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- 投資詐欺は、なぜ最初だけ利益が出たり出金できたりするの?
- 「月利◯%」「年利◯%」はどこから怪しい?元本保証は本当?
- FXや自動売買(EA)をうたう投資詐欺の手口は?
- 金融庁の登録はどうやって確かめる?要注意ワードは?
投資詐欺では、最初だけ配当が振り込まれたり、少額の出金ができたりすることがよくあります。後から入った人のお金を、先に入った人への配当に回しているためで、この仕組みを「ポンジ・スキーム」といいます。この記事では、当サイトが集計したドル円と個人のFX口座の実績、警察庁と金融庁の資料をもとに解説します。「月利◯%」「元本保証」がなぜありえないのかと、詐欺の見破り方が分かります。
投資詐欺で「最初だけ」利益が出る・出金できるのはなぜ?
図: ポンジ・スキームの流れ(hiro-fx.com作成)
ポンジ・スキームとは、「運用で増やす」と言ってお金を集めながら、実際には運用しない詐欺の仕組みです。後から入った人のお金を、先に入った人への配当に回します。1920年ごろにアメリカで、チャールズ・ポンジという人物がこの方法で大金を集めたことから、この名前で呼ばれています。
新しいお金が入り続けている間は、配当も出金も約束どおりに払えます。だから最初のうちは「本当に増えた」「ちゃんと出金できた」と感じ、追加でお金を入れたり、知人を紹介したりしてしまいます。
「出金できた」は本物の証拠にならない
図: 「月利5%」をうたうポンジ・スキームの計算例(仮の数字。新しい入金は1か月目100万円から12か月目まで月10%ずつ増え、その後は月20%ずつ減る。出資者の3割が毎月配当を出金し、運営者が入金の1割を抜くと仮定・hiro-fx.com作成)
図は、「月利5%」をうたうポンジ・スキームを仮の数字で計算したものです。入金の合計が増えなくなってからも、出金する人が一部だけなら、手元の現金はしばらく残ります。この例では44か月目まで出金に応じられ、そこで現金が尽きました。
つまり、数か月から数年のあいだ出金できていても、本物の投資だという証拠にはなりません。むしろ「出金できたから」と追加でお金を入れた直後に、出金が止まる被害が多く見られます。
「月利◯%」「年利◯%」はどこから怪しい?複利で計算
| うたい文句 | 1年後 | 3年後 | 5年後 | 100万円が5年後に |
|---|---|---|---|---|
| 月利1% | 1.1倍 | 1.4倍 | 1.8倍 | 182万円 |
| 月利3% | 1.4倍 | 2.9倍 | 5.9倍 | 589万円 |
| 月利5% | 1.8倍 | 5.8倍 | 18.7倍 | 1,868万円 |
| 月利10% | 3.1倍 | 30.9倍 | 304倍 | 3.0億円 |
| 月利20% | 8.9倍 | 709倍 | 56,348倍 | 563.5億円 |
※毎月の利益をすべて元本に加えた(複利)場合の計算(hiro-fx.com作成)
投資詐欺でよく使われるのが「月利3%」「月利10%」のような、月単位の利回りです。年利に比べて小さく聞こえますが、毎月の利益を元本に加えると、月利3%は1年で約1.4倍、月利10%は1年で約3.1倍になります。月利10%を5年続けると約304倍で、100万円が3.0億円になる計算です。
比べる目安として、日本の10年国債の利回りは2026年10月2日時点で年3.09%です(当サイトの日米金利差ウォッチ)。国が借りるときの金利が年3%台なのに、「月3%」「月10%」を確実に払える運用は考えにくいでしょう。
年利で言われたときの見方
「年利20%」「年利30%」のように年単位で言われた場合も、「元本保証」や「毎月必ず配当」とセットなら疑ってください。高い利回りが出る投資は、そのぶん損をする年もあります。高い利回りと元本保証が両立すると言われたら、詐欺の典型的な特徴です。
【データ】ドル円とFX口座の実績で見る「毎月必ずプラス」のありえなさ
図: 預託金が増えた個人のFX口座の割合(金融先物取引業協会の四半期統計をもとにhiro-fx.comが集計・2015年度1Q(4〜6月)〜2026年度1Q(4〜6月))
金融先物取引業協会は、国内の個人のFX口座のうち、3か月で預託金(口座のお金)が増えた口座の割合を公表しています。2015年度1Q(4〜6月)から2026年度1Q(4〜6月)の45四半期では、平均44.8%でした。最も多い四半期でも60.8%で、半分を超えたのは15回だけです。
| 比べるもの | 期間 | プラスだった割合 | 続いた最長 |
|---|---|---|---|
| ドル円の値動き(買って1か月持った場合) | 2005年1月〜2026年9月(261か月) | 51.3%の月 | 8か月 |
