確率が上がった日は、ドル円も上がった日が多めでした
図1: 10月FOMCの利上げ確率が前の日より上がった26日と、62日すべての、ドル円が上昇した日・下落した日の内訳(2026年6月23日〜9月18日・出典:FOMC織り込みウォッチ、Yahoo Finance 1時間足)
ひとことで言うと:10月FOMCの利上げ確率が前の日より上がった26日のうち、ドル円が上昇したのは18日(69.2%)。62日すべての56.5%より多めでした。
図1のとおり、10月FOMCの利上げ確率が前の日より上がった日は、62日のうち26日ありました。そのうちドル円が上昇したのは18日で、割合は69.2%です。
62日すべてで見ると、ドル円が上昇した日は35日(56.5%)でした。利上げ確率が上がった日のほうが、上昇した日の割合が約13ポイント高くなっています。
利上げ確率が上がった26日のドル円の値動きは、真ん中の値(中央値)で+21.0pipsでした。「利上げ観測が強まると円安」という通説は、向きについては7割ほどの日で当てはまっています。
確率が大きく上がった日ほど、ドル円も大きく上がったのか
図2: 利上げ確率が上がった26日を、確率の上がり幅が小さい順に並べたもの。棒はその日のドル円の値動き(2026年6月23日〜9月18日・出典:FOMC織り込みウォッチ、Yahoo Finance 1時間足)
ひとことで言うと:利上げ確率が6ポイント以上と大きく上がった4日は、ドル円の上昇2日・下落2日。確率が大きく上がった日ほどドル円も大きく上がる、という形にはなっていませんでした。
図2は、利上げ確率が上がった26日を、上がり幅の小さい順に左から並べたものです。右へ行くほど棒が高くなる、という形にはなっていません。
確率がいちばん大きく上がったのは2026年9月11日で、米CPI(消費者物価指数)の発表日でした。確率は+11.2ポイント上がりましたが、ドル円は−85.0pipsと下落しています。
前日の9月10日も確率が+8.8ポイントと大きく上がった日で、こちらのドル円は+90.3pipsでした。同じように確率が大きく上がっても、ドル円の向きは日によって分かれています。
| 確率の上がり幅 | 日数 | ドル円が上昇した日 | ドル円の値動き(真ん中の値) | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 約+2ポイント | 16日 | 12日(75.0%) | +17.2pips | 上昇した日の割合がいちばん高い |
| +4.4ポイント | 6日 | 4日(66.7%) | +33.1pips | 2026年7月31日は−212.2pips |
| +6ポイント以上 | 4日 | 2日(50.0%) | +19.7pips | 上昇2日・下落2日で半々 |
| 26日の合計 | 26日 | 18日(69.2%) | +21.0pips | 62日すべてでは56.5% |
出典:FOMC織り込みウォッチ(FF金利先物からの簡易計算)、Yahoo Finance ドル円1時間足(2026年9月21日集計)。上がり幅の「約+2ポイント」は+2.0〜+2.4ポイントの日です。
表のとおり、ドル円が上昇した日の割合がいちばん高いのは、確率が約2ポイントだけ上がった日でした。確率の上がり幅と、ドル円の値動きの大きさは、ほとんど比例していません。
3か月を通して見ると、確率は上がったのにドル円は下がっていました
図3: 上がドル円(ニューヨーク時間17時の価格)、下が10月FOMCの利上げ確率。▲は確率が前の日より上がった26日、緑の点線はFOMCの結果発表日(2026年6月22日〜9月18日・出典:FOMC織り込みウォッチ、Yahoo Finance 1時間足)
ひとことで言うと:10月FOMCの利上げ確率は、3か月で30.8%から57.6%へ上がりました。同じ期間にドル円は161円台から156円台へ下がっています。
図3の上の線がドル円、下の線が10月FOMCの利上げ確率です。▲は、確率が前の日より上がった26日を示しています。
利上げ確率は、2026年6月22日の30.8%から9月18日の57.6%まで上がりました。とくに9月10日から後の上がり方が目立ちます。
一方のドル円は、同じ期間に161.52円から156.85円へ、約4.7円下がりました。▲の日に少しずつ上がった分より、7月の終わりと9月の初めの下げのほうが大きかった形です。
なお、2026年9月16日のFOMCでは0.25%の利上げが決まりました。この日の10月会合の利上げ確率は、+2.4ポイントの小さな上昇でした。
注意点:ドル円が大きく動いた日は、利上げ確率がほとんど動いていません
図4: 62日のうち、ドル円が1日で100pips以上動いた9日。右の列は、その日の10月FOMCの利上げ確率の変化(2026年6月23日〜9月18日・出典:FOMC織り込みウォッチ、Yahoo Finance 1時間足)
ひとことで言うと:ドル円が1日で100pips以上動いた日は、62日のうち9日。そのうち8日は、利上げ確率の変化が2.4ポイント以下でした。
図4は、62日のうちドル円が1日で100pips以上動いた9日です。いちばん大きく動いたのは2026年7月30日の−385.4pipsですが、この日の利上げ確率は前の日と同じでした。
9日のうち4日は、利上げ確率の変化がゼロです。残りの5日も、変化は大きくて4.4ポイントでした。
つまり、ドル円の大きな動きは、米国の利上げ確率の変化では説明できないものでした。
使い方としては、利上げ確率は「その日の向きの参考」くらいに見るのがよさそうです。大きく動く日を教えてくれる数字ではありませんでした。
集計の限界もあります。対象は62日と少なく、会合も2026年10月の1回分だけです。利上げ確率はこのサイトの簡易計算で、時期が変われば結果も変わる可能性があります。
ちなみに、利上げ確率が下がった日は22日あり、ドル円が上昇したのは8日(36.4%)でした。確率が変わらなかった14日は、上昇9日・下落5日です。
利上げ確率はFOMC織り込みウォッチで毎時更新しています。確率を動かしやすい米国の指標は経済指標データベースで、発表の予定はFXイベントカレンダーで確認できます。
本記事は過去データの集計結果を紹介するもので、投資助言ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。

