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「仲値の直前は値が飛ぶ」「ゴトー日の仲値前はドル円が上がる」。朝9時台のトレードで、よく聞く話です。この記事では、当サイトが毎日自動で蓄積している仲値・時間帯アノマリー統計の1分足を使いました。仲値(9:55)の前後で「1分あたりどれくらい動くのか」「向きは決まっているのか」を検証します。
・仲値の直前1分(9:54〜9:55)は、ふつうの1分と比べて何倍動くのか
・仲値の直前5分・直後5分の向きは、ゴトー日と通常日で違うのか
・2026年9月18日(ゴトー日)の1分足で、実際の仲値前後はどう動いたか
集計は2026年8月13日〜9月18日の27営業日(ゴトー日8日・通常日18日・月末1日)です。仲値とは、銀行がその日の外貨両替の基準にするレートで、日本時間9:55に決まります。
ゴトー日は5日・10日など、5の倍数の日のことです。企業の支払いが集まる日なので、仲値に向けてドルが買われやすいと言われています。月末の1日(8月31日)は、ゴトー日と通常日の比較からは外しています。
結論:仲値の直前1分は平均5.4pips動き、ふつうの1分の約1.6倍でした
図1: 1分ごとの値幅(その1分の高値−安値)の平均。2026年8月13日〜9月18日の27営業日、日本時間9:40〜10:10(出典: hiro-fx.com 仲値・時間帯アノマリー統計)
ひとことで言うと:9:54〜9:55の1分だけ値幅が飛び出ています。平均5.4pipsで、朝の取引開始直後(9:00〜9:01)と並ぶ、9時台でいちばん動く1分でした。
図1は、仲値の前後30分について「1分ごとにどれだけ動いたか」を棒にしたものです。値幅とは、その1分の高値と安値の差のことです。仲値の直前1分(オレンジ色の棒)だけが、まわりの棒より頭ひとつ高くなっています。
ふつうの1分の平均は3.4pipsでした(9:05〜10:30のうち、仲値前後10分を除いた平均)。それに対して9:54〜9:55の1分は平均5.4pipsで、約1.6倍です。
27営業日のうち15日で5pips以上動き、いちばん大きい日は9.0pipsでした。1分でこれだけ動くと、注文した値と実際に成立した値がずれやすくなります。
動きが増えるのは仲値の2分前(9:53)からです。9:53の1分が5.1pips、9:55からの1分が4.8pipsで、9:56以降はすぐにふつうの水準へ戻っています。
検証の中身:直前5分の向きは、ゴトー日でも五分五分でした
図2: 各時刻の価格から9:55の価格を引いた値の平均。ゴトー日8日・通常日18日、2026年8月13日〜9月18日(出典: hiro-fx.com 仲値・時間帯アノマリー統計)
ひとことで言うと:値幅は大きいのに、向きは決まっていません。9:50→9:55はゴトー日で上昇4日・下落4日、通常日で上昇8日・下落10日でした。
図2は、仲値の価格を0として「その前後で平均的にどの位置にいたか」を線にしたものです。ゴトー日(オレンジの線)は9:40〜9:50ごろに仲値よりやや高い位置にいて、9:50以降はほぼ0のまま仲値を迎えています。仲値に向けて一直線に上がる形にはなっていません。
| 区間(日本時間) | ゴトー日 平均 | ゴトー日 上昇した日 | 通常日 平均 | 通常日 上昇した日 |
|---|---|---|---|---|
| 9:45→9:50 | −1.3 | 2日 / 8日 | +0.4 | 12日 / 18日 |
| 9:50→9:55(直前5分) | +0.1 | 4日 / 8日 | +0.1 | 8日 / 18日 |
| 9:55→10:00(直後5分) | +2.5 | 6日 / 8日 | +0.9 | 10日 / 18日 |
| 10:00→10:05 | +1.1 | 4日 / 8日 | +1.4 | 11日 / 18日 |
出典: hiro-fx.com 仲値・時間帯アノマリー統計(1分足)。2026年8月13日〜9月18日、ゴトー日8日・通常日18日。平均の単位はpips。2026年9月22日時点の集計。