| 勝率94%のナンピンEA(当サイトの計算) | 同上 | 57.1%の月 | 8か月 |
| 個人のFX口座(協会の統計) | 2015年度1〜2026年度1(45四半期) | 平均44.8%の口座 | — |
| 投資詐欺のうたい文句 | — | 毎月100% | ずっと |
※ドル円はDukascopy社の日足で、月初の始値と月末の終値を比べた。ナンピンEAはドル円1時間足で、ナンピン幅0.5円・最大5本・損切りありの買いを動かした計算の月ごとの損益。協会の統計は金融先物取引業協会の「預託金が増えた口座の割合」(hiro-fx.comの集計)
相場そのものも、毎月上がり続けることはありません。ドル円を月初に買って月末に売った場合、2005年1月〜2026年9月の261か月でプラスだったのは51.3%の月でした。プラスが続いたのは最長8か月で、12か月すべてプラスだった年は1回もありません。
当サイトがドル円で計算した勝率94%のナンピンEA(自動売買)でも、月ごとの損益がプラスだった月は57.1%でした。「毎月必ず配当」「負けなし」は、実際の相場と実際の投資家の結果から見て、ありえない数字だと分かります。
「元本保証」「配当保証」をうたう投資は法律で禁じられている
| 法律 | 決まりの中身(要約) | 詐欺の見分け方 |
|---|---|---|
| 出資法 第1条 | 不特定多数の人から、元本を全額返すと約束してお金を集めてはいけない | 「元本保証」で出資を集める話は、それだけで違法の疑い |
| 金融商品取引法 第39条 | 登録業者でも、損失の穴埋めや利益の上乗せを約束してはいけない | 正規の業者は「損はさせない」と約束できない |
| 金融商品取引法 第29条 | FXや投資の勧誘・運用を仕事にするには登録が必要 | 金融庁の登録業者一覧に名前がない業者とは取引しない |
※条文は要約。出典: e-Gov法令検索(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律、金融商品取引法)
「元本保証」で不特定多数の人からお金を集めることは、出資法で禁じられています。また、金融庁に登録した正規の業者でも、「損をしたら穴埋めします」「利益を上乗せします」と約束することはできません。金融商品取引法で禁じられています。
つまり、投資の勧誘で「元本保証」「損はさせない」と言われた時点で、まともな業者ではない可能性が高いと考えられます。銀行の預金のように元本が守られる商品は、FXや株のような値動きのある投資とは別のものです。
FX・EA・自動売買をうたう投資詐欺の手口
| よくある手口 | 入口の例 | どこがおかしいか |
|---|---|---|
| お金を預かってFXで運用 | 「プロが運用、月利5%を配当」 | 他人のお金の運用には登録が必要。月利5%は1年で約1.8倍 |
| 高額な自動売買ソフト(EA) | 「勝率99%のAI自動売買を50万円で」 | 勝率だけで損の大きさが分からない。高すぎる値段 |
| 偽の取引アプリ・偽サイト | 「この口座で一緒にFXしよう」 | 画面の利益は数字だけ。出金しようとすると止められる |
| 出金に追加のお金を請求 | 「出金には税金・手数料を先に払って」 | 本物の業者は利益から差し引く。先払いを求めない |
| 海外の無登録業者に口座を作らせる | 「紹介した口座で取引すると特典」 | 日本で登録のない業者は、トラブル時に守られにくい |
※警察庁・金融庁の注意喚起の内容をもとにhiro-fx.com作成
FXは「少ない資金で大きく取引できる」「24時間動く」という特徴から、投資詐欺の題材に使われやすい分野です。特に多いのが、「プロが運用するのでお金を預けて」「AIの自動売買で毎月配当」という勧誘です。他人のお金を集めて運用するには金融商品取引業の登録が必要で、個人が勝手にできることではありません。
自動売買ソフト(EA)を高額で売る手口もあります。EAそのものは、MT4などの取引ソフトで多くの人が使っている仕組みです。ただし、「勝率99%」の宣伝だけでは、負けたときの損の大きさは分かりません。EAの仕組みと自作の現実はFXのEA自作は儲かる?で解説しています。
警察庁によると、2025年のSNS型投資詐欺は9,523件・被害額1,288.0億円で、既遂1件あたりの被害額は1,358.2万円でした。著名人の画像を無断で使った広告に「必ずもうかる」「元本保証」などの文言が含まれる例も確認されています。
投資詐欺を見破る要注意ワードと、金融庁の登録の確かめ方
図: 投資詐欺を見破るための要注意ワード(警察庁・金融庁の注意喚起をもとにhiro-fx.com作成)
金融庁の登録を確かめる手順
- 勧誘してきた会社の正式な名前・住所・電話番号を聞く(答えない時点で取引しない)
