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「前日高値を抜けたら買い」「キリのいい数字を割ったら売り」。ブレイクを追いかける戦い方は、FXの入門書に必ず出てきます。ただ、抜けた後に本当に伸びるのかを数えた人は、あまりいません。このサイトの今日の値動きマップが1時間足2年分で自動集計しているレベル到達の記録を使い、2026年9月4日時点で確かめました。
用語メモ:この記事の「順行幅」は、レベルを抜けた向きにレートが伸びた最大の幅です。「ダマシ」は、抜けた向きに20pips伸びる前に、レベルから20pips押し戻された回を指します。nは集計した回数、中央値は数字を小さい順に並べたときの真ん中の値です。
・ドル円が主要レベルを抜けた後に20pips伸びた割合は26.1%(2024年9月〜2026年9月・1,793回)
・伸びなかった回はほぼその場で止まり、伸びた回は平均72.3pipsまで走っていた
・同じレベル抜けでも、ニューヨーク時間はダマシの割合が高かった
結論:レベルを抜けても、4回に3回は20pips伸びる前に押し戻されていました
図1: レベル種類別の到達後の成績(ドル円1時間足・2024年9月4日〜2026年9月4日/出典: 今日の値動きマップ)
ひとことで言うと:どの種類のレベルでも、抜けた後に20pips伸びた回は2〜3割でした。
8種類のレベルへの到達は、2年で合計1,793回ありました。そのうち20pips伸びた回は26.1%、残りの73.2%はダマシに終わっています。
図1で青い棒が最も長いのは、東京時間(午前8時〜午後3時)の高値安値を抜けたケースです。上抜けで32.8%、下抜けで32.1%が20pipsまで伸びました。
逆に最も短いのは、00のつくラウンドナンバーへの到達で18.3%です。「キリのいい数字は壁になる」という相場の言い伝えは、この2年の数字とも向きが合っています。
| レベルの種類 | 到達した回数 | 20pips伸びた割合 | ダマシの割合 | 平均の順行幅 |
|---|---|---|---|---|
| 東京レンジ 上抜け | 271回 | 32.8% | 66.1% | 24.7 pips |
| 東京レンジ 下抜け | 234回 | 32.1% | 67.9% | 28.4 pips |
| 前日高値 上抜け | 271回 | 29.9% | 68.3% | 22.8 pips |
| 前週高値 上抜け | 60回 | 28.3% | 68.3% | 23.2 pips |
| 前週安値 下抜け | 41回 | 26.8% | 73.2% | 23.5 pips |
| 前日安値 下抜け | 214回 | 25.2% | 74.3% | 22.4 pips |
| ラウンドナンバー(50)到達 | 347回 | 21.9% | 77.8% | 15.1 pips |
| ラウンドナンバー(00)到達 | 355回 | 18.3% | 81.7% | 14.3 pips |
出典: 今日の値動きマップ(レベルブレイク統計・ドル円1時間足2年/2026年9月4日9時25分時点)。ダマシ=20pips伸びる前に20pips逆行した回の割合。順行幅=レベルから抜けた向きに伸びた最大の幅。
図2: 到達後の最大の順行幅の分布(ドル円1時間足・2024年9月4日〜2026年9月4日・n=1,793回)
ひとことで言うと:「ほとんど伸びない回」と「大きく走る回」の両極に分かれ、中間がほとんどありませんでした。
図2で目立つのは左端の棒です。レベルから5pipsも伸びずに終わった回が60.1%を占めています。その一方で、右端の50pips以上まで走った回も14.6%ありました。
20pipsに届かなかった1,323回の順行幅は、平均でわずか2.4pipsです。届いた470回は平均72.3pips、中央値でも55.4pipsまで伸びていました。
全体の平均は20.7pipsですが、中央値は0.0pipsです。平均が中央値からここまで離れるのは、少数の大きく走った回が平均を引き上げているためです。
実際のチャートで見る(2026年8月4日〜9月4日の23回)
図3: ドル円1時間足と前日高値・前日安値の抜け23回(2026年8月4日〜9月4日9時台/レートはYahoo Finance)
ひとことで言うと:2026年8月4日からの1ヶ月では、抜けた23回のうち20pips以上伸びたのは7回でした。
図3の三角は、前日高値の上抜け(▲)と前日安値の下抜け(▼)が起きた場所です。橙はダマシ、青はその後20pips以上伸びた回を示しています。
2026年8月4日から9月4日9時台までの23回のうち、20pips以上伸びたのは7回(30.4%)でした。2年全体の前日高安(27.9%)とほぼ同じ割合で、1ヶ月だけ特別だったわけではありません。
橙の三角が並ぶ中で、青の回は大きく動いています。2026年8月19日午後1時の前日安値割れは126.9pips、8月10日午後5時の前日高値抜けは80.1pipsまで伸びました。
同じレベル抜けでも、時間帯によって成績が違いました
図4: 到達した時間帯別のダマシの割合と平均の順行幅(ドル円1時間足・2024年9月4日〜2026年9月4日)
ひとことで言うと:1日で最も動くニューヨーク時間ほど、抜けた後に押し戻される割合が高くなっていました。
前日高値・前日安値の抜けを時間帯で分けると、東京時間(午前8時〜午後3時)のダマシは67.4%(273回)でした。ニューヨーク時間(午後9時〜午前6時)では78.1%(114回)に上がります。
ラウンドナンバー到達も同じ向きです。東京時間の76.1%に対し、ニューヨーク時間は83.1%でした。平均の順行幅も17.5pipsから12.8pipsに縮んでいます。
ニューヨーク時間は1日で最も値幅が出る時間帯です(午後9時台の平均37pips)。それでもブレイクの成績が落ちるのは、指標発表で上下に振られてから方向が決まる展開が多いためと考えられます。
注意点と使い方
図5: 2026年9月3日午後9時47分に155.50円へ到達した後の1分足(出典: 今日の値動きマップ)
ひとことで言うと:1時間足の統計では、到達直後の数分に何が起きたかまでは見えません。
図5は2026年9月3日午後9時47分、ドル円が155.50円まで下げて到達した場面の1分足です。抜けた向き(下)に伸びた幅は1分後で−0.9pips、15分後で−7.0pipsと、むしろ上に戻されていました。
この記事の統計は1時間足で判定しているため、こうした数分単位の初動は含まれていません。1分足での初動反応は2026年8月21日から別途蓄積を始めたばかりで、2026年9月4日時点では35件です。
集計期間にも偏りがあります。2024年9月4日からの2年は円安が進んだ局面が多く、前週高値・前週安値の抜けは60回・41回と回数が少なめです。回数の少ない行は、数字のブレも大きいと考えてください。
判定のルールも固定です。「20pips伸びる前に20pips逆行」という基準を10pipsや30pipsに変えれば、割合は変わります。数字そのものより、レベルの種類や時間帯でどちら向きに差が出るかを見るのが実用的です。
ドル円は2026年9月3日に約367pipsの大きな下げとなり、9月4日も午前9時台までに88.5pipsの値幅が出ています(20日平均は107.2pips)。レベルへの到達が増える局面ですので、実際の到達状況は今日の値動きマップで毎時更新しています。
本記事は2026年9月4日時点の公開データをもとにした統計の紹介であり、将来の値動きを保証するものではありません。投資助言ではなく、売買の判断はご自身の責任でお願いします。