表の「直前5分」を見ると、ゴトー日の平均は+0.1pips、通常日も+0.1pipsで、どちらもほぼ0です。上昇した日と下落した日がほぼ半々なので、「直前5分は上がる」とは言えない結果でした。
いっぽう「直後5分」は、ゴトー日で平均+2.5pips(上昇6日・下落2日)でした。仲値が決まるとドル買いが止まって下がる、という通説とは逆の向きです。ただしゴトー日は8日しかないので、この向きは参考程度に見ておくのが無難です。
実際のチャートで見る:2026年9月18日(ゴトー日)の仲値前後
図3: 2026年9月18日(金・ゴトー日)のドル円1分足、日本時間9:30〜10:20。網掛けは9:50〜10:00(出典: hiro-fx.com 仲値・時間帯アノマリー統計・Yahoo 1分足)
ひとことで言うと:網掛けの10分だけ、1本1本の足が上下に長くなっています。値幅は増えても、上と下に行ったり来たりで、方向は出ていません。
図3は、集計期間の最後のゴトー日だった2026年9月18日の1分足です。9:50〜10:00(網掛け)は足のヒゲ(1分の中で行って戻った跡)が長く、1分の中で上下に振れているのがわかります。この日の9:50→9:55は−1.7pips、9:55→10:00は−4.4pipsで、仲値に向けた上昇はありませんでした。
ゴトー日の仲値は「上がる」イメージで語られがちですが、1分足で見ると、上下に大きく振れる時間帯というほうが実態に近いです。値幅が大きい時間は、スプレッド(買値と売値の差)が広がりやすい時間でもあります。
注意点:ゴトー日は8日だけ。値幅の話と向きの話を分けて読む
図4: 2026年8月10日〜9月18日のドル円日足終値と、1分足を集計したゴトー日(▼8日)。出典: Yahoo Finance
ひとことで言うと:1分足がそろっているのは27営業日で、ゴトー日は8日しかありません。「値幅が大きい」は毎日ほぼ同じ形で出ていますが、「向き」はまだ日数が足りません。
図4のとおり、この期間のドル円は2026年9月上旬に160円近くから153円台まで急落し、その後156円台へ戻す流れでした。全体として上がりにくい流れだったことが、ゴトー日の仲値前の「上昇なし」に影響した可能性があります。ゴトー日8日は、傾向を言い切るには少ない日数です。
いっぽう「仲値の直前1分は動く」のほうは、ゴトー日でも通常日でも同じ形で出ています。ゴトー日の9:54〜9:55は平均5.6pips、通常日は5.3pipsでした。こちらは日数が少なくても、同じ形がくり返し出ている結果です。
補足として、5分足でさかのぼれる2026年6月17日〜9月18日の66営業日でも確かめました。ゴトー日18日の9:50→9:55は平均−1.3pips(上昇10日)、通常日45日は平均−0.4pips(上昇21日)でした。直前5分に向きがないのは、長い期間で見ても同じです。
使い方としては、9:53〜9:56の3分間は「値幅が急に増える時間」と割り切るのが現実的です。この3分は、注文した値と実際に成立した値がずれやすい時間です。新規の注文を控える、決済は9:53より前に済ませる、といった判断材料に使えます。
この統計は仲値・時間帯アノマリー統計のページで毎日自動更新されます。1分足は直近90日分だけ保存する仕組みなので、日数がたまるごとにゴトー日の集計も増えていきます。2026年9月25日(金)と30日(水)が、この記事のあと最初のゴトー日と月末です。
用語メモ
仲値:銀行が日本時間9:55に決める、その日の外貨両替の基準レート。
ゴトー日:5日・10日・15日・20日・25日・30日(末日)。休日のときは直前の営業日。
値幅:その1分の高値と安値の差。1pipsはドル円で0.01円。
1分足:1分ごとの始値・高値・安値・終値をまとめたローソク足。
本記事は2026年9月22日時点の集計にもとづく情報提供であり、投資助言ではありません。取引の判断はご自身の責任でお願いします。