- 金融庁のサイトの「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で、金融商品取引業者として名前があるか調べる
- 金融庁の「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」(警告を出した業者の一覧)に名前がないか調べる
- 一覧の名前と、相手のサイトの住所・電話番号が同じか確かめる(実在の会社の名前をかたる手口があるため)
警告の一覧に載っていないからといって、安全とは限りません。金融庁も、掲載されていない業者が無登録で営業している可能性があると注意しています。登録業者の一覧に名前がない業者とは取引しないのが基本です。
お金を入れてしまったときの注意点と相談先
| 困っていること | 相談先 | 電話 |
|---|---|---|
| 詐欺かどうか分からない・業者の登録を確かめたい | 金融庁 金融サービス利用者相談室(詐欺的な投資に関する相談ダイヤル) | 0570-050588 |
| お金をだまし取られた・被害届を出したい | 警察相談専用電話(最寄りの警察署) | #9110 |
| 契約や解約のトラブル | 消費者ホットライン(近くの消費生活センター) | 188 |
| 無登録業者の情報を知らせたい | 証券取引等監視委員会 情報提供窓口 | 0570-00-3581 |
※2026年10月4日時点。金融庁・警察庁・消費者庁の案内をもとにhiro-fx.com作成
すでにお金を入れてしまった場合は、それ以上追加で振り込まないことが最優先です。「出金するには税金が必要」「手数料を先に払えば出金できる」と言われても払わず、上の窓口に相談してください。やりとりの画面、振込の記録、相手の口座番号は消さずに残しておきます。
被害にあった人に「お金を取り戻します」と近づく、別の詐欺(二次被害)もあります。返金をうたう業者に費用を払う前に、警察や消費生活センターに相談するのが安全です。
よくある質問
Q1. 少額の出金が何度もできています。それでも詐欺の可能性はありますか?
A. あります。ポンジ・スキームでは、信用させるために少額の出金にはわざと応じます。出金できたことよりも、相手が金融庁の登録業者か、「元本保証」「毎月必ず配当」と言っていないかで判断してください。
Q2. 月利何%までなら安全ですか?
A. 「この利回りなら安全」という線はありません。投資の利回りは、相場によってマイナスにもなります。利回りの数字よりも、「保証」「必ず」と言っているかどうかが大事な見分け方です。
Q3. 家族が高利回りの投資にお金を入れています。どう話せばいいですか?
A. 本人は「出金できている」ことを根拠に信じていることが多いので、否定から入るより、一緒に金融庁の登録業者一覧を調べる方法があります。名前がなければ、金融庁の相談ダイヤルや消費生活センターに一緒に相談すると、第三者の意見として受け入れやすくなります。
Q4. 海外のFX業者は全部詐欺ですか?
A. 全部が詐欺というわけではありません。ただし、日本の金融庁に登録していない業者が日本の人を勧誘することは認められておらず、トラブルが起きても日本の制度では守られにくくなります。金融庁も、無登録業者との取引は高リスクだと注意しています。
まとめ:最初だけ出金できても、高利回りと元本保証は疑う
- 投資詐欺で最初だけ配当や出金ができるのは、後から入った人のお金を回すポンジ・スキームだから
- 月利3%は1年で約1.4倍、月利10%は1年で約3.1倍。日本の10年国債の利回りは年3.09%(2026年10月2日時点)
- 預託金が増えた個人のFX口座は四半期平均44.8%。ドル円を1か月持ってプラスだった月は51.3%で、毎月必ずプラスはありえない
- 「元本保証」での出資の募集は出資法で、損失の穴埋めの約束は金融商品取引法で禁じられている
- お金を入れる前に、金融庁の登録業者一覧で名前を確かめる。入れてしまったら追加で払わず、相談窓口へ
国内の個人投資家がどれくらい勝っているかはFXトレーダー・データベースで毎週更新しています。
※この記事の情報は2026年10月4日時点のものです。データは、金融先物取引業協会の四半期統計、Dukascopy社のドル円日足・1時間足をもとにhiro-fx.comが集計したものです。主な出典: 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」、金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」「無登録業者との取引は要注意!!」、e-Gov法令検索(出資法・金融商品取引法)。この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法律相談や投資助言ではありません。具体的な被害については、記事内の相談窓口にご相談ください。

